REDSエージェント、宅建士の中石です。今回は、価格上昇が続く首都圏のマンション市場で、どのような条件で探せば「資産性の高いマンション」を選びやすいのかを解説します。
新築マンションの価格が高騰する一方で、すべての新築マンションが高い資産性を備えているとは限りません。そこで、首都圏の新築マンション価格と供給戸数の推移を振り返りながら、2026年現在、資産性の観点から注目したい中古マンションについて考えてみます。

(写真はイメージです)
首都圏の新築マンション価格が高騰する中で考えたい「資産性」
2026年7月度の不動産経済研究所の発表によると、首都圏の新築分譲マンションの1戸当たり平均価格は1億6,493万円、1㎡当たりの単価は236.9万円となっています。単純計算すると、平均価格1億6,493万円を1㎡当たり236.9万円で割った専有面積は約69.6㎡です。ただし、月次の平均価格は発売物件の構成によって大きく変動するため、単月の数字だけで市場全体を判断しないことも大切です。
首都圏の新築マンションは、多くの世帯にとって購入のハードルが高い価格帯になってきました。では、価格がこれほど高騰しているのであれば、それに見合うだけの「資産性の高いマンション」が供給されているのでしょうか。
私自身は、必ずしもそうとは言えないと考えています。現在販売されている新築マンションでは、販売価格とのバランスを取るため、1戸当たりの専有面積をコンパクトにする例も見られます。さらに、建築コストが上昇する中、価格とのバランスを取るため、仕様や工法を見直す例もあります。
- エントランスロビーやラウンジ、植栽などのデザインや規模を簡素化
- バルコニーにコンクリート腰壁を設けず、ガラスパネルを採用
- 外壁タイルを一部省略
- 外階段の仕様を見直すなど、目につきにくい部分で工法や建材を変更
もちろん、こうした工夫によって販売価格を抑えることには一定のメリットがあります。しかし、一度建築されたマンションの仕様を、後から改修工事で大幅に変更するのは容易ではありません。特にマンションは共用部分が区分所有者全体の共有財産となるため、個人の判断だけで共用部を変更することもできません。
そのため、購入時点で建物の仕様や共用部の質を見極めることが、マンションの資産性を考えるうえで重要になります。近年の新築分譲マンションは価格が大幅に上昇する一方、建物の仕様が価格上昇と同じ幅で向上しているとは限りません。物件ごとに内容を確認することが重要だと考えています。
首都圏の新築マンション価格と供給戸数はどう変化した?
首都圏のマンション市場を考えるうえで、過去の価格と供給戸数の推移を確認してみましょう。
不動産経済研究所では、民間分譲マンションの調査を開始した1973年から、最新の調査までの首都圏新築分譲マンションの供給動向を公開しています。
1973年、首都圏の新築分譲マンションは3万7382戸、平均価格1,185万円でした。その後、1970年代後半から供給戸数は徐々に増加し、1980年代前半には供給戸数が5万戸台前半、平均価格は2,500万円程度まで上昇します。
バブル期にはマンション価格が急騰
その後、平成期のバブル景気を迎えると、マンション価格は急激に上昇します。平均価格は1990年に6,123万円でピークを迎えました。一方、価格が上昇するにつれて供給戸数は減少し、1991年には2万6422戸と、1980年代前半から半減する水準となりました。
その後の十数年間は、バブル期に急上昇したマンション価格の下落が続きます。1991年に6,123万円だった平均価格は、2002年には4,003万円となり、ピーク時から4割弱下落しました。
2000年前後には「マンションブーム」が到来
マンション価格が下落する一方で、2000年前後をピークに首都圏では新築マンションの供給が活発になります。都心部や湾岸エリアでも大規模プロジェクトが相次ぎ、いわゆる「マンションブーム」と呼ばれる状況になりました。当時は、バブル崩壊後の地価下落や企業による遊休地の売却などを背景に、マンション建設に適した土地の供給が増加しました。
さらに建築費も比較的低い水準で推移していたため、デベロッパーはコスト面の余力を確保しやすく、マンションの仕様や共用部のデザインに力を入れやすい環境にありました。
首都圏の新築マンション供給戸数は2000年に9万5635戸と過去最高を記録し、平均価格は2000年代前半まで4,100万円前後で推移します。
2005~2008年の「ミニバブル」とリーマン・ショック
変化が見え始めたのは2005~2006年頃です。当時は「ミニバブル」と呼ばれるマンション価格の高騰期を迎えました。世界的な景気拡大や金融環境などを背景に、2000年代前半に4,100万円前後だった平均価格は、2008年には4,775万円まで上昇しました。
一方、2000年に9万5635戸あった供給戸数は大きく減少し、2008年には4万3733戸、2009年には3万6776戸となりました。そして、2008年9月に発生したリーマン・ショックによって、マンション市場は大きな転換点を迎えます。
2008~2009年の首都圏新築マンション市場は厳しい状況となり、新興デベロッパーの中には経営破綻に至る企業もありました。その後、分譲マンション市場では、経営基盤の強い大手デベロッパーなどの存在感が高まっていきました。
2013~2014年を境にマンション市場は再び変化
2010年代前半になると、供給戸数は徐々に回復します。2013年には5万6478戸まで増加し、平均価格も年々緩やかに上昇しました。しかし2014年には平均価格が5,060万円となり、平成バブル期以降、20年以上ぶりに5,000万円の大台を突破します。この2013~2014年頃が、首都圏の新築マンション市場における一つの大きな節目だったと考えられます。
その後、供給戸数は徐々に減少しました。2021年には一時的に3万3636戸まで回復したものの、それ以降は3万戸を下回り、2025年は2万1962戸と、データが残る1973年以降で最少となりました。
一方、供給戸数が減少する中で、新築マンションの平均価格は大きく上昇しています。建築資材や人件費の高騰による建築コストの上昇、用地取得競争による土地価格の上昇に加え、高額物件への需要や投資需要なども価格に影響していると考えられます。平均価格は2022年の6,288万円から、2023年には8,101万円、2025年には9,182万円まで上昇し、1億円に迫る水準となっています。
つまり現在の首都圏マンション市場は、「新築マンションの供給戸数が減少する一方で、価格は大幅に上昇している」という状況にあります。
資産性を重視するなら2009~2014年築の中古マンションにも注目
では、これからマンションを購入する方が、資産性の高い物件を探すには、どのような選択肢が考えられるのでしょうか。
私が注目しているのが、「過去に建築された良質なマンションを中古で購入する」という選択肢です。特に注目したいのが、2009~2014年に新築分譲されたマンションです。
前述した首都圏のマンション供給戸数・平均価格の推移からも分かるように、リーマン・ショック後の2009年から2014年にかけては、供給戸数と平均価格が一定の範囲で推移していました。
この時期に供給されたマンションの中には、「デベロッパー間の競争が厳しく、建築コストも現在ほど高くなかったことなどを背景に、共用部や工法などの仕様に力を入れた物件」も見られます。
もちろん、すべてのマンションが当てはまるわけではありません。しかし、現在の新築マンションと比べると、価格・立地・建物仕様などのバランスが取れた物件を探せる可能性がある時期だったと私は考えています。
築12~17年でも中古マンションならではのメリットがある
2026年現在、2009~2014年に建築されたマンションは築12~17年程度になります。築年数だけを見ると「少し古い」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、マンションは築年数だけで価値が決まるものではありません。立地や管理状態、建物の仕様、共用部、専有部の状態などを総合的に確認することが重要です。
また、築12~17年程度のマンションであれば、物件によっては内装や設備の一部を更新することで、快適性を高めることもできます。新築マンションと比較して価格を抑えながら、立地や建物の仕様にこだわった物件を選べる可能性があることは、中古マンションの大きなメリットです。
今後の建築費や用地価格を正確に予測することはできませんが、マンション建設に適した土地が限られる中、建築コストが短期間で大幅に下がるとは考えにくい状況です。そうした状況を踏まえると、2009~2014年に建築された中古マンションの中には、立地や管理状態、建物仕様などによって、今後も資産性が評価される物件があると考えています。
まとめ:資産性の高いマンションは新築・中古を問わず総合判断を
マンションを購入する機会は人生で何度もあるものではありません。まして、数十年にわたる供給戸数や平均価格、市況の変化を継続して見てきた方は多くないでしょう。
マンションの資産性を考える際には、現在の価格だけを見るのではなく、過去のマンション市場がどのように変化してきたのかを知ることも重要です。現在の首都圏では新築マンション価格が大きく上昇しています。そのため、「新築だから資産性が高い」と考えるのではなく、中古マンションも含めて、立地・建物仕様・管理状態・価格などを総合的に比較することが大切です。
特に今回ご紹介した2009~2014年に建築された中古マンションには、現在の新築マンションとは異なる魅力を備えた物件があります。
REDSには経験豊富なエージェントが在籍しています。私自身も30年近く、マンション市況の推移を見ながら、不動産取引の実務に携わってきました。これまで実際に内見し、お客様の購入をお手伝いした中古マンションも数多くあります。
「資産性の高いマンションを購入したい」
「新築と中古、どちらを選べばいいか分からない」
「将来の売却も考えてマンションを選びたい」
このような方は、ぜひREDSにご相談ください。物件の良い面だけでなく、注意したい点も含めて、購入判断に必要な情報を分かりやすくお伝えします。
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