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公開日:2024年8月15日

修繕積立金の不足したマンションだらけ? その理由とは

こんにちは。仲介手数料が必ず割引、最大無料の不動産流通システム、REDSエージェント、宅建士の片岡慎太郎と申します。

先日、「マンションの修繕積立金の不足が続いている」というNHKの記事を目にしました。

国土交通省が2018年度に行った調査では、長期の修繕計画に対して必要な積立金が「不足している」というマンションの割合は34.8%で、5年前の2013年度の2倍以上となったということです。データは少し前ですが、その後も増加傾向は続いているとみられています。

今回はマンションの修繕積立金問題について解説します。

修繕積立金

(写真はイメージです)

修繕積立金の徴収方法は2パターン

マンションの積立金の徴収方法は主に2とおりあります。

1つは、原則、計画当初の設定額で一律に徴収する「均等積立」。

2つ目は、入居時は低く設定し、築年数に応じて段階的に引き上げる「段階増額積立」です。

1980年代に建てられたマンションは「均等積立」方式を採用している割合が53.2%と過半数を占めていますが、2010年以降に建てられたマンションは段階増額積立が67.8%と逆転しています。

国土交通省は積立金不足の背景に、この「段階増額積立」の増加があるとみています。

国がおととし行った調査では、修繕計画を元に「新築時の徴収額と比べて、最終的な徴収額がどれだけ増えそうか」を尋ねたところ、平均で3.6倍でした。中には10倍を超えるマンションもあったということです。住民が積立金を支払えなくなり、滞納するケースも相次いでいて積立金不足につながっているとみられています。

積立金不足が起きるのは誰のせい?

こうした事態が起きる背景には、マンションの販売事業者側が当初の徴収額を低く設定することで、物件をセールスする際に買い手の負担を軽くし、購入につなげたいという思惑があるとみられています。

さらに、このところの資材価格の高騰によって修繕費がかさんでいることも、積立金不足に拍車をかける結果となっています。

修繕積立金の目安、国の算出手法とは

国土交通省は2023年10月に専門の有識者会議を設けて検討を重ね、2月、積立金の徴収方法に関するガイドラインとも言える「目安」の案を示しました。

国土交通省ガイドラインのリンクを貼っておきます。

「修繕積立金及び長期修繕計画に関するガイドライン」の概要

ポイントは徴収額の「下限」と「上限」の設定です。

まず、修繕計画に基づいて必要となる積立金の総額を、徴収期間で割って1か月ごとの「基準額」を算出します。その上で、新築時の徴収額を少なくとも「基準額の0.6倍」とするよう求めます。つまり、基準額の0.6倍が徴収の「下限」となるわけです。

一方で、その後、築年数が経過するに従って、徴収額を引き上げる場合も基準額の1.1倍以内とするよう求めています。こちらが「上限」です。

例えば、50世帯がそれぞれ同じ広さの部屋に住むマンションで向こう30年の修繕計画を組んだケースを想定します。

総額で3億6,000万円が必要だと見積もられた場合、これを30年=360か月で割ると1か月あたりの基準額は100万円となります。これをもとに当初額を下限いっぱいに設定すると60万円。これを仮に各世帯から均等に徴収したとすると、1世帯あたりの当初の徴収額は1万2,000円となります。のちのち引き上げる場合の上限は2万2,000円となります。

1万2,000円から2万2,000円の範囲内に収める形で1戸あたりの総額=720万円を不足なく積み立てるには、かなり早い段階から計画的に徴収額を引き上げる必要があります。

つまり、徴収額の「下限」と「上限」の幅を狭くすることで、管理組合が平時から「安すぎず、高すぎない」、均等に近い形で徴収するよう促していこうということです。

「均等積立」のほうがベター

国土交通省は、このように当初から計画的に積み立てれば、修繕費用が予想以上に膨れ上がった場合にも対応しやすくなるとしています。

その上で、「均等積立」のほうがより望ましいとしています。

今回の目安はあくまで国が管理組合に示すガイドラインのようなものですが、国土交通省はさらに実効性を持たせるための施策を検討しています。

マンションの修繕や管理をめぐって国土交通省は2022年に「管理計画認定」という制度を始めました。マンション管理組合が組織運営や資金計画などを地元の自治体に提出し、この制度にもとづいて認定されれば、共用部のリフォーム費用を住宅金融支援機構から借り入れた場合に、金利が年0.2%引き下げられる優遇を受けることができます。

国土交通省は、この認定の条件として、今回の目安にもとづく徴収計画を盛り込むことも検討しています。

大規模修繕のために借り入れるマンションが多い

住宅を購入する機会は一生に何度もあるわけではありません。マンションで長く安全に暮らし続けるためには、老朽化に応じた大規模修繕は避けられません。

マンションの管理組合の考え方にもよりますが、大規模修繕は10~15年に一度行われるマンションが多いです。不足分を各住戸に持出金を募る場合、金融機関から借り入れを起こす場合などがあります。

私の経験上、金融機関から借り入れを起こし、大規模修繕を行うマンションが多く、世帯数にもよりますが、5~10年以内に返済して次の大規模修繕時にも借り入れを起こして修繕することが多いと思います。

その間に修繕積立金の値上げを行い、何とか補修と徴収のバランスを取っている感じでしょうか。

国土交通省のガイドラインについても全国のマンションに当てはまるか、疑問は感じてしまいます。

緊急避難道路に面している旧耐震のマンションについても補強するように促していますが、実際は、耐震検査をしただけで、補強費用に莫大(ばくだい)な金額がかかるため、補強工事を行えないマンションはたくさんあります。

こういうマンションは、不動産売買も金融機関が限定されるため、売主様、買主様が思うような取引ができない場合があります。

修繕積立金の見直し方についても大事ですが、旧耐震の補強工事についても行いやすい整備を行ってほしいと思う今日この頃です。

最後に

不動産流通システムREDSでは、「JR山手線の主要ターミナル駅および横浜駅からおおむね30分圏内」の不動産の売買仲介を専門にお取り扱いしております。多少前後してもお取り扱い可能の場合もありますのでお気軽にご相談ください。

常に顧客目線で考え、お客様の満足を最優先に業務に取り組んでいます。その一環として、弊社ではお客様がエージェントを指名できるように対応しております。 

不動産売買で大切なのは会社よりも、対応する担当者ともいわれています。お客様と相性のよさそうなエージェントがいましたらぜひ、ご指名をいただけたら幸いです。

《不動産仲介手数料が無料もしくは割引》の不動産流通システム【REDS】では、引き続きみなさまからのお問い合わせを心よりお待ちしております。

 

この記事を執筆した
エージェントプロフィール

4.9

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片岡 慎太郎
(宅建士・リフォームスタイリスト)

安心できる住まいのご提案をします。

4.9

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