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公開日:2025年4月15日  大柿 貴彦

住宅ローンの金利上昇局面の今、不動産は買うべきか? 控えるべきか?

REDSエージェント、宅建士の大柿です。

住宅ローンの金利が上昇する今、不動産を購入するべきか、それとも控えるべきか、多くの方が悩んでいることでしょう。金利上昇の背景やその影響を分析し、今後の不動産購入について考察してみます。

住宅ローン金利

(写真はイメージです)

金利上昇の背景

まず、なぜ金利が上昇しているのかを理解することが重要です。主な要因として以下が挙げられます。

  • 日本銀行の金融政策の転換:長期間続いたマイナス金利政策からの転換が進んでいます。2025年1月には政策金利が0.25%から0.50%に引き上げられました。
  • 世界的なインフレ傾向:物価上昇に対応するため、世界的に金利が上がる傾向にあります。
  • 円安の影響:円安進行により、海外からの資金調達コストが上昇し、結果的に国内の金利にも影響を与えています。

住宅ローン金利の推移

住宅ローン金利の推移は、経済状況や金融政策に大きく影響されます。

1980年代から1990年代

1980年代後半から1990年代初頭にかけて、日本はバブル経済の影響で住宅ローン金利が非常に高い時期がありました。1991年には変動金利が8.5%に達しました。バブル崩壊後、金利は徐々に下落し始めました。

2000年代

2000年代に入ると、住宅ローン金利はさらに低下しました。2000年には変動金利が2.375%でしたが、2008年のリーマンショック後にはさらに低下しました。

2010年代

2010年代は、低金利政策が続きました。2016年には日本銀行がマイナス金利政策を導入し、変動金利は優遇金利などを含めると0.625%まで低下しました。この期間、固定金利も低水準を維持し、フラット35の金利は1%台まで下がりました。

2020年代

2020年代に入ると、金利は依然として低水準を維持していましたが、2024年から金利の上昇が始まりました。

金利の決定要因

住宅ローン金利は、以下の要因によって変動します。

  • 経済状況:景気の良しあしやインフレ率などが影響します。
  • 金融政策:中央銀行の政策金利の変更が直接影響します。
  • 国際情勢:海外の金利動向や為替レートも影響を与えます。

2025年4月の住宅ローン金利の動向

大手銀行5行は4月から適用する住宅ローン金利を発表し、契約者の8割前後を占める変動型の基準金利を全行が引き上げました。

金利上げ幅は0.15~0.25%となり、固定型(期間10年)も全行で基準金利が引き上げられました。

【大手銀行5行4月の変動型住宅ローン最優遇金利】

大手銀行5行4月の変動型住宅ローン最優遇金利

3/31(月) 12:38配信 共同通信より

金利上昇の影響

金利が上昇すると、住宅ローンの返済額が増加し、購買意欲が低下する可能性があります。具体的には、以下のような影響が考えられます。

  • 住宅ローンの負担増:金利が上昇すると、毎月の返済額が増加します。例えば、金利が1%上昇すると、35年ローンで借入額が3,000万円の場合、総返済額が約600万円増加します。
  • 売却物件の供給増:住宅ローン金利が上昇すれば、変動金利で住宅ローンを組んでいる方は、毎月の返済額が高くなる可能性があります。金利増により返済が難しくなり、最終的に住宅を売却せざるを得ないケースが増えます。結果として、住宅売却を検討する方が増え、不動産の供給が増えることにより、不動産価格の下落につながる可能性があります。

今が買い時なのか?

では、金利上昇局面で不動産を購入するべきかどうかを考えてみましょう。以下のポイントを参考にしてみてください。

「買うべきだ」という理由

  • 金利上昇トレンド:金利は今後も上昇する可能性が高いため、現在の金利水準で借りておくことでコスト増を避けられる可能性があります。
  • 住宅価格の高騰:特に都市部では不動産価格も上昇傾向にあり、購入を先延ばしにすることで住宅購入自体のコストが高くなる可能性があります。
  • 団体信用生命保険の条件:金利上昇に伴い、団体信用生命保険の条件も厳しくなる可能性があります。現在の条件でローンを組むことで、有利な保険条件を確保できる場合があります。

「今は控えるべきだ」という理由

  • 経済状況の不確実性:今後の経済状況によっては、金利上昇が一時的に止まる、あるいは下がる可能性も否定できません。
  • 自己資金の準備:もう少し頭金を貯めることで、借入額を減らし、金利上昇の影響を小さくすることができます。
  • 不動産市場の調整:住宅価格が高騰している地域では、いずれ価格調整が起こる可能性もあります。

金利タイプ選びのポイント

金利上昇が予想される環境では、どの金利タイプを選ぶかも重要なポイントです。

変動金利

メリット:当初の金利負担が小さい。将来金利が下がれば恩恵を受けられる。
デメリット:今後の金利上昇リスクがある。返済額の予測が立てにくい。

固定金利

メリット:返済計画が立てやすい。金利上昇リスクを回避できる。
デメリット:変動金利と比べて初期負担が大きい。金利が下がっても恩恵を受けられない。

フラット35

メリット:最長35年間金利が変わらない安心感。民間金融機関とは異なる審査基準。
デメリット:一般的に金利水準が高め。手数料や諸費用が高額な場合がある。

賢い住宅ローン選びのために

「今買うべきか」「今は控えるべきか」は、最終的に住宅ローンを組むタイミングや金利タイプなども含め個人の状況によって異なります。以下のポイントを参考に、自分に合った選択を心がけましょう。

  • 複数の金融機関に相談する:金融機関によって金利や条件が異なるため、比較検討が必要です。
  • ライフプランを考慮する:将来の収入や家族計画なども考慮して返済計画を立てることが重要です。
  • 専門家に相談する:ファイナンシャルプランナーや不動産のプロに相談することで、より適切な判断ができます。
  • 余裕を持った返済計画を立てる:金利上昇に備えて、少し余裕を持った返済計画を立てることをおすすめします。

まとめ

2025年の住宅ローン金利上昇局面において、不動産を購入するかどうかは慎重に判断する必要があります。金利上昇の影響を理解し、自分の経済状況やライフプランに合った選択をすることが重要です。このブログが皆様の判断材料となれば幸いです。

 

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