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『正直不動産』ドラマ第9話最速レビュー~ミネルヴァ鵤、花澤の壮絶な過去! 全面戦争前夜の攻防

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最終更新日:2022年6月8日
公開日:2022年5月31日

ある日突然、うそがつけなくなってしまった不動産仲介会社の営業マンが、独特の商慣習で動く不動産業界で奮闘する姿を描いたNHKドラマ『正直不動産』。第9話が2022年5月31日(火)夜10時に放映されました。

〝うそをもいとわない〟セールストークで売上ナンバーワンの地位を維持する不動産営業マンの永瀬財地(演・山下智久)が〝うそがつけない〟営業マンになった今、どのように家を売っていくのか。話題のドラマ第9話のレビューをお届けします。

今回は最終回を前に、登坂不動産を潰そうとするミネルヴァ不動産の花澤涼子(演:倉科カナ)と月下咲良(演:福原遥)の「富士山の眺望」をめぐる攻防が展開されます。はたして勝者は?

※REDSは原作漫画『正直不動産』(小学館ビッグコミック連載中)のシナリオ作成に協力し、ドラマ化の際も代表の深谷十三が不動産考証にかかわったほか、REDSエージェントが取材協力をしています。REDS「不動産のリアル」編集部では、いち早くドラマの内容紹介のほか、作中で登場した不動産業界の商慣習、不動産売買を考えている方が知っておきたいポイントをプチ解説します。

(不動産のリアル編集部)

富士山と東京の住宅地

(写真はイメージです)

登坂不動産の営業マンを引き抜くミネルヴァ不動産

登坂不動産オフィス。疲れた様子で出勤してきた永瀬は、月下に「ついに榎本さんと付き合ったんですね」と、前日にいきなり自宅前に現れた銀行員の榎本美波(演:泉里香)との仲をちゃかされます。さらに「いいか、永瀬、彼女と絶対に付き合え。そして死んでも別れるな。うちは今、創業以来の大ピンチだ。そんなときにメインバンクにまで見放されたら、すべてが終わる」と大河部長(演:長谷川忍)も加勢します。

創業以来の大ピンチ、それは登坂不動産の優秀な営業マンが次々とミネルヴァ不動産に引き抜かれていることでした。ミネルヴァ不動産はこれまで何度も登坂不動産の案件を横取りしようと画策してきましたが、今度は人員まで奪いにきたのです。それにしても、ミネルヴァ不動産社長の鵤(演:高橋克典)はなぜ登坂(演:草刈正雄)に対してこれほど執念を燃やすのでしょうか。

そこにマンション購入希望の客が現れました。島村康則・ひとみ夫婦です。夫妻の条件は「リビングからドーンと富士山が見えるマンション」。定年を迎えた夫妻と息子夫婦は同居することになり、4LDKと広めのマンションを探しているとのこと。ただ、ひとみは富士山の眺望にはこだわりがないようです。

この案件、月下が引き受けることになりました。月下は張り切っていて、都内の4LDKで富士山が見えそうな物件を全部回るつもりのようです。

利回り10%の投資用物件を探せというFIRE族

次に、不動産投資用の物件を探しているという小室晃弘が現れ、永瀬が対応します。近年、話題になっているFIRE(Financial Independence, Retire Early、経済的自立と早期リタイア)を目指しているようで、やたら横文字を入れながらしゃべります。ただし、不動産投資についての知識は乏しいようで「利回り10%になるサプライズ物件」を要求してきました。

そこで風に吹かれた永瀬が一気にまくしたてました。

「そのような物件を見つけたら、あんたなんかに教えず、私が即買いします。不動産投資は初心者でも始めることが可能です。ただ、成功するためにはしっかりした計画が必要です。自称カリスマ大家のインチキ不動産セミナーにでも行って、コロッと騙されたんじゃないですか? あなたの言葉を借りるなら、ベリーベリースイート。まさにカモオブザカモ。飛んでファイヤーにインするサマーの虫!」

小室は「出たな、ドリームキラーめ! セミナーで講師が言ってた! 夢を語ると『無理だ』『かなうわけない』って心を折ろうとするヤカラが現れるって!」と食い下がりますが、永瀬は「それがもう騙されている証拠です」と一蹴します。

ちなみに不動産投資における利回りとは、1年間の総家賃収入を購入価格で割ったもの。番組で永瀬は「利回り10パーってことは単純計算で5,000万円で買ったマンションを42万の家賃で貸すってことですよ。そんな物件見つかるわけないです」と説明。小室がいかに無茶を言っているかが分かりますし、そのように荒唐無稽なセミナーをする人たちがいることを皮肉っているのでしょう。

富士山の眺望をめぐってバチバチ! 月下VS花澤

場面が変わり、公園のベンチで地図をにらんでいる月下に、島村ひとみから着信。夫の康則が勝手に別の不動産会社とタワーマンションの内見に行ったというのです。リビングからどーんと見える富士山の眺望に満足そうな康則、そこにいたのはミネルヴァ不動産の花澤涼子でした。

「でも、ここから富士山が見えるのは、あと3年ほどですが。先の空き地にタワーマンションが建つんです。工事開始は6カ月後、完成は3年後」。月下はこのマンションを把握していたのですが、伝えていなかったのです。

しかし、康則はもうこのマンションの売買契約を済ませ、350万円の手付金も支払ってしまっていました。「話が違うじゃないか!」と激怒し、キャンセルを主張しますが、花澤は「かしこまりました。ただ買主都合となるので、手付金の返還はいたしかねます」と宣告します。

食ってかかる一同に対し「私は眺望がいいと言ったけど、富士山がよく見えるとは一度も言っていません。(チラシに)たしかに富士山の写真はありますが、それに関する記述は書かれていませんが」とにべもなし。「訴えてやる!」との抗議にも「どうぞ。ただ、日照権と違って裁判で眺望権が認められることはほぼありませんが」とびくともしません。

実際、眺望権や眺望の利益が主張された訴訟例はいくつかありますが、裁判でストレートに眺望権を認めたものはありません。ただ、眺望に関する説明が不適切だったと不動産会社の責任追及することは可能で、契約解除と手付金の返還を命じた判例もあります。

この点、作中でも月下が花澤に突っ込みますが、花澤は意に介さず、「裁判なんて起こしても、時間とお金が無駄になるだけです。たしかにご希望の富士山は3年後には見えなくなります。ですが他の物件に住んだとしても、見える景色が未来永劫、変わらない保証なんてありません」と反論、そこからはもうバチバチです。

月下「我々の仕事はお客様のご要望にあった物件を見つけることじゃないんですか?」
花澤「ご要望以上の物件を探すのが仕事でしょ」

視線をぶつける月下と花澤、どちらの主張と行動に軍配があがるのでしょうか。

ミネルヴァに花を持たせるマダムと激しく登坂を憎む鵤

FIREを目指す小室が「お宝物件」を見つけてきたといいます。それは『リバーサイド神田川』といって、オーナーはあの不動産女王のマダム(演:大地真央)です。しかも、管理しているのは登坂不動産なのに、仲介したのはミネルヴァ不動産でした。

たまらず問い詰めた永瀬にマダムは「私、登坂社長とも付き合い長いけど、ミネルヴァ不動産の鵤社長とも同じくらい付き合いが長いの。そもそもリバーサイド神田川、おたくに任せていたのにずっと眠らせてたままだったじゃない」と言います。永瀬は言い返すことができません。この案件、ミネルヴァ不動産に横取りされてしまいました。

へこんだ永瀬は喫茶店で不動産ブローカーの桐山貴久(演:市原隼人)にばったり出くわします。そこで鵤社長について聞き出そうとします。桐山によると、鵤は幼い頃に両親に捨てられ、引き取った里親が地面師でした。その地面師から地上げや詐欺を学び、若い頃から詐欺組織の中心的役割を果たしていたそうです。旧財閥系の大手不動産会社も狙い、その件で辞職したのが登坂でした。

主犯格の父親は摘発され、獄死したそうです。警察に情報提供したのは登坂。鵤はそのため登坂を逆恨みしているのかと思いきや、そうではありませんでした。実は父親にむごたらしい虐待を受けていて、父親は自分が殺す予定だったというのです。「登坂のせいで殺せなかった。ヤツにはその代償を払ってもらわないと。俺は登坂を抹殺します。どんな手段を使っても」。鵤はこうつぶやくのでした。

永瀬の自宅に押しかけ告白する美波。永瀬の本心は?

自宅でひとり、考え事をする永瀬。ノックの音がするのでドアを少し開けたところ、そこにいたのは美波でした。美波が持ってきたのは肉じゃが。味も上々のようです。永瀬は住まいについて語り始めます。「今まではすぐにでもあっち(タワマン)に戻りたいと思ってたんですけど、最近、この暮らしも悪くないなって。お風呂はないし、電気はチカチカするし、タワマンよりも眺めは最悪ですけど、なんだかここだと生活してるって感じがするんですよね」。

美波の求めるライフスタイルとは真逆のように聞こえますが、美波の口から出たのは意外な言葉でした。「ますますあなたが気に入りました。永瀬さん、私と結婚を前提にお付き合いしていただけませんか? 私は永瀬さんのうそをつかない正直なところが好きなんです。ご心配なく、永瀬さんの稼ぎなんてあてにしてません。私があなたを養いますから」

直球すぎる告白、そして男性視聴者なら誰もがうらやむ告白ですが、永瀬の本心は「ただ結婚前提っていうのが重いっていうか、めんどいっていうか。それに養ってもらうっていうのも――」ですって。さすが永瀬、ちょいちょい敵を作ることを忘れないですね。

孫のことまで考えていた(?)花澤の勝利!

場面が変わり、登坂不動産の接客ブースで夫婦げんかを始める島村夫妻。「とにかく、私はお前と富士山を見ながら暮らしたかった」という康則に月下が訳を聞いたところ、それぞれ静岡と山梨出身で、上京後は富士山の見えるアパートに住み、意気投合したことがなれそめだったそうです。同居する予定の息子は、ミネルヴァ不動産に再度、花澤との契約を断りにいったのですが、なんと「話が二転三転して、ここにしました」と電話してきました。

月下はたまらず、島村夫妻を引き連れ、ミネルヴァ不動産に単身、乗り込んでいきます。花澤は「だったら島村さんご一家に選んでもらいましょう」と提案してその場は収まりました。

後日、島村家の結論は、3年後には富士山が見えなくなるミネルヴァ不動産の花澤の選んだマンションでした。何かを吹き込まれたのでは?と訝る月下ですが、「決めたのは息子さんご夫婦のためですね?」と割って入ったのは永瀬でした。

永瀬「このマンションの200メートル先に保育園があり、その隣には小児科医院があります。ほかにも周辺に子育てをするための施設が数多くそろっています。だから決めたんじゃないですか?」
康則「はい。この家は我々よりも、息子と孫のほうが長く住むことになります。だったら我々の思い出よりも、次の世代のことを考えるべきじゃないかって、家内と話しまして」

花澤がそこまで考えてこのマンションを勧めていたかは不明ですし、あまりそうは見えなかったのですが、もしそうなら月下の考える「カスタマーファースト」は花澤のほうが優位だったことになります。月下にとってはほろ苦い敗北です。

ところが、場面が変わっていつもの和食ダイニングにはひとつのテーブルを囲む花澤と永瀬、月下の姿がありました。

花澤「永瀬さん、この子、どういう教育をしているの?」
永瀬「まあまあ、今回は2つも成約横取りしたんだから、いいじゃないですか」
月下「お孫さんのことまで考えて物件を勧めていたなんて、私はそこまで気が回っていませんでした」
花澤「それくらい営業なら当然」
月下「だから今日はお詫びにおごらせてください」

あきれる花澤でしたが宴はたけなわとなり……。

花澤を変えたカッコよすぎる鵤社長の言葉

「いい! ゆるす! ゆるしてやるぞよ!」とかなり酔っている様子の花澤。月下もほどほどに酔っていて、とてもいい感じです。そこから、月下が「なぜ不動産屋になったんですか?」と聞いたところから花澤のひとり語りが始まりました。

花澤は以前、大手のゼネコンで施工管理者(現場監督)をしていたそうです。しかし、作業員から女性を蔑視するような発言をされたり、セクハラ発言をされたりで気がめいる毎日だったようです。ひとり泣いているところに名刺を差し出したのが鵤社長でした。

花澤「なめられないために髪短くして、現場で泣かないように頑張ってきたつもりなんですけどね。いつまでこういう時代って続くんですかね」
鵤「そうやって社会のせい、会社のせい、時代のせい、性別のせい、ずっと何かのせいにしておけばいい」
花澤「……」
鵤「君の成功を阻んでいるのは君自身だ。ほかの何かじゃない。うちは男も女も、年齢もキャリアもない。売上がすべてだ。うちにこい。俺が君を救ってやろう」

こういって差し伸べる鵤の手を、花澤は黙ってつかんだのでした。たしかに悪徳不動産の鵤ですが、やたらカッコよくて、花澤が心酔するだけのことはあります。

「あの人は恩人。だから辞める気はなんてない。必ず結果を出して、いつか会社を――」。こう言いかけて我に返った花澤は去って行きました。

圧倒された月下は「やっぱり、私なんかが勝てる相手じゃなかった」と肩を落とします。「そんなことはないよ」と言いかけた永瀬に一陣の風。「――って優しく言うと思っただろうけど、1000%勝てないだろうね。覚悟が違いすぎる。素人に毛が生えたくらいの、ど新人の月下に勝てるわけがない」と突き放しました。

「ただ、比べる必要はない。月下には月下のやり方がある。俺は月下の馬鹿みたいにカスタマーファーストだって言い続けるところ、素晴らしいと思う。だからそのままでいい。月下は必ずいい営業になる。俺が保証する」

なんだか、先の鵤並みにカッコいい言葉ですね。月下が「それ、本気で言っていますか?」に「うん、だって俺、うそがつけない人間だから」とダメ押しです。目に涙を浮かべる月下に「やめろ、俺がパワハラしてるみたいになってる」と言いながらハンカチで涙を拭いてあげる永瀬ですが、永瀬のこういう気配り、視聴者の間でちょっとした話題になっているみたいです。

ただ、その場面を美波に目撃されてしまい……。

そして、翌朝。社員が減って活気のない朝礼に姿を見せたのは、鵤社長でした。

鵤「もう登坂不動産は限界でしょう? うちの傘下に入りませんか。私が救って差し上げます」
登坂「面白いこというねえ。ただ、うちはそんなヤワな会社じゃないので、ご心配には及びません」
鵤「……」
登坂「むしろ、アコギな商売をしている、そちらの方が先に限界が来るんじゃありませんか」

ニカッと笑う登坂をにらみつける鵤。この戦い、最終回でどのように決着するのでしょうか。6月7日の最終回、絶対に見逃せません。

(不動産のリアル編集部)

 

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