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公開日:2025年6月7日  伊藤 靖陽

家は「新耐震基準」でないと絶対にいけないのか? 旧耐震基準との違いを解説

【話題のドラマ、「正直不動産」監修】のREDSエージェント、宅建士の伊藤 靖陽(いとう やすあき)です。

皆様が中古不動産の購入を検討する中で、その物件が「新耐震基準」なのか、「旧耐震基準」なのか、気になると思います。旧耐震基準で建てられた建物は危険だから選ばないほうがいいと考える方もいるかもしれません。しかし、結論から言うと、しっかり対策をしている物件であれば、必ずしもそうとはかぎりません。

今回は、両者の内容や違いを明確化し、十分に理解することで、住宅検討の際に役立てていただきたく解説します。

耐震基準

(写真はイメージです)

新耐震基準とは

1981年6月1日に建築基準法が改正され、より厳しい地震対策が導入されました。これが「新耐震基準」と呼ばれるものです。これ以前の基準は「旧耐震基準」と呼ばれます。

●施行開始:1981(昭和56)年6月1日
●背景:1978年の宮城県沖地震を受けて、建物の耐震性に対する基準厳格化
●内容:建物が「震度6強~7程度の大地震でも倒壊・崩壊しないこと」を目標に設計

●特徴

  1. 震度6強〜7程度の地震でも倒壊しないことを前提
  2. 建物の構造や設計方法が大幅に強化
  3. 主に柱・梁・壁の耐震性強化、基礎の改良がされている

●見分け方

  • 建築確認申請の日付が1981年6月1日以降であれば原則「新耐震」
  • 「築年数」ではなく、「建築確認申請日」で判断するのが正確
    →例:1982年6月に竣工した物件であったとしても、建築確認が下りたタイミングが1981年6月1日以前であれば、その物件は「新耐震基準」ではなく「旧耐震基準」です!

旧耐震基準とは

●施行開始:1950年の建築基準法施行時に制定
●内容:震度5強程度の地震に耐えられる設計
●改正日:1981年6月1日以前に建築確認が下りた建物は「旧耐震基準」
 ※1981年6月以降に確認を受けた建物は「新耐震基準」

●特徴

  1. 適用期間:1950年(建築基準法施行)〜1981年5月31日までに建築確認を受けた建物
  2. 耐震構造:木造、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)などすべての構造に適用
  3. 耐震対策:地震力の設定が現代基準より小さく、安全率が低い
  4. 設計方針:建物全体の「靭性(ねばり強さ)」よりも強度(硬さ)に依存した設計が多い
  5. 地盤・基礎:現代ほどの詳細な地盤調査や基礎設計の義務なし
  6. 構造部材:耐震壁や補強筋などの配置基準が緩やか

耐震基準の違いで不動産購入時の影響は

〇資産価値:新耐震基準の建物は旧耐震よりも資産価値が高く評価される傾向があります。

〇住宅ローン審査:銀行によっては、新耐震基準に適合していない物件に対して住宅ローンの審査が通りにくくなる場合があります(一部の金融機関は旧耐震物件を審査の対象外にしております)。

〇地震保険料:新耐震基準の建物は、旧耐震よりも地震保険料が安く設定されることがあります。

〇リスク評価:旧耐震の建物(1981年5月以前の建築確認)は、耐震補強工事の有無が評価の分かれ目になります。

新耐震基準と旧耐震基準、その違いは

1.建物の「建築確認申請日」が1981年6月1日より前か後かで、旧耐震基準の建物か新耐震基準の建物かを判断することができる。

2.旧耐震基準の建物は、震度5強程度の地震に耐えられる設計で、新耐震基準の建物は、震度6~7程度でも倒壊しないという基準で建てられている。

1に関して、建築確認申請日の確認方法としては以下の2つです。

◇建築確認通知書(確認済証)
• 建物の所有者や設計事務所が保管していることが多い
• 不動産売買時は仲介会社に確認を依頼できる

◇役所(建築指導課)での閲覧
• 地方自治体の建築指導課や建築審査課で図書閲覧や申請日確認が可能
• 建物の「建築確認番号」があればスムーズ

検討する物件の竣工日(新築年月日)が、1981~1983年の物件は大変微妙ですよね。建築確認申請日は竣工日よりも前の話ですから、このタイミングは調べないといけません。皆さまが簡単に調べられるものでもないので、これについてはお気軽に我々にお問い合わせいただきたいと思います。

2に関しては、もちろん新耐震基準の方が安心という解釈となりますが、しっかり対策をしている建物であれば、新耐震基準と同レベルの建物とみなすことができます。

旧耐震基準はどんな対策をしていればいい?

ステップ1:耐震診断の実施

  • 専門家(建築士や耐震診断士)による現地調査
  • 建物の構造・劣化状況・耐震性を数値化
  • 多くの自治体で診断費用に対する補助金制度あり

ステップ2:耐震補強工事

  • 壁の補強:筋交い、構造用合板などで耐震壁を増やす
  • 柱、梁の補強:金物や鉄板を使って接合部を強化
  • 屋根の軽量化:瓦→金属屋根に変更するなど
  • 基礎の補強:無筋コンクリートを鉄筋入りに改修、増し打ち
  • 耐震ブレース設置:マンション共用部などにX字型ブレースを設置

※Web広告や販売チラシを見ただけでは耐震診断をしているか否か、耐震補強をしているか否か、分からない場合が多いので、こちらについてもお気軽にお問い合わせください。

旧耐震でも一律にNGではない

旧耐震基準の建物は、現代の大地震(例:阪神淡路大震災、東日本大震災)には対応が不十分な可能性があります。ただし、耐震補強済みや状態の良い建物もあるため、一律にNGではないというのが現実的な評価です。

「一律にNGではない」理由をもう少し詳しく解説します。
※ここでの説明において、旧耐震基準物件については耐震補強をしていない家を指します。

現実には、新耐震基準だったとしても倒壊した例もあれば、旧耐震でも震度6~7クラスの地震にも耐え、倒壊を免れた例もあります。

新耐震物件でも倒壊する理由は主に3つ。

  1. 新耐震基準が施工されてから既に40年近く経過しており、家屋の劣化が進んでいると考えられること(主に戸建て木造住宅)
  2. 地震が頻発していた場所であったこと(新耐震基準は震度7クラスの地震に一度だけ耐えられることを想定しているため、複数回の地震のダメージに耐えられなかった可能性がある)
  3. そもそも地盤が悪かったこと(埋立地や液状化が起こってしまうような場所に建てられていた)

マンションのような地中の支持層に杭を打ち込んで建てられる(杭基礎)物件はこの点ではかなり強いです。

最後に

いかがでしたでしょうか。

大事なことは家の造り(新耐震か、旧耐震か)というよりも、まずはそのエリアの環境を把握することにつきます。

まずはエリアの特性を理解し、その検討不動産が適した造りであるかどうかです。

これらはご自身で調べることもできるかもしれませんが、非常に労力を使います。どうぞお気軽に弊社をご利用ください。私たちが全て調べてご案内差し上げます。

 

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エージェントプロフィール

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伊藤 靖陽
(宅建士・リフォームスタイリスト)

REDSの安心と信頼を体現いたします。

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