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公開日:2024年10月19日  髙石 彩也子

気になる隣室からの〝壁ドン〟。音を遮る壁の構造や工法を解説

こんにちは。REDSリフォームの髙石です。ブログをご覧いただきありがとうございます。

前々回が床、前回が天井、ときて今回は壁編!
お隣からの「壁ドン」。聞こえるお部屋と聞こえないお部屋の違いは壁の構造です。

壁

(写真はイメージです)

壁の構造

壁の構造

戸境壁の構造は、以下の3種類に分けられます。それぞれ解説します。

  1. 直壁構造
  2. 二重壁構造
  3. ふかし壁構造

直壁構造

コンクリートの躯体に直接塗装やクロスを貼って仕上げています。施工が比較的簡単で、かつ工期も短縮されます。

材料や施工方法がシンプルなため、コストも抑えることが可能です。また、強度も強く、地震などの外力に対しても安定しているとされています。

ただし、直壁構造には通気層がないために湿気や結露の問題が発生しやすくなります。そのため、適切な防水処理や断熱材の使用が重要となります。

二重壁構造

コンクリート躯体にプラスターボードを貼り付けるための接着剤をGLボンドと呼びます。コンクリートの不陸(切土・盛土などの路盤面や構造物の仕上がり面・建材の接合面が凸凹している状態)や下地調整もなく、直接貼り付けるだけで済むので、施工は容易です。

GLボンドを初めて販売したのは吉野石膏さん。小さい頃に石膏ボードのCMがよく流れていて、「強くて丈夫」ってフレーズが妙に頭に残っています(虎のぬいぐるみがボードで火を耐えているやつ、だったかと)。硬化後は高い耐久性を持ち、長期間にわたって安定した接着力を発揮します。

二重壁構造は施工・コストを抑えることができますが、遮音性は低くなることがあります。一方の壁に振動が加わると、その振動がGLボンドとボードの間の空気層を介してもう一方の壁に伝わり、音が増幅される「太鼓現象」と呼ばれるものです。

壁だけでなく、床でもこの現象は起こります。共鳴透過とも呼ばれることもあります。仕組みは一緒ですが、空気層がバネのように働き、音波がこの空気層に到達すると、空気層と壁が共振し、特定の周波数で音が増幅されます。その増幅された音がもう一方の壁を通過しやすくなるため、隣室の声・音がよく聞こえてしまうといったものです。

ふかし壁構造

二重壁構造の太鼓現象・共鳴透過の対策として有効な構造がふかし壁構造です。コンクリート躯体壁の前に新たな壁を設けることで壁の厚みを増やします。この壁の厚みが増すことで、断熱性や遮音性が向上します。

ふかし壁を利用することで、壁に奥行を持たせたり間接照明を取り付けて空間のアクセントにしたりすることもできます。

また、収納スペースやディスプレイ棚、例えばテレビボードや本棚などを壁に組み込むことも可能です。ふかし壁の内部に配管や配線を通すことで、見た目をすっきりさせるとともに、これらを保護することができます。

デメリットは以下の2つです。

  • 材料費・施工費がかかってしまいコストが増大してしまうこと
  • 壁の厚みが増す分、室内有効スペースが減少してしまうこと

デザイン性や機能性を高めるための有効な壁構造ではありますが、設置場所や目的に応じて検討することが必要となります。

壁の立て方

リフォームといえば、“間取変更”。建物内の空間を用途に合わせて仕切るための壁が間仕切り壁です。視線を遮り、居室の独立性を保ちます。

2×4工法の戸建てでは間仕切り壁がそのまま耐力壁として建物を支えているため、地震や風圧などの水平力に対抗する役割も果たしています(そのため、2×4工法の戸建ては間仕切り変更ができません)。

間仕切り壁は木材やLGSと呼ばれる軽量鉄骨材が下地として使われます。木材やLGSを間柱として立て、上下に30cm間隔で配置し、両側にプラスターボードを貼り付け、ビニールクロスまたは塗装で仕上げます。

壁を立てるとき、“壁が先”か“床が先”で工法が変わります。

壁先行工法

壁先行工法とは壁を立ててから床を仕上げていく工法です。部屋ごとに床を施工していくので、仕上げ材の厚みや仕様の違いにも柔軟に対応が可能です。壁を先に先行して施工するため、将来的に間取りを変更する際に床を壊す必要もなく、リフォームも比較的容易といえます。

デメリットとしては、以下の2点。

  • 間仕切り壁に挟まれた廊下などに配管・配線が集中し、床が施工されるまで歩行がしづらい
  • トイレや洗面所などの狭小部での根太システムやベースパネルの切断が増え、施工ペースが低下してしまう

また、壁を立ててから床を施工しているので、間仕切り壁を撤去した際に壁のあった部分に床が張られていないため、リフォームの際に新たに床を張る必要が出てきます(張替か上張りなど)。

床先行工法

床先行工法とは床を施工してから間仕切り壁を立てていく工法です。広い面積を一度に施工できるため、効率的に施工が可能です。

また、配管や配線を二重床で覆うため、施工後の歩行も安全で事故リスクが軽減されます。間仕切り壁を後から設置するため、将来的に間取りを変更する際にも柔軟な対応が可能です。

ただし、床先行にもデメリットがあります。それは以下の4点です。

  • 床下が連続しているために音や振動が他室へも伝わりやすくなる
  • 間仕切り壁の位置出しのため、最初の墨出しと床を張った後にもう一度墨出しをする必要がある
  • 仕上げ材の厚みの違いや床暖房の有無によって、二重床で段差が発生する
  • 壁の重さで床が沈まないよう、壁下に補強材を施工する必要がある

施工の効率化や安全性の向上になりますが、音や施工の手間がかかることに注意が必要になります。

私自身は床先行工法の現場に立ち会ったことがありません。一般的には壁先行工法のお部屋が多いかと思います。

それぞれの工法でメリット・デメリットがありますので、どのようなお部屋が必要なのか、将来的にどのように使用したいのかをじっくり検討して選ぶことをオススメいたします。

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ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

この記事を執筆した
エージェントプロフィール

髙石 彩也子

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