エージェントブログAGENT BLOG

髙石 彩也子

ライフスタイルの変化に合わせた住みやすい空間をご提案

公開日:2024年1月24日

この度、REDSリフォームの一員となりました髙石彩也子です。ブログを書くのは初めてで、何を書こう……?とずっと悩んでいました。せっかくなので、簡単な自己紹介や取得した資格、それに関わるお話を書いていこうかと思います。

私の資格は二級建築士

私は「二級建築士」の資格を持っています。当時勤務していた不動産会社で、販売図面や賃貸募集図面を作っていたのがきっかけで取得を目指すようになりました。

その会社では市販のソフトで大まかに躯体や壁をなぞって図面を作っていました。作るならちゃんと線を引いて描きたいと思い、勉強して資格を取ることにしました。資格を取るには学校に行くのが一番早いと分かったので、学校宛てにすぐ願書を提出、面接・面談、とずいぶん慌ただしいスケジュールでした。

ここまで2~3月の出来事で滑り込み入学のような形だったので、本当にバタバタしていました。年齢や職業もバラバラな面白いクラスメイトに恵まれ、久しぶりであっという間の学生生活などを楽しみながらもなんとか試験に合格し、現在に至ります。

建築士の資格を取得すると、宅建士と同じように法定講習を3年に1度受講します。建築士事務所に所属していない場合は受講義務がありませんが、1年前に機会があり受講しました。受講内容は、建築基準法の改正内容、昨今の新型コロナウイルス感染症に関わる室内空気環境の話、省エネルギー住宅、近年の木造住宅や耐震基準のことなどでした。

地震など自然災害で建築基準法は改正される

法改正

そもそも建築基準法が改正される理由は、社会や技術の変化、新たな課題への対応、法令の見直しや改善の必要性など、さまざまな理由があります。そのひとつが、地震や洪水などの自然災害です。

2016年4月の熊本地震は今回受講した法定講習でもテーマに挙げられていました。熊本地震では震度7の地震が2回繰り返して発生し、多くの建築物が被害を受けました。木造住宅については損壊や倒壊など、甚大な被害だったと記憶しています。

また、住宅の建築年によって被害がどの程度あったのか、日本建築学会が調査を行ったところ、「1981年6月以前に建てられた住宅の被害率が高い」という結果が出ています。

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、1981(昭和56)年6月以前の住宅は、旧耐震基準で建てられた住宅です。同年に建築基準法が大きく改正され、新たに新耐震基準が策定されましたが、これは1978(昭和53)年に発生した宮城県沖地震の家屋倒壊の被害が甚大であったことが理由として挙げられています。

私が生まれる以前の地震被害ですが、被害状況などを調べてみると今年初めの「令和6年能登半島地震」と同じように、地震による建物の倒壊や地割れ、津波による浸水などの被害があったようです。建物のほかに塀やブロック塀の破損・倒壊による死傷者が目立ったという記録から、1978年には「ブロック塀の安全対策」について改正もされています。

地震大国と言われるほど地震が多い日本ですが、この時をきっかけにリスク認識が高まり、その影響を最小限にするための対策強化として見直されたのが新耐震基準ということです。建築技術や新しい建材などの発展で、旧耐震基準では考慮されていなかった性能向上が可能となり、より安全で持続可能な建築物を確保することができるようになりました。

阪神・淡路大震災も契機に建築基準法改正

木造住宅を建築する際の必要壁量などの見直しがされていましたので、1995年の阪神・淡路大震災でも一定の役割が果たされていたという結果も出ていたようですが、まだまだ不十分な部分もあり、多くの木造住宅が倒壊しています。

そのため、1995年の阪神・淡路大震災と同年12月に実物大の住宅を用いた振動台実験を繰り返し、倒壊した木造住宅の耐震に対する改善策として挙げられた

1.有筋基礎の義務化
2.筋交いや耐力壁端柱の柱頭柱脚の接合仕様の導入
3.耐力壁配置の確認法の導入

などの内容で、2000年に再度建築基準法の改正が行われました。

接合金物の例1

接合金物の例2

〈接合金物の例〉

部材同士をつなげる金物で、特に隅角部は引き寄せ金物をつけるのがマストだと言われています。これによって、最近の木造住宅の性能は格段に向上しました。

2011年の東日本大震災では、1階部分が津波でえぐられてしまったにもかかわらず、倒壊せずに、余震にも耐えていたという実例もあります。また、津波でべた基礎ごと浮いて移動した住宅もあったというので驚きです。

津波の被害を受けた住宅

〈1階部分が津波でえぐられてしまった住宅〉

熊本地震でも、新耐震基準導入以降の木造建築物では、接合部の仕様が明確化された2000年以降の倒壊率が低く、接合部の仕様等が現行規定どおりのものは、倒壊・崩壊の防止に有効的だったとされています。

耐震性能の目標は「大地震に、建物の倒壊を防いで命を守る」ことです。遡れば建築基準法が制定された昭和25年、その2年前に福井地震がありました。住宅性能の著しく低かった時代に、せめて命は守れるようにと決められたものです。

今の建築基準法は、何年も何年も繰り返し発生する地震や災害の被害経験からどのようにしたら耐え、命を守れるか、検証データや実験、検討を重ねながら改正されてきたといえます。これから先、さらに耐震性能が向上し、大地震にも耐えられるような住宅が増えていったら、被災後の復旧・復興への負担も軽減できるのではないかと期待しています。

まとめ

建築基準法を掘り下げるとどうしても地震のお話が出てきてしまい、今回は耐震のお話がメインとなってしまいました。次回は省エネルギー住宅について書こうと思います。

最後に、この度の令和6年能登半島地震により犠牲になられた方々に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。一日でも早く平穏な生活に戻られますことを心よりお祈り申し上げます。

 

カテゴリー: