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公開日:2024年2月28日

カーボンニュートラル(脱炭素社会)の実現を目指すために重要な建築物省エネ法について解説

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こんにちは。REDSリフォーム、二級建築士・宅建士の髙石彩也子です。ブログをご覧いただきありがとうございます。今回から省エネ法や省エネ住宅について、つらつらと綴ってみようと思います。

脱炭素社会

省エネ法はオイルショックが発端

「省エネ法」とは正式には、「エネルギーの仕様の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」といわれるものですが、1970年代のオイルショックからこちらの法律が制定されました。

省エネ法の第一章総則(目的)第一条に、

省エネ法
(e-GOV法令検索より)

とあります。

ぜんっっっぜん意味が入ってこないのですが、つまりは「化石燃料から非化石燃料に転換しましょう」ということです。

省エネ法対象のエネルギーは、①燃料②熱③電気――の3つでした。

2023年4月に改正された省エネ法の対象エネルギーは、①燃料②熱③電気④再エネルギー――の4つに変更になっています。

「再生可能エネルギーの電気であっても、無駄遣いをしないように」と変化しています。

建築物省エネ法とは

日本では、2030年までに温室効果ガスを26%削減し、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする「カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」を首相が宣言しています。

これは、「建築物や住宅から排出される温室効果ガスをゼロにする」ということです。このためには徹底した省エネルギーと再生可能エネルギーの導入が必要になってきます。

しかし、私たちは生活や仕事をしているので、いくら省エネしても冷暖房、換気、照明、給湯、家電機器、OA機器などにエネルギーが必要になってきます。この分を再生可能エネルギーや非化石エネルギーで補ってゼロにしようということです。

2016年、2018年に閣議決定されたエネルギー基本計画で、2020年までに、新築住宅・建築物について、段階的に省エネルギーの適合を義務化すると記述されています。2019年11月16日に届出制度の強化、トップランナー制度の対象拡大、複数建築物認定が施行されました。また、2021年4月から適合義務の拡大、説明義務の創設が行われています。

非住宅建築物(商業ビルなど)に関しては、2017年から大規模建築物(2000㎡以上)が確認申請手続きに連動した適合義務となったことに加え、2021年から中規模建築物(300㎡以上2000㎡未満)に関しても建築確認手続きに連動した適合義務に移行しました。

また、300㎡未満の小規模建築物に関しては省エネ基準適合への努力義務が生じています。
※設計者(建築士)から建築主への説明義務があります。

住宅に関しては、300㎡以上の大規横、中規模住宅に関して省エネルギーの届出義務が引き継がれ、所管行政庁の審査手続を合理化して監督(指示・命令など)の実施を重点化しています。300㎡未満の小規模住宅に関しては、省エネ基準適合への努力義務が生じます。
※設計者(建築士)から建築主への説明義務があります。

また、大手ハウスメーカーの供給する戸建住宅について、トップランナー基準への適合が拡張され、一定規模以上の注文戸建、賃貸アパート事業者にもトップランナー基準が拡大されています。

建築物省エネ法における現行制度と改正法との比較

(出典:国土交通省/建築物省エネ法の改正概要と今後のスケジュール等について)

認定マーク制度

建築物では冷暖房、換気、照明、給湯、エレベーターなどの昇降機にエネルギーが消費されています。それ以外に、OA機器、プリンターなどの事務機器、住宅であれば家電製品があります。これらを標準的に使用したときのエネルギーを基準一次エネルギー消費量としています。

建築設計をすると、例えば外皮性能の向上や、日射遮蔽、熱交換器の使用、昼光の利用、効率的な給湯装置を採用することで省エネを目指しています。基準に適合させるためには、設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量よりも少なくする必要があります。

まずは建築物の負荷を削減することが非常に重要で、その上で、設備の効率を向上させ、設計一次エネルギー消費量をできる限り小さくする工夫が必要になってきます。

この法律に基づいて2つのマークが定められました。ひとつは36条の基準適合認定マーク。

建築物エネルギー消費性能基準適合認定建築物

設計一次エネルギー消費量が基準一次エネルギー消費量より少ない、と法に適合すればもらえるマークで行政庁が認定しています。いわゆる「eマーク」と呼ばれるものです。

もう一つは、7条のマーク。

BELS

(左が非住宅、右が住宅のBELSマークです)

BELSは、「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」の略で、建築物省エネルギー性能表示制度という意味です。基準ビルよりも25%削減していると、星が3つになるというような、建物の性能を示しています。

BELSでは、BEI(基準一次エネルギー消費量に対する設計一次エネルギー消費量の割合)の値によって星の数で5段階評価が行われ、BEI 1.0以下(省エネ基準)で星2、BEI 0.8以下(誘導基準)で星3というように、性能が良いほど星の数が増えていきます。

BELSの評価基準

(出典:環境省/ZEB PORTALより)

ゼロ・エネルギービル(ZEB)もBELSと同じBEIという指標が用いられていますので、ZEBの基準を満たしている場合、BELSの星表示に加え、『ZEB』「Nearly ZEB」「ZEB Ready」の表示をすることもできます。

2030年までには新築の建築のスタンダードとしてZEBを目指すということが目標として掲げられています。ただし、これは我慢して達成するということではなく、生活の質を向上させながら、省エネルギーを一層推進するライフスタイルの普及が重要ということです。

質はきちんと担保して、よく働ける、よく学べるような建物で、ゼロを目指していくことが重要になっています。そのためには、適切な設計や運用を行う必要があり、建築計画をよく検討して負荷を削減し、高断熱化、日射遮蔽、通風などが行えるようにした上で高効率設備、照明の利用を行うことが大切です。

まとめ

当時は夢物語ではないかといわれていたことですが、2020年には新築の公共建築物においてそれぞれのジャンルで、少なくとも1棟以上は、ZEBが実現しています。次は2030年までに新築のスタンダードになることが必要になってきています。さらに、2050年までには、現在あるストックの建物でもゼロを目指していかないと脱炭素社会は実現できません。

皆様にとっては、どちらかといえばZEBよりもZEH(ゼッチ)の方が身近に感じるでしょうか? 次回はZEHのお話も書いてみます。

読んでいただきありがとうございました。

 

この記事を執筆した
エージェントプロフィール

髙石 彩也子

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