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佐藤 亮介(宅建士・リフォームスタイリスト)

ご購入もご売却も、安心してお任せ下さい。

公開日:2023年7月28日

REDSエージェント、宅建士の佐藤です。

不動産を購入されるお客様は、購入契約をされる前に、不動産業者(仲介業者または売主の不動産業者)の宅建士から、購入する不動産について書面を示して「重要事項説明」を受ける決まりになっています。

お客様にとっては初めてのご経験となることがほとんどだと思いますので、重要事項説明におけるポイントをいくつかご説明したいと思います。今回は、土地や戸建ての重要事項説明書に書かれている、売買対象不動産でいちばん最初の説明事項の「不動産の表示」の「土地」欄についての解説です。

重要事項説明

一般的な重要事項説明書では、土地についての表示は下のような欄になっています。

A.不動産の表示
1.土地

所在       持分
1 ○○市○○町○丁目 ○番1 宅地 100.00㎡  
2 ○○市○○町○丁目 ○番2 宅地 10.00㎡ 1/5
合計2筆 110.00㎡  
 

 

これを見れば、合計110.00㎡が購入する土地の広さであると認識されるかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。不動産業者から受け取った「販売図面(不動産の紹介図面)」に、「私道負担持分あり」、「セットバック含む」と書いてありましたよね。また営業担当者からそう説明を受けた方もいらっしゃるかと思います。

上記の記載ですと、家の建てられる土地の広さが、110.00㎡という説明に見えなくもありませんよね。でもよく見ると欄の右端に1/5と入っていますね。

重要事項説明書では、私道がある場合、セットバックがある場合、また利用を制限される部分がある場合は、その記載をしますので、確認してください。

重要事項説明書を後で見直したときに、お客様から「よくわからない」という感想が出るのでは、不動産業者としては片手落ちですね。「測量図を渡して口頭で説明した」ではなくて、重要事項説明書を見ればわかるようになっていなければなりません。

そのため、良心的な不動産業者は下の枠に私道面積やセットバック面積などを記載します。例えば次のように。ご購入を検討される際には、利用を制限される部分があるのか、実際に建物の敷地として利用できる広さはどれくらいなのかをよくご確認ください。

A.不動産の表示
1.土地

所在       持分
1 ○○市○○町○丁目 ○番○ 宅地 100.00㎡  
2 ○○市○○町○丁目 ○番○ 宅地 10.00㎡ 1/5
合計2筆 110.00㎡  

◆上記土地の合計面積は、100.00㎡+10㎡(持分1/5)となります。

◆上記1の土地のうち、約●㎡は建築基準法第42条第2項による道路後退部分(セットバック部分)です。別添令和○年○月○日土地家屋調査士△△作成の地積測量図をご参照ください。

◆上記2の土地は私道部分です。

 

これで、建物が建っている、または建物が建てられる敷地の広さが、測量図を併せて確認することで分かりますよね。

この注書きには、色々なケースがあります。土地を眺めただけではわからないことが実はたくさんあって、不動産業者はそれを資料とともに重要事項説明書に記載します。

●位置指定道路の指定幅員未満のため、復元する部分がある場合の記載例:上記1の土地のうちには、建築基準法第42条第1項第5号道路の復元部分です。別添令和○年○月○日土地家屋調査士△△作成の地積測量図をご参照ください。

●隣接地などとの共同利用部分がある場合:上記1の土地には、隣接地(地番○番○)との協定部分が含まれます。位置と面積については別添協定書(見本)添付の●●図をご参照ください。

●分譲地で共有のゴミ置き場がある場合:上記2の土地はゴミ置き場部分です。

●区画整理事業施行地区内の「仮換地」の場合:本物件は土地区画整理事業施行地区内の仮換地です。上記登記記録上の土地の表示は従前地の表示であり、仮換地の表示は次のとおりです(別添仮換地証明書参照)。なお、仮換地面積は換地処分後増減することがあります。また、換地処分があるまでの間の権利の種類は、従前地は所有権、仮換地は使用収益権となります。

仮換地街区:〇〇土地区画整理事業〇〇街区
仮換地面積:〇〇〇㎡

このように事例を挙げていくと、複雑なことがいろいろあるのだな、と思われるかも知れませんが、不動産のご購入をご検討される際には、不動産の営業マンから具体的な資料とともに、正確な説明を受けたうえで、購入をご決断されることと思います。売買契約締結に臨まれる前に、重要事項説明書で何度も確認してくださいね。

私道(現に負担している部分、また建築にあたってセットバックする部分)に関しては、「敷地と道路との関係」という項目である「私道負担等に関する事項」という項目でも説明がなされます。

これらの項目に関しては、別の機会に説明したいと思います。

 

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