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『正直不動産』ドラマ第7話最速レビュー~明かされる永瀬の過去

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最終更新日:2022年6月8日
公開日:2022年5月17日

ある日突然、うそがつけなくなってしまった不動産仲介会社の営業マンが、独特の商慣習で動く不動産業界で奮闘する姿を描いたNHKドラマ『正直不動産』。第7話が2022年5月17日(火)夜10時に放映されました。

〝うそをもいとわない〟セールストークで売上ナンバーワンの地位を維持する不動産営業マンの永瀬財地(演・山下智久)が〝うそがつけない〟営業マンになった今、どのように家を売っていくのか。話題のドラマ第7話のレビューをお届けします。

今回は永瀬がなぜ不動産会社の営業マンになり、どうやって成績1位になったのかが明かされます。予期しなかったトラブルで正直な営業スタイルに転向せざるを得なかった永瀬ですが、果たして今回のお客様にはそれが吉と出るか凶と出るか。では、振り返ってみましょう。

※REDSは原作漫画『正直不動産』(小学館ビッグコミック連載中)のシナリオ作成に協力し、ドラマ化の際も代表の深谷十三が不動産考証にかかわったほか、REDSエージェントが取材協力をしています。REDS「不動産のリアル」編集部では、いち早くドラマの内容紹介のほか、作中で登場した不動産業界の商慣習、不動産売買を考えている方が知っておきたいポイントをプチ解説します。

(不動産のリアル編集部)

ビジネスマンとグラフ

(写真はイメージです)

永瀬が「うそつき不動産」だったころの客、登場

登坂不動産のオフィスにかつて永瀬が「正直不動産」でなかったころに三階建ての賃貸併用住宅を仲介した客、松永新吉が現れました。「人のこと騙しといて、何がありがとうだ! 心当たりがないとは言わせないぞ」と怒鳴られた永瀬に風が吹きます。

永瀬「松永様には、あの物件のメリットだけを強調し、我ながらあくどいやり方で売りつけさせていただきましたから」「うそではありません。希望的観測とでも言いますか、偶然と幸運が重なり、もはや奇跡のようにすべてがうまくいった場合の話をしたというか」
松永「それを世間じゃ詐欺っていうんだ!」

永瀬の言葉は、私たちが実際に不動産会社を利用するとき、担当者からメリットばかりを強調されたら必ずデメリットがないか詰めなければならない、と教えてくれているようですね。

明かされる永瀬の過去!大河部長と同様、登坂社長の恩情が

月下と大河部長が商談後、ふたりでフルーツパフェを食べています。話の流れは大河の過去。大河は高校中退後、ティッシュ配りのバイトから登坂社長に拾ってもらい、不動産の営業マンとして鍛えてもらったそうで「俺はあの人のためなら死ねる」と登坂社長を絶賛します。そこから永瀬の過去についての話題になり、大河の回想が始まります。

3年前。予算オーバーの物件を前に契約を迷う客を「この物件は価格が少々予算オーバーですが、それ以外はほぼご希望どおり。まさしく運命的な出合い。ただこの運命の女神は非常に気まぐれでして、タイミングを逃してしまうと、あっという間に手の届かない所へ去ってしまうんです」などと、なだめすかして契約させた永瀬。

ところが、その客が売買契約直後に会社が倒産してしまったため、契約解除を申し出たところ「すでに金銭消費賃借契約(住宅ローン)を結んでしまった以上、難しいかと」とにべもなく、「私の方では判断しかねますので、この件、上司に引き継がせていただきます」といって突き放していました。めちゃくちゃ自己中心的な営業スタイルだったようです。

後のシーンに飛びますが、永瀬の行きつけの居酒屋の店主は、永瀬が登坂不動産に就職した当時を回想します。永瀬の父は友人の連帯保証人となり、その責任を負って自宅を競売にかけられそうになりました。不動産会社と電話でその連絡をしていた大学生の永瀬に、近くにいた登坂社長が「やめておけ」と忠告し、上手に処理したそうです。

頭を下げる永瀬に登坂は「君のためにやったわけじゃない。いちばんもうかったのは私だよ」と答えます。そのとき「俺を雇ってもらえませんか。お客から感謝されて、金ももうかる。そんな仕事、最高じゃないですか」と声を弾ませ、その後、宅地建物取引士の資格も取得し、晴れて就職が決まりました。

大河部長と永瀬には登坂社長の恩情で不動産営業マンとなった共通点があったのです。

永瀬がトップ営業マンになるためにやったこととは?

後のシーンで、月下咲良(演:福原遥)と永瀬の会話。ここで、永瀬はどうやって営業成績トップにのし上がったのかが語られます。まずはトップになると決意した動機から。

永瀬「入社したてのころ、全然ノルマ達成できなくて、金がなくてさ。スーパーで弁当、特売になるまでウロウロしたりしてた。両親とも人がいいから友達の保証人になって、もっと金なくなって。あんなふうになりたくなかったから、金がほしかった。金稼いで、タワマン住んで、いいクルマ乗って、いい服が着たかった。そのために何でもやることにした」

次にどうやったのかが語られます。これには月下も黙るばかりです。

永瀬「まず、そのときの営業トップの人を完コピした。スーツ、靴、時計、髪型をぜんぶマネして、その人の営業トーク、盗み撮りして、何度も何度も聞いて研究した」
月下「……」

永瀬「それだけじゃない。営業に役立ちそうなことなら、心理学だろうが、マーケティング術だろうが、詐欺師のやり方だろうが何でも取り入れた」
月下「……」

永瀬「おかげで成績は上がったんだけどさ、どうしても1位にはなれなかった。で、俺とその人の何が違うのか、考えに考え抜いた結果、あることに気づいた」
月下「なんですか、それ」
永瀬「お客を人だと思わないこと。そうすれば情も湧かない。下手に感情移入しなくて済む。数字のことだけ考えて、うそをついても、詐欺スレスレのことをやっても、心が痛まなくなった。それで、おれは営業成績1位になった」

ひょっとしたら、みなさんの周りの営業成績トップの人にもこういう人、いるかもしれませんね。

高齢者向けローン、リバースモーゲージはあり?なし?

話を少し前に戻して、永瀬は知人で三友銀行の榎本美波(演:泉里香)から相談を持ちかけられます。三友銀行の顧客で戸建ての売却を考えている高齢の藤崎夫婦がいるので、商談に同席してほしいというのです。

日付が変わって、藤崎夫婦宅。夫婦は嫁に出た娘がいて、いずれは夫の実家に住むのでこの家をどうするかを任されたそうです。ときどき遊びに来るかわいい孫がいます。

永瀬は夫婦に立地が悪いことからすぐに売れる確約ができないことと、高齢者は賃貸物件を借りにくい現状があることを伝えます。売却するのは慎重になったほうがいい、とのメッセージです。ここで美波がいきなり身を乗り出して金融商品のパンフレットを広げ始めました。それはリバースモーゲージである『キラキラ長寿』というローンでした。

リバースモーゲージとは、高齢者向けのローンで、自宅を担保にして、住み続けながら融資を受けることができるというものです。住宅ローンが最初に一括して融資を受けて家を買い、毎月返済する仕組みであるに対し、リバースモーゲージは定期的か一括で融資を受け、元本の返済は死亡後または契約期間終了後に担保不動産の売却代金で返済するというものです(相続人による手元資金での一括返済も可能)。存命中、契約期間中は月々の返済は利息のみのため負担が少ないのが特徴です。

永瀬は「まさか、榎本さん。自分の金融商品を営業するために俺を利用したってこと?」と勘ぐりますが、どうやら以前、永瀬にデリカシーのないことをされたことに対する仕返しだったようです。

「このローンはご旅行やかわいいお孫さんへのお祝い、さらに長期入院費、高額医療費、介護費などご融資金の使い方が自由なのが特徴なんです。おふたりのこれからを考えますと、私はご自宅を売却するよりオススメします」と美波。同意を求められたところに、例によって永瀬に風が吹きます。

永瀬「もちろん私もオススメ――なんて1ミリもできません」
美波「はぁ?」

永瀬「いいですか、この商品のデメリットのひとつに『長生きリスク』があります。このローンは契約期間20年の場合が多いのですが、もしご主人が契約期間の20年を超えて長生きしてしまった場合、契約満了時に一括返済が要求され、返済不能の場合は担保であるご自宅を失うこともあるんです」
美波「……」
永瀬「もちろん契約内容しだいですが、私が言いたいのはメリットだけを聞いて融資を受けるのは危険だということです」

ここで孫がカットインして商談は中断。台無しになされた美波はおかんむりです。

ミネルヴァ不動産の花澤も鵤社長の恩情で拾われた?

場面が変わって登坂不動産への復讐の炎を燃やすミネルヴァ不動産の鵤(演:高橋克典)は、花澤涼子(演:倉科カナ)と西岡将生(伊藤あさひ)に「永瀬を追い込め。桐山がやめた今、永瀬も去れば、登坂で使える人間はいなくなる」と発破をかけます。

しかし、花澤だけは「こんな手段を使わなくても、私が登坂以上の数字を出して見せます」と反発。鵤は「俺のやり方に反対ならばすぐに辞めろ。ただ、君を地獄から引き上げたのは誰だ?」と鋭い視線を花澤に向けます。複雑な表情で頭を下げる花澤ですが、花澤も永瀬や大河と同様、社長に救ってもらった過去があるようです。人材の出入りが多いとされる不動産業界ではこのようなことはよくあることなのでしょうか。

いずれにしても、鵤と花澤の意見の対立は明確です。ドラマに勧善懲悪が欠かせないとするなら、鵤が一敗地に塗れるとき、花澤の行動がカギになりそうですね。

「ニンニク増し増し油多め」の注文に「サッパリ」を出した永瀬

永瀬と美波は再び藤崎夫婦と対面。家を売却する際の査定価格が4,800万円であることを告げると、藤崎夫婦は売却する意思を伝えます。永瀬が庭の片隅に「砂場用・抗菌砂」と書かれた砂袋が積まれているのを目にしたとき、例の風が吹き、ちゃぶ台返しを始めます。

永瀬「藤崎さん、絶対にこの家を売ってはいけません。それよりも三友銀行さんの『キラキラ長寿』を契約すべきです」

驚く一同に、永瀬は続けます。「あの砂、抗菌砂ですよね。もしかしたらお孫さん、普通の砂場では湿疹が出てしまうのではありませんか? ご主人、ここを売却したらあの砂場は戻ってきません。かといって、おふたりの年金支給額を考えると、庭付きの賃貸物件に住むのは正直言って難しいと思います。幸せの形は人それぞれです。私はお孫さんのためだけではなく、奥様のためにもこの家を売るべきではないと思います」

戸惑う藤崎夫妻に永瀬が「私たちは物件を右から左に仲介しているのではありません。家を通じて、お客様の人生を豊かにする。そのお手伝いをするのが不動産屋の仕事ですから」とトドメを刺します。

見直したように永瀬を見つめる美波ですが、会社からしたらトンチンカンな提言に違いなし。帰社後、大河部長は「ラーメン屋でニンニク増し増し油多めって注文した客に『それ、体に悪いからサッパリにしておきました』っていうのと同じだ!」と実に的確なツッコミで追及します。まるでコントですね。

大どんでん返し。「正直不動産」の看板を背負うことを決めた永瀬

登坂不動産の応接スペースで永瀬と美波と向かい合って座る藤崎夫妻。結局、家を売ることにしたと言います。娘の育て方で過去を悔やんできたという夫妻は、改めて娘と話し合ったそうです。

藤崎「永瀬さん、人の幸せの形は人それぞれだっておっしゃいましたよね。私たちは旅行や趣味より、孫の成長を近くで眺められたら、それが何よりの幸せなんです。だから、家を売って、娘が住んでいる近くの賃貸物件を探してほしいんです。それをすべて永瀬さんにお任せしたいんです、あなたなら信頼できます」

こう言われ、頭を下げる永瀬。「正直不動産」の大勝利です。不動産会社の視点からすれば、売却にかかる仲介手数料だけでなく、賃貸物件を探す仲介手数料まで手にすることができました。一方、顧客を横取りされ商機をフイにした美波も「むしろ前よりも永瀬さんのことを知りたくなりました」と笑顔。消えかけた恋心は戻るのでしょうか。

最後は、冒頭に出てきた松永と対面。冒頭に現れた、3年前に口八丁手八丁で条件の悪い賃貸物件を買わされた人です。その物件の買い手が見つかり、住み替え先の物件を提示しています。「また騙そうとしてないよな?」と問われ「ご安心ください。私はもう、うそがつけない人間ですから」と永瀬。完全に過去と決別し、「正直不動産」の看板を背負って立つことの決意表明のようでした。

ただし、それで終わるほど不動産業界は甘くない。ミネルヴァ不動産の鵤はどのように「正直不動産」の看板をぶっ壊そうとしているのか。次回から、衝撃のラストにつながる三部作のスタートです。

(不動産のリアル編集部)

 

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