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『正直不動産』ドラマ第3話最速レビュー~本当は恐ろしいペアローン、乗り越えるのは夫婦の愛しかない!

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公開日:2022年4月19日

ある日突然、うそがつけなくなってしまった不動産仲介会社の営業マンが、独特の商慣習で動く不動産業界で奮闘する姿を描いたNHKドラマ『正直不動産』。第3話が2022年4月19日(火)夜10時に放映されました。

〝うそをもいとわない〟セールストークで売上ナンバーワンの地位を維持する不動産営業マンの永瀬財地(演・山下智久)が〝うそがつけない〟営業マンになった今、どのように家を売っていくのか。話題のドラマ第3話の最速レビューをお届けします。

※REDSは原作漫画『正直不動産』(小学館ビッグコミック連載中)のシナリオ作成に協力し、ドラマ化の際も代表の深谷十三が不動産考証にかかわったほか、REDSエージェントが取材協力をしています。REDS「不動産のリアル」編集部では、どのメディアよりも早く、ドラマの内容紹介のほか、作中で登場した不動産業界の商慣習、不動産売買を考えている方が知っておきたいポイントをプチ解説します。

(不動産のリアル編集部)

(写真はイメージです)

「結婚は罰ゲーム」という結婚観の永瀬

前回の最後の場面で取引先の銀行員、榎本美波(演・泉里香)とアクシデントで密着してしまう永瀬でしたが、その様子を見ていた月下咲良(演・福原遥)が「付き合っているんですか? だって昨日、いい感じだったんで」と尋ねます。

そこで永瀬に風が吹いて、出てきたのは「(結婚は)ありえない。赤の他人と24時間365日過ごすなんて、ただの罰ゲームでしょ」という身も蓋もない回答。この後、永瀬が語った結婚観が以降の展開を暗示するかのような場面に切り替わります。

永瀬が対面したのは一流広告代理店勤務の室田晃汰と大手出版社勤務のえり香夫妻。実はこの2人、3年前に永瀬の仲介で1億2,000万円の高級マンションを購入していたのです。永瀬は当時、ペアローンを勧めていました。ペアローンとはひとつの物件に対し、共稼ぎのカップルがそれぞれローン契約を結び、互いを連帯保証人としてローンを組む方法です。

このとき永瀬はこんな営業トークでペアローンを勧めていました。

「ご夫婦が協力し合うことで、お互いの負担を減らしつつ、立派なお住まいを手に入れることができるんです」「『結婚は悲しみを半分に。喜びを2倍にする』。イギリスの有名なことわざです。ペアローンはまさしくこれです。ご負担は半分で、喜びは2倍に!」

これはもちろんいい面しか語っていません。当時、永瀬は心中で「ペアローンの本当のおすすめポイントは、借入可能額が大きくなり、気が大きくなって、高い物件に手を出してしまうこと」と言い切っていました。住宅ローンの借入額は世帯年収に対し6~8倍くらいが多いようです。

カップルの双方が融資を受ければ、当然、借入可能額は増えます。そこに安心して、作中の夫婦のように目いっぱい借りてしまうと、ひとたびトラブルが起きてしまったときに、一気に支払いが困難になってしまうことがあるようです。

心理学を駆使して予算超えの部屋を契約させるテクニック

夫婦間トラブルの最たるものが離婚です。厚生労働省によると、2018年、全国の離婚率は35.52%でした。3組に1組以上に上ります。東京都は全国でも最も少なく27.45%ですが、最も多い高知県では46.15%にもなるそうです。

晃汰とえり香も永瀬の前で目も合わせないほどバチバチ。しかも離婚を機に自宅マンションを売るか売らないかで意見が分かれています。ここでも、ペアローンを組むために共有名義にしたことが足かせとなります。まず、共有名義人の意見が一致しないと売ることはできません。さらに単独名義に換えるとなると、一方のローン残債を一括返済するか、新たに借り換えることになります。残債の額によっては、いずれも困難です。

最終的に夫妻はローンの組み直しを永瀬に指示します。永瀬は銀行の融資係の美波に交渉しますが、美波は「高級車や高額の貴金属をローンで購入しているので審査は通らない」と塩対応です。

住宅ローンの審査には、消費者金融からの借り入れを含む他の債務の存在や携帯電話料金の支払い滞納歴などの有無が影響します。ただ、対応は金融機関によって異なるため、そうした債務があっても融資が一律NGということはありません。

永瀬が帰った後、「狙ってるんじゃなかったんですか。収入の浮き沈みが激しい不動産屋は考えられないけど」と言う同僚に対し、美波は「結婚なんて形だけ」と言い放ちます。永瀬の結婚観に似てずいぶんさめた考えに聞こえますが、永瀬に興味はあるようです。

ローンの借り換え不可を伝えられた晃汰は結局、永瀬に売却を指示します。

人気物件を装うために役者を仕込んで芝居を打つ成績トップの桐山

一方、場面が変わって、条件の異なる店舗物件を社長の登坂寿郎(演・草刈正雄)から選択するよう求められる月下と桐山。「荻窪駅近くの喫茶店」と「西八起駅の商店街のはずれの元コンビニ」。会社の利益を追求するなら、通勤快速の停車駅で、家賃相場も高い荻窪駅の物件一択だと素人目でも感じますが、月下が選んだのは商店街の物件でした。

「勉強させてやるよ」という桐山に連れられ、月下は荻窪駅の喫茶店跡に向かいます。入居希望の辰巳遼平に内見案内をしていると、女性がドアを開けて入ってきました。桐山は「まだ内見が終わってなくて」と告げます。「そんなに人気なの」と驚く辰巳に桐山は「かなり問い合わせをいただいています」。次にエプロン姿のコーヒー豆業者が入ってくると、桐山のスマホが鳴り、桐山は離席。その間に辰巳が業者に「前の店はなぜ潰れたの?」と尋ねると「店主がとにかく博打好きで、しょっちゅう店を閉めてた」と打ち明けます。

そこに戻ってきた桐山に辰巳はひと言、「決めた。ここ借りるよ」。どう考えても、この店の入居希望者が多いことを知り、前の店が潰れた理由も属人的だということに背中を押されたとしか思えません。

帰社した月下が永瀬に尋ねたところ、永瀬は「契約を急がせるために、わざと次の内見者、ダブルブッキングさせた。仕入れ業者もそう」と説明します。永瀬が現場を見ずしてそこまで語れるということは、永瀬も過去に似たような方法を使ったのかもしれません。

一方、月下が選んだ商店街のはずれの店舗。テナントを募集している張り紙を、髙田義明、咲江夫妻が眺めています。警察官を退官した義明は、現役時代に仕事漬けだった自分を咲江が支えてくれたことから、老後は咲江がずっとやりたかったという駄菓子屋の経営を考えていたのでした。

新婚夫婦に「離婚の可能性も視野に入れていますか?」と聞く永瀬

場面は変わり、先の離婚する夫婦の物件に興味を示した夫婦が現れ、永瀬が対応します。根尾直美・祐樹夫妻、新婚3カ月、3つ年上の姉さん女房。直美はIT企業で祐樹は中堅企業、明らかに年収は直美が上のようです。マンションを内見する2人は室内を気に入った様子ですが、明らかに直美がリードし、祐樹は後ろからついて行っているだけに見えます。

共有名義でのペアローンの仕組みについて問われたところでまた正直風に吹かれた永瀬。「おふたりは、離婚の可能性も視野に入れていますか? いるんですよ、家買うときはラブラブでも、1年後には氷河期かっていうくらい冷え切った夫婦が」と言い放ってしまいます。

永瀬は「なんであんなこと言うんですか? 僕、あの物件を気に入っていたのに」という祐樹に対し、「でしたら旦那さんから説得してください」と返します。実は夫婦の立場に差がないこと、あったとしても互いに対等であることがペアローンの成否を分けることを永瀬は知っているのです。このセリフは正直風に吹かれているとはいえ、真実をついています。しかし、案の定、夫から返ってきたのは「説得なんて無理です」でした。

オーナーに値下げを迫るという月下の行動の裏にあった思い

一方、駄菓子屋を営みたい夫婦のため、店舗のオーナーに賃料と保証金を下げてもらえないかと直談判を計画する月下。しかし、そのオーナー(演・大地真央)とはいわゆる「不動産女王」で、登坂不動産のいいお客さんでもあり、社長の古い友人でもあります。

永瀬とともにマダムを訪問した月下に、マダムは「話にならない」と言下に却下。月下は作成した分厚い計画書と事業計画書を差し出すものの、とりつく島もありません。マダムはさらに「貧乏そうな顔。あなたじゃ無理ね」ととどめを刺します。

そこで正直風に吹かれる永瀬。「そんなに金を稼ぎたいなら、あの貸店舗で風俗でもやればいいじゃないですか」とブチかまし、さらに「にぎわった商店街も今はすっかり寂れています。それなのに、当時のバカ高い保証金と賃料で借りる人がいると思いますか」と吹っかけます。

そこから話だけは聞くことになったマダムですが、月下をまた鼻で笑います。店舗の近所にある学習塾とスイミングスクールに子供を通わせる保護者が待機する場所があると便利だということを住民からの聞き込みで突き止めたことや、ファミリー層向けのマンションが3棟、3年後に完成することなどを月下は語りますが、マダムは2人を帰らせてしまいます。

帰り道、永瀬は月下に「なんでこの仕事を選んだ?」と尋ねます。両親ともに外資系企業に勤めていて、都心に立派な家を建てるほど裕福だった月下家。しかし、リーマンショックの影響で収入が減ってしまい、ケンカが絶えなくなり離婚してしまったそうです。しかも家を買うときに不動産会社の口車に乗って無謀なローンを組まされ、結局家を手放すことになり、一家離散になってしまったと。

しかし、不動産会社への恨みが強かった月下を変えたのもまた不動産会社でした。六畳一間のボロアパートを内見しているとき、「でも、眺めは最高なんですよ」と窓を開け、満開の桜を見せてくれた女性の担当者。この桜だけはたしかにどんなに高いお金を出しても、この部屋からしか見ることができない―。そう感じた月下は「家なんかハコでしかない、住む人が幸せだと思える場所。それこそがいい家なんだって。だったら今度は私が、そういうことをしてあげられる不動産屋さんになろう」と決意したということでした。

家を探す人はどんな家に住めば幸せだと思っているのか、それをくみ取り、一緒に探すこと。それが不動産会社の担当者としての使命という月下は根っからの「正直不動産」なのかもしれません。ただし、ノルマや売上達成とは対極にあるこんな考えの社員は、不動産会社によってはクビに値するのかもしれません。実際、社長も「あののんきな顔、この業界に向いているとは思えない。今回の案件でダメだったら、辞めさせよう」と非情です。

「ペアローンは互いの人生を〝人質〟に取ること」と言って大逆転!

場面が変わって離婚して売却する室田晃汰・えり香夫妻のマンションの内見に訪れた根尾直美・祐樹夫妻。えり香が部屋の案内や自分の失敗談をすると、直美の態度も軟化しました。しかし、直美は「離婚した夫婦が住んでたなんて縁起が悪すぎます」と譲らず、帰ろうとします。祐樹もその後を追って出ようとしたとき、永瀬に正直風が吹きます。

「私には見えます。数年後、おふたりが離婚届に判を押している姿が」。そう言って、ペアローン最大の急所に斬り込みます。「(ペアローンは)お互いが連帯保証人になる借り入れ方法です。夫婦のどちらか片方が返済能力のあるなしにかかわらず、返済を拒否した場合、連帯保証人は否応なく、代わりに返済しなければならないことはご存じですか? 互いの連帯保証人になるというのは、二人分の人生を人質に取られるようなものなんです」

こう言われた夫妻は絶句してしまいます。たしかに、ある意味で怖いことでもあります。ある日突然、一方が失踪して支払いを拒否すれば、残された側には2倍の支払い義務が生じるわけですから。ローンを組んだときより経済状況が悪化していれば、直ちに売却する以外に助かる道はなくなります。

それを知っているからこそ、永瀬はさらにまくし立てます。

「相手の顔を見たくないほど憎み合うときもある。どちらかが仕事を辞めるときもくるでしょう。それでも最後まで支え合うのが本当のパートナーではないでしょうか。新婚だとか収入の格差があるからとか、年上だとか年下だとか、そんなことで言いたいことをガマンしてはいけません。夫婦は対等なんです。あなた方、お互いの気持ちを包み隠さず、トコトン話し合ったんですか? このままだと、本当に離婚しますよ」

それでも振り切って帰ろうとする直美を引き止めたのは祐樹でした。「今まで嫌われるんじゃないかと思って、何も言えなかったけど、これからは何でも二人で話し合って決めたい。僕たちの未来のことなんだから」。

その後、無事にこのマンションは9,700万円で成約してめでたし、めでたしとなります。月下が担当した商店街店舗も、マダムが「ただの暇つぶし」と言いながらも家賃の値下げに協力してくれ、無事に駄菓子店はオープンします。

そして最後のシーン、行きつけの居酒屋でシャンパンを酌み交わす永瀬と美波。美波はプロポーズされる気満々です。しかし、永瀬の口から出てきたのは「今回、つくづく結婚は人生の墓場だって痛感しましたよ」「このジョーク知ってます? 人生最良の日は結婚式の日だった。じゃあ最悪の日は、それ以降の毎日だ! あはははは」

ドン引きする美波。「正直不動産」は契約を手にできても、ロマンスはつかみ損ねたようです。

(不動産のリアル編集部)

 

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