不動産会社に土地やマンションなどの不動産売買の仲介を依頼し、無事に売買契約が成立すると、成功報酬として不動産会社に「仲介手数料」を支払わなければなりません。その金額の上限は、宅建業法で「売買価格×3%+6万円+消費税」と定められています。
あくまでも上限額ですから、本来不動産会社が0円~上限額の範囲で自由に決めることができます。ところが、ほとんどの不動産会社が顧客に上限額を請求しているのが現状です。
一方、ここ数年で仲介手数料を無料にしたり割引したりする不動産会社が増えてきました。
こうした不動産会社に対し、一部では「仲介手数料を満額請求しない不動産会社はむしろ怪しい。手抜きをしているか、別の理由でお金を請求される」という不安を持っている方もいるようです。そうした方に向けて、仲介手数料をなぜ無料や割引にできるのか、そのからくりを徹底解説し、「怪しいどころか逆に顧客第一主義ではないか」と訴える記事5本(いずれも宅建士が執筆)を紹介します。

(写真はイメージです)
仲介手数料が無料や割引の不動産会社を利用したくなる記事5選
(1)仲介手数料が無料の不動産会社は怪しくない! 逆に「顧客第一主義」と言える理由と無料のカラクリ

https://www.reds.co.jp/real/p31375/
仲介手数料は不動産会社にとって最大の収入源である一方、顧客にとっては3,000万円のマンションを売買すれば消費税と合わせて100万円を超えるように、決して軽視できる出費ではありません。そこで最近では、依頼者へのアピールポイントとして「仲介手数料半額」や「手数料無料」を掲げる不動産会社も増えています。
しかし、大手をはじめほとんどの不動産会社が仲介手数料を上限まで請求しているため「仲介手数料を無料にする不動産会社は怪しい」という声もあります。「ただより高いものはない」との言葉も確かにありますが、一律に怪しいといえるのでしょうか。
仲介の現場で活躍している宅建士が、なぜほとんどの不動産会社が顧客にきちんとした説明をすることなく当然のように上限額を請求するのか、その裏事情を大胆に暴露。一方、手数料を無料や割引にする会社はどのように実現するのか、顧客には見せない仕組みと裏側を解説し、「むしろ顧客第一主義といえるのではないか」と言い切ります。
(2)新築戸建て購入時の仲介手数料は無料にできる! 購入費用を抑えるには

https://www.reds.co.jp/real/p12309/
コロナ禍と新築マンション価格高騰の影響で、最近は脱都心と戸建て住宅への需要シフトが生まれています。そこで、新築戸建ての購入を検討している方も多いでしょう。
新築戸建て購入の検討をするとき、多くの方はつい物件価格のみに注目してしまいがちです。しかし実際には、物件の購入価格に加えて「諸費用」(仲介手数料、登録免許税、印紙税、司法書士への報酬など)といって物件価格7%前後の経費がかかります。
この諸費用のうち、特に大きな金額になるのは、不動産会社に支払う仲介手数料で、多くの場合「物件価格の3%+6万円+消費税」を請求されます。
しかし、ある条件を満たせば、仲介手数料は0円で済みます。その条件とは「売主がハウスメーカーや開発業者などの不動産会社であること」と「仲介手数料を無料としている不動産会社を利用すること」の2つです。宅建士が詳しく解説します。
(3)「仲介手数料無料」でのタワーマンションの売却時に注意すべき「売却値」のポイント

https://www.reds.co.jp/real/p78985/
タワーマンションの高層階のような高額物件を売却するとき、「物件価格の3%+6万円+消費税」の計算で請求されることが多い仲介手数料は、思いのほか高額になります。たとえば8,000万円のタワーマンションだと約271万円を現金で用意しなければなりません。
「不動産売買の仲介手数料無料」をうたう不動産会社が増えてきました。先の例だと271万円が0円になります。非常に魅力的ですが、気をつけなければならない点があります。
まず、売却の場合、仲介手数料を無料にする不動産会社はそもそもほとんどありません。そのごく少数の「売却の仲介手数料も無料」としている会社の場合、事務手数料や広告料などと称して費用を請求される可能性があるということです。売却で仲介手数料を無料とする不動産会社を利用する際の注意点を宅建士が解説します。
(4)なぜ仲介手数料半額や無料が広がらないのか

https://www.reds.co.jp/real/p17696/
マンションの購入や実家の売却などで初めて不動産売買にかかわるまで、不動産会社に支払う仲介手数料の上限額が「売買価格の3%+6万円+消費税」であり、ほとんどの不動産会社が詳しい説明もないまま当たり前のように満額請求していることなど、まったく知らなかったという方のほうが多いでしょう。
仲介手数料の価格設定が上限額内で自由であることを知れば、仲介手数料が無料や割引となっている不動産会社を多くの方が選択しそうなものです。しかし、REDSが2017年に都内の男女500人に行ったネット調査では、男女ともに半数前後が「そうした会社の利用は検討しない」と回答しています。
不動産という高額な財産の取引をするわけなので、経費を惜しんで質の悪いサービスを受けることになるより、法定上限額の報酬を払ってでも信頼できる不動産会社から満足度の高いサービスを受けたい、というニーズがあるのかもしれません。多くの人がこうした考え方になり、仲介手数料を無料にしたり割引したりする動きが広がらない理由を宅建士が解説します。
(5)仲介手数料無料の仕組みやからくりは? 信頼できる仲介会社を選ぼう

https://www.reds.co.jp/real/p49927/
不動産会社は収入減の多くを仲介手数料に頼っています。このため、仲介手数料は安易に無料にしたり割引にしたりすることはできないものです。それなのになぜ、仲介手数料を無料にしたり割引にしたりする不動産会社が存在するのかというと、そこで差別化を図りたいという目的があるからにほかなりません。
不動産会社全般に対する世間の印象は、残念ながら決してよくはないのが現状です。「仲介手数料を無料や割引にした分、手抜きをしているか、ほかに適当な名目をつけて高額請求するのでは?」などと疑う方もいるでしょう。このため仲介手数料を無料や割引にする会社は、費用の安さと高品質なサービスを両立させることが肝心であり、何よりお客様から信頼される会社であるかが生命線となります。
仲介手数料を無料にしたり割引にしたりする会社を利用するとき、その会社が信頼できるかどうかを見分ける3つのポイントを宅建士が解説します。
まとめ
不動産売買の仲介手数料を無料や割引にする不動産会社が少数ながら存在し、経営効率化など企業努力によってお客様に還元していることを理解していただけたでしょうか。ただ、「安かろう悪かろう」といった言葉でひとくくりにするべきではないということまでは理解できても、まだまだそうした不動産会社を利用することへの迷いも根強いようです。
仲介手数料の法的根拠をお客様にきちんと説明しなかったり、お客様の利益にならない商慣習を続けていたりなど、不動産業界には一般の方が知り得ない裏側が少なからずあります。不動産会社に任せきりにするのではなく、疑問に感じたことは納得するまで説明を求めるという姿勢を持つことで、仲介手数料を無料や割引にする会社が信頼できるかどうかを見抜くことができ、質のいいサービスをお得に利用することができます。
不動産売買には高額の出費を伴います。仲介手数料を無料にしたり割引にしたりする不動産会社の中から安心して仲介を依頼できるところを賢く利用し、浮いたお金をぜひ有効活用されてはいかがでしょうか。