一年を通じて、マンション売却をしやすい時期とそうではない時期というのはあるのでしょうか?

 

購入予定のお客さんが集中する時期というのがあれば、それが売りやすい時期になるのでしょうが、残念ながらそういった時期は存在しません。ただ、「売りやすい引渡し条件」は存在します。

 

年度が切り替わる3月末を目途に「引っ越し」を考える人は多く、その人たちに向けて売りに出されたマンションが、年明けの1月頃から売れ始めるのです。つまり、引渡し条件を「3月末」または「即可能」として1~3月に販売すれば、他の時期よりは多くの購入希望者に恵まれることになります。

 

では1~3月の好況期でないと売りにくいのかというと、必ずしもそういうわけではありません。全ての購入者が3月末の引渡しを希望するわけではなく、この時期が他の時期より購入希望者が多めになる傾向にあるだけです。

 

マンション購入を考え始める時期は人それぞれ。購入希望者は一年を通じて存在すると考えた方が良いでしょう。引渡しを3月末にするのが難しい場合でも、悲観することはありません。

 

マンション売却

(写真はイメージです)

 

マンション売却をしにくい時期とは

 

逆に、不動産購入を考える人たちが物件探しをしない時期、しにくい時期が「売りにくい時期」といえるでしょう。具体的には、世間一般が長期休暇となるお盆休みや年末年始、ゴールデンウィークなどがそれにあたります。

 

こうした時期は、帰省や旅行など他にすべきことが多いので、マンション探しを中断する人が多くなります。多くの不動産業者がこの時期に長期休暇を取ることからも、来訪顧客が少ない時期であることがわかると思います。

 

しかし大型連休といっても期間は1週間程度ですし、年末年始は明けるとすぐに1月からの好況期が始まりますし、8月のお盆休みも3月と並んで転勤の多い9月、10月を控えているので、連休前後にマンション売却をスタートするのは間違いではありません。

 

マンション売却の時期を決めるときは相場動向を考えて

 

前述した時期的なことではなく、マンション相場が上がっているか、下がっているかという相場動向で売却時期を決めるのもひとつの方策です。価格が上昇中なら売り物件が不足気味の「売り手市場」となって、マンション売却がしやすくなります。逆に下降中は、購入者が様子見となるので「買い手市場」となり、思ったような価格で売却するのは難しくなります。

 

では、マンション相場の動向は、どうやってつかめばよいのでしょうか。手っ取り早いのは不動産会社に聞くことですが、インターネットで自分でも調べることが可能です。

 

参考:レインズマーケットインフォメーション

 

レインズとは国土交通省が指定する不動産の流通機構で、全国のほぼ全ての不動産会社が加盟し、売買情報や成約事例を登録しているデータベースです。このサイトでは、レインズに登録された取引事例などを基にした直近1年間の取引事例の概要を調べられます。事例情報は沿線・最寄り駅別に検索でき、成約時期順に並べ替えられるので、価格の変動を認識しやすいのが特徴です。

 

参考:土地総合情報システム

 

こちらは国土交通省が運営するサイトで、国交省が収集した取引データを基に事例情報が公開されています。レインズマーケットインフォメーションと違って数年間の情報が公開されているので、中長期的な相場傾向を調べることも可能です。

 

交通機関や商業施設など、利便性の変化を待つのも吉

 

鉄道路線の延線や高速道路のインターチェンジ新設、大型商業施設の開業は地域に利便性向上と不動産価格の上昇をもたらします。近隣にそうした計画や開業予定がある場合は、特に急ぐ理由がなければ、マンション売却の時期を合わせるのも悪くない手段です。

 

こうした環境変化でマンション相場が変化しやすくなるタイミングは、(延線や新駅の)「計画発表」「工事着工の発表」「開業・営業スタート」の3つです。いずれも価格相場が上昇しやすい、マンション売却に適した時期となりますが、売却時期をどう合わせるかは相場状況や傾向を見ながらになるので、不動産会社に相談するのが良いでしょう。

 

建築年数が与えるマンション売却への影響

 

一般に「築10年以内が売りやすい」とか「築20年や30年のマンションは売るのが難しい」とか言われますが、これは勘違いでしかありません。不動産には価格に応じた購入者層があり、どの価格帯であっても市場が形成されています。築年数が古くなれば比例して価格も下がっていきますが、下がった価格帯の市場に属することになるだけで、売りにくくなるわけではないのです。

 

どんな築年数の物件でも、売却は可能です。築年数相応の価格とはなりますが、価格はマンション市場全体の相場の中での位置づけ、ということになるので、相場全体が上がっていれば、購入時より高く売れる可能性もあります。

 

「10年前に築3年のマンションを購入して、築13年となった今年、売却した」といったケースで、購入時より高く売れた例も少なくありません。近年の、東京を中心とした首都圏のマンション相場全体が上昇した結果なのですが、古くなったからといってマンション売却がしにくいということはないのです。

 

買い換えに向いた時期、向かない時期

 

マンションに限らず不動産は、誰もが1円でも安く買い、1円でも高く売りたいと考えるものです。相場が上昇している時に売り、下降中に買うのが時期的にはベストな選択となります。しかし、ふつうは不動産の買い換えは売り買いがほぼ同時に行われるため、売りと買いで時期を分けるのは現実的ではありません。

 

では、安い時期と高い時期のどちらが買い換えに適しているのでしょうか。「高く売れる方が購入資金も増えるので、高い時期のほうが良いだろう」と考えがちですが、そうではありません。不動産の売買には、仲介手数料など取引価格を元にした諸経費がかかります。その負担を考えると、安い時期に買い換えを行ったほうが資金的には有利になるのです。

 

例をあげてご説明しましょう。2,000万円のマンションを売って4,000万円の一戸建を購入した際の経費と、3,000万円のマンションから5,000万円の一戸建に買い換えた場合の経費の比較をしてみます。

 

2,000万円のマンション売却の経費
仲介手数料 約72万円
登記費用 約4万円
その他費用 約5万円
合計 81万円
4,000万円の一戸建購入の経費
売買代金の8%相当 約320万円
【売り買いの経費合計 401万円】

 

3,000万円のマンション売却の経費
仲介手数料 約104万円
登記費用 約4万円
その他費用 約5万円
合計 113万円
5,000万円の一戸建購入の経費
売買代金の8%相当 約400万円
【売り買いの経費合計 513万円】

 

購入・売却の金額がそれぞれ1,000万円違うと、売り買いの経費合計は100万円以上変わってくることがわかると思います。100万円も経費が変われば住宅ローンの返済額にも影響が出ますし、そもそもローン金額も大きく違ってきます。買い換えに向いているのはマンション相場が安い時期、というのはこういうわけです。

 

「安くしか売れないので買い換えを見送ろうか」と考える人も多いと思いますが、買い換えの目的は、高く売ることではなく、好条件で良い物件へのステップアップですから、安い時期こそチャンスと考えたほうが、買い替え成功の可能性は高まります。

 

まとめ

 

価格が上昇しているならば、マンション売却は少し待ったほうが好条件での成約となる可能性が高まります。逆に、どうしても売らなくてはいけない時に価格が下がっていたら、マンション売却はなるべく急ぐのが得策となります。

 

マンション売却の時期というのは、売主の事情によっても左右されるものです。ご自身の売却事情、価格相場や周辺環境の変化をよく照らし合わせて、売却スタートの時期を決めるのが失敗しないマンション売却の方策といえるでしょう。

 

マンション売却を成功させるためには、情報と知識の収集がとても重要です。上記サイトの活用をはじめ、不動産会社に問い合わせるなどして、今後の相場動向や地域の開発などの情報を教えてもらうと良いでしょう。地域の不動産会社は相場に影響しやすい情報に精通しているので、マンション売却の時期についても、適切なアドバイスをしてくれます。

 

伊東博史(宅地建物取引士)
大手不動産仲介会社で売買仲介に約10年間の勤務。のべ30年間以上にわたり、大手と中小、賃貸と売買と、多角的に不動産業務に携わる。現職では売買と賃貸仲介と管理、不動産投資や相続のアドバイスを行う。

 

 

この記事に関連する「マンション売却の最適な時期・期間とは? 高く、楽に売れるタイミング」「成約期間のタイムリミットは半年。過ぎればマンションは売れません」もぜひご覧ください。

 

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