「所有物件の売却を検討しているが、最適な時期はいつなのか?」そう考えるマンションオーナーは少なくないでしょう。事実、不動産市場には波があります。これからマンションを売却するオーナー様は、良い波に乗って最大の価値で売却していきたいものです。

 
今回は、マンション売却の理想的な売却時期について考えます。
 
マンション売却
(写真はイメージです。本文の内容とは関係がありません。)
 

物件を探す動きは秋以降に活発化する

 
不動産業界では常識的な感覚ですが、不動産市場は9月以降、紅葉シーズンを目がけて活発化します。個人の居住用物件を探す動きが、秋以降に旺盛になるからです。それには様々な要因が考えられますが、主に次のようなものです。
 
•春の進学、入学、異動などの慌ただしい上半期を終え、生活が落ち着いた時期にマイホームを探す機運が高まる
 
•お盆に親との「資金的な援助を受けられる」などの話し合いがあった
 
•夏季休暇中に落ち着いて考える時間を持てた
 
•暑い夏が終わり、物件の内覧や不動産会社の訪問が億劫でなくなる
 
•おおむね半年以内(春まで)に引っ越すための物件探しがスタートする時期
 

買い手の資金的な要因

 
上述の通り9月以降はマンションを探す人の動きが活発になりますが、加えて、買い手側の資金的な事情も、秋以降の市場の活性化を後押しします。
 
理想のマンションに出会えた買主は、購入を決定した後、細かな資金繰りをすることになります。購入にかかる諸経費はもちろん、引っ越し費用、新しい家具の購入費用……当初は楽観していた資金計画も、足が出始めます。「マンション本体は予定の価格内に抑えたのに、その他の費用が予想以上に掛かってしまった」という話は枚挙にいとまがありません。
 
特に2・3月は全国的に引っ越しシーズンで、引っ越し費用も高騰します。できればその前に、余裕を持って引渡しを済ませたいという思いが買主に働き、これが売り手側には有利となります。もっとも、売主も居住中の物件を売却する場合は引っ越しを伴うわけですから、引っ越しの繁忙期を避ける方がお互いにとってベターです。
 
また、今は賃貸住まいという買主の場合は、マンションの売買契約が済んでも、引渡しを受けるまでは賃貸住まいを続けねばなりません。その間に、賃貸物件の契約更新時期が来たらどうしましょう。買主は、すぐ引っ越す家の更新などしたくないはず。ただでさえ物入りの時期に、更新手数料(1ヶ月分の家賃)は負担です。
 
実際、マンション購入と賃貸物件の更新との兼ね合いに悩むケースは、非常に多いのが現実です。わずか数日のために更新料を支払わざるを得ない人もいます。そして多くの賃貸物件は、更新が年度末に集中します。買主は更新を迎える前に新居を持ちたいと考えるため、これも売り手に有利に働くわけです。
 
ちなみに、この更新手数料や引っ越し費用は、基本的に住宅ローンの対象外です。買主は貴重な自己資金で対応しなければなりません。新居の家具の新調など、新しい暮らしのために使うお金なら前向きな気持ちにもなれますが、本来は必要ない更新手数料や高い引っ越し費用にお金を払うのは、誰だって気が進まないものでしょう。
 

企業の決算期との関係

 
日本では、大部分の企業が3月決算です。決算を前に、各社とも売上をアップするために、多少のサービスをしてでも、競合他社よりも自社と取り引きしてもらうよう顧客に働きかけます。
 
これは金融機関でも例外でありません。この低金利の時代、金融機関の住宅ローンも熾烈な競争となっています。年度替わりの春先より、各行とも鼻息が荒い状態なのは言うまでもありません。
 
マンション売却は、「売ろう」と決めてから、実際に買い手に物件を引き渡すまで3~5か月程度かかるのが通常です。買い手からの引き合いは所有物件のポテンシャルによる部分が大きいですが、自身の転居先の確保もタイミング良く行わなれければならないため、市場から評価の高い物件でも売却まで一定の時間を要します。9月にマンションの売却をスタートすると、引き渡しは、早くても年末、通常のペースでも年末~年度末頃になるものです。
 
企業の決算期に住宅ローンの手配や家具の購入が到来することになるため、買い手にとってはチャンスであり、それは売主にとって売却適期といえます。逆に売却の意思決定が遅れれば、良い波を逃してしまうことになるのです。
 

上記のポイントを考慮した最適な時期

 
ここまで、マンションの売買に影響を及ぼすものとして、季節的な要因、買主側の資金面、企業の決算期との関係、税制について解説してきました。
 
これらの条件を考慮した、マンションの最適な売却時期は?と聞かれれば、筆者は「10月~1月下旬頃」と答えます。ここでいう売却時期とは、物件の最終的な引渡しまでを意味します。売主にとっては、自分も引っ越しを終えて相手に鍵を渡すまで。買主にとっては、住宅ローンが実行されて返済がスタートする時期を指します。
 

最適な時期に売却するのに必要な時間

 
マンション売却は、不動産会社に依頼したその日からスタートとなるわけでもありません。不動産会社が物件を見て算出した査定額を参考に、売主が売り出し価格を設定。その後、不動産会社は最適な売却プランを立てて、マンションの価値を最大限に引き出す売り出し方法を検討します。
 
都市部の不動産流通市場は、高い流動性を保っているものの、右から左に簡単に売れていくというものでもありません。
ここまで売却の「時期」について解説してきましたが、売却までの「期間」についても少し触れさせていただきます。
 
マンションの売却は、十分な準備をしたとしても2~4ヶ月程度で決着をつけたいところで、長くとも半年が1つの目安となります。半年を過ぎても売りに出されている物件は、買い手側からすれば「いつまでも売れない物件」に見えて、何か選ばれない理由があるのではないか、割高なのではないかと心配になり、寄り付きも悪くなるものです。
 
そうならないためには、適切な価格設定が重要ポイントです。相場より割安にする必要はありませんが、過度に相場を超える金額をつけるのも考えものです。2~4ヶ月程度で売却が終えられるように、当初の売り出し価格での反応を見ながら、適宜価格を見直すことも必要となります。
 
もし売却できず半年以上時間を費やしてしまった場合は、少しインパクトのあるプライスダウンをかけるか、いったん売却活動をお休みする冷却期間を置く検討も必要です。
 

まとめ

 
これからいよいよ、マンション市場が活性化する時期に入ります。ご説明したように9月以降は買い手側の意欲が増す時期で、探索もしやすい環境といえるでしょう。特に買主が資金的に有利な時期は、売り手にとっても売却をスタートする最適なタイミングです。
 
そして、売却のための準備は十分にしながらも、物件情報を公にする期間はなるべく短くし、情報としての価値を損なわないことが、物件のポテンシャルを最大限に発揮することになります。こうした具体的な売却のプロセスについては、依頼する不動産会社と十分に相談されることをお勧めします。
 
皆さんがお持ちの大切な資産が、マーケットで最大の評価を得られてスムーズな売却ができることを願います。
 
執筆者:高橋 洋(宅地建物取引士)
大手財閥系不動産会社で不動産の売買や不良債権化した物件の処理業務に従事する。現在は不動産や建築、インテリア関係のライターとして独立。

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