不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE

  • 最終更新日:2018年8月13日
  • 公開日:2016年6月2日

ソニー不動産 前・執行役員 風戸氏に聞く(1) ―不動産業界で起業したわけ

なぜ不動産ベンチャーを起業したのか
 
風戸氏:私は東京都生まれで、大学卒業後、2004年にオークラヤ住宅というマンション専門の不動産流通会社に就職して2年弱勤務しました。私が担当したエリアは中央区の月島、勝どき、築地辺りで、当時ちょうど大江戸線が開通した後だったせいか、意外と値上がりしているという状況でした。

ソニー不動産

(写真はイメージです)

 

不動産業界との出合い

 
オークラヤ不動産はマンション販売側に強い会社でしたが、売却の現場を見て、「ちょっとコレってひどいな」と感じました。具体的には、トップ営業マンの多くが物件の買取を行い、その物件を転売して両手以上、つまり10%以上の仲介手数料収入を得ていました。当然のように囲い込みもやっていたので、取引に関してお客様にとても本当のことは言えないなと思いました。
 

不動産投資を経て不動産取引のスペシャリストに

 
風戸氏:そこで独立して、このようなことがなくなるようなビジネスをやりたいと思い始めましたが、社会人1年目や2年目で不動産の取引に関して知識も自信もなかったので、それらを学ぶために不動産ファンドを行う会社のクリードに転職しました。不動産の購入や運用のほかリフォームやリノベーション、立ち退きを促してコンバージョンを働きかけるなど、不動産ファンドの中でも、不動産屋的な動きをする会社でした。
 
私が担当したのは不動産の購入と運用です。具体的には、収益還元による価格の出し方、つまり、日本を含めた世界の投資家がどういう視点で不動産投資を行っているのか、さらに、土地を買ってどうやって開発していくのかということを勉強しました。その後、もっとアグレッシブに、もっと買いたい、と考えるようになり、再度転職をしました。
 
それから1年ほどでリーマンショックを経験しました。その頃には不動産取引全般を経験し、どのようなお客様に対しても自信を持ってコンサルティングができるようになりました。そこで独立を決意し、株式会社不動産仲介透明化フォーラムを設立して今に至ります。
 

家電業界から不動産業界へ

 
深谷:1964年生まれの51歳、もうすぐ52歳です。いろいろ事情があり、17歳の時から自分で働かざるを得ず、最初にナショナルの家電店に勤めました。その後、あるきっかけで、埼玉県八潮の不動産会社に勤め始めました。
 
当時はまだバブルで、「一億総不動産」と言われていた頃でした。不動産会社に入った時、あることから、ものすごくショックを受けました。それは、ナショナルの家電店では社員のしつけが行き届いていたのに対し、不動産業界の人は、日中はゴルフ、夜は毎晩どこかに繰り出していて、いつ仕事をしているんだろうという営業スタイルだったことです。今でもゴルフはやりませんが、当時からそのような人にはなりたくないなと思っていました。
 
不動産の営業を実際にやってみると、お客様の切実な思いが伝わってきます。当時の不動産会社は銀行からお金をいくらでも借りられましたから、借りたお金で土地を仕入れて、あまり検討することもなく工務店に丸投げして、とりあえずの物を建て販売していました。建物ができる前に契約していたお客様が、実際の建物を見てものすごくがっかりしているのを目の当たりにし自分を信頼してくれたお客様に対して、この現実はとても耐えられないと思いました。
 

不動産業界の慣習への疑問からお客様目線に

 
深谷:このような状況をなくしたいと思い、1994年、当時の勤務地であった八潮で起業しました。前職での苦い経験を踏まえて、自分が住みたいと思える場所を提供したいという気持ちで会社を始めました。今では八潮は秋葉原まで45分のエリアになりましたが、当時は、東京都足立区に隣接していながら駅がないという特殊な地域だったので、なぜ八潮で起業するのかと聞かれたものです。
 
当時は、2003年になれば電車が通る、電車が通ればすごくいい街になる、という思いがありました。結果的に2年くらい遅れましたが、2007年にはつくばエクスプレスが開通して、八潮のみならず、この関東の不便なエリアが筑波や秋葉原と電車で結ばれ、街が開けていきました。その後も開発ムードに乗りながら会社を伸ばしました。中には途中で頓挫した仕事もありましたが、自分が生きられるのは不動産業界だと感じていました。
 
そこで、バランスシートを重くするような事業はできない、ではどういうことができるかと考えたところ、風戸さんと同じように、不動産業界の慣習にはおかしいところがあるのではないかという思いに至り、そこを正していく不動産仲介業でやっていこうと決めました。
 
不動産の売主はとにかく高く売りたいと考え、買いは安く買いたいと考えます。この間を1人の業者が取り持つのはナンセンスです。例えば自動車の事故において、加害者と被害者の間を同じ保険会社の担当者が1人で取り持つのと同じ位、非効率なことです。それぞれの立場で双方の専門家が交渉し、話し合って結果を出すように、不動産の仲介業でもそうあるべきだと思うのです。
 
また、大手の不動産会社は、執拗な囲い込みや両手仲介による手数料収入を目指します。その事実をお客様が知ったらどう思うだろうと考え、この悪しき慣習を正すことこそビジネスチャンスだと捉え、現在の会社である不動産流通システムーREDS(レッズ)を創業しました。
 
風戸氏:なるほど。いい時代にいろいろ経験されていて、うらやましい限りです。
学生の頃は、社会人とはこういうものだというイメージを持っていましたが、入社した頃、同僚達は日本のマクロ経済に興味も関心もなく、誰ひとりとして日経新聞すら読んでいなくて驚いたことを思い出しました。
 
深谷:日経新聞どころか、新聞自体、読んでいませんでしたよ。ただ、そのような中でも、見習いたいなと感じられる人は何人かいて、「自分でやってみたら」と背中を押してくれました。
 
風戸氏:転職したファンド会社では、3〜4割ほどが経営する立場、中でも高い割合を占めていたのが不動産関係者で、賃貸に携わっていた人もいれば、デベロッパーもいました。仲介の現場と比べると、法人の仲介を担当する人や土地の開発をする人との知識力の差はスゴいなと感じました。いつか起業したら絶対に勝たなきゃいけない、あっと言わせたいと考えていました。
 

不動産売却サービスからソニーでの新事業展開へ

 
深谷:以前、お勤めだった不動産会社で、流れゆく不動産業界を遠目に見たとき、どういう思いだったのか、お聞かせください。
 
風戸氏:2009年に独立し、賃貸のwebサイトを作る会社を立ち上げました。2010年には「不動産仲介透明化フォーラム」という会社を作り、2012年に2社を合併して、株式会社不動産仲介透明化フォーラムと名前を改めました。
 
売る側か、買う側か、どちらの立場でやっていこうかと迷いましたが、売る側に立たないことには、本当の意味で囲い込みの排除を実現できないと考え、売主としてやっていくことにしました。まずは自分のブログなどで情報を発信することから始めたところ、徐々に会社は大きくなっていきました。
 
2013年秋、もともと私のクライアントだったソニーの西山さんという方から、「社内ベンチャーに応募する話があって、不動産業も候補に入れているんだけど、風戸さんが社長だったとしたらどう思う?」という話をいただき、興味をひかれました。そこで、秋から年末にかけて合宿までして事業計画を練り、取締役会に提出しました。すると、すぐに取締役会の承認が得られて、かなりのスピードでソニー不動産という会社ができました。
 
私はアドバイザーとしてソニー不動産の設立のお手伝いをし、その後も、アドバイザーとして毎週、本社に行って業務に携わっていたところ、ソニー側から私の会社の売却について打診がありました。西山さんは、私の考えている不動産登記の透明化の課題に共感し、一緒に進めていきたいという気持ちを持っていたそうです。
 
深谷:その頃は全国にネットワークを展開していましたよね。
 
風戸氏:ちょうどフランチャイズを始めた頃で、首都圏を含めて全国14都市で展開していて、ブランドも確立されていましたから、かなり悩みました。15名ほどの社員全員で話し合い、「ソニー」という名前があった方が、より速く不動産登記の透明化が実現され、世の中を変えられるかもしれないという思いに至り、会社を売る決断をしました。
 
深谷:突っ込んだことをお伺いしますが、売却してソニー不動産でやっていくことに関して、フランチャイズの会員の皆さんとの関係はいかがでしたか。
 
風戸氏:それは賛否両論でした。フランチャイズで儲かっている会社と儲かっていない会社に二極化していたので、何も思わない人と、困る人とに分かれました。片手仲介とか、売却に特化したビジネスという意味では、ソニー不動産の方が間違いなく大きくなるけれども、「売却のミカタ」は使わないというスタンスでした。そこで、「中途半端になってしまってすみません。いずれなくなる運命にあります。」と正直に全国のフランチャイズの会員さんに謝りに行きました。実際、同年3月に終了しました。
 
深谷:全国にフランチャイズが広がっている様子を拝見していました。新しい加盟店が加わると、いつも一緒に写真を撮ってホームページに載せていましたね。実はこっそりと風戸さんの会社の動向を拝見していましたよ(笑)。
 
次回に続く…)
 

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