REDSエージェント、宅建士の菅野です。コロナ禍が続いた2021年、不動産市況は価格上昇が続きました。これはいつまで続くのか、売却を検討している方はいつまでに売り切ってしまったほうがいいのか、2022年の不動産市況の行方について考えてみましょう。

（写真はイメージです）

2021年11月の不動産流通研究所の発表によると、2021年度上期仲介実績は全20社で手数料収入が増加したそうです。

前年同期は、1回目の緊急事態宣言発出による店舗休業等の影響で、ほとんどの会社が大きく数字を落としていたことから、その反動と考えられます。ただ、2020年6月以降は住宅取得ニーズが旺盛になり、各社とも順調に回復したそうです。

三井不動産リアルティグループや住友不動産販売（株）、東急リバブル（株）、野村不動産ソリューションズ（株）、三井住友トラスト不動産（株）など上位企業を中心に、手数料収入はコロナ前の2019年上期並みかそれ以上に回復しています。

私の実感としても、2020年後半から2021年前半にかけては、不動産の購入を検討されるお客様が非常に多かったと思います。コロナ禍で、広い物件へ引っ越したいという希望や、テレワークの普及により郊外へ引っ越したいという需要が多くありました。

一方で、まだ感染の危険を感じる時期でもあったため「売却を検討していてはいるものの、今は控えておこう」と考えるお客様も多くいました。このため、在庫不足（不動産市場への供給不足）から取引価格が高騰していったという傾向もありました。

さて、ではその傾向はいつまで続くのでしょうか。現状、売却物件の在庫不足は解消に向かっているように感じられます。また、2021年前半の好調さを見て買取再販業者がかなり強気の仕入れを行っている様子が見受けられ、価格はさらに上がっていくように思われます。

ただ、その動きに水を差す要素もあります。住宅ローン減税の縮小や、インフレ懸念による金利上昇、日銀のテーパリングなどの懸念などですが、これらにより住宅市況は厳しい方向に進んでいくのではないか、と予想されます。

すでに小規模の投資不動産販売についてはかなり厳しい市況で、不正融資を受けた金融締め付けが影響して、融資がなかなか引けないという状況も相まって在庫過剰となっており、価格下落圧力が非常に強まっています。

もしご自宅の売却を検討されるのであれば、タイミングとして価格の頂点は来年春先となりそうです。しかし、そこを越えるとかなり厳しい販売状況になるのではないかと懸念しています。

いま売却を検討している方は、なんとしても来年春には売り切ってしまう努力をされたほうがよろしいかと思います。