REDSエージェント、宅建士、宅建マイスターの志水です。今回は最近経験した「囲い込み」についてお話したいと思います。

 

住宅とバツを示す男性

(写真はイメージです)

 

「値引きは不可」。何度も内覧を断られ……

 

某大手仲介会社(以下、A社)専任媒介の売却物件があり、私のお客様がその物件の内見を希望されたため、A社へ内見依頼をかけました。A社の担当者の対応はよく、レスポンスも悪くはありませんでしたが、ちょうど売主様のお引越しのタイミングということで2週間ほど待たされました。

 

あわせて私のお客様は価格交渉(お値引き)を希望されていたため、A社の担当者に確認したところ「金額は全く下がらない。10万円単位でも難しい」と言われてしまいました。お客様へ価格が下がらないことはお伝えしましたが、それでも内見のうえで検討したいとのことでした。

 

その後、A社担当よりご指定いただいた日時で、私のお客様もお仕事を調整していただきました。ところが……。

 

「売主様のご都合で、その日は内見ができなくなりました。他にも3件ほど内見希望をもらっていますが、全てキャンセルになり、こちらも困っています」とのこと。価格交渉についてもう一度、尋ねていたところ「それは無理」との回答でした。

 

話が違う! 500万円引きで買い手登場!

 

再度調整のうえ、5日後にようやく調整がつき、内見をセットできました。念のため、レインズで物件を確認すると、キャンセルとなった内見予定日の翌日に価格が500万円も下がっていたのです。また、「売主様の都合でなくなった」はずの「申込」が「あり」となっていました。

 

こうした状況なら、普通は担当者より連絡があって当然かと思いますが、担当者からは連絡がなかったため、私から確認を入れました。すると、返ってきたのはあぜんとするような内容でした。

 

「前に内見したお客様より申し込みがあり、金額も売主さんへ交渉したら下がったため、契約予定になりました」

 

私はたまらず「まだ下げる前の価格で内見予定のお客様がいること(私のお客様です)は売主様へお伝えしていますか?」と聞き返しました。すると、「伝えていますけど。たまたまのタイミングですよ。売主さんの了承も得ています」との回答でした。

 

不動産取引の信頼を揺るがす「囲い込み」は業界の恥

 

本当にこのようなことがあるのでしょうか? 価格が下がる前の金額(しかも500万円の差)で、内見を希望するお客様が存在するのに、それを捨てて売主様が契約するとは、普通に考えて理解できません。ここからは、想像の域を出ないのですが、他社の内見のセッティングを先延ばしにしながら、A社にきた買主のお客様を交渉し、また売主様へも価格を下げるよう説得して「両手取引」をしたのだと考えられます。

 

結果的にこの売主様はA社の「両手取引」の犠牲となり、500万円も安くご売却したことになった(かもしれない)のです。

 

こんなことをされては私の信用にもかかわります。お客様には「金額は下がらない」とお伝えしていますし、価格もいきなり500万円も下がってSUUMOなどに掲載されていました。しかし、お客様は少し驚かれていましたが、ご理解して頂き、また一緒に新しい物件を探すことになりました。

 

不動産仲介業界におけるこのような「囲い込み」は依然として、数多くみられます。自社の利益を優先するために、売主様にも買主様にも迷惑をかけて平然としているわけです。はっきり言って業界の恥です。

 

REDSが囲い込みを回避する仕組みとルール

 

少しでもこのようなことがなくなり、公正公平な取引が実現できればと考えています。

 

REDSでは、売主様より売却の依頼を受けた物件がSUUMOなどから直接弊社へお問い合わせがあった場合、応対は、売主様担当者以外の別の担当者が行います。期せずして、形の上では両手仲介になってしまっている状況を、担当者を変えることで徹底して避けるわけです。

 

一人の担当者で「両手取引」が可能だと、成績等にこだわって「囲い込み」を起こす可能性があるため、弊社ルールにおいて、「両手取引」ができないようにしているからです。

 

REDSではここまでこだわって、両手仲介をやらないようにしています。両手仲介をガンガンやってのける大手不動産会社の看板を、みなさまはそれでも信頼されますか?

 

 

志水恵吾(REDSエージェント、070-1475-4269、ke.shimizu@red-sys.jp)
京都府出身、宅建士。マンション売買が最も得意。売買仲介を中心に、買い取りやリノベーション再販など幅広い分野で取引に携わる。また大手と中小の両方を経験しており、双方のメリットとデメリットを熟知している。
プロフィールページはこちら