REDSエージェント、宅建士・マンション管理士・2級FPの津司徳義です。

 

住まい選びの格言として、マンションは管理を買え、という言葉があります。それだけ、マンションライフには管理の良しあしが重要であるということですが、具体的にはこんなところに差が出てくるのです。

 

・管理の良いマンションには不審者が入ってきにくく住民トラブルも少ないので安心して暮らせます
・管理の良いマンションは建物の劣化が少なくいつもきれいに保たれているので売却時に高く売れます
・上記の理由で、管理の良いマンションは賃貸に出すときに高く貸せます

 

しかし、管理の良しあしは外から見ているだけではなかなか分かるものではありません。しかし、あきらめは禁物です。外観だけで管理の良しあしを見分ける方法は存在します。われわれ不動産業界にいる人間なら常識に近いことですが、一般にはあまり知られてないことですので、REDS「不動産のリアル」の読者のみなさまにはこっそりお知らせしたいと思います。

 

ビジネスマン・ヘルメット

(写真はイメージです)

 

管理費と修繕積立金の比率に注目!

 

一般には管理費が高く、修繕積立金が低い金額設定になっています。ここで、1対1の割合に近い物件は良い管理の可能性が高いです。

 

たとえば、豊洲のタワーマンション「ザ・豊洲タワー THE TOYOSU TOWER」を「nomu.com」で見たところ、6,800万円の物件があります(2020年7月25日時点)。見るからにすごいマンションで部屋のスペックも高く、管理も完璧だろうと予想できる物件です。管理費は月額1万3,910円、修繕積立金は1万3,660円と、ほぼ同額でした。このように数字の上からも管理がよいと判断できるのです。

 

修繕積立金の総額の記載のある物件

 

情報サイトや販売図面に修繕積立金の総額が記載されている物件は、管理に間違いがない可能性が高いです。積立金額は、マンションの分譲業者が分譲時に作成した「長期修繕計画」に基づいて算出したもので、修繕の実施や積立金の運営・管理は管理組合(もしくは委託を受けた管理会社)が行います。その金額が公表されているということは、管理組合の運営が順調で、透明性が高いということになります。

 

築浅物件で修繕積立金の㎡単価が200円程度の物件(マンションの規模により多少変動)

 

まず、修繕積立金の金額については、国土交通省の出した「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」で国の推奨する目安が示されています。これによると、15階建て未満は1㎡あたり月額178~218円、20階建て以上は206円です。このため、修繕積立金の㎡単価が200円程度だと、国の推奨どおりということになります。

 

そして、徴収方式に注意が必要です。修繕積立金の徴収方式には「均等積立方式」と「段階増額方式」の2つがあります。後者の「段階増額方式」とは段階的に徴収金額を増額していくもので、築年数がたって維持管理費が増えていく将来、負担が増える可能性が高くなります。

 

これに対し、前者の「均等積立方式」は建物や設備の維持管理に生涯必要となる費用を竣工当初からできるだけ均等に按分して負担する、という考え方で、長期にわたって金額の変更がありません。国土交通省が推奨しているのはこの徴収方式です。永住する人にとってメリットが大きくなります。

 

金額と同時に徴収方式も確認するようにしましょう。

 

共用部給排水管交換、玄関ドア交換などの記載がある物件

 

築30年とか40年の物件では、共用部分の配管や玄関ドアの劣化が激しくなっていますので、交換が必要です。しかし、費用が高額になるため、意識の高い管理組合でなければ交換は行われないこともあります。

 

築古物件でペット飼育可の物件

 

昔はマンションでペットを飼うことは管理規約で禁止されていることがほとんどでした。このため、古いマンションでペット可の場合、管理規約の改定がされたということになります。規約の改定は議決権の4分の3の賛成が必要なため、マンションの住人の総会参加率が高いと判断できます。管理に関心を持つ住人が多く、民主的に運営されている物件は必然的に管理がよいということになります。

 

この他にも管理の良し悪しを判断する要因はありますが、上記5点で十分に判断ができます。この5点を知っていれば住まい探しに役立つことはもちろん、不動産会社の担当者の能力を見極めることもできます。担当者に「管理費に比べて修繕積立金が極端に安いですけど何か問題ありますか?」と聞いてみてください。一般的には好ましいことではありません。納得できる回答が出てこなければ、担当者を変更するとよいでしょう。

 

 

津司徳義(REDSエージェント、070-1402-4276、n.tsushi@red-sys.jp)
北海道出身。宅地建物取引士。マンション管理士、2級ファイナンシャルブランニング技能士、2019年不動産鑑定士短答式試験合格。
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