日本テレビ系列のバラエティ番組「幸せ!ボンビーガール」、10月24日に放映されたスペシャル特番ですが、今回は前回解説した「東京穴場路線どこが幸せ!」に続いて、恒例となった森泉さんの「空き家再生大臣」について、解説していこうと思います。

 

ボンビーガール

(写真はイメージです。)

 

1階の壁を抜き広いリビングに

 

今回の作業は1階にある壁や柱を取り払い、広いリビングを作る為の解体作業でした。延々と解体現場の様子が流れていただけなので不動産売買には何の関係もなさそうですが、中古物件を購入した後にリフォームするにあたってのヒントや教訓がかなり隠されていたので、ひとつずつ解説していくことにしましょう。

 

取り払って大丈夫な柱と、取り払えない柱がある

 

番組では何度も語られていたことですが、建物の構造上、2階や天井を支える柱は取り払う事ができません。取ってしまうと天井などが落ちてしまうからです。

 

どの柱が取り払えない「通し柱」なのかは、柱のジョイント部分が壁や天井、床下に隠れているのでパッと見ではわかりません。建築確認図面などを見ればその詳細は記載があるのですが、建築業に携わっていないと図面を読むのは難しいので、番組のように建築士のアドバイスを受けるのがよいでしょう。

 

というのも、リフォームして住もうと購入した中古物件だったのに、「思うように改装できなくて残念だ」という事例が非常に多いのです。

 

不動産業者の営業マンはよく、「リフォームすれば綺麗になる」「好きな間取りに変更できる」と、さも簡単に工事が可能のようにセールスしますが、実際には建物はそれぞれ固有の構造となっており、詳しく調査してみないと、不可能な改修もあるのです。

 

対策としては購入前の内覧の際に、リフォーム工事業者の担当者や建築士に依頼し、現場に立ち会ってもらうのがベストでしょう。できれば建築図面を拝借し、現場と図面を照らし合わせた上で、思い描いたリフォーム計画が可能かどうかの判断を下してもらうとなおよいでしょう。

 

そこまで行えばリフォーム代金の事前見積もりも簡単に取れるので、資金計画の面からもお勧めです。不動産は高額な買い物ですから、購入後に後悔しないよう、万全の準備をもって購入を判断したいものですね。

 

キッチンや水道などの水回り設備も、簡単に解体・撤去が可能

 

キッチン設備の解体では、森さんが簡単に水道の蛇口を取り外す作業が紹介されていました。水回り設備となると大掛かりな作業を想像しがちですが、実際には番組のように、ものの数分で解体が可能な、簡単な作業なのです。

 

この件から何が教訓になるかというと、構造体を除く住宅設備の大部分は、工事業者でなくても簡単に取り壊しが可能であるということです。となれば古家を解体して更地で売りに出す場合などは、自分で出来る範囲の作業を行えば、解体費用を安く抑えることが可能となる、ということになります。

 

建築リサイクル法の施行以来、廃棄物の処理費用が高額となったために、解体工事代金は高騰の一途をたどっています。しかし個人が建物を取り壊して廃棄物を処理するのであれば、適法に捨てれば産廃物とはなりません。やり方次第でその費用を抑えることも可能であると、今回の特番は教えてくれました。

 

手壊しは時間と人件費を必要とする

 

今回作業にあたったのは、森さんの他に建築士の先生、作業に呼ばれた工事業者の3名の合計5名でした。再建築不可物件のリフォームは通し柱を残さないといけないので、建て替え時のように重機で一気に解体することはできず、作業員が「手壊し」することになります。手壊しはなかなか計画通りに行かずに、想定よりも時間がかかってしまうことがよくあります。工事代金は作業員一人あたりの日当を定め、作業人数と日数を乗じて算定されるため、時間と人数を要する「手壊し」は、費用がかさむ一番の理由となります。

 

実際に番組でも、1階だけの解体なのに、5人による作業でも2日間では全ての解体が終わったとはいえない状況でした。以前の放映分まで含めるとそれ以上の日数を要しているわけで、人件費が高くなるのも頷けると、改めて実感させられる内容でした。

 

こうした解体現場の実情は、建物をリフォームする際の1つの指針になります。「手壊しが」多い現場だとわかっていれば、見積もり額に驚くことなく、資金計画を立てやすくなるからです。

 

当然、重機を入れることのできない中古マンションも、解体・撤去に費用がかさむ現場となります。特に天井を落としたりや床を剥がしたりする作業を伴うフルリフォーム工事や間取り変更工事は、費用の大きな部分を解体費が占めるので、事前の見積もりが欠かせないということを、物件の購入前にしっかりと認識しておくべきでしょう。

 

土地形状や立地、周辺環境を確認しておくことも大事

 

森さんが購入した中古戸建の土地は、面する道路との設置幅が0.9mと狭く、「2m以上」と定められた建築基準法の接道義務を果たしていないのが再建築不可となる理由です。

 

このような土地は再建築が認められないだけでなく、骨組みを残してリフォームする際にも、デメリットが大きいので注意が必要です。

 

というのも「手壊し」と並んで、廃材の「手運び」も、費用がかさむ要因の1つであるからなのです。森さんの物件のように建物に至るアプローチ部分が狭い土地の場合、廃材を運搬するトラックを建物に横付けできません。そうなるとトラックを駐車した場所まで「手運び」で廃材を運搬する必要があるために、作業に時間を要し、結果として人件費が増加してしまうのです。

 

また、建物までのアプローチに難があることのデメリットは、住み始めた後の日常生活にも及びます。玄関口まで車を持っていけないのですから、高齢者や小さな子供のいる家庭では、不便が生じるでしょう。特に森さんの土地のようないわゆる「旗竿(はたざお)形状」の土地は、周囲を他の建物に囲まれてしまうため、日当たりや風通しも多くは望めない物件となってしまいます。

 

したがって、こうした形状の土地を購入する際には、様々な面でデメリットがあるということをしっかり認識しておくべきだといえるでしょう。

 

森泉さんの「空き家再生大臣」・まとめ

 

森さんの「空き家再生大臣」は建物解体から一向に作業が進みませんが、普段あまり目にすることのない解体工事の現場を見せてくれるので、とても役に立つ企画であるといえます。

 

今後は2階の解体や間取り変更、設備の新設へとリフォームが進んでいくと思われますが、どのような発見があるのか、今から楽しみで仕方がありません。

とはいえ、以前の記事でも申し上げたように、番組の内容をそのまま鵜呑みにしてはまずいです。

 

番組では「再建築不可の土地であっても、柱などの骨組みを残してのリフォームなら可能」としていますが、それは担当行政庁の許可が得られた場合に限られますし、今回の記事で述べた旗竿形状の土地を購入するデメリットについては、番組では一切触れておりません。

 

格安物件を購入する際には不動産業者の担当者や、リフォーム工事業者、建築士に詳しくアドバイスを求めるのがベストといえるでしょう。

 

購入後に後悔しても誰も助けてはくれないのですから、大事な資産となる住居への投資は、何よりも慎重になるべきだと明言しておきます。

 

伊東博史(宅地建物取引士)
大手不動産仲介会社で売買仲介に約10年間の勤務。のべ30年間以上にわたり、大手と中小、賃貸と売買と、多角的に不動産業務に携わる。現職では売買と賃貸仲介と管理、不動産投資や相続のアドバイスを行う。

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