国土交通大臣指定の公益財団法人「東日本不動産流通機構」が毎月発表している「月例速報マーケットウオッチ・サマリーレポート」のデータに基づき、東京・神奈川・千葉・埼玉（首都圏）の最新不動産市況についてREDS不動産のリアル編集部が解説します。

 

今回は2023年5月12日に発表された、同年4月の首都圏における中古マンション流通市場の動向についてお届けします。今後、中古マンションの売買を検討されているみなさまはぜひ、ご参考になさってください。

 

（不動産のリアル編集部）

 

（写真はイメージです）

 

4月の首都圏・中古マンション取引概況

 

首都圏の中古マンションの取引概況は以下のとおりです。

 

 

成約件数はマイナス、成約価格は3年ずっと上昇

 

成約件数は前年比で4.5％のマイナスで、前年同月を下回ったのは3カ月ぶり。前月比で488件（－14.2％）も減っています。

 

成約㎡単価は2020年5月から36カ月連続で、成約価格も35カ月連続で前年同月を上回りました。

 

在庫増加で高値楽観には要注意

 

販売中の物件数を示す在庫件数は2022年2月から1５カ月連続で前年同月を上回り、22.0％と2023年に入って最大の増加率を示しています。新規登録件数は1～3月よりも前年同月比の伸びは小さくなったものの、21.3％と依然として大幅な増加といえます。

 

中古マンションの成約価格は上昇していて、高値で売れる状況は続いています。しかし、前月に引き続き、新たに売りに出す人は多く、在庫も積み上がっています。売出価格に強気の価格設定をする人ほど売れなくなっている可能性もありますので、見直しの検討も柔軟になる必要があるかもしれません。

 

首都圏エリア別の成約件数

 

エリア別の成約件数は以下のとおりです。

 

■2023年4月の成約件数と前年同月比

 

個別に見ていきましょう（比較は対前年同月）。

 

【増加】
・東京多摩：ほぼ横ばいながら、8カ月ぶりに前年同月を上回った3月に続いて4月も増加
・千葉：2023年1月まで減少が続いたが、2月に反転し、3月に続いて4月も増加

 

【減少】
・東京23区：全体として下降傾向にあった2022年を経て、2023年は上下している
・埼玉：16カ月連続で前年同月を下回っている
・横浜・川崎：2023年1月までは減少の一途で2、3月は増加したが4月は再び減少
・神奈川他：9カ月連続で前年同月を下回っている

 

埼玉と神奈川他のエリアは減少の一途で、4月は取引量の多い東京23区と横浜・川崎で減少に転じました。都市部が件数増を牽引していた構図が崩れたことで、これまでの活況ぶりに変化が訪れるかもしれません。

 

エリア別の成約㎡単価

 

エリア別の成約㎡単価は以下のとおりです。

 

■2023年4月の成約㎡単価と前年同月比

 

個別に見ていきます（上昇、下落は対前年同月比）。

 

・東京23区：2020年5月から36カ月連続で上昇
・東京多摩：2023年は2～3月と上昇していたのが4月は下落
・横浜・川崎：35カ月連続で上昇
・神奈川他：29カ月連続で上昇
・埼玉：35カ月連続で上昇
・千葉：33カ月連続で上昇

 

首都圏で高値傾向の勢いが続いていますが、多摩での下落が気になります。多摩では成約件数も伸びていませんので、売出価格の見直しが必要になるでしょう。

 

マンション売買の市況見極めはREDSにご相談を

 

以上、2023年4月の首都圏中古マンション流通市場の動向について解説しました。マンションの購入や売却をご検討中の方にとっては、買い時や売り時を見極めることが最重要課題でしょう。

 

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（不動産のリアル編集部）