国土交通大臣指定の公益財団法人「東日本不動産流通機構」が毎月発表している「月例速報マーケットウオッチ・サマリーレポート」のデータに基づき、東京・神奈川・千葉・埼玉（首都圏）の最新不動産市況についてREDS不動産のリアル編集部が解説します。

 

今回は2023年4月10日に発表された、同年3月の首都圏不動産流通市場の動向についてお届けします。今後、中古戸建ての売買を検討されているみなさまはぜひ、ご参考ください。

 

（不動産のリアル編集部）

 

（写真はイメージです）

 

首都圏3月の戸建て取引概況

 

首都圏の3月の中古戸建ての流通についての概況は以下のとおりです。

 

 

成約件数は減少、成約価格は上昇継続

 

成約件数は前年比－7.8％で、15カ月連続の減少です。成約価格は3,914万円で、前年比で29カ月連続で上昇しています。新規登録価格は4,322万円と前年比1.9％増で3カ月連続の増加。在庫価格は4,520万円と前年比1.6％の上昇で、32カ月連続で前年同月を上回っています。

 

在庫も大幅増で売出価格に見直しが必要

 

販売中の物件数を示す在庫件数は1万6469件と前年比23.4％と大幅増で、増加は7カ月連続でした。新規登録件数も大幅に増えており、前年比で35.1％の増加、増加は3カ月連続となっています。

 

戸建ては高値傾向が続いています。現在、高値で売れることを受け、売りに出す人が増えていて、大幅に在庫が増えています。それなのに、成約件数が減少しているということは、強気の価格設定に買主が慎重になっていると考えられます。早期売却を考えている方は今後、売出価格の見直しをする必要があるかもしれません。

 

首都圏エリア別の成約件数

 

エリア別の成約件数は以下のとおりです。すべてのエリアで成約件数は減少しています。

 

■2023年3月の成約件数と前年同月比

 

個別に見ていきましょう。

 

・東京23区：2022年は一貫して減少し、2023年1月に持ち直したものの、2月に再び減少。3月は－11.0％と2ケタ減となった
・東京多摩：15カ月連続で減少している
・横浜・川崎：8カ月連続で減少、3月は－20.5％と大幅減となった
・神奈川他：2022年は全体的に減少傾向で、3月は－12.3％と2ケタ減となった
・埼玉：15カ月連続で前年同月を下回っている
・千葉：2022年は全体的に減少傾向で、3月は2月に続き微減

 

東京23区、横浜・川崎といった都市部での成約件数の減少が目立ちます。都市部での戸建ての売出価格が高止まり、買主が手を出しにくくなっていると考えられます。

 

首都圏エリア別の成約価格

 

エリア別の成約価格は以下のとおりです。多摩以外のエリアでは前年比で上昇となっています。

 

■2023年3月の成約価格と前年同月比

 

前年同月を上回る数字がどれくらい前から続いていたのか、個別に見ていきます。

 

・東京23区：ずっと上昇していたが2023年2月に下落。3月は＋5.0％と反転した
・東京多摩：下落は7カ月ぶり、－1.0％と微減
・横浜・川崎：5カ月連続で上昇、3月は前年同月比＋11.4％の2ケタ増
・神奈川他：21カ月連続で上昇、3月の＋6.9％は過去1年では小幅の増加
・埼玉：11カ月連続で上昇。3月は＋11.1％と2ケタ増
・千葉：25カ月連続で上昇

 

この傾向を見る限り、多摩を除く首都圏で高値傾向の勢いは続いていくとみられます。ただ、在庫件数が増えていることから、需給バランスが整ったとき、成約にも徐々に変化が出てくるでしょう。

 

戸建て売買の市況見極めはREDSにご相談を

 

以上、2023年3月の首都圏中古戸建て流通市場の動向について解説しました。戸建ての購入や売却をご検討中の方にとっては、買い時や売り時を見極めることが最重要課題でしょう。

 

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（不動産のリアル編集部）