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最終更新日:2025年4月6日
公開日:2025年4月2日  小林 響平

マンション外壁は「タイル張り」が正解? 外観の見た目で判断する際に知っておきたいこと

こんにちは。仲介手数料が必ず割引・最大無料の「不動産流通システム」REDSエージェント、宅建士の小林 響平(こばやし きょうへい)です。

みなさん、マンションを選ぶ際、室内だけでなく、当たり前のように外観の見た目も気にされるのではないでしょうか。

マンションの外観の印象を決める外壁について、今回は少し勉強してみましょう。

マンション外壁

(写真はイメージです)

外壁の種類とメリット・デメリット

主な外壁を4種類、それぞれのメリット・デメリットも併せて解説します。

タイル張り

タイルとは陶磁器や石、砂などの天然素材を高温で焼き固めたものです。エントランス部分では石材(御影石、大理石)が用いられることもあります。

〈メリット〉

  • 耐久性:外壁のひび割れや塗膜の劣化を防ぎ、建物の寿命を延ばす。長期間にわたり劣化しにくい。 
  • メンテナンスが少ない:汚れが付きにくく、雨で洗い流されるため、メンテナンスの頻度が低くて済む。
  • 防火性:非燃焼性の素材であり、防火性が高い。
  • 美観:見栄えが良くなる。デザインの幅も広い。色や模様が豊富。不動産広告での訴求力が向上する。
  • 耐候性:紫外線や湿気に強く、色あせしにくい。遮熱効果が得られる。

〈デメリット〉

  • 高コスト:建築時の材料費や施工費が他の外壁材より高くなることが多い。中古購入の場合はその分、物件価格が高くなる。
  • 施工が手間:タイルの施工難易度が高く職人の腕が必要、重要で費用もかさむ。施工不良の場合、調査するまでわかりにくい。
  • 見た目の変化:同色、同形質のタイルが数年後には廃番になることがある。改修の際に近い色に合わせるが、張替えの際、一部見た目に違和感が出る場合がある。
  • 割れやすい:落下物や衝撃に弱く、割れやすい場合がある。
  • 重さ:他の外壁材に比べて重いため、構造に対する負担が大きくなることがある。

吹付(スプレー仕上げ)

吹付とは合成樹脂とモルタルなどを混ぜ合わせた材料を吹き付ける塗装仕上げです。

〈メリット〉

  • コストパフォーマンス:比較的安価で施工が容易。特に大型の建物に向いている。
  • 工期短縮:吹き付け作業は素早く施工でき、工期を短縮できる。
  • 防水性:吹き付け塗装により、防水性能を高めることができる。
  • デザイン:粗さを調整することで、様々な表面仕上げが可能(滑らか、ざらざらなど)。

〈デメリット〉

  • 劣化が早い:吹き付け塗装は紫外線や風雨による劣化が早い場合があり、定期的なメンテナンスが必要。
  • ひび割れ:時間の経過とともにひび割れが発生することがあり、注意が必要。
  • 見た目が単調:仕上がりがあまり目立たず、安価な印象を与えることがある。
  • 汚れが付きやすい:塗料の種類によっては汚れが付きやすい場合がある。

ガラス外壁

〈メリット〉

  • 美観:透明なガラスを使うことで、現代的で洗練されたデザインが可能。光を取り入れ、明るい室内環境を作れる。
  • 断熱性:特殊な断熱ガラスを使用することで、外気温の影響を受けにくく、エネルギー効率を改善できる。
  • 開放感:眺望が良い場所に適しており、広々とした開放感が得られる。
  • 低メンテナンス:ガラスの表面が滑らかで、汚れが付いても洗いやすい。

〈デメリット〉

  • 高コスト:ガラスは非常に高価で、施工も高額になることが多い。
  • プライバシーの問題:透明なガラスでは外から中が見えやすく、プライバシーを確保するのが難しい。
  • 割れやすい:強い衝撃を受けると割れやすいため、耐久性がやや劣る。
  • 熱伝導性:ガラスは熱を通しやすく、夏場に室内が暑くなりやすいことがある。

コンクリート打ちっぱなし

〈メリット〉

  • 耐久性:コンクリートは非常に強く、耐震性や耐風性、耐火性に優れており、長期にわたって安定した性能を発揮する。地震や強風などの自然災害に強い構造。
  • メンテナンスが少ない:一度施工されると、塗装などの定期的なメンテナンスが少なくて済む。コンクリート自体に非常に耐久性があり、特別な処置を必要としない場合が多い。
  • 現代的で独自の美観:打ちっぱなしのコンクリートは、シンプルで洗練された印象を与えるため、現代的なデザインにぴったり。無機質な表面は、都会的でスタイリッシュな外観を持つ建物に適している。
  • 断熱・防音性:コンクリートは厚みがあり、音の遮断性能が高いため、外部の騒音を遮断する防音効果が得られる。また、断熱材を併用することで、エネルギー効率を高めることもできる。
  • カスタマイズ可能な仕上げ:型枠を使用してさまざまなデザインや質感を作り出すことができ、素朴なテクスチャーや滑らかな仕上がり、さらには色の変更も可能。独特の質感が魅力となる。

〈デメリット〉

  • ひび割れや収縮の問題:コンクリートは乾燥時に収縮しやすく、ひび割れが発生することがある。特に温度差が大きい環境ではひび割れが進行しやすいため、適切な管理が必要。
  • 重さと構造の負担:コンクリートは非常に重いため、構造体への負担が大きくなる。特に高層ビルの場合、重量を支えるための強固な基盤が必要となり、設計時に注意が必要。
  • 施工が難しい:コンクリート打ちっぱなしの施工は技術的に高度であり、表面が滑らかで均一になるように仕上げるには高度な技術と経験が必要。施工の質が仕上がりに大きく影響する。
  • 見た目の好みが分かれる:打ちっぱなしコンクリートは無機質で冷たい印象を与えることがあるため、好みが分かれることがある。また、汚れや汚染物質が目立ちやすいため、周囲の環境によっては見た目が劣化しやすいこともある。
  • 汚れが目立つ:コンクリート表面は汚れや埃、カビが付着しやすい特性がある。特に外壁に使用した場合、湿気の多い環境や都市部で汚れが目立つことがあり、定期的な清掃が必要。
  • 高コスト:施工には専門的な技術が求められるため、コストが高くなることがある。加えて、型枠や仕上げにこだわる場合、さらに費用がかかる。

分譲タイプマンションではタイル張りがやはりスタンダード

ほとんどのマンションで採用されている「タイル張り」についてもう少し細かく見てみましょう。

旧JIS規格では「磁器質」・「せっ器質」・「陶器質」と分類していましたが、2008年のJIS規格改正により試験方法が変わり、分類名もⅠ類・Ⅱ類・Ⅲ類と変更されています。

旧分類表記(自然吸水率) 新分類表記(強制吸水率)
磁器質(1.0%以下) Ⅰ類(3.0%以下)
せっ器質(5.0%以下) Ⅱ類(10.0%以下)
陶器質(22.0%以下) Ⅲ類(50.0%以下)

磁器質タイル(Ⅰ類)

磁器質タイルは石英、長石、粘土といった素材を1250℃以上で焼成したタイルです。温度変化に強く、氷点下や高温下でも劣化しにくいことや、吸水性が低いため変形しにくいといった特長があり、水回りの壁・床や外装に用いられます。

せっ器質タイル(Ⅱ類)

せっ器質タイルは粘土・長石などを約1200℃前後で焼成したタイルです。強度は磁器質タイルと同等といわれています。素焼きのような素朴な雰囲気のものが多く、主に外部壁・床に使用されます。

陶器質タイル(Ⅲ類)

陶器質タイルは陶土、石灰などを1000℃以上で焼成して作られたタイルです。陶器質タイルは多孔質のため吸水率は50%以下と最も水を吸いやすく、せっ器質タイルと比べると強度は下がります。外装には不向きですが、寸法精度が高いため、より近くで見ることの多い内装用タイルとして多用されます。

上記のとおり、Ⅰ類の磁器質タイルの方が、せっ器質タイルや陶器質タイルと比べて高価でコストもかかります。

タイルの成型方法も、押出成形を(A)、プレス成形を(B)として2種類あり、AⅠ、BⅡなどと、製品の種類分けがされています。

高価で耐久性の高い「タイル」、メンテナンスはどれくらい必要?

住宅産業協議会の「住まいと設備のメンテナンススケジュールガイド」によると10年から35年の間にタイル洗浄や目地打替えをメンテナンスとして実施することを推奨しています。このスケジュール表を見て、最長期間の35年を耐用年数としてしまっています。しかし、外壁の劣化スピードは35年よりもはるかに速く、10年前後でメンテナンスが必要となります。

タイル自体の耐用年数は長くても、モルタルとタイル間の接着剤やシーリング材などが劣化するため、施工後10年が経過する前にはメンテナンスが不可欠になってきます。

国立研究開発法人建築研究所の研究では目地に用いるシーリング材の耐用年数は一般に5~10年程度、外壁タイルの耐用年数は10~15年程度とされています。外壁タイル自体には問題なくとも、目安としては7~10年に1回程度を目安にシーリング材の打替えや仕上げ材の定期的な劣化診断を行うことで、外壁タイルの寿命を延ばすことが可能です。

外壁タイルは紫外線や風雨などにより、常に劣化しやすい状態にさらされています。実際の建造物によっても異なりますが、直射日光や風雨が当たりやすい南側や屋上などは劣化が早くなります。

結局、マンションはタイル張りがいいのか?

最終的にどのタイプの外壁が最適なのかは、みなさまのマンション購入に対する目的や重視するポイント(耐久性、美観、メンテナンス、予算など)や好みによって左右されるため、一概にこれがいいというものはございません。

ただ、やはり外壁の仕様によって、マンションの「資産価値」に影響していくことは確かです。

タイル張りであれば、吹付タイプよりも新築当時の建築コストがかかっていることもあり、マンションとしての資産価値(物件価格)が高く維持されていく可能性があるのが最大のメリットです。

ガラス張りタイプもデザイン性が高いものであれば見栄えもよく、高級感のあるマンションに見え、資産価値としても高くなります。ただ、やはり維持、管理費がかかってきます。

逆に、吹付タイプなど建築コストを抑えているマンションは、物件価格が比較的安い傾向にあります。吹付タイプだからといって価格が安いとは限らず、しっかり管理、メンテナンスされているような建物であれば、資産価値を下げずに維持されています。よくある「ヴィンテージマンション」なんかはその一例ですね。

まとめ

外壁は適切な時期に適切なメンテナンスを行っていくことが、建物の資産価値、維持向上につながりますので、マンションの「管理状態」を十分に確認していくことをおすすめします。

また、物件探しでタイル張りマンションはなかなかご予算が届かない場合、吹付タイプのマンションは比較的価格が安価に抑えられていることが多いため、マンションの修繕履歴や管理状況を確認の上、一度ご検討してみていかがでしょうか。

外観を見る際、各種タイルのひび割れや汚れなど、チェックする際に必要な点も多々あります。そのようなポイントについては、ゆくゆくブログでもまとめたいと思います。

ご不明点がありましたら、お気軽にご相談ください。

最後に

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小林 響平
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