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水谷 純子

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最終更新日:2024年5月14日
公開日:2024年5月13日

こんにちは、REDSリフォーム、宅建士の水谷純子です。皆さん、今回は「タイル・レンガにおける特性と建築、歴史」についてお話します。

東京駅

タイルとレンガの魅力

タイルとレンガは、その美しさと耐久性から、世界中の建築物に広く使用されています。これらの素材は、色、形状、サイズが豊富で、建築家やデザイナーに無限の可能性を提供します。

タイルの魅力

タイルは、その色彩の豊かさと独特の光沢感が魅力です。タイルは防水性が高く、清掃が容易なため、キッチンやバスルームなどの湿度が高い場所に最適です。また、タイルは耐久性があり、長期間にわたってその美しさを保つことができます。

レンガの魅力

レンガはその頑丈さと自然な風合いで人気があります。レンガは、その独特の質感と色合いが、建物に温かみと歴史的な雰囲気をもたらします。レンガは耐久性が高く、時間とともに風化することで魅力を増します。

タイルとレンガは、それぞれが持つ独特の特性と美しさにより、建築物に個性と魅力をもたらします。これらの素材を使用することで、建築家やデザイナーは、機能性と美学を兼ね備えた素晴らしい建築物を創り出すことができます。

タイルとレンガの歴史

タイルとレンガの建造物の歴史は非常に長く、多様な文化と時代を通じて発展してきました。

タイルの歴史

タイルの使用は非常に古く、紀元前4000年頃のメソポタミア文明で初めて使用されたとされています。その後、古代エジプト、古代ギリシャ、古代ローマなどでもタイルが使用されるようになりました。中世ヨーロッパでは、タイルが宗教建築や王宮などの壁や床に使用され、美しい装飾が施されました。

日本では、明治時代に洋風建築が多く建てられるようになり、内装も洋風化したことで装飾タイルなどが使われるようになり、大正11(1922)年に「タイル」という名称が統一され、それ以降、タイルは日本の建築において広く使用されるようになりました。

レンガの歴史

レンガはイスラム建築で使用された最も初期の建築材料のひとつであり、モスク、マドラサ、その他の公共建築物の建設に広く使用されたそうです。

タイルとレンガの融合

特に注目すべきは、タイルとレンガが組み合わさった建築物です。例えば、スペインのムデハル様式の建築物は、彩色タイルとレンガ、幾何学模様の壁画が最大の特徴で、イスラム建築の要素とヨーロッパの様式が組み込まれています。

以上のように、タイルとレンガの建造物の歴史は、様々な文化と時代を通じて発展してきました。これらの素材は、建築物の美しさと機能性を高め、その時代の社会や文化を反映する重要な要素となっています。

カサ・ビセンス

タイルを使用した国内の代表的建築物

日本には多くの美しいタイルを使用した代表的な建築物があります。

1.東京駅丸の内駅舎:大正3(1914)年に竣工したこの建物は、日本で最初の大規模なタイル建築物とされています。外壁は「赤煉瓦駅舎」として知られていますが、実際にはタイル張りです。この建物のタイルは、株式会社LIXILの前身の一つである株式会社INAXが担当しました。

2.帝国ホテル旧本館:フランク・ロイド・ライト設計のこの建物は、大谷石や黄色い煉瓦、装飾テラコッタなど温かみのある素材を多用し、近代日本を象徴する建築物となりました。外装タイルは「帝国ホテル煉瓦製作所」で造られたものが使われました。

3.東京中央郵便局:昭和8(1933)年に竣工したこの建物は、モダニズムの傑作と称され、白いタイルで覆われた姿が鮮烈な印象を与えました。この建物のタイルは、株式会社アカイタイルが製造しました。また、LIXILの技術も採用されています。

4.丸栄百貨店本館:昭和28(1953)年に名古屋市に竣工したこの建物は、百貨店建築として初めて日本建築学会賞(作品)を受賞しました。外壁には薄紫のタイルが張られ、西側の外壁には緑色を中心に色彩豊かなタイルを乱張りした抽象的なモザイク画が施されました。この建物のタイルは、伊奈製陶の「カラコンモザイク」タイルが用いられています。

5. ヨックモック青山本店:昭和53(1978)年に南青山に竣工したこの建物は、ブルーと白のタイルで仕上げられ、街並みにアクセントを付けるランドマークとなっています。この建物の象徴的なブルーのタイルは、伊奈製陶の「カラコンモザイク」タイルが用いられています。

歴史的建造物のタイル制作にかかわった伊奈製陶

上記の建築物の多くに伊奈製陶(後の株式会社INAX現在のLIXILグループ)が関わっているのにお気づきかと思います。その伊奈製陶について調べてみました。

伊奈製陶の歴史

伊奈製陶の歴史は、常滑焼の産地である愛知県知多郡常滑町において、明治20(1887)年頃から始まります。陶工の伊奈初之丞が陶管の製造を開始し、大正10(1921)年、伊奈初之丞は大倉陶園創業者である大倉和親の支援を受けて匿名組合伊奈製陶所を創業しました。ここで、陶管(土管)やタイルなどの建設用陶器の製造が始まりました。

3年後には伊奈初之丞の長男である伊奈長三郎が法人化を行い、森村グループのタイルメーカーとして伊奈製陶株式会社が設立されました。伊奈長三郎は常務に就任し、以後も伊奈家が経営に関わり昭和20(1945)年には衛生陶器の製造を開始し、同じ森村グループの東洋陶器株式会社(後のTOTO株式会社)とライバル関係になりました。

伊奈製陶は、その長い歴史と豊富な経験を活かし、日本のタイル製造業界をリードしてきました。その精神は現在のLIXILグループにも引き継がれ、今日でも高品質なタイルを製造し続けています。

INAXライブミュージアム

伊奈製陶からINAXへと至るものづくりの歴史を展示、伊奈製陶の創業者とその後継者たちがどのようにして伊奈製陶を設立し、その後どのようにしてINAXへと発展させてきたのかを理解できる施設「INAXライブミュージアム」があります。

INAXライブミュージアムは同社の100年以上にわたる歴史とその製品を展示しています。創業者である伊奈初之丞とその息子、伊奈長太郎の創意工夫を通じて、伊奈製陶からINAXへと至るものづくりの歴史を学ぶことができます。

【施設情報】
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:水曜日(祝日の場合は開館)、年末年始
チケット:大人700円、高・大学生500円、小・中学生250円、シニア(70歳以上)600円

【展示と体験】
●窯のある広場・資料館:1921年建造の土管工場を保存、公開する展示館で、国登録有形文化財・近代化産業遺産となっています。
●世界のタイル博物館:世界各地から集められたタイルの展示があります。
●陶楽工房:タイル絵付けやモザイクアートなどの体験ができます。
●建築陶器のはじまり館:大正から昭和初期の建物の外壁を飾ったタイルやテラコッタを見ることができます。
●土・どろんこ館:光るどろだんごづくりや土のパステルづくりなどの体験が楽しめます。
●陶楽工房:モザイクアートやタイル絵付け体験教室が実施されています。

私もぜひ機会があれば訪れてみたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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