水谷 純子
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公開日:2024年11月24日
こんにちは、REDSリフォーム宅建士の水谷純子です。
空間の用途や広さ、方角などに合わせて、照明の配置や光量をプランニングすることを「照明計画」といいます。これにより、空間の雰囲気や機能性を最大限に引き出すことができます。
照明計画は、単に部屋を明るくするだけでなく、空間の雰囲気や機能性を大きく左右する重要な要素です。私たちの生活空間において欠かせない照明計画について、照明器具の種類とそのデザインや配置の仕方、さらに照明計画の注意点を織り交ぜながら、2回に分けて解説します。
(画像はイメージです)
照明器具にはどんな種類があるのでしょうか。主なものを6つ紹介します。
天井に取り付ける一般的な照明器具で、部屋全体を均一に照らします。リビングルームや寝室、キッチンなど、広い範囲を明るくするのに適しています。
吊り下げ型の照明で、デザイン性が高く、空間のアクセントになります。ダイニングテーブルやカウンターの上、リビングルームの一部など、特定のエリアを強調するのに適しています。
床に置くスタンド型の照明で、移動が容易です。リビングルームや寝室の補助照明として使用され、読書やリラックスのための柔らかい光を出します。
テーブルやデスクの上に置く小型の照明器具です。ベッドサイドやデスクの補助照明として使用され、集中作業や読書に適しています。
特定の場所を強調するための照明で、角度を調整できます。アート作品やディスプレイ、キッチンの作業エリアなど、特定の対象を照らすのに適しています。
柔軟性があり、さまざまな場所に取り付け可能な細長い照明です。間接照明として、棚やキャビネットの下、天井の隅などに使用されます。
照明計画にはどんなことに注意すればいいのでしょうか。主なポイントを3つ紹介します。
多灯分散型照明とは、主照明、補助照明、アクセント照明を組み合わせて、空間に深みと立体感を持たせる方法です。例えば、リビングルームではシーリングライトを主照明として使用し、フロアランプやテーブルランプを補助照明として配置します。さらに、スポットライトを使ってアート作品を強調することで、アクセント照明を加えます。
照明器具のデザインは、インテリア全体のスタイルに調和させることが重要です。モダンな空間にはシンプルで洗練されたデザインの照明器具が、クラシックな空間には装飾的なデザインの照明器具が適しています。また、照明器具の配置も重要で、光が均一に広がるように計画します。
照明方式には、全体照明、局部照明、局部的全般照明、タスクアンビエント照明があります。これらを適切に組み合わせることで、快適な照明環境を作り出します。
全体照明(全般照明)とは、部屋全体を均一に明るくする照明方式のことです。これは、特定の場所だけでなく、空間全体を均等に照らすことを目的としています。シーリングライト、乳白色のカバーが付いた照明器具などが使われます。
局部照明とは、作業エリアなど特定の狭い範囲を明るく照らしたり強調したりする照明方式のことです。キッチンのカウンターライト、デスクランプ、スポットライトなどが使われます。
局部的全般照明とは、特定の作業面や対象物を明るく照らすことで、結果的に部屋全体の照明を兼ねる方式です。テーブルを明るくしながら部屋全体も照らします。リラックスできる雰囲気を作り出すために使用されます。LEDストリップライト、フロアランプ、ペンダントライトなどが使われます。
タスクアンビエント照明とは、作業する場所(タスク)と周囲の環境(アンビエント)をそれぞれ適切に照らす照明方式です。特定の作業エリアに必要な明るさを確保しつつ、空間全体の雰囲気を整えることを目的としています。
具体的には、デスクランプやスポットライトで作業面を明るくする一方で、間接照明や天井照明で部屋全体の明るさを調整します。これにより、エネルギー効率を高めながら、快適な作業環境を提供することができます。
部屋別の照明計画は、各部屋の用途や雰囲気に合わせて異なる照明を選ぶことが重要です。以下に、代表的な部屋ごとの照明計画のポイントをまとめました。
●主照明:シーリングライトやダウンライトを使用して、部屋全体を均一に明るくします。
〇補助照明:フロアスタンドやスポットライトを追加して、読書やリラックスするためのエリアを強調します。
リビングはTVを見る、読書をする、歓談する、接客、仕事など生活行為がさまざまであるため多灯分散型照明がおすすめです。多灯分散型照明とは、複数の低ワット数の照明器具を部屋全体に分散して配置する照明方式です。これにより、必要な場所だけを効率的に照らし、エネルギー消費を抑えながら快適な光環境を作り出すことができます。
●テーブル照明:ペンダントライトをテーブルの上に設置し、食事の際に料理を美味しく見せる演色性の高い照明を用います。ペンダントライトの取り付けの高さは食卓より600~800mmの位置に器具の下端が来るように計画するのが一般的です。
〇補助照明:スポットライトや壁付けのブラケットライトで、空間にアクセントを加えます。
●作業照明:天井のシーリングライトやダウンライトで全体を明るくし、カウンターやコンロ周りには手元灯を設置します。
●主照明:調光機能付きのシーリングライトやダウンライトを使用し、必要に応じて明るさを調整します。
〇補助照明:ベッドサイドにテーブルランプやフットライトを設置し、リラックスできる温かみのある光を使用します。
●主照明:部屋全体を明るくするシーリングライトを使用し、勉強や遊びに適した明るさを確保します。
〇補助照明:デスクランプやナイトライトを追加し、必要に応じて光の強さを調整します。
各部屋の照明計画は、空間の雰囲気や機能性を大きく左右する重要な要素です。リビングルームのリラックスできる照明から、キッチンの作業効率を高める明るい照明、寝室の落ち着いた照明まで、それぞれの空間に最適な照明を選ぶことで、生活の質を向上させることができます。
照明計画をしっかりと行うことで、毎日の生活がより快適で豊かなものになります。皆さんも、ぜひ自分のライフスタイルに合った照明計画を立ててみてください。この記事が、皆さんの照明選びの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
公開日:2024年10月18日
こんにちは、REDSリフォーム宅建士の水谷純子です。
今日は、インテリアコーディネーター二次試験に向けての勉強の進捗についてシェアしたいと思います。このブログが、同じ目標を持つ皆さんの参考になれば嬉しいです。
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まず、昨年の試験についてのお話をさせてください。昨年、私は初めてインテリアコーディネーターの資格試験に挑戦しました。一次試験はなんとか合格できたのですが、二次試験は残念ながら不合格となってしまいました。
試験当日は緊張とプレッシャーで思うように力を発揮することができませんでした。解答用紙は手汗でびっしょり、図面は黒く薄汚れてしまい、作図は時間内に仕上げましたが後日模範解答を確認してみると、要望されているエレメントが書けていなかったり、家具図の寸法や開閉記号も書き忘れていたりで、残念な結果となりました。
この結果を受けて、非常に落ち込みましたが同時に多くのことを学びました。今年は二次試験のみに集中して試験勉強に臨むことができますので、自分の弱点を見つけそれを克服するための具体的な対策を考えるいい機会となりました。
合否の結果は今年2月中旬にわかりました。せっかく一次試験は合格できたので今年も再挑戦すると決意し、7月から二次試験対策のスクールに通って勉強しています。
今年はより計画的に、そして効率的に勉強を、特に時間配分や苦手な論文の試験対策にも注力していきたいと思います。
まずは、試験までのスケジュールを立てました。以下が私の勉強計画です。
私が使用している教材は以下のとおりです。
私の勉強方法は、以下のポイントに重点を置いています。
論文・作図試験では、以下の点に注意しています。
論文は、明確な構成を持つことが重要です。以下のような構成を意識しましょう。
・序論:テーマの概要と自分の立場を簡潔に述べる。
・本論:テーマに対する具体的な意見や提案を論理的に展開する。
・結論:本論のまとめと、今後の展望や提案を述べる。
論文にかける時間は、試験全体の時間配分を考慮して決める必要があります。目安としては、20~30分以内で書き上げることを目指しましょう。
過去の出題傾向を把握し、よく出題されるテーマについて事前に考えをまとめておくといいでしょう。例えば、「高齢者に対する配慮」や「環境に優しいインテリア」などが頻出テーマです。
論文は結論から書き始め、その理由を後から述べる方法が効果的です。これにより、論理的でわかりやすい文章になります。
作図試験では、以下の点に注意しています。
作図の基本技術をしっかりと身につけることが重要ですが、特に以下のポイントに注意することを心がけています。
●線の種類と使い分け:太線・中線・細線などの使い分けを理解し、正確に描けるように練習します。
【実線について】
【破線、一点鎖線について】
●スケールの使用:三角スケールや直定規を使って、正確な寸法で図面を描く練習をします。
●図面の読み取り:問題の文章をよく読み、必要なエレメントの数、寸法、何を要望しているか、書かなくてよいもの、書かなくてはいけないものなど把握する練習をする。
過去問を繰り返し解くことで、出題傾向や時間配分に慣れることができます。特に、平面図や立面図、パース図などの基本的な図面を何度も描いてみましょう。
作図は単なる図面作成ではなく、プレゼンテーションの一部として考えましょう。顧客に提案するつもりで、見やすく美しい図面を描くことを心がけます。
試験時間内に全ての図面を完成させるために、時間配分を意識して練習します。特に、描き始める前に全体のレイアウトを決めておくとスムーズに進められます。
最後に、私が昨年の経験を踏まえ心がける試験の心構えについて紹介します。
以上が、私のインテリアコーディネーター二次試験に向けての勉強方法と心構えです。昨年の経験を活かし、今年こそは合格を目指して頑張ります!
今年の試験日は12月8日(日)! 皆さんも一緒に頑張りましょう!
公開日:2024年9月9日
こんにちは、REDSリフォーム宅建士の水谷純子です。
皆さん、毎日暑い日が続きますね。今回はお部屋の雰囲気を大きく左右する上で重要なインテリアアイテム、「カーテン」について解説いたします。
(写真はイメージです)
カーテンの素材は、見た目や機能性に大きな影響を与えます。ここでは、代表的なカーテンの素材とその特徴について詳しく解説します。
1. ポリエステル
2. コットン
3. リネン
4. ベルベット
5. シルク
6. レース
7. アクリル
1.部屋の用途に合わせる
2.インテリアのスタイルに合わせる
3.機能性を重視する
カーテンの素材選びは、部屋の用途やインテリアのスタイル、そして必要な機能性を考慮して行うことが大切です。自分のライフスタイルに合った素材を選んで、快適な空間を作りましょう。
公開日:2024年7月30日
こんにちは、REDSリフォーム、宅建士の水谷純子です。
今回は、REDSのエージェントが全員取得している宅地建物取引士(宅建士)資格試験の概要と勉強法、法改正のポイントについてお話しします。
宅建士資格試験は、不動産取引に関する重要な資格試験であり、受験者は50問の四肢択一式問題に挑戦します。
2024年度は、10月20日(日)に実施されます。試験時間は13~15時までの2時間です。登録講習修了者は13時10分から15時までの1時間50分となります。
受験手数料は8,200円で、申し込みが受理されなかった場合や試験が中止された場合を除き、払い込まれた受験手数料は返還されません。受験申込はインターネットと郵送の両方で行うことができ、インターネット申し込みは2024年7月1日(月)から7月31日(水)まで、郵送申し込みは2024年7月1日(月)から7月16日(火)まで受け付けています。
インターネット申し込みがより便利になる一方で、郵送申し込みは期間が短くなるため、早めの準備が必要です。試験の詳細や最新情報は、公式サイトや関連機関の発表を確認することをお勧めします。
宅建士資格試験の内容は、宅建業法20問、権利関係(民法など)14問、法令上の制限8問、税・その他8問。合格発表は2024年11月26日(火)に予定されています。
宅建士資格試験に合格するためにはどんな勉強が必要なのでしょうか。ポイントは6つです。
まずは試験の全体像を把握しましょう。試験は50問の四肢択一式で、以下の4つの科目に分かれています。
効率的に勉強するためには、計画を立てることが重要です。半年間の勉強期間を設け、毎日少しずつ進めるといいでしょう。
過去問を繰り返し解くことで、出題傾向を把握し、実践力を養うことができます。特に、宅建業法は出題数が多いため、重点的に取り組むといいでしょう。
模擬試験を受けることで、本番の試験に慣れることができます。時間配分や問題の解き方を練習するのに役立ちます。
信頼できるテキストと問題集を使って、基礎知識をしっかりと身につけましょう。テキストを読んだ後に問題を解くことで、知識の定着を図ります。
民法などの法改正が試験に影響することがありますので、最新の情報をチェックすることも忘れずに。
私の場合、試験直前の模擬試験では28点と全く合格ラインに到達していない状況でした。そこから自分の状況を把握し、合格できたので、模擬試験を受けることをお勧めします。模擬試験の受け方のポイントを6つ紹介します。
1.模擬試験の種類を選ぶ
模擬試験には、会場受験と自宅受験の2種類があります。会場受験は本番と同じ環境で受験できるため、緊張感を体験できます。一方、自宅受験は自分のペースで受験できる利点があります。
2.受験のタイミングを決める
模擬試験は、試験の約1カ月前に受けるのが一般的です。これにより、弱点を把握し、残りの期間で重点的に対策を行うことができます。
3.時間配分を確認する
模擬試験では、本番と同じ2時間で50問を解く練習をします。時間配分を確認し、どの問題にどれだけ時間をかけるかを計画しましょう。
4.結果を分析する
模擬試験の結果を分析し、自分の弱点を把握します。成績表には、各設問の正答率や自分の順位が記載されていることが多いので、これを参考にして復習を行います。
5.復習を徹底する
模擬試験で間違えた問題や理解が不十分な部分を重点的に復習します。特に、法改正や新しい判例に関する問題は、最新の情報を確認しておくことが重要です。
6.メンタル面の準備
模擬試験を通じて、本番の緊張感に慣れることも大切です。会場受験を経験することで、試験当日の雰囲気に慣れ、メンタル面の準備を整えましょう。
これらのポイントを押さえて、模擬試験を効果的に活用してください。
2024年の宅建士試験に関して、直近に行われた法改正について5つ解説します。
1.不動産登記法
相続登記の義務化:相続によって不動産を取得した場合、所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
2.建築基準法
耐火建築物の定義変更:主要構造部のうち、防火上および避難上支障がない部分以外の部分(特定主要構造部)が耐火構造であることが求められます。
3.宅地造成及び特定盛土等規制法
新設:特定盛土等規制区域が新設され、その区域内での工事には特定の許可が必要となります。
4.民法
再婚禁止期間の廃止:女性が離婚後すぐに再婚できるようになりました。また、再婚後に出生した子は再婚した夫の子と推定されます。
5.宅建業法
重要事項説明の電子化:重要事項説明書の電子化が可能となり、宅地建物取引士の押印も不要となりました。
受験資格については、日本国内に居住する方であれば、年齢や学歴に関係なく誰でも受験することができます。この試験は、不動産業界でのキャリアを目指す方にとって非常に重要なステップとなります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
最終更新日:2024年6月24日
公開日:2024年6月21日
こんにちは、REDSリフォーム宅建士の水谷純子です。
皆さん、今回は「省エネルギー型給湯機器の種類と特長」についてお話しします。
省エネルギー型給湯器は、従来型の給湯器よりも熱効率が高く、少ない燃料でたくさんのお湯を沸かすことができる高効率な給湯器です。その特長を2つ挙げてみます。
省エネ給湯器は熱効率が高く、従来型よりも少ない燃料でお湯を沸かすことができます。これにより、ガス代や灯油代、電気代などの光熱費を節約できます。特にお湯をたくさん使うご家庭では、高い節約効果が見込めます。
石油やガスなどを燃焼させる際に発生する二酸化炭素(CO2)の排出量を減らすことができます。地球温暖化の一因となる温室効果ガスのCO2を削減しながら、お湯を快適に利用できます。
省エネ給湯器にはいくつかの種類があります。代表的な「エネファーム」「エコウィル」「エコジョーズ」「エコキュート」の4種類を紹介します。
エネファームは発電と給湯ができる家庭用燃料電池です。都市ガスやLPガスなどから水素を取り出し、空気中の酸類と化学反応させて発電を行い、その時の排熱を利用してお湯もつくるコージェネレーションシステム(1つのエネルギー源から、電気や熱など2つ以上のエネルギーを同時に取り出す仕組み)です。エネファームはエネルギーを直接電気エネルギーに変換するため発電効率が高く、CO2の排出も少ないのですが、初期導入コストが高いといえます。
エコウィルは都市ガスやLPガスを燃料とするガスエンジンで発電、その排熱を利用してお湯もつくるコージェネレーションシステムです。エネファームより初期導入コストが安いのですが、ガスエンジンを駆動させるため、振動や騒音が発生します。2017年に新規の販売が終了しているため、今後買い替える場合は、他の給湯器を検討しましょう。
エコジョーズは高効率のガス瞬間式給湯器です。従来捨てていた約200°Cの排気ガスの熱を二次熱換器で回収するコンデンシング技術を用いて沸かします。コンデンシングとは、排気ガス中の水蒸気を水に戻す(凝縮)こと。水蒸気が水になる際には凝縮熱(潜熱)を放出するため、その潜熱を回収することにより効率が高まるそうです。このことから、潜熱回収型ガス給湯器ともいわれます。
排気ガスが熱を奪われ結露して、排気ガス中の窒素酸化物がその凝縮水に溶け込んで強酸性水となります。この酸性凝縮水は中和器で中和されて、常時排出されるため、ドレン配管工事が必要になります。
エコキュートはヒートポンプの技術により、外気の熱をくみ上げて、お湯を沸かす給湯器です。冷媒には自然冷媒であるCO2を用い、原理的にはエアコンと同じです。ヒートポンプの特性上、寒冷地向きではなく、比較的温暖な地域に適しています。
冷凍サイクルは電気エネルギー1に対して2以上の空気熱を使用するので3倍以上の給湯エネルギーを得るそうです。また夜間電力を利用することでランニングコストが抑えられ、CO2の排出もないため、地球環境にやさしい給湯器といえます。
エネファームとエコウィルの仕組みにコージェネレーションシステムという言葉が出てきました。コージェネレーションシステム(Cogeneration system)は、熱源から電力と熱を生産し、供給する設備のことです。1つのエネルギー源から同時に電力と熱を生み出す仕組みで、省エネ効果が高いという特長を持っています。
コージェネレーションの特長は主に以下の2点です。
コージェネレーションシステムは、さまざまな動力源を利用しています。主な種類は以下の3つです。
省エネルギー型給湯器の導入には初期費用がかかりますが現在、給湯省エネ2024事業では補助対象期間内に一定の性能を満たす高効率給湯器を導入した場合、各機器導入に対し補助金を受け取ることができます。
●対象期間:着工期間は2023年11月2日以降、契約期間は着工日前となり交付申請受付期間は2024年3月29日~予算上限に達するまで(遅くとも2024年12月31日まで)。
●対象製品:ヒートポンプ給湯機(エコキュート)、電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機)、家庭用燃料電池(エネファーム)。
●補助額:補助額は種類ごとに異なり、性能に応じて区分されます。例えば、ヒートポンプ給湯機の場合、基本額は8万円、ハイブリット給湯機は10万円。エネファームは18万円と導入する高効率給湯器に応じて定額補助金が受け取ることができます。
住宅省エネ補助金を活用して、省エネルギー型給湯器の導入を検討してはいかがでしょうか? 最後までお読みいただきありがとうございました。
最終更新日:2024年5月14日
公開日:2024年5月13日
こんにちは、REDSリフォーム、宅建士の水谷純子です。皆さん、今回は「タイル・レンガにおける特性と建築、歴史」についてお話します。
タイルとレンガは、その美しさと耐久性から、世界中の建築物に広く使用されています。これらの素材は、色、形状、サイズが豊富で、建築家やデザイナーに無限の可能性を提供します。
タイルは、その色彩の豊かさと独特の光沢感が魅力です。タイルは防水性が高く、清掃が容易なため、キッチンやバスルームなどの湿度が高い場所に最適です。また、タイルは耐久性があり、長期間にわたってその美しさを保つことができます。
レンガはその頑丈さと自然な風合いで人気があります。レンガは、その独特の質感と色合いが、建物に温かみと歴史的な雰囲気をもたらします。レンガは耐久性が高く、時間とともに風化することで魅力を増します。
タイルとレンガは、それぞれが持つ独特の特性と美しさにより、建築物に個性と魅力をもたらします。これらの素材を使用することで、建築家やデザイナーは、機能性と美学を兼ね備えた素晴らしい建築物を創り出すことができます。
タイルとレンガの建造物の歴史は非常に長く、多様な文化と時代を通じて発展してきました。
タイルの使用は非常に古く、紀元前4000年頃のメソポタミア文明で初めて使用されたとされています。その後、古代エジプト、古代ギリシャ、古代ローマなどでもタイルが使用されるようになりました。中世ヨーロッパでは、タイルが宗教建築や王宮などの壁や床に使用され、美しい装飾が施されました。
日本では、明治時代に洋風建築が多く建てられるようになり、内装も洋風化したことで装飾タイルなどが使われるようになり、大正11(1922)年に「タイル」という名称が統一され、それ以降、タイルは日本の建築において広く使用されるようになりました。
レンガはイスラム建築で使用された最も初期の建築材料のひとつであり、モスク、マドラサ、その他の公共建築物の建設に広く使用されたそうです。
特に注目すべきは、タイルとレンガが組み合わさった建築物です。例えば、スペインのムデハル様式の建築物は、彩色タイルとレンガ、幾何学模様の壁画が最大の特徴で、イスラム建築の要素とヨーロッパの様式が組み込まれています。
以上のように、タイルとレンガの建造物の歴史は、様々な文化と時代を通じて発展してきました。これらの素材は、建築物の美しさと機能性を高め、その時代の社会や文化を反映する重要な要素となっています。
日本には多くの美しいタイルを使用した代表的な建築物があります。
1.東京駅丸の内駅舎:大正3(1914)年に竣工したこの建物は、日本で最初の大規模なタイル建築物とされています。外壁は「赤煉瓦駅舎」として知られていますが、実際にはタイル張りです。この建物のタイルは、株式会社LIXILの前身の一つである株式会社INAXが担当しました。
2.帝国ホテル旧本館:フランク・ロイド・ライト設計のこの建物は、大谷石や黄色い煉瓦、装飾テラコッタなど温かみのある素材を多用し、近代日本を象徴する建築物となりました。外装タイルは「帝国ホテル煉瓦製作所」で造られたものが使われました。
3.東京中央郵便局:昭和8(1933)年に竣工したこの建物は、モダニズムの傑作と称され、白いタイルで覆われた姿が鮮烈な印象を与えました。この建物のタイルは、株式会社アカイタイルが製造しました。また、LIXILの技術も採用されています。
4.丸栄百貨店本館:昭和28(1953)年に名古屋市に竣工したこの建物は、百貨店建築として初めて日本建築学会賞(作品)を受賞しました。外壁には薄紫のタイルが張られ、西側の外壁には緑色を中心に色彩豊かなタイルを乱張りした抽象的なモザイク画が施されました。この建物のタイルは、伊奈製陶の「カラコンモザイク」タイルが用いられています。
5. ヨックモック青山本店:昭和53(1978)年に南青山に竣工したこの建物は、ブルーと白のタイルで仕上げられ、街並みにアクセントを付けるランドマークとなっています。この建物の象徴的なブルーのタイルは、伊奈製陶の「カラコンモザイク」タイルが用いられています。
上記の建築物の多くに伊奈製陶(後の株式会社INAX現在のLIXILグループ)が関わっているのにお気づきかと思います。その伊奈製陶について調べてみました。
伊奈製陶の歴史は、常滑焼の産地である愛知県知多郡常滑町において、明治20(1887)年頃から始まります。陶工の伊奈初之丞が陶管の製造を開始し、大正10(1921)年、伊奈初之丞は大倉陶園創業者である大倉和親の支援を受けて匿名組合伊奈製陶所を創業しました。ここで、陶管(土管)やタイルなどの建設用陶器の製造が始まりました。
3年後には伊奈初之丞の長男である伊奈長三郎が法人化を行い、森村グループのタイルメーカーとして伊奈製陶株式会社が設立されました。伊奈長三郎は常務に就任し、以後も伊奈家が経営に関わり昭和20(1945)年には衛生陶器の製造を開始し、同じ森村グループの東洋陶器株式会社(後のTOTO株式会社)とライバル関係になりました。
伊奈製陶は、その長い歴史と豊富な経験を活かし、日本のタイル製造業界をリードしてきました。その精神は現在のLIXILグループにも引き継がれ、今日でも高品質なタイルを製造し続けています。
伊奈製陶からINAXへと至るものづくりの歴史を展示、伊奈製陶の創業者とその後継者たちがどのようにして伊奈製陶を設立し、その後どのようにしてINAXへと発展させてきたのかを理解できる施設「INAXライブミュージアム」があります。
INAXライブミュージアムは同社の100年以上にわたる歴史とその製品を展示しています。創業者である伊奈初之丞とその息子、伊奈長太郎の創意工夫を通じて、伊奈製陶からINAXへと至るものづくりの歴史を学ぶことができます。
【施設情報】
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:水曜日(祝日の場合は開館)、年末年始
チケット:大人700円、高・大学生500円、小・中学生250円、シニア(70歳以上)600円
【展示と体験】
●窯のある広場・資料館:1921年建造の土管工場を保存、公開する展示館で、国登録有形文化財・近代化産業遺産となっています。
●世界のタイル博物館:世界各地から集められたタイルの展示があります。
●陶楽工房:タイル絵付けやモザイクアートなどの体験ができます。
●建築陶器のはじまり館:大正から昭和初期の建物の外壁を飾ったタイルやテラコッタを見ることができます。
●土・どろんこ館:光るどろだんごづくりや土のパステルづくりなどの体験が楽しめます。
●陶楽工房:モザイクアートやタイル絵付け体験教室が実施されています。
私もぜひ機会があれば訪れてみたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。
公開日:2024年4月6日
こんにちは、REDSリフォーム宅建士の水谷です。皆さん、今回は2024年3月29日より交付申請が始まった「住宅省エネ2024キャンペーン」についてお話します。
「住宅省エネ2024キャンペーン」は、経済産業省、国土交通省、環境省の3省連携で実施。「2025年カーボンニュートラル」の実現に向け、家庭部門の省エネ強化を推進するため、住宅の断熱性の向上や高効率給湯器の導入など住宅の省エネ化を支援する4つの補助事業の総称です。
省エネにつながる家電や住宅設備の導入、窓リフォームなどをすることにより、国から補助金が交付される制度です。
では、カーボンニュートラルとはなんでしょうか?
地球温暖化は現代社会が直面する最大の課題の一つであり、その主な原因は人間活動による二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出です。これに対する解決策の一つが、カーボンニュートラルという概念です。
人間活動によるCO2排出量と、それを吸収・削減する活動を等しくすることで、ネットのCO2排出量をゼロにすることを指します。これにより、地球温暖化の進行を抑制し、持続可能な社会を実現することが目指されています。
なぜカーボンニュートラルが必要なのでしょうか。その理由は主に以下の3点です。
1.気候変動の影響を抑制する:地球温暖化による気候変動は、自然環境だけでなく、人間社会にも深刻な影響を及ぼしています。洪水、干ばつ、熱波などの極端な気象は、農業や水資源、人々の生活に直接的な打撃を与えています。
2.持続可能な社会を実現する:カーボンニュートラルは、再生可能エネルギーの利用促進、エネルギー効率の向上、森林保全など、持続可能な社会を実現するための重要なステップです。
3.経済的な機会を創出する:カーボンニュートラルへの移行は、新たな産業や雇用の創出、エネルギーコストの削減など、経済的な機会をもたらします。
このキャンペーンは、家庭部門の省エネを強力に推進するため、住宅の断熱性の向上や高効率給湯器の導入等の住宅省エネ化を支援することを目指しています。
この中でも、特に子育てエコホーム支援事業と先進的窓リノベ事業についてご説明します。
【子育てエコホーム支援事業】リフォームの場合、原則1戸あたり20万円ですが、子育て世帯・若者夫婦世帯の場合は上限30万円、しかも中古マンションなど既存住宅購入を伴う場合は最大60万円の支援があります。
対象要件は、高い省エネ性能を有する新築住宅の取得、開口部や躯体等の断熱及びエコ住宅設備設置等の省エネ改修です。対象となる方はエコホーム支援事業者と工事請負契約を締結しリフォームする住宅の所有者であること、受付期間はすでに始まっており、予算上限に達するまで(遅くとも2024年12月31日まで)。
対象となるリフォーム工事は以下の3つのうちのいずれかの工事が含まれていることが条件です。
そのうえで、「子育て対応改修」「開口部の防災性向上改修」「バリアフリー改修」「空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置」「リフォーム瑕疵保険等への加入」に対して補助金が出ます。
例外として『先進的窓リノベ0204事業』『給湯省エネ2024事業』または『賃貸集合給湯省エネ2024事業』において交付決定を受ける場合は、1~3に該当する工事を含んでいるものとします。
※注)申請する補助額の合計が5万円未満の場合は対象外となります。
【先進的窓リノベ2024事業】1戸につき最大200万円の支援があります。
対象要件は、断熱性能に優れた窓・ドアへの改修です。工事内容に応じて定額を補助します。
対象となる方は窓リノベ事業者と工事請負契約を締結し窓もしくはドアのリフォームをする住宅の所有者等であることで、受付期間はすでに始まっており、予算上限に達するまで(遅くとも2024年12月31日まで)。
※注)申請する補助額の合計が5万円未満の場合は対象外となります。
補助金の申請手続きや補助金還付の手続きは登録事業者である不動産流通システムにて行いますのでご安心ください。
以上、住宅省エネ2024キャンペーンについての概要をお伝えしました。このキャンペーンを利用して、よりお得に省エネな住まいを手に入れてみてはいかがでしょうか。
公開日:2024年2月27日
こんにちは。REDSリフォーム宅建士の水谷です。
今回は建築や家具の設計の基礎となる人間工学と人体の寸法、姿勢と動作及び人間の感覚や知覚の特性についてお話いたします。
人間工学(エルゴノミクス)とは、人間の作業能力とその限界を知って、仕事を人間の生理・心理学的な話特性に適合させていく科学です。アメリカではヒューマンエンジニアリング、ヨーロッパではエルゴノミクスと呼ばれます。
人間工学で最も基本とされているのが人体寸法です。人体寸法は静的なものと動的なものに分かれます。静的人体寸法とは、人体そのものの寸法をいい、動的人体寸法とは、人間の動作に必要な空間、および人間と物とを組み合わせた空間を対象にした寸法を指します。インテリアを考える際、人体各部の詳細にわたる静的な寸法が必要ですが、同時に、人間の動きとその空間を含む動的な寸法も重要です。
人体寸法は、民族、年齢、性別などによって違いがあり、地域によっても差があるため、ある一つの数値をもって、全体に共通する寸法と考えることは適切ではありません。例えば、出入口の高さを設計するような場合は、身長の平均値で決めると50パーセンタイル(計測値の分布を小さい方から並べて累積の割合で表したもの)の人しか満足させられません。そこで、平均値+2σ(シグマ)までの身長とすると、約98パーセンタイルの人までカバーできます。
日本人の平均身長を踏まえ、成人男子165cm、成人女子155cmが設計の目安として用いられます。分布のばらつき具合を示す標準偏差σ(シグマ)は5cmで、統計学上は身長の平均値±σの範囲に約68%、±2σの範囲に約95%の人が含まれると考え、女子の平均身長は、男子の平均身長-2σとなります。
要するに、ほとんどの人が使える高さとするためには、「男子の平均身長(165cm)+2σ(10cm)」に「適当な空き」を加えて設計するとよいというわけです。
人体各部(主に高さ方向)寸法は身長と比例関係にあります。身長を基準にして必要寸法を略算することができます。
【人体寸法の略算値】
●身長=H
●指先点高=0.4H
●下腿高=0.25H
●眼高=0.9H
●指極=H
●机面高=0.4H
●肩峰高=0.8H
●肩幅=0.25H
●座高=0.55H
人間の姿勢は、①立位②椅座位③平座位④臥位の4種に分類できます。
①立位:背のび、直立、浅い前かがみ、浅い中腰、深い中腰
②起座位:椅子に座った姿勢、壁などに寄りかかった姿勢
③平座位:しゃがみ、片膝立ち、膝立ち、四つん這い、正座、あぐら、立膝など
④臥位:寝た姿勢、仰向け、うつ伏せ、横向きで寝た姿勢
人間が一定の場所にあって、身体の各部位を動かすとできる空間領域を作業域(動作域)といい、水平作業域、垂直作業域、立体作業域があります。水平作業域は、主に作業面上の手の動く範囲のことをいい、肘を曲げて楽に動かせる範囲を通常作業域(成人男子で約40cm)、手を伸ばして届く範囲を最大作業域(同50cm)といいます。
よく使用する主な操作機器は通常作業域内に配置し、従属的な作業の用具は、最大作業域の線に沿って配置するといいでしょう
人間は、さまざまな感覚を総合してインテリア空間を感じ取っています。例えば、畳の上を裸足で歩くときは、足の裏の圧覚のみならず、素材の温もりを感じる温冷感、ふかふかした素材の抵抗力を加速度の変化として感じる運動感覚などが統合されています。
●視野と視線:頭を固定して両眼で見える範囲は、左右200度・上下130度程度ですが、注視できる範囲はわずかに1度です。この視野範囲で見ることを中心視(焦点視)、中心視の周辺で見ることを周辺視(環境視)といいます。ペンダントライトやウォールキャビネットなどは、立位での目と頭頂部の間の位置に突出しやすいので、額を打ちつけないよう配慮します。
●可視光域:人間が光として感じ取れる電磁波の波長の範囲。波長は380~780nm(ナノメーター)。
●比視感度:人間の目が感じる明るさ感のこと。比視感度は室内の明るさにより変わり、明るい所では黄緑、暗い所では緑が最も明るく見えます(プルキンエ現象)。
●順応:目の感度が周囲の明るさに合わせて自動的に変化すること。暗い状態から明るい状態に慣れる過程を明順応(1分程度)、明るい状態から暗い状態に慣れる過程を暗順応(30分程度)という。
聴力は20歳ごろが最も優れており、その後年齢とともに低下するといわれます。音の性質は、以下の3属性で表されます。
●強さ:音波の持つエネルギーのこと。人間の耳に感じられる音の大小(強さのレベル)は、デシベル(dB)で表される。一般に、人間の耳が聞くことのできる範囲は0~120dB程度であり、130dBになると耳が痛くなり、150dBで鼓膜が破れるといわれている。
●高さ:音波が1秒間に振動する回数(周波数)のこと。単位はヘルツ(Hz)。周波数の値が小さい音は低音、大きい音は高音となり、一般に20~20,000Hzが可聴音域。
●音色:さまざまな高さ(周波数)の音が混合されることによりもたらされる感覚のこと。なお、音叉の音は単一の周波数からなる音で、純音と呼ばれます。
においは、五感の中でも原初的感覚といわれ、記憶とも関係が深いとされます(路上の花の香りで、過去の体験を思い出すなど)。汚物や排水の悪臭などネガティブなイメージもありますが、香りやアロマテラピーなどポジティブな面は、積極的にインテリア空間に利用されます。
皮膚感覚は、視覚とともに物体のテクスチャー(材質感)を知るための重要な感覚です。人間が直接触れる家具や機器・設備のほか、床・壁・建具などは風合いや馴染みなどの感触要素を十分に検討する必要があるでしょう。一般に休息性の高い場面ほど自然材料が、作業性の高い場面ほど人工材料が利用されることが多くなっています。
人間工学と人体の寸法、姿勢、動作、感覚、知覚についてのブログを読んでいただき、ありがとうございました。これらの知識は、建築や家具の設計において重要な要素であり、人々の生活を快適にするために役立てられています。
人は空間に適応する存在であり、その適応性を最大限に引き出すためには、人間工学の原則を理解し、実践することが不可欠です。人々が日常的に触れる家具や建物は、私たちの身体の寸法や動作に合わせて設計されています。そして、私たちの感覚や知覚は、環境との相互作用を通じて形成されています。
お読みいただき、ありがとうございました。
公開日:2024年1月23日
こんにちは。REDSリフォーム宅建士の水谷純子です。
ステキな家具に囲まれた暮らしは人生を豊かにしてくれますね。家具にはどんな歴史があり、ふだん何気なく使っているイスやテーブル、ベッドにはどんな種類があるのでしょうか。
人類の生活様式や社会状況の変化と密接に関連して変化してきたのが家具の歴史です。以下に、家具の歴史の一部を紹介します。
家具の使用は、古代のメソポタミア(現在のイラクの一部)やエジプトから確認されています。特に、イスは家具の歴史の始まりとされています。20世紀にエジプトのツタンカーメンの墓が発掘された際、黄金の玉座(イス)や寝台などが発見されました。
日本の家具製造は、江戸時代以前にはあまりなじみのないものでした。しかし、近代化が進み、家庭だけでなく、学校やオフィスのテーブル・椅子のようなスペースが西欧文化を取り入れるようになってから、家具製造が本格的に発展しました。
日本の主な家具産地としては、大川市(福岡県)、静岡市(静岡県)、高山市(岐阜県)などがあります。これらの地域は、豊富な木材資源と優れた職人技術を持ち、それぞれ独自の家具製造の歴史と特徴を持っています。しかし、1990年代以降、日本の家具製造業界は減少傾向にあります。これは、生活様式の変化、経済の低迷、輸入家具の増加など、さまざまな要因によるものです。
以上のように、家具の歴史は、人々の生活や社会の変化を反映して進化してきました。そして、これからも新たな技術やデザインの発展により、家具の形状や機能はさらに多様化していくことでしょう。
家具は、その形状、機能、使用される材料によってさまざまな種類に分けられます。以下に、それぞれの分類とその特徴について説明します。
脚もの:椅子(チェア)、テーブル、ソファ、ベッドなど、脚が付いているものを指します。
箱もの:タンス、チェスト、キャビネットなど、収納できる箱のようなものを指します。
人体系家具:身体に直接触れて、身体を支える家具を指します。例えば、椅子(チェア)、ソファ、ベッドなどがあります。
準人体系家具:作業するための椅子の補助的役割がある家具です。例えば、テーブル、デスクなどがあります。
建物系家:収納したり整理したりするときに用いられる家具です。例えば、タンス、カップボード、キャビネットなどがあります。
木材:針葉樹と広葉樹があります。また、無垢材と合板で分けることもあります。
金属:鋼、ステンレス、アルミニウム、銅、銅合金などがあります。
プラスチック:熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂があります。
これらの分類は、家具の選択や配置を考える際に参考になります。
家具の種類には、以下のように数多くの種類があります。
●スツール:背もたれとひじ掛けのない小椅子。バック(腰止め)スツール、ハイスツール(座面が高い)、オットマン(足休め用のスツール)など。
●ダイニングチェア:食事用の椅子(背あり)。アームレス、アームチェアがある。座面高(SH=シートハイ)は約420㎜前後。フォーマルタイプの物は、背の部分が高いハイバックチェアが一般的。LD用リビングダイニングチェアは食事と休息椅子を兼ねるので、ややSHが低め(約390㎜前後)。
●イージーチェア(安楽椅子):一人用の肘掛け椅子。リビングなどで休息用。
●パーソナルチェア:一人用の休息椅子でイージーチェアより座と背の角度が大きいものやリクライニング、ロッキングなどの機能をもつものがある。
●ソファ:休息用の長いす。
●フロアチェア:床に座面が接している椅子。
●カウチ(デイベッド)、寝椅子:横たわるための背がついた休息用ソファ。
●座椅子:和室などに用いる脚のない背もたれ用の椅子。成形合板製でスタッキングできるアームレスタイプが多いが、片肘つきもある。回転式やリクライニング式のものは座面高が70~80mmあり、使い勝手がよい。
●フォールディングチェア:折り畳みの椅子
●スタッキングチェア:収納の際に積み重ねできる椅子。
●ギャンギングチェア:横に連結できる椅子。
●ロッキングチェア:揺り椅子。オフィスの椅子などで背が前後に動く機能をロッキング機能という。
●リクライニングチェア:背が傾いて固定するもの。
●セパレートチェア:肘なし、肘あり、コーナーといった各チェアを自由に組み合わせてレイアウトができるもの。
●ソファベット:背が回転して倒れ、座がスライドしてベッドになるもの。
●昇降式椅子:手動、ガススプリング式で座が上下するもの。
●ダイニングテーブル:食事用テーブル。高さは80~750mmが標準。
●リビングダイニングテーブル:食事兼休息用テーブル。ダイニングテーブルよりやや低め(600~660mmくらい)のものが多い。
●リビングテーブル:ソファとセットで用いられるテーブル。置く場所によってセンター、サイド、コーナーなどの種類がある。高さは300~600mm。
●ナイトテーブル:ベッドの頭脇に置くサイドテーブル。
●座卓:床座生活用のテーブル。高さは330mm程度が標準。
●リフティングテーブル:高さを調整できるテーブル。ガススプリング式が多い。
●エクステンションテーブル:拡張式、伸縮式。主甲板の下に左右2枚の甲板が仕込まれ、左右片方ずつ別々に引き伸ばすことができるドローリーフテーブルもそのひとつ。
●フォールディングテーブル:折りたたみ式テーブル。甲板の両サイドを折りたためるものはバタフライテーブルということが多い。
●ネストテーブル:入れ子式のテーブル。組子テーブルともいわれ、3~5個の相似形テーブルで1組となっている。
●ライティングビューロー:書棚兼デスク。ドロップ扉と連動して扉受けが迫り出す機構を持つものが多い。
●コンソール:壁据付テーブル。
●二段ベッド:寝室スペースが狭い所で2人分のベッドを確保できる。分離式や固定式の市販品のほか、床・壁面に造り付けるベッドもある。
●コンバーティブルベッド:通常の寝台以外の用途にも用いられる兼用ベッドの総称。寝椅子状のカウチベッド、ホテルや病院で追加用として使われるエキストラベッドなどがある。
●可動ベッド:スイッチ1つで上半身部分が持ち上がるベッドや、腰部だけが持ち上がり、ストレッチ効果のあるベッドなど。
●昇降式ベッド:電動で任意の高さに止めて利用できるベッド。不使用時には、天井近くまで上昇させて、空間を広く利用することができる。ワンルームや子供部屋で利用されることが多い。
●介護ベッド:補助や介護を受ける人用のベッド。基本的な動きは、上半身を起こしていくものだが、ベッドが半回転してベッドサイドへ直角に身体を向けられる機能が付いたものや、足だけ上昇させる機能が付いたものもある。ほかにも、床ずれ防止のため横臥姿勢をとりやすいように左右どちらかに傾けることができるもの、介護人の腰への負担を軽減させるためにベッド全体を昇降させる機能が付いたもの、ベッド中央にトイレ用の穴があり排泄処理ができるものなどがある。
●ダイニングボード(カップボード):食器戸棚のこと。ハッチ付のものもある。※ハッチ:食器類の受け渡し用のための穴。
●リビングボード:AV機器、飾り物などが収納される場合が多い。
●サイドボード:ガラス扉を多用した背の低いリビングボード。
●チェスト:元来は衣類・調度品などを収納するための箱を指した。17世紀半ばに引き出しがつけられ、現在の整理箪笥型へ発達した。
●ウォークインクローゼット:衣類用の小部屋(納戸)。
●ワードローブ:洋服筆筒。
●ドレッサー:洋式の鏡台で、一般的に下段は整理箪筒や小引き出しが付いている。
●箪笥(たんす):箪笥は江戸時代初期に登場し、衣装箪笥、茶箪笥、帳場箪笥、薬箪笥など多様に発展した。
●桐箪笥:キリは和箪笥に最適な材料とされる。軽い材で、吸湿・放湿が速いる(木材は吸湿によって膨張する)ため、箪笥に利用すると湿度の高い時には気密性が高く、乾燥時には通気して衣服を保護する。
家具は私たちの生活を豊かにし、快適にするための重要な要素です。それぞれの種類と機能が、私たちの日常生活を支え、空間を美しく彩り、自分自身のライフスタイルや価値観を反映することができます。新しい家具を選ぶ際は、その機能性と美しさだけでなく、自分自身の生活にどのようにフィットするかを考え、家具とともに、よりよい生活を築いていきましょう。
それでは、次回のブログでお会いしましょう。ありがとうございました。
公開日:2023年12月14日
こんにちは。REDSリフォーム、宅建士の水谷純子です。今回はお部屋の窓周りの装飾、ウィンドウトリートメントについてお話いたします。
ウィンドウトリートメントとは、窓辺の装飾や演出をするためのアイテムです。カーテン、ブラインド、シェード、スクリーンなどさまざまな種類があります。
採光、通風、換気、眺望の機能があり、それぞれの部屋の用途と密接にかかわりながら、インテリアを特徴づける重要な役割を持っています。その窓が本来持つべき機能を補い、不足している機能を付加する装備として、上記の種類があり、これらを機能的かつ装飾的に良好な状態になるようにコーディネートすることをウィンドウトリートメントといいます。
ウィンドウトリートメントは窓の機能を充実させるために欠かせない要素であると同時に、快適な空間演出や生活環境の向上のためのものです。床・壁・照明などとの調和や相乗効果もあります。
ウィンドウトリートメントの目的を果たし効果を高めるためには、気候風土(温暖地や寒冷地)や立地条件(都市部やリゾート地)、季節や気象などの外部環境の違いをふまえ、窓の位置や大きさ、開閉方法、外部条件などを十分に検討したうえでのコーディネートが必要となります。
カーテンは装飾性の自由度が高い一方で、さまざまな機能を併せ持っています。厚手から中厚手のカーテンを「ドレープカーテン」、薄手で透過性のあるものを「シアーカーテン」と呼びます。
厚手の布による「ドレープカーテン」は遮光性、吸音性、断熱性、遮蔽性などの機能を持ちます。
「シアーカーテン」は透明感を生かしたカーテンで、次のような種類があります。
●レース(ラッセル機で編まれたもので種類は多種多様)
●ボイル、オーガンジー(強撚糸を使った透明感のある生地)
●エンブロイダリー(刺繍を施した生地)
●ケースメント(ドレープとレースの中間的なざっくりとした素材)
●プリント(薄手の生地にプリントされている)
シアーカーテンは基本的にドレープの厚手生地とセットで使われることが多いです。日中はドレープを開けておき、シアーカーテンを閉めておくことで、採光をしつつ、外から見えにくいようにすることができます。
ローマンシェードは、ファブリックを仕立てたシェード(幕体)を、メカ(昇降器具)を利用して上下に開閉させるものです。ファブリックの特性や風合い、柔らかさを生かして、多彩なスタイルが楽しめます。
生地の軽いものはマジックテープでバーに取り付けるなど着脱が簡単なものもあります。シェードの生地はカーテンと同じ生地を使用しているので品質表示マークに従って洗濯も可能です。最近では、1基のメカでドレープ地とレース地の両方の設置、操作できるダブルタイプが使い勝手がよく人気です。
ローマンシェードの種類は以下のようなものがあります。
●プレーン(シェードを下げた時にはとフラットな平面で上げると規則正しく畳まれていくシンプルなスタイル)
●シャープ(横方向に一定の間隔ごとにバーが組み込まれ折りたたむと規則性のラインが出るのが特徴)
●バルーン(引き上げると裾が風船状になり腰窓や出窓の演出に適する)
●オーストリアン(シェードの全体にウェーブをつけ開閉せず下した状態で使用。レストランやホテル、劇場やロビーなどで見られる)
●ムース(中央部分をひもで絞りエレガントな形状を出す。縦長の窓、小窓に適する)
●ピーコック(引き上げたときにクジャクの羽のように半円の形で開く)
●プレーリー(シェードを上げると細かな波のような起伏と下部にフリルがつく)
ブラインドは、横長の羽根(スラット)を上下に開閉するアルミ製スラットの「ベネシャンブラインド」と縦型の幅広の羽(ルーバー)に開閉、角度調整機能をもちオフィスビルなので多用される「バーチカルブラインド」があります。最近ではバーチカルブラインド(縦型)も開放感に優れるため住宅にも普及し始めています。
遮蔽や遮熱、調光機能に優れ、カラーバリエーションも豊富で天然素材の質感や重厚感を持つ木製のスラット(横長の羽根)が組まれた「ウッドブラインド」も根強い人気があります。
スクリーンで最もよく見かけるのはロールスクリーンですが、ほかにもいろいろな種類が存在します。
●ロールスクリーン
布製のスクリーンを巻き取って昇降させるもので、スクリーンが平面でシンプルなデザインと色柄や素材感を楽しむことができます。スクリーンの生地はポリエステル製、綿、麻、グラスファイバー製のものまであり、ロールスクリーンの中には、プロジェクター投影ができるものもあります。操作方法にはスプリング式、チェーン式、コード式、電動式があり、窓の大きさによって適切なものを選ぶとよいでしょう。スプリング式なら小窓、腰窓、チェーン式ならテラスや掃き出し窓、大型窓にはコード式がおすすめです。
●プリーツスクリーン
スクリーンをジグザグにたたんだもの。プリーツの幅は25㎜が主流で、二段構造のプリーツスクリーンは上部と下部に透けるスクリーンと透けないスクリーンに分かれているため、視線も遮りつつ採光も得ることが可能。素材は不織布の和紙のような風合いを持つものが多く主に和室などに設置されています。
●パネルスクリーン
布地をレールに吊り、スライドさせて左右に開閉するもので間仕切りとして使われます。
●ハニカムスクリーン
プリーツスクリーンを二重構造にして断面がハニカム(ハチの巣)構造になっています。そのため、空気層を取り込み断熱効果が高くコード穴で光が漏れないという効果があります。
●簾(すだれ)
葦や竹などを横に糸でつなぎ合わせた日本古来のスクリーン機能をもったもので、遮光や間仕切りなどに利用します。
このようにウィンドウトリートメントは、省エネ性能、自然光の調整や遮光、外からの視線のコントロール、室温の調整、そしてインテリアとしての装飾性など、多くの役割を担っています。また、ウィンドウトリートメントは部屋の雰囲気も決めますので、選ぶ際には好みも重視しましょう。
ウィンドウトリートメントの選定にもしお困りでしたら、私、REDSリフォームの水谷に何なりとお申し付けください。どうぞよろしくお願いいたします。