不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE

  • 公開日:2020年5月21日

中古マンションのリフォームVSリノベーション 費用対効果がいいのはどっち!?

2016年から、新築マンションの販売戸数を中古マンションの売買戸数が上回っていることはご存知でしょうか。つまり新築よりも中古の方が売れている、ということです。

 

これまでの日本人は、住宅だけでなく衣服や車などでも中古品への抵抗感が強く、価格で大きく差をつけないと売れませんでした。ですが今日の住宅、特にマンションは建物の耐用年数が長く、立地面などに優れた良質なストックが増えてきたことから、「中古マンションを購入し内装に手を入れて住む」という選択をする人が増えてきました。

 

中古マンションの内装工事の方法には、大きく分けて「リフォーム」と「リノベーション」という2つがあります。どちらの方法でも室内はきれいになりますが、この選択の違いで将来の資産価値に大きな影響を及ぼしてしまう恐れがあります。

 

今回は、「リフォーム」と「リノベーション」という2つの工事方法について、「費用対効果」という観点から、どちらにメリットがあるのかを詳しく解説いたします。

 

リビング

(写真はイメージです)

 

「リフォーム」と「リノベーション」の違いとは

 

「リフォーム」という言葉は昔からポピュラーでしたが、「リノベーション」という言葉が使われるようになったのは最近のことです。

 

リフォームは、間取りなどは変更せずに古くなった設備や壁紙、フローリングなどを交換する工事。一方リノベーションは、間取りなども含めて自分に合わせたスタイルの室内に刷新する工事になります。リフォームは経年で劣化した内装を元に戻すイメージ、リノベーションはゼロから自分の希望に合わせて室内を作り込んでいくイメージです。

 

両者の違いについては別の記事で詳しく解説していますので、お手すきの時にぜひご一読ください。

 

リフォームでできること

 

リフォームはあくまで既存の間取りを活かして、劣化した部位を交換していく工事です。例えば、20年間使用して古くなったキッチンを最新のキッチンに交換する、傷や汚れのある壁紙やフローリングの貼替、建具の交換などがリフォームに該当します。

 

キッチンや浴室などの水回り設備の配置までは変更しませんので、間取りの可変性はリノベーションに劣りますが、アクセントクロスや無垢のフローリングなどポイントを絞って自分の希望を反映させられます。また、食洗器の設置や魔法瓶浴槽の導入など各種設備を入れ替えれば、居住空間としての性能は大きく向上されます。

 

リノベーションでできること

 

リノベーションという言葉は「刷新」を意味しています。古くなった住宅を新しい価値観に合わせて刷新するために、水回り設備なども含めた間取り変更を行います。マンションの躯体まで露出させてから新しく内装を作り上げるスケルトンリフォームもリノベーションの一種です。

 

キッチンを移動して対面式キッチンやアイランドキッチンにする、書斎を新たに設ける、キッチンからの家事動線の良い位置に浴室を移動するなど、希望に合ったより大きなカスタマイズができます。

 

資産価値を含めた費用対効果はリフォームに軍配

 

リフォームとリノベーション、どちらも資産価値の向上につながることは間違いありませんが、投じる費用への費用対効果を考えてみましょう。

 

1つの例として、築20年・70㎡・3LDK・3,000万円のマンションを事例としてシミュレーションします。

 

リフォーム工事では、キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備の他、フローリングや壁紙などを交換します。この費用を500万円かかるとした場合、築20年・70㎡・3LDKで内装が一新された3,500万円のファミリー向けのお住まいになります。

 

リノベーション工事では、ご夫婦2人で住むために広いリビングが欲しいとの理由から、間取りを1LDKに変更、キッチンを回遊性の高いアイランドキッチンに変更し、その他設備もリフォーム同様に一新したとします。この費用が1,000万円だった場合、築20年・70㎡・1LDKで内装が一新された4,000万円のDINKS向けのお住まいになります。

 

リフォームとリノベーションの比較

 

リフォームの場合 リノベーションの場合
物件価格 3,000万円 3,000万円
内装工事費用 500万円 1,000万円
合計金額 3,500万円 4,000万円
間取り 3LDK 1LDK
住宅ローンの支払(※) 98,799円 112,914円
10年後の残債(※) 2,621万円 2,996万円

※住宅ローンは合計金額の100%を35年、年利1%で試算

※購入時の諸経費等は除外

 

まず、内装工事費用の差から住宅ローンの支払が毎月14,000円近く変わります。年間16万円以上になりますので、ちょっとした旅行に行けるぐらいの差が生まれます。

 

そして、注目いただきたいのは10年後の残債です。

 

購入してから10年程度が経過すると転勤やお子様が生まれる、親と同居するなど何かしらのライフイベントが発生する可能性が高くなり、売却を余儀なくされる場合もあります。

 

リフォームの場合、2,621万円まで残債が減り、購入時での物件価格を大きく下回ります。間取りも汎用性の高い3LDKですので、高い流通性が期待できます。

 

一方、リノベーションの場合、購入時点の物件価格と同等の2,996万円の残債が残っています。売却時の仲介手数料などの諸経費まで考えれば、10年経過しても購入時の物件価格よりも高く売らなくては残債を消すことはできません。1LDKに間取りに変更していることにより、ファミリー層からは良い反応を得ることは難しくなり、購入検討者を限定してしまいます。

 

どちらを実施しても素敵なお住まいが出来上がりますが、この事例の場合、費用対効果という面から考えるとリフォームの方が良いという結論になります。

 

リノベーションに向いているマンション

 

ここまでを読むと「リフォーム > リノベーション」という考えになってしまった方もいらっしゃるでしょう。ですが、いくつかの条件に当てはまる住戸ではリノベーションの方が適しています。

 

例えば、間取りが既に現在の需要に適していない場合です。3.5帖など小さめで収納の無い居室がある、ダイニングキッチンのみでリビングが無い間取りなどが例として挙げられます。このような間取りはリフォームを実施して内装を一新しても、間取りが現在の需要に適していない状況は変わらないため、売却を考えなければならない時に売りにくくなってしまいます。

 

リノベーションで間取り変更を行えば、現在需要の高い部屋に変更できますので、資産価値の向上にもつながります。

 

この他、築年数が古く配管を更新しておいた方が良いマンションでは、将来的なメンテナンスまで考えると表面的なリフォームよりもスケルトンリフォームを施す方が適しています。

 

まとめ

 

リフォームよりもリノベーションの方が工事規模が大きく、多額の費用を投じることから資産価値が高まると考えがえられがちですが、リノベーションは可変性が高くなるので、自分の好みを反映させ過ぎてしまう傾向にあり、一般的な需要から離れていってしまう恐れがあります。

 

リフォームの方が工事費用を抑えられますし、設備を新しくする工事ですので費用対効果が高くなります。リフォーム工事でもアクセントクロスの張り替えやお気に入りのメーカーのキッチンを導入したりすることで自分の好みを反映させられますので、まずはリフォーム工事を前提にお住まいをお探ししてはいかがでしょうか。

 

 

斉藤勇佑(宅地建物取引士)
大学卒業後、5年間不動産売買業務に従事。その後、不動産管理会社に転職し、分譲マンションの維持・管理を中心とした業務に5年間かかわり、現在は不動産のストック分野の業務に従事。

 

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