- 最終更新日:2025年2月6日
- 公開日:2025年1月30日
『正直不動産ミネルヴァSPECIAL』放送! 人気不動産ドラマのスピンオフを120%楽しむための基礎知識
2025年2月に放送されるNHKドラマ『正直不動産ミネルヴァSPECIAL』(BSP4K:1日(土)よる7:30~8:59、BS:5日(水)よる8:30~9:59)。漫画『正直不動産』(原案:夏原武氏、脚本:水野光博氏、作画:大谷アキラ氏)が原作で、不動産業界の闇や家をめぐる人間模様を描いたドラマは2022年に放送されると、山下智久さんや福原遥さんらキャストの好演もあって大ヒット。2024年にはシーズン2も制作されました。
(写真はイメージです)
今回の『正直不動産ミネルヴァSPECIAL』は、シーズン2に登場したキャラクターが主人公のスピンオフドラマです。このドラマを120%楽しむための基礎知識と見どころを紹介します。
(不動産のリアル編集部)
ドラマ『正直不動産』振り返り
NHKドラマ『正直不動産』は、登坂不動産のエース営業マンで、巧みな嘘を駆使してトップの成績を収めてきた永瀬財地(演:山下智久)が主人公。しかしある日、地鎮祭で祠を壊したことが原因で、嘘がつけない体質になってしまいます。
新社会人の女性が賃貸アパートを借りに来たときは「オレならこんなクソみたいなオーナーの物件には金をもらったって住まないけどな」と口走り契約破棄に。またあるときはペアローンでマンションを買おうと訪れた夫婦に「離婚の可能性も視野に入れていますか?」と。このように自らの発言で次から次に墓穴を掘るのですが、誠実な行動と嘘のない言葉が客の心を動かし、信頼を得ていきます。同僚で「カスタマーファースト」をモットーとする月下咲良(演:福原遥)の協力も得て、最後にはハッピーエンドにつなげていく、というストーリーです。
ドラマでは、不動産業界のさまざまな問題を取り上げました。タワーマンション購入のリスク、立ち退き、狭小住宅、両手仲介、告知義務、サブリース、フラット35など多岐にわたります。
不動産業界の問題点を指摘するだけではなく、家をめぐる登場人物の心の交流やコメディータッチのロマンスも描かれ、単なるビジネスドラマの域を超え、心温まる人間ドラマとなっています。
シーズン2からは、永瀬の先輩で行方不明だった神木涼真(演:ディーン・フジオカ)がライバル社「ミネルヴァ不動産」の営業マンとして永瀬に立ちはだかり、ことあるごとに対立して物語に緊張感を与えていました。
今回の主役、ミネルヴァ不動産とは
今回は、これまでのシリーズの主人公である登坂不動産の面々は登場せず、ミネルヴァ不動産のメンバーが主役です。
ミネルヴァ不動産とは社長の鵤聖人(演:高橋克典)を中心に、強引で嘘ばかりつく営業手法で業績を伸ばしている不動産会社。鵤社長は登坂不動産社長の登坂寿郎(演:草刈正雄)と深い因縁を持っており、登坂不動産を潰すことに固執しています。
そんな鵤社長が率いるミネルヴァ不動産の主な社員は以下の面々です。
まず、今回の主役、神木です。神木は登坂不動産の平凡な営業マンでしたが、ある日突然、妻と一人息子を交通事故で失ったことをきっかけに、営業成績でトップを目指すことに執着するようになりました。以後、会社でナンバーワンの座を守り続けるためには何でもしてきました。一時は業界を離れてホームレスになっていましたが、鵤社長にスカウトされ、ミネルヴァ不動産で再び立ち上がり、現在は立川店の店長です。
家族を失った悲劇は神木の性格や言動に大きな影響を与えています。神木は作中で何度もタップダンスを披露しますが、これは息子のためにダンス教室に通って習得したものです。もともとは家族との幸せな時間を象徴する特技だったのですが、家族を失ったことを経て、内面の葛藤に苦しんだり感情が高ぶったりするときに出てしまうようになりました。
今回のドラマでは、百戦錬磨のはずの神木がどうしても売ることができない空き家を抱えていますが、失った家族とのかかわりがあることは容易に想像できます。
立川店のナンバー2は花澤涼子(演:倉科カナ)です。彼女は元大手ゼネコンの現場責任者で、女性を蔑視する業界に悩んでいたところを鵤社長に拾われました。ミネルヴァの中では数少ない良心的な存在です。
このほか、本社営業マンの西岡将生(演:伊藤あさひ)、元高級車ディーラーで正直営業に徹する新人の雪野遥香(演:見上愛)、同じく新人でちょっとスカした感じの豹堂レオン(演:西垣匠)が登場します。
スペシャル版の内容と見どころ
今回の『正直不動産ミネルヴァSPECIAL』はどんなお話しなのでしょうか。
NHKの公式サイトではこのように紹介されています。
“神木涼真(ディーン・フジオカ)が店長となったミネルヴァ立川店。この街を開拓するため、「空き家問題」に目を付ける。一方、その空き家をめぐり大手不動産営業・伊集院颯(坪倉由幸)も参戦。争奪戦が繰り広げられることに…さらに、不動産ブローカー桐山(市原隼人)も現れる。そんな時、神木が売ることのできない特別な空き家が出現する…。神木を救い、大手不動産を撤退に追い込むため、花澤(倉科カナ)や新加入の雪野遥香(見上愛)、立川店の社員たちが心を一つにする!”
今回の物語は「空き家問題」を軸に展開するようです。国土交通省の調べでは、2024年4月時点で空き家の総数は900万戸に迫り、1983年の2倍になっているそうです。空き家が増えることで倒壊や破損などの危険性が高まったり、不法侵入や放火をはじめとする犯罪の温床になったり、衛生や景観が悪化したりなどの弊害があり、国も解消に向けた取り組みを始めています。
空き家問題の背景には高齢化社会があります。判断能力が弱った高齢者の意思能力をどのように扱っていくかも今後、業界の大きな課題となっていくでしょう。ここがドラマでどのように描かれているのか。武田鉄矢と松坂慶子が演じる離婚した老夫婦の結末に注目です。
ドラマではもうひとつ、賃貸マンションでペットを飼うことについても取り上げています。少子化に加えてペットを飼う家庭が増えたことから最近では犬と猫の飼育数は1600万匹を超え、15歳未満の子供の数を上回っているとか。かつては賃貸でペットはご法度でしたが、最近ではどんどん認められるようになってきました。
一方で、ペット飼育をめぐり賃貸物件のオーナーとトラブルになるケースが増えているようです。特に賃貸物件のオーナーが変わったときに、それまでの取り決めがどうなるのかは難しい問題のようです。たった一枚の紙をきちんと保管しているかどうかで大きく変わる展開はペット愛好家にとっては人ごとではないでしょう。
関連番組も
ドラマ放送に先立ち、関連番組も放送されます。
「カリスマ営業・神木涼真と学ぶ 後悔しない!不動産最前線」
- [BSプレミアム4K] :2025年1月31日(金)よる9:31~10:16
- [NHK BS] :2025年2月2日(日)よる10:50~11:35
『正直不動産ミネルヴァSPECIAL』の主人公・神木涼真役のディーン・フジオカさんと一緒に学ぶ不動産情報バラエティーで、新生活が始まる時期に不動産選びで後悔しないポイントやアドバイスを『正直不動産』の原作者や考証担当者とともに検証するという内容です。
関連記事:NHK『カリスマ営業神木涼真と学ぶ「後悔しない!不動産最前線」』に、弊社代表 深谷が出演いたしました。
賃貸、売買、そして社会問題となっている「空き家問題」などドラマでも扱われるテーマを掘り下げます。番組後半ではドラマの見どころも紹介するということなので、ぜひ事前にご覧になってください。
まとめ
ドラマ『正直不動産』は不動産にまつわる社会問題に斬り込み、一般の視聴者が知らない業界の裏側を分かりやすく教えてくれるドラマですが、それだけにとどまらず、不動産をめぐる人間模様や家族愛を見せてくれること、痛快で爽快感を与えてくれることこそ最大の魅力です。
主人公がミネルヴァになっても、それは変わりません。放送を楽しみに待ちましょう!
(不動産のリアル編集部)