エージェントブログAGENT BLOG

戸村 麻衣子(宅建士・リフォームスタイリスト)

2年連続売却成約率100% 住まいを共に考えます

4.9

30

このエージェントに相談する

最終更新日:2022年2月4日
公開日:2022年2月3日

 

 

こんにちは。不動産流通システムの戸村です。

オミクロン株の猛威がまだ収まらず、救急搬送などで行き先が決まらず…というようなニュースを見るたびにご病気の方や、そこに関わる方たちの苦労が偲ばれます…と、毎回暗くなってしまっていますね。

切り替えて、少し明るい話題としてサッカー日本代表のサウジアラビア戦。

勝ちましたねー!

ワールドカップの時だけの俄かファンなので非常に申し訳ないのですが、「やったー!」と声が出ました。笑

 

さて。今日は戸建ての性能(特に木造)についてお話したいと思います。

 

住宅性能評価基準は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」によって定められています。2000年に告示されています(調べました)。

 

下記4分野の表示義務がございます。

 

■構造の安定に関すること

■劣化の軽減に関すること

■維持管理・更新への配慮に関すること

■温熱環境・エネルギー消費量に関すること

 

ひとつずつ簡単にご説明したいと思います。

 

■構造の安定に関すること

構造の安定とは、住宅が地震などにどの程度強いのかというものです。地震などが起こった際の「倒壊しにくさ」「損傷の受けにくさ」を評価しています。

 

等級は高い順に3~1で表示されます。

等級1というのは、「建築基準法を満たしている物件」です。

 

ですので、2000年以降に建設されたものは、基準(耐震等級1)はクリアしている、と考えて問題ございません。

 

等級1というのは、数十年に1度起こる地震に対しても「ほとんど損傷しない」という基準です。また、「震度6強から7の地震でも倒壊しないこと」という基準にも準拠されています。

 

2になると1の1.25倍の強さ(病院や学校がこの基準を求められます)、3になると1の1.5倍の強さ(消防署や警察署がこの基準を求められます)です。

 

数字が増えるほど等級は高くなります。

 

■劣化の軽減に関すること

劣化の軽減とは、柱や土台などの耐久性のことを指します。年月が経過しても、柱や土台が傷まないようにするための対策がされているかどうかを評価するものです。

 

等級1は建築基準法で定める通りの対策です。構造部材などが建築基準に適合しているかどうかで判断されます。

 

等級2は「住宅が限界状態に至るまでの期間が2世代以上となるための必要な対策」

等級3は「住宅が限界状態に至るまでの期間が3世代以上となるための必要な対策」

 

1世代は25~30年程度です。

つまり、等級3の場合、75~90年ほど家が保持されうる状態ということです。

 

「必要な対策」って何?というところなのですが、木造住宅はざっくりというと「防腐・防蟻措置がされているか」「防水・防湿・換気措置がされているか」「基礎の高さが十分かどうか」です。

 

木造住宅にとって怖いのは水と蟻です。「必要な対策」はすべて水と蟻の対策に集約されています。基礎の高さもそうです。

 

水や蟻についてはリフォーム営業を行っていた時のいろいろな話がありますので、後日またblogでご紹介したいと思います。

■維持管理・更新への配慮に関すること

配管の清掃や点検のしやすさに関する項目です。故障した場合の補修のしやすさも評価の対象になります。

点検口の設置など給排水管やガス管の維持管理のしやすさが高い順に等級3~1で表示されます。

 

昔のお宅などは配管が地面やコンクリート、躯体の中に埋まってしまっていることが多く、たとえば給排水管で水漏れなどが起こった際、地面を掘り返さないとならなかったり、場合によっては見える範囲で切断して、新しい給排水管をつなげてしまうこともあります(埋まっている部分はもう使わないという判断ですが、できない場合もあります)。

 

現在は基礎を打つ前に配管用の配管を通している(本来の給排水管より口径の大きいものを設置し、その中に給排水管を通せば、修理が必要な給排水管を引き出したりすることができます)など、工夫されています。

 

見落とされがちですが、維持管理のしやすさは先にご紹介している「劣化の軽減」にもつながりますので、維持管理のしやすさはひとつのポイントです。

 

■温熱環境・エネルギー消費量に関すること

温熱環境とは、冷暖房効率に影響する住宅の外壁や窓などの断熱性能と、省エネ性能を評価します。創エネルギー(太陽光発電など)も評価の対象です。家の「省エネルギー性」を判断する断熱性能に関しては等級が高い順に4~1で表示され、エネルギー消費性能は等級5、4、1で表示されます。

 

日本の場合地域によって気象条件が異なるため8地域に分けられます。

関東地方は5,6に該当します。(該当地域ごとの基準があります。)

 

断熱性能が高いほど、冷暖房の効率があがり、不要なエネルギーを使わなくてすみます。

また、屋根に太陽光発電を設置した場合、電気の消費が少なくなり、光熱費の軽減だけでなく、地球環境にもわずかながら貢献できます。

 

基準はどういうもの?というと数値があるのですが、数値がいくつ、と言ってもわかりづらいと思いますので、大まかにいうと、家自体の断熱性能が高く、周囲の熱環境を受けにくい家である、いうことが言えます。気密性が高く、断熱材がしっかりと充填され、そしてその断熱材が劣化しにくく、設置した当初から位置がずれないことが重要です。

 

弊社はヒノキヤグループに属していますが、ヒノキヤが提供している家は高気密・高断熱のZ空調の家を販売しています。寒くなりがちな水廻りでも暖かい、とCMでも流れています。

 

暖房しているところとしていないところの温度差などはヒートショックやストレスの原因にもなりますので、住んでいる方の健康にとっても、良い効果をもたらします。

 

性能が良い家は、人の健康にも、地球環境にも良い家、と言えると思います。

中古ですべてが揃っている家というのは難しいことも多いですが、ご検討の際にはひとつの基準として「住宅の性能」というものもお考えになると良いかもしれません。

 

ただ、そこだけを見てしまうと選択肢が少なくなってしまいますので、大事なのは「これから先どういう生活をしたいか」だと思います。その中で優先順位を決めて、お住い探しをしてみてください。

 

ご自身が納得できるお住いと出会えるよう、売買限定にはなってしまいますが、いつでもご助力致します!

カテゴリー:

最終更新日:2019年9月30日
公開日:2019年9月29日

菅野です。

昨日の「住宅ローン控除」のおさらいに続きまして、本日は

 

すまい給付金

 

についておさらいしたいと思います。

 

 

「すまい給付金は、消費税率引上げによる住宅取得者の負担をかなりの程度緩和するために創設した制度です。消費税率8%時は収入額の目安が510万円以下の方を対象に最大30万円、10%時は収入額の目安が775万円以下の方を対象に最大50万円を給付するものです。」

”国土交通省「すまい給付金」サイトより”

 

まず、住宅ローン控除(住宅ローン減税)と比較してみます。

住宅ローン控除は、先日書いたとおり所得が多く税金を払っている方ほどお得になる制度です。

(税金を払っていないと減税も受けられません。)

ぶっちゃけ、中~高所得層のための制度と言っても良いと思います。

 

それに対して、所得はそれほど多くないけど頑張って家を買おうとする方のためにある制度が「すまい給付金」です。

所得が低いほど、マイホームを買ったらお金がもらえる仕組みとなっています。

(結局、金持ち優遇じゃんって言われないように政府が考えたんでしょうね。)

 

ただ、このお金をもらうための物件の条件は、住宅ローン減税に比べて厳しくなっています。

① まず、購入する物件が「宅建業者が売主」であること(REDSなら仲介手数料無料?)

② 建物の登記簿面積が50㎡以上であること(これは住宅ローン減税と一緒)

③ 検査を受けて一定の品質が確認された物件(これが厳しい)

 

③についてですが、以下の条件を満たす必要があります。

 

●新築住宅の場合

1,住宅瑕疵担保責任保険へ加入した住宅

2,建設住宅性能表示を利用する住宅(建設住宅性能評価書というものが発行されます。)

3,住宅瑕疵担保責任保険法人により保険と同等の検査が実施された住宅(保険法人検査実施確認書というものが発行されますが、あまり見ません。)

 

●既存(中古)住宅の場合

1,既存住宅売買瑕疵保険へ加入した住宅

2,既存住宅性能表示制度を利用した住宅で、耐震等級1以上のもの(性能評価のための調査で、耐震等級1を満たさないことが判明したらダメです。)

3,建設後10年以内であって、住宅瑕疵担保責任保険に加入している住宅又は建設住宅性能表示を利用している住宅

 

という条件なのですが通常、販売チラシなどに「すまい給付金対象物件」などと記載がありますので、よく見てみてください。

 

給付対象者については以下の通りです。

1,上記の条件に合致する住宅を買って所有し、そこに住んでいること。

2,目安で年収が775万円以下(これは給付額のところで説明します。)

3,住宅ローンを利用していること(50歳以上で、かつ年収650万円以下であれば住宅ローンを利用しなくとも可)

 

また、給付額について解説します。

給付額は (給付基礎額) × (不動産の持分) で決まります。

 

まず「給付基礎額」は、「都道府県民税」の「所得割額」で決まるんです。(ややこしいでしょ?)

しかも「都道府県民税の所得割額」は、「政令指定都市」に住んでいる場合とそうでない場合とで金額が変わるんです。(さらにややこしい)

関東ですと「さいたま市」「千葉市」「川崎市」「横浜市」「相模原市」が政令指定都市です。

さらにさらに、「神奈川県」は県民税に0.025%付加されるので、また金額が変わります。(もうわからなくなってきました)

 

ということで、給付基礎額の表は以下の通りです。

すまい給付金給付基礎額

年収(収入)はあくまで目安の額です。

これは、所得割額が各種控除の金額で上下するためです。

こちらの所得割額については、市区町村役場にて取得可能な「住民税課税証明書」にて確認できます。

 

この給付基礎額に、不動産の持分を掛けた金額をもらうことができます。

仮に、夫婦が二分の一ずつ共有して夫だけ申請した場合には、給付基礎額の半分しかもらえません。

(夫婦ともに申請してもらえれば、満額になります。)

 

最後に申請方法についてですが、これが用意する書類が多く非常に煩雑です。(ここで断念する人もいるとかいないとか)

申請書は「すまい給付金」サイトにありますが複数書式あり、間違えないように書いていくしかありません。

販売業者によっては申請代行をしてくれるところもありますので利用できれば利用したほうがよいです。(弊社では残念ながら行っておりません。)

物件の引渡し後1年以内(当面の間は1年3ヶ月以内)に申請する必要があります。

 

 

以上がすまい給付金の解説になります。

住宅ローン控除と違い、一般個人からの中古物件購入には使えず、新築やリノベーション物件でも厳しい条件がついてきます。

ですので、かなり利用しにくい制度であることは間違いないのですが、

「厳しい条件」=「優良な住宅」

という意味でもあります。

しかも、なんてったって最大50万円の給付は非常に大きいですよね!

 

次回は、「住宅取得等資金の贈与税の非課税措置」について書きます。

最後までお読みいただきありがとうございます。

カテゴリー:

最近の投稿

カテゴリー

アーカイブ