『正直不動産』宅建士のプロはこう見る!SHOJIKI-FUDOSAN

  • 最終更新日:2025年2月6日
  • 公開日:2025年2月5日

『正直不動産ミネルヴァSPECIAL』最速レビュー|不動産営業とは人と人とのつながりを作ること。目覚めた神木の大逆転劇!

ディーン・フジオカ主演!
2025年2月5日(水)夜、NHKBSで特集ドラマ「正直不動産ミネルヴァSPECIAL」が放送されました。

 

ある日突然、嘘がつけなくなってしまった不動産仲介会社の営業マンの奮闘劇を描くNHKドラマ『正直不動産』シリーズのスピンオフ。本編では主人公のライバルだったミネルヴァ不動産の営業マン、神木涼真(演:ディーン・フジオカ)が今回の主役です。

 

シリーズを通じて監修を担当したREDSでは、ドラマのストーリーをどのメディアよりも早く、そして詳しくお届けします。

 

(不動産のリアル編集部)

 

正直不動産

(写真はイメージです)

 

オープニングで予想されるドラマの展開とは

 

居酒屋で卓を囲む光友銀行ニューヨーク支店の榎本美波(演:泉里香)と、美波の先輩で本店融資審査部課長の愛原真那(演:松本若菜)。美波はシリーズ本編の主人公、永瀬財地(演:山下智久)の恋人で、愛原は過去に永瀬にもてあそばれた経験あり。

 

愛原は立川店をオープンしたミネルヴァ不動産店長の神木について「かなりのイケメンでとても礼儀正しく、独身でいい匂いがする」とメロメロの様子です。美波は神木が永瀬と異常に対立していたことを説明し「とんでもない男です。あの男に近づくと火傷します」と警告。それでも愛原は過去に一杯食わされた永瀬を倒そうとする神木の熱意に魅入っているようです。

 

場面が変わり、深夜にある空き家の前でライターをいじっている神木。突然、その家が炎で燃え上がります。ライターを消すと火は消え、神木はタップダンスを始めました。

 

神木が空き家とどのように向き合うのか、愛原には神木がどんな融資を望み、交渉に対峙するのか。伏線が張られたところでドラマはスタートです。

 

波乱を呼ぶニューフェイス登場

 

「いいかお前たち。クズのまま人生を終えるな」

 

ミネルヴァ不動産本店オフィスで訓示する鵤聖人社長(演:高橋克典)の迫力に、息をのむ新人社員たち。沈黙を破り、突然「アハハ」と笑い声を上げたのは新人の雪野遥香(演:見上愛)。「みんな、『ブラック丸出しかよ』って顔してんじゃーん」とぶちかます彼女は、同じく新人の豹堂レオン(演:西垣匠)とともに研修場所の立川店に向かいました。

 

怖いもの知らずの彼女、この先、なにかと引っかき回しそうな予感がします。

 

空き家買取プロジェクトとは

 

雪野と豹堂に立川店ナンバー2の花澤涼子(演:倉科カナ)が、最も力を入れている「空き家買取プロジェクト」を紹介します。法改正によって空き家の固定資産税がこれまでの6倍になる可能性があることから、空き家の買い取りは今が絶好のチャンスであるということです。

 

神木は豹堂を連れ、庭付き木造戸建ての買い取り交渉に出向きました。「金の話ではない。家族の歴史が、思い出があるんだよ」と売却を渋る高齢男性に対し、豹堂に命じて仕込んだシロアリの死骸を見せ、こう説得します。

 

「月に一度、空気を通す程度では、こういったところに目が届かないんです。私は、この家がボロボロになるまで食い尽くされても、全く不思議に思いません。家は人が暮らしてこそ、家なのです。私どもに、あなたの家を任せていただけませんか?」

 

豹堂は契約を決めた神木の営業スキルにすっかり心酔した様子。それをたしなめる花澤ですが、その横で電話をかける神木はすでに別のアクションに入っていました。

 

ペットOK物件がオーナーチェンジになったら……

 

電話の相手は自宅の賃貸戸建てでパグ犬をなでている市役所職員の旗憲優(演:坂口涼太郎)。旗の住んでいる賃貸戸建てはオーナーが変わったのですが、旗が犬を飼っていることに「契約違反」と抗議してきたそうです。

 

旗は4年前にオーナーにペット飼育申請書兼許可証を提出したのですが、旗はその控えを2年前に紛失していました。神木は「大変申し上げにくいのですが、最悪、強制退去の可能性もあります」と告げます。旗と面会の調整をしつつ、神木はファイルから許可証を取り出し、「要シュレッダー」の箱に投げ入れると、対応を花澤に押しつけました。

 

旗の部屋で「前のオーナーもペットを許可した覚えはないとおっしゃられてました」と冷たく告げる花澤。そこに突然、笑い声を上げる雪野。カバンから書類を取りだし、旗に手渡しました。それはシュレッダー箱に神木が入れた許可証でした。神木の悪だくみを感じ取った花澤は素直に謝罪しますが、ここで雪野が「この際、引っ越したほうがよくない?」と提案します。

 

そのココロは「この物件の家賃が相場よりも安いため、新オーナーは値上げしたい。値上げ交渉に時間をかけるより、旗を追い出したほうが早い」。飼い犬との平穏な暮らしを守りたい旗はその進言に従い、引っ越しを決めました。

 

大手と空き家の取りあい勃発か

 

その帰り、花澤は空き家になると見越して目を付けていた一人暮らしの塚原進(演:武田鉄矢)宅に立ち寄ります。塚原に名刺を出そうとしますが、無視して家に入ってしまいました。

 

背後の声に一同が振り返ると、そこにいたのは大手不動産会社の営業課長、伊集院颯(演:坪倉由幸)。「ここは先ほど、私が断られたばかりです。続けてあなたたちのような人が行くと、不動産業界全体の信用が落ちる。違法スレスレの営業がお得意な悪徳不動産、ミネルヴァ」。花澤らはその態度に辟易して撤収しますが、ここが空き家争奪戦の舞台となる予感がします。

 

神木が舌を巻く雪野の立ち回りと明かされた過去

 

旗の家の新しいオーナー、鴨川鈴鹿(演:高畑淳子)宅を訪れ、謝罪する神木。鴨川は雪野のアポなし訪問を受けたと明かしました。雪野は鴨川に、物件を旗に売却しないかと提案してきたそうです。すでに旗とは話をつけてきたとも。しかもいくつかの難題をクリアしていて、鴨川は納得せざるを得なかった模様です。

 

新人らしからぬ雪野の立ち回りに神木は脱帽。雪野は立川店の営業成績6位に急上昇しました。

 

しかし、勝手に動いたことに花澤はおかんむりです。屋上に呼び出し、説教を始めますが、雪野は花澤に過去を語り始めました。雪野は高級外車の販売員でしたが、野暮ったい営業しかできずに鳴かず飛ばずの日々。考え抜いて出した結論は「いっそ嘘のない、誰とでも裏表なく接する営業しかない。とにかくフランクに、かつ真っ正直でいること」でした。

 

やがて雪野はトップに躍り出て、車を買いに来た鵤社長からも成約ゲット。その場で「家を売るほうが楽しそう」と自分を売り込み、ミネルヴァに入ってきたというのです。雪野は、なおも問い詰める花澤を嘘泣きでかわして逃げていきました。無敵ですね……。

 

塚原邸をめぐる攻防スタート

 

塚原邸の取りあいが本格化します。実は、一度は伊集院の会社で売却の運びとなっていたのですが、突然ちゃぶ台をひっくり返したそうです。塚原はどんどん頑固になり、5年前には妻とも離婚し一人暮らしに。きれい好きだったのに、家はガラクタで散らかり放題だとか。

 

進一郎の親を思う心につけ込み、このあと伊集院は進一郎をそそのかして、委任状の偽造を持ちかけました。

 

一方、花澤は高齢女性の檜山加寿子(演:松坂慶子)にアパートを仲介します。独居高齢者が賃貸住宅を借りるのは非常に困難な昨今です。花澤は檜山に「正直、無理は通しました。なので檜山様も無理を承知でやっていただけますね? どんな嘘でもつき通す自信はありますか?」と謎の念押しをしています。これはいったい?

 

神木が訪れた空き家は「唯一の弱点」?

 

神木はある空き家を訪れ、郵便受けのチラシを片付けています。そこに現れた所有者の内田沙織(演:朝倉あき)。神妙に会釈する神木に「やっぱり、神木さんに任せたのは間違いでした」と、媒介契約を切り替えることを告げていますが、どこかただならぬ雰囲気です。

 

この件について鵤社長は「神木の唯一の弱点」といいます。かなりのいわくつきの物件といえそうです。神木は過去に最愛の妻と息子を事故で失っています。やはり、このことが関係しているのでしょうか。

 

塚原と檜山の出会い。それは必然?

 

あるアパート前で引っ越しが行われています。その前を通りかかった塚原が転倒しました。そこに急いで駆け寄ったのは加寿子でした。駆け寄り、自己紹介し、「お近くの方ですか?」と尋ね、手を握る加寿子。塚原はアパート隣の自宅に入っていきました。それをアパート2階から眺める花澤……。

 

後日、加寿子は塚原に筑前煮を差し入れます。「大好物」と応じる塚原。やがて一緒に買い物に出かけ、杖を買ったり和菓子屋で団子を食べたりする関係になります。

 

ある夜、委任状偽造のために必要書類を取りに実家に戻った進一郎は、引き出しの中からミネルヴァ不動産の封筒を見つけます。中には収入印紙の貼られた実家の売買契約書が。売主の欄には「塚原進」としっかり署名捺印がありました。

 

部屋には醤油のボトルが大量にあり、脳神経外科から出された薬も。進一郎は塚原の状況を確信したようでした。

 

ミネルヴァに怒鳴りこんだ進一郎、そこに現れた母!

 

後日、ミネルヴァ不動産で加寿子はアパートの賃貸借契約の解約通知書を花澤に差し出します。理由の欄には「介護施設に入居するため」との文字が。そこに雪野が入ってきて花澤を連れ出します。

 

エントランスで吠えているのは進一郎と伊集院。実家の売買契約を結んだことについて進一郎は花澤に「気づかなかったんですか? うちの父、認知症ですよ!」と抗議。伊集院も「認知症を患っておられる塚原進さんをだまして売却させましたね! 腐ってるな、町場の不動産屋は。今回の契約は無効だ! こっちはちゃんと所有者から委任状もらってんだよ!」とすごんできました。

 

委任状の署名の筆致は、とても認知症の人によるものには見えません。花澤に問われると案の定、進一郎はしどろもどろに。そこに女性が割って入ってきました。「あの人がそんなことするわけないわ」。加寿子です。「な、なんで母さんがここに?」と驚く進一郎。そう、塚原進と檜山加寿子は元夫婦でした。認知症のせいで、塚原は加寿子を元妻と認識できなかったのです。

 

5年前に離婚後、加寿子は2カ月ほど前にたまたま家の近くに行き、塚原を見かけて声をかけたのに、「どこかでお会いしましたか?」という返答。その前から急に頑固で怒りっぽくなるなど兆候はあったのに、それと気づかず離婚してしまったことに加寿子は心を痛めていたといいます。

 

そんな折、花澤と知り合い、一緒にある計画を立てて動いたそうです。

 

不穏な空気を打ち破るタップの靴音、真打ち登場!

 

そこに突然、「アハハ」と雪野の笑い声。「なんか美談ぽく話が進んでいるけど違くない? 確か、不動産売買という法律行為を行う場合は、しっかり判断できる意思能力が必要なはず。てことは今回のってマズくない?」

 

伊集院も語気を強めて同調、不穏な空気の中、そこにタップダンスの靴音が! 神木です。伊集院ににじり寄りながら「失礼ですが、ご存じありませんか? 過去の判例では、認知症でも不動産取引において、意思能力は必ずしも否定されていないことを」と反論します。

 

横から雪野が「でも、裁判所が認めてる例もあるよね? 契約を第三者が見て、理不尽だなって取引になってたら、契約者には意思能力がなかったものにするって。あのお爺ちゃん、家を出た後どこに住むの?」と問い返しました。

 

それも、檜山と塚原で「同じ老人ホームに入る」という話がついており、「理不尽な取引」とは無縁と判明しました。

 

想定外の弱さをさらけ出す神木をにらみつける花澤!

 

一件落着したその夜。神木はライターをもてあそびながら件の空き家に入っていきます。家の中でライターに火をともしたそのとき、後をつけてきた花澤が飛び込んで行きました。

 

「翔太の誕生日だ」とケーキのろうそくに力なく火をともす神木。近くの写真には神木の妻と息子のほか妻の父母、妻の妹の沙織の姿が。この空き家は、妻の実家でした。事故から15年がたち、沙織から売却を依頼されたのに、神木は「この家で別の家族の思い出が作られることが耐えがたい」と売る気持ちになれなかったというのです。

 

花澤が「だからこそ、立川店で最初に取り組んだのが、空き家対策だったんじゃないですか?」と理解を示したところ、神木は思わぬ本音を吐露します。

 

「ああ、それも間違いだった。この70年、不動産業界は家を建て続けてきた。人口や世帯数が減ろうが、景気対策や経済効果などと言っては後先考えずに新築を建て、口八丁手八丁で人々の購買意欲をあおり、売り続けた。その代償として今、空き家が増え、街が廃れていこうとしている。なのに、今度は手のひら返しで問題だ、対策だと。壊して、建てて、また壊して……。マッチポンプだ。そんな業界の身勝手さにも、この家を巻き込もうとしている自分にも、どんどん嫌気がさすんだ。いっそ、ここで一緒に燃え散ってしまおうか、そんなことも考えた」

 

想定外の恨み節を聞かされた花澤は神木をキッとにらみつけ、きっぱりと思いを伝えました。「あなたらしくない! 私たちは無意味に壊して作ってを繰り返しているわけじゃない。家も、思い出も……」。

 

最後にこう言い残して立ち去りました。「この家は私が売ります。そしてあなたをナンバーワンから引きずり下ろします」

 

家族の思い出をタップダンスで振り払う神木

 

花澤の買い手探しが始まりました。購入希望者は次々に現れますが、なぜか花澤は面会後、断り続けます。「神木が納得できる形にできる人でなければ意味がない」と考えているようです。いい買い手が現れずに頭を抱えていたところ、雪野が動き、高齢男性を連れてきました。

 

男性は『正直不動産2』で神木と知り合った狭山昭雄でした。世代を超えて地域の人が集まって交流するための施設として活用できる場所を探していたそうです。学童保育やこども食堂の機能も備えたいと。雪野はNPO法人を立ち上げて銀行から融資してもらい、空き家を買い取るというプランも狭山に提案していました。

 

花澤は神木に電話し、決断を促します。空き家にいた神木は家族の写真を眺め、家族との楽しい日々に思いをめぐらせ、おもむろにタップダンスを始めます。思い出がフラッシュバックするたびタップは激しくなります。それは思い出に浸るためではなく、振り払うためのタップでした。静かな空間に靴音がひとしきり響いた後、タップは止まりました。

 

神木の融資交渉、銀行の愛原はどうジャッジ?

 

後日、花澤を伴って光友銀行の愛原と対峙する神木。立ち上げたNPO法人への融資交渉です。愛原は神木に笑みを向けますが、一転、「そんなきれいごとだけで融資を受けられるとお思いですか」とのっけから痛烈なパンチ。「ボロもうけのカラクリがあると? 聞いていますよ、神木さん、あなたは平気で心にもないことを言う人だと」。

 

容赦ない愛原をまっすぐ見すえ、神木は静かに口を開きました。「ええ、私は平気で心にもないことを言います。それは私が大切な人とのつながりをなくしてしまったからです。そしてそのことにずっととらわれていたからです」

 

「街は生き物だと教えてくれた人がいました。人がいるだけでは街にはならない。人がつながってこそ、街になるのだと。私は不動産営業を天職だと自負しています。ですがこれまで、自分がすべきことをしてこなかった。いや、逃げてきたと言ってもいい。それは人と人とのつながりを作ることからです。私はそこから前に踏み出すことを決めました。このプロジェクトは、その第一歩なのです」

 

偽りを感じさせない神木の言葉に、愛原は融資を快諾。神木の手を握り「中身も素晴らしい」とうっとりした表情を浮かべていますが、この展開、続編に期待しましょう。

 

花澤の理想、物件にかかわる全員が満足できる仕事

 

日が変わり、神木の義実家だった家に入っていく神木と花澤。子供たちは高齢者たちと竹とんぼを飛ばして遊んだり、野菜をかじったり、一緒に料理をつくったり。花澤の息子の北斗がタップを踏みはじめると、ほかの子供たちもまねしはじめ、家中に笑顔にあふれています。ここでまた、新たな思い出が作られていくのでしょう。

 

「私もようやく、理想に近い仕事ができました。物件にかかわる全員が満足できる。そんな仕事です」としみじみ言う花澤に、神木は「そんな生ぬるい考えでは鵤社長のような人間に潰されるだけだ。反論したいなら、私をナンバーワンから引きずり下ろしてからだ。あのまま、君がここを売っていれば。それができたのにな」となんともな塩対応。そしてため息をつく花澤にひと言、「ありがとう」と小さくつぶやくのでした。神木さん、ツンデレ……。

 

ミネルヴァ不動産立川店に日常が戻ります。路上で肩を並べて歩く神木と花澤。別れ際、花澤は「負けませんよ――店長」とひと言。神木は無言ながら軽快にタップを踏みます。二人は背を向けて歩き始めました。その表情は晴れ晴れとしたものでした。

 

不動産の仕事で本当に大事なことを共有できた二人です。神木もいつか心を入れ替え、協力して鵤社長に反旗を翻すときが来るのではないでしょうか。そんな続編を見てみたいと感じました。

 

(不動産のリアル編集部)

 

最後までお読みいただきありがとうございました。『正不動産』監修のREDSエージェントは100% 宅建士

最後までお読みいただきありがとうございました。

『正不動産』監修のREDS
エージェントは100% 宅建士

主人公・永瀬財地や月下咲良
のように、不動産売買の
お悩みを解決いたします。

主人公・永瀬財地や月下咲良のように、
不動産売買のお悩みを解決いたします。

  • できるだけ安く
    買いたい
  • 頼れる宅建士に
    相談したい
  • 自分のペースで
    ゆっくり考えたい
  • できるだけ高く
    売りたい
  • 引き渡し後に苦情が
    ないか心配
  • 長く待たされそう
    で不安

もし、ひとつでも当てはまるものがあれば…

仲介手数料が最大無料のREDSまで、
お気軽にお問い合わせください!