不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE

  • 最終更新日:2018年3月3日
  • 公開日:2016年10月1日

不動産業界に吹くイノベーションの風

2016年5月に宅地建物取引業法(以下、宅建業法)を一部改正する法律案が成立しました。改正された内容は、不動産業界が現状抱える問題を解消するものになり得るのでしょうか。対談連載の最終回ととなる今回は、不動産業界に詳しい三平弁護士と不動産流通システム 代表取締役の深谷が、新たな不動産流通の仕組みについて語っています。

 

新たな不動産流通の仕組みは作れるのか

 
深谷:私は不動産を市場相場で値を付けるのは難しいと思っています。売り手は1円でも高く売りたいと考えるのに対し、買い手は1円でも安く購入したいと考えるわけですが、不動産のように取引単価が高く、情報の非対称性がある中で、双方を満足させるような落としどころを見出して、それを相場とすることは、そもそも可能なのでしょうか。
 
三平氏:売り手と買い手、相反する立場を仲介する場合において、不動産の相場を断定することは、確かに難しいと思います。少しケースは異なるかもしれませんが、慰謝料などについても明確な基準はないものの、裁判において目安になる請求額の相場はあります。それぞれプラスとマイナスの事情があって、それを軸に、ある程度落ち着きどころを模索していくわけです。
 
これと同じように、新しいサービスも、マーケットが大きくなれば自ずと相場にもトレンドが発生していくのではないでしょうか。先ほどの「①どうしても売りたい」、「②売れるなら売りたい」、「③いずれ売りたい」といった、それぞれの要素を持つ人たちがたくさん集まることで、新たな基準値が生まれるということです。これはある意味、「我々が相場を作る」くらいの気持ちが必要かもしれません。
 
不動産業界に吹くイノベーションの風_01
 
みずほ中央事務所
代表弁護士 三平聡史氏
 
深谷:レインズ(不動産流通標準情報システム)※にそのような機能を持たせる方が早い気がしますが、いかがでしょうか。
 
三平氏:標準の情報システムが1つしかないと、どうしても独占的な運用になりますよね。
 
深谷:ご承知のとおり、既にIT系から進出してきた新興勢力は、ビッグデータを活用した不動産情報サービスに着手しています。将来的には第二のレインズのようなものをつくろうとしているのかもしれませんね。ただ、不動産仲介の現場は、そう単純なものではありませんので、当面のあいだ紆余曲折が有る様に思います。
 
(編集部注:レインズ(REINS)とは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している不動産流通の標準情報システムです。)
 

情報のオープン化がもたらす意味

 
深谷:先日、横浜市のマンションで不十分な杭打ち工事を実施し、マンションが傾斜した問題がありましたよね。ビッグデータには当然、そういった施工不良の情報も蓄積されていくと思いますが、たくさん瑕疵のある物件が出てきた場合、中古マンションの仲介市場にも大きな影響が出そうですね。
 
三平氏:ですが、情報を隠蔽して売買するのは詐欺行為になってしまいませんか。
 
深谷:買い手側からすれば当然そのように映りますが、売り手には少々厳しいものになるかもしれません。「ごまかす」というわけではなく、今までならその事実を伝え相応に安くすれば売却できたものが、もしもビックデータが算出するプログラムの中に、不十分な杭打ちは係数0と決めてしまったら、その物件の資産価値は0なんてことも有り得ますよね。戸建でもマンションでも基礎の欠陥は、建て替えも余儀なくされる場合もありますから。
 
三平氏:詐欺行為は法的な問題になってしまうので、売買価格の話とは別に考えた方がよさそうですね。
 
横浜のケースのように、すでに販売してしまった後で不具合が発覚すれば、元請けの施工・管理はもちろん、多方面に大きな責任が問われます。こういうリスクを回避するために、インスペクション(建物状況検査)の活用に本気で取り組むのであれば、何らかの不具合が発覚した場合には公的資金で補助するなど、国を挙げての仕組みづくりが必要でしょう。
 
このように考えていくと、すべてが詳らかになったとき、日本の不動産は売れなくなるのでしょうか。だとすると、不動産業界には大きな膿が溜まっているような気がしてなりません。
 
深谷:最大手のマンション分譲会社ですらこのありさまですので、残念ながら、膿を持っている物件も多くあると考えるのが自然かもしれません。
 
ところで、不動産物件の中には、いわゆる「事故物件」というものが存在します。もちろん物件を紹介する際に事故があった旨を買主に告知しなければなりませんが、これがマンションの場合は複雑で、当該住戸以外の事故の場合、個人情報を盾に管理会社が知らせてくれない場合もあります。
 
三平氏:法的に管理会社に告知する義務を設けるしかないかもしれないですね。
 
深谷:2005年に発覚した耐震偽装事件は、マンションの設計で構造計算の不正が行われ、大きな社会問題になりました。この事件をきっかけに建築基準法などが改正されましたが、このときも一部の管理会社は戦々恐々としていました。
 
三平氏:一度、膿はすべて出し切った方がいいでしょう。
 

情報価値は自由化によってこそ活きる

 
深谷:HOME’Sを運営するネクストやソニー不動産、また、リブセンスなどは、透明化=不動産情報の非対称性の解消と捉え、基幹となるような情報サービスを始めています。
 
三平氏:システムの基本のプラットフォームが同じですから、それぞれのベクトルは同じ方向性を向いているとは思います。いずれにしろ、見込み客がいるという情報は経済的価値になります。レインズもインスペクションの件も、その情報をオープン化することが業界発展にとっては急務でしょう。先ほども触れましたが、私は情報共有システムを1つに限定する必要性を感じていません。媒介契約を望む消費者の情報と、物件評価の情報は、全く別のものです。それら別々のデータベースが存在し、消費者も含めて全体で情報を把握することができれば、自ずと相場も作り上げられる、そのような状態に期待しています。
 
深谷:インターネットの普及と技術の進歩が目覚ましいこの時代、あえて情報の非対称性を守ろうとする行為は、既得権へのこだわりであり、けっして消費者は見逃しません。ようやく不動産業界にもイノベーションの風が吹き出したなか、業界関係者だけしか見ることの出来ないレインズは、その存在価値をどんどん失って行きます。誰でも自由に見られる、日本最大の不動産情報サイトとしての“レインズ”が望まれます。
 
(おわり)
 
○弁護士法人 みずほ中央法律事務所・司法書士法人 みずほ中央事務所
代表弁護士 三平聡史氏
1973年生まれ。早稲田大学理工学部資源工学科卒業後、学習塾で講師をしながら法律学を学び、2000年(旧)司法試験合格。2007年弁護士法人 みずほ中央法律事務所・司法書士法人 みずほ中央事務所開設、現在は同事務所代表弁護士。主な著書に『Q&A事業承継に成功する法務と税務46の知識』『会社法対応 株主代表訴訟の実務相談』などがある。
 
聞き手:株式会社不動産流通システム 代表取締役 深谷十三
2008年株式会社不動産流通システムREDS設立。開業当初より運営の合理化を徹底し、仲介手数料を最大無料とする独自の料率を設定し、宅建士と宅建マイスターの資格保有者によるエージェント制での仲介サービスを展開している。
 

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※2026年07月19日現在 本社・首都圏営業所の数値

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    258

    1 か月前

    柳澤さんと出会えて、私は幸せ者でした。中古マンションを購入するにあたり、仲介手数料が半額?全額無料?、正直、どんなカラクリ?他の項目で請求される?なんて思ったのは事実ですが、柳澤さんと電話でご相談した数時間後には、新宿本社で面談。すべての不安を、払拭して頂いたのが柳澤さん。柳澤さんだっからこそ、話を前進させようと思いました。
    柳澤さんは、仕事を楽しまれています、だから、安心して任せられる。とにかく、レスポンスは早い、的確で分かりやすい。
    余計経費は使わない、手数料は片方から貰う、それによって半額や全額無料、素晴らしい経営方針だと思います、間違いなく大成長されると思います。
    柳澤さんとREDSさんとのご縁に感謝、本当にお世話になりました。また、何かの際にはご相談させて貰います、そして、周りの仲間に強く紹介しておきます。

    3 週間前

    中古マンションの売却でお世話になりました。
    担当の志水様は、ベテランならではの豊富な知識で市場動向や適正価格を丁寧に解説してくださり、終始納得感を持って進めることができました。
    何より素晴らしいと感じたのは、情報の囲い込み等を一切行わないという徹底した透明性です。この誠実な姿勢と親身な対応に、人間としても深い信頼を置くことができました。
    結果として非常に満足のいく売却ができ、今後も購入の機会があればぜひ志水様にお願いしたいと考えています。知人にも自信を持って紹介できる不動産会社様です。

    3 か月前

    REDSは、自分でSUUMOなどを使って物件検索ができる人にはおすすめだと感じました。
    他の不動産会社にも行きましたが、こちらの希望に寄り添うというより、不動産会社側が売りたい物件を勧められているように感じることもありました。

    その点、REDSは自分で見つけた物件を軸に進めやすいのがよかったです。
    一方で、自分が望む物件像がまだ明確でない人や、うまく検索できない人にとっては、REDSだけで良い物件に出会うのは少し難しいかもしれません。

    ただ、そういう場合でも、結局は良い不動産会社や担当者に出会えないと希望の物件にはたどり着きにくいと思います。
    安い買い物ではないので、まずは自分でもいろいろな物件を見て勉強し、ある程度判断できる状態になってから動くのが大切だと感じました。

    担当の山崎一さん対応がスムーズで、とても安心感がありました。こちらが気になることや質問にも毎回正確に答えていただけただけでなく、自分では気づいていなかった点まで補足して教えてくださり、終始安心してお任せできました。

    4 か月前

    新しい自宅の購入でお世話になりました。仲介手数料が無料だったのが素晴らしいです。担当の方(中石さん)の知識も豊富で、返事も迅速、物件購入に際してゴリ押しもなく、気になる物件についてフラットなご意見をいただけたのが性に合っていました。おすすめです。

    3 か月前

    木村さんに中古マンション購入のサポートをしていただきました。
    内見から住宅ローンの選定、契約まで幅広くご対応いただき、大変助かりました。

    特にメールのレスポンスが非常に早く、常に安心してやり取りができた点が印象的です。

    また、引き渡し後にもいくつかご相談させていただきましたが、引き渡しが終わった後も変わらず丁寧にご対応いただき、信頼できる方だと感じました。

    今後、もし購入や売却の機会があれば、ぜひまた木村さんにお願いしたいと思いますし、他の方にも自信を持っておすすめできる方です。