タワーマンション、通称「タワマン」はハイクラス&ハイステータスの代名詞ともなっていて、住むことに憧れを抱く人も多いと思います。ただ、実際に住んでみるといろいろと問題があるのも事実。「タワマンに住んでよかったですか?」という質問に対して、かなりの数の人が「後悔している」という回答をしています。

 

今回はそういった口コミ10件をもとに、タワマンに住んで後悔したポイントについて説明します。

 

タワーマンション

(写真はイメージです)

 

生活が不便!

 

まず、生活面でのトラブルの口コミから紹介します。

 

①「朝はエレベーターの混雑がひどい」

 

朝は通勤や通学する住民でエレベーターが大変混雑します。最近では改善策が練られてきたタワマンもありますが、ほぼ全ての階で停止して、やっと到着しても満員で乗ることができないので次を待たざるを得ないなんてことも日常的に起こっています。朝は数分が惜しいわけで、待った上に混雑した状態で乗らなければいけないというのは大きなタイムロスとストレスになります。

 

このため、駅まで徒歩3分でも、実際にはマンションを出るまでに5分くらいプラスで見込んでおく必要があります。付記すれば、駅もタワマンの住民で混雑して、改札で渋滞が起きるケースもあるようです。この場合はさらに5~10分は余分にかかるでしょう。

 

②「部屋に引きこもりがちの生活になりがち」

 

高層階になるほど、下まで行くのに時間がかかるため、外出が面倒になってしまう人もいるようです。小さい子供を抱えている専業主婦や退職後の老夫婦などは特に、外出が億劫になり、人と会わない日々が続くと、生活が孤独になってしまうというのは珍しい話ではありません。こういったことが引っ越しの理由になるそうです。

 

③「宅配ボックスでの受け取りやゴミ出しが面倒」

 

宅配ボックスに置かれた荷物を上層階まで持っていくのが面倒という声があるようです。ゴミ出しは各階に収集場があるタワマンが多いのですが、管理人が不在になったときに別の場所まで持って行くのに苦労したとの口コミもありました。

 

④「ベランダで洗濯物が干せない」

 

意外と知られていませんが、タワマンの高層階は風が強く、洗濯物落下による事故の危険性があるため、ほとんどでベランダでの洗濯物干しを禁止されています。その代わり、乾燥機能付きの洗濯機が設置されていたり、浴室乾燥機を利用したりするのですが、スペースが限られるため、子供が多い家庭など洗濯物が多い場合はかなりの不都合が出ます。

 

⑤「インターネット回線が遅い」

 

一般的にマンションは、インターネットの回線は建物単位で契約し、各部屋に分配します。タワーマンションは戸数が多いため回線の速度が遅くなりがちで、住人の在宅が多くなる週末は特に遅くなることが多いようです。テレワークで在宅勤務が増えた昨今では、インターネット回線の強さは非常に重要です。

 

経済面で不都合!

 

⑥「管理費・修繕積立費用が高すぎる」

 

タワーマンションでは、ベビー施設から図書室、フィットネスジム、プール、パーティールームまで共用施設が充実しています。無料で使えるものもあれば、料金を取られるものもありますが、それらは住人が毎月支払う管理費によってまかなわれます。このため、タワマンの管理費はふつうの形態のマンションよりも高くなりがちです。修繕積立金も高額になる場合が多いため入居前、購入前に確認する必要があります。

 

マンションの形態別管理費の相場は以下のようになっています。20階以上になると急に高くなっています。修繕費も同様に通常のマンションより高くなる傾向があります。築古のタワーマンションの場合、急に修繕費が上がることがあり、退去後も返金されることはないので注意しましょう。

 

「平成30年度マンション総合調査結果」を見てみると、マンション階数が多い建物のほうが、管理費が高くなっています。

 

形態別 管理費平均相場
3階建以下 14,965円
4~5階建 16,892円
6~10階建 15,307円
11~19階建 16,155円
20階建以上 25,069円

 

参考:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状
参考:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果(管理組合向け調査の結果

 

⑦「共用施設の予約が取れない」

 

パーティールームやシアタールーム、音楽室など共用設備のすばらしさにひかれて購入したのはいいものの、人気設備は予約が取れない、ということもあるようです。使えないのであれば多額の家賃を支払っている意味もないと、引っ越してしまう方もいるようです。

 

⑧「資産価値の低下(値崩れ)」

 

建設当初は、周辺にタワーマンションがなく地域のランドマーク的存在で部屋からの眺望もよかったとしても、数年すると周囲に同様のタワーマンションが建設され、価値が毀損されるということはよくあります。

 

このようなケースで売却しようとしても、思ったような価格では売却できる可能性は低いでしょう。資産価値が低下してしまうと、住み替えや売却で資金を得ようとしたときに、後悔することがありますので要注意です。

 

近隣トラブル&その他の不便

 

⑨「子供の発育によくない」

 

建物内に充実した共用施設を備えているタワーマンションでは、コンビニやスーパーなどのお店が入っていることも多く、外に出なくても日常生活が完結してしまいます。このため、子供の発育にとってもよくないのでは、という指摘もあります。戸建てに住む子供よりも外出機会が減り、引きこもりがちになったり、情緒が不安定になったりなどさまざまなマイナス要因が指摘されています。

 

⑩「震災時の不安」

 

タワーマンションが地震に弱い、ということはありませんが、震災時には以下のようなことが起こったそうです。また、2019年の台風の際には武蔵小杉のタワーマンションが水害被害に遭ったことが大きく報じられました。

 

まず、エレベーターが停止してしまうことがあります。エレベーターはタワーマンションの生命線です。地上40階や50階となると階段で上れるような距離ではありません。

 

また、タワマン周辺の避難所がキャパオーバーになる可能性があります。タワマンは人口が密集しているため、行政が設置する近隣の避難所へ行ったとしてもキャパオーバーで入れないことがあります。あまり考えたくはないことですが、タワマンは災害時に案外弱いということを知っておきましょう。

 

タワマンの「便利」に隠れた不都合な真実にも目を向けよう

 

憧れのタワマンですが、住んでみたら「こんなはずではなかったのに」と後悔することも意外とあるようです。居室だけでなく共用施設の事前の内見を入念に行い、周辺環境も含めて足を運んで調査するなどの確認は必要です。

 

また、実際に購入する前に一度賃貸で試してみるということが可能であれば、それも選択肢としてはいいかもしれません。

 

 

松村隆平
中央大学法学部法律学科卒。新卒で住友電気工業に入社し、トヨタ自動車向けの法人営業、および生産管理に従事。その後、株式会社ランディックスに入社し不動産業界に転身。その後同社のIPO準備責任者となり、経営企画室長を兼任。2019年に東証マザーズへ上場、2021年に執行役員。
趣味は司馬遼太郎の小説を読むこと。経営学修士(MBA)、認定IPOプロフェッショナル、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、統計調査士。