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穗坂 一也(宅建士)

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公開日:2024年4月20日

こんにちは。不動産売買の仲介手数料が【無料・割引】のREDSエージェント、宅建士の穗坂一也(ほさか かずや)です。今回は大井町駅周辺と不動産事情について解説します。

大井町駅

(写真はイメージです)

大井町駅の立地と概要

大井町駅は東京都品川区大井一丁目にあるJR東日本・東急電鉄・東京臨海高速鉄道(りんかい線)の駅です。

JR東日本の大井町駅は、1901年に国有鉄道東海道本線の大井聯絡所(連絡所)として開設され、1914年に京浜線(現在の京浜東北線)と開業をともにしました。

東急大井町線は、1927年に目黒蒲田電鉄(現在の東急電鉄)大井町線として部分的に開通、分譲地の販売が好調であったことから、1929年に大井町〜大岡山間が、1930年に大井町〜二子玉川間が開通、現在は田園都市線に乗り入れ溝の口駅間を往復する路線となっています(1時間に数本ペースで田園都市線長津田駅行き、中央林間駅行きがあります)。

2002年12月には東京臨海高速鉄道(りんかい線)大井町駅が開業し、3社3路線が乗り入れ相互間の接続駅となっています。ちなみに大井町駅は、東急大井町線とJR京浜東北線の改札口が地上にありますが、りんかい線の改札口は地下1階に位置しています。

りんかい線ホームは二重構造

りんかい線のホームは二層構造となっており、地下3階が大崎方面行き、地下5階が新木場方面行きとなっており、地上からりんかい線のホームにたどりつくまで複数回エスカレーターに乗って下る必要があるため、乗換時間には注意が必要です。

これは大井町駅が東京多摩地域から東西に長く続く海抜高度の高い武蔵野台地の東端部に位置しており、りんかい線が海抜20m弱の大井町駅から東側に新木場駅方面に向け、海抜数mの品川シーサイド駅、天王洲アイル駅の地下、および東京湾下を経由してお台場方面へ向かうため、このような高低差のある駅構造になっているのです。

ちなみに大井町駅は羽田空港まで直線距離で6~7kmほどです。2020年に新飛行経路の運用が開始されて以降、大井町駅周辺は着陸前の高度を下げた飛行機が比較的間近に見えるスポットになっています(垂直尾翼のエアラインマークが視認できます。個人的には騒音は全く気になりません)。

前述のとおり、この大井町駅周辺より西側の立地は、品川駅~大井町駅~大森駅の各駅を結ぶラインを境にして西側に台地が広がっており、比較的海抜高度が高く起伏の少ない平坦な地形です。関東ローム層と呼ばれる火山灰土で覆われており、自然堆積したローム土は安定しているため、比較的地盤強度が期待でき、住宅地盤として良好とされています。

労働者の街から副都心へ

大井町はかつて、城南地区の下町でした。1970年代になっても国鉄の駅舎西側(阪急百貨店側)の出口周辺には小さな飲み屋さんが軒を連ねていました。

JR東日本の駅舎は1993年にアトレ大井町となり東西自由通路もできましたが、品川区のほかの地域がそうであるように、大井町駅周辺もかつては国鉄大井工場(現・東京総合車両センター)や日本光学工業(現・ニコン)本社工場など大規模な工場が軒を連ねる工業地帯でした。大工場の周辺には住宅やアパートや社宅が立ち並び、商店街も繁栄。多くの人が働く工場は地域に欠かせない存在で労働者の街でした。

現在、大井町駅徒歩圏にはシティタワー大井町(2019年築、29階建、総戸数635戸)、シティテラス大井仙台坂ヒルトップガーデン(2012年築、23階建、総戸数132戸)、ブリリア大井町ラヴィアンタワー(2012年築、28階建、総戸数283戸)、クレヴィアタワー大井町ザレジデンス(2020年築、21階建、総戸数136戸)などの大規模マンションが立ち並びます。

複合商業施設「阪急大井町ガーデン」、駅ビル「アトレ大井町」、「LABI LIFE SELECT 品川大井町(ヤマダ電機)」、「イトーヨーカドー大井町店」などもあって洗練された街並みとなっていますが、駅徒歩1分で昭和レトロの香り漂う広さ2~3坪の小さな飲み屋が40軒近くひしめき、明るい時間から赤提灯が灯るのんべえ横丁「東小路飲食店街」が健在です。

大井町駅周辺の不動産開発と再開発

そんな大井町駅周辺ですが、大井町駅前では大井町駅と品川区役所、および山手線等の操車場に隣接したJR東日本の敷地の一部(かつて国鉄~JR東日本の社宅があり、2021年まで劇団四季専用劇場「夏」がありライオンキングなどを上演していた場所)に再開発計画「大井町駅周辺 広町地区開発計画」が2024年4月現在進行中、工事着手されています。

地上23階地下4階建のオフィス棟、地上26階地下2階建の賃貸住宅・ホテル棟(低層部に店舗、中層部に285室のホテル、高層部に290戸の賃貸住宅)が建設されるA1地区、駅前広場約4600㎡の芝生広場、商業施設、駐車場があるA2地区が整備されることになります。

この再開発事業地に隣接した敷地には品川区役所新庁舎の建設工事も始まります(地上14階建、2025年着工、2027年竣工予定)。

現在も注目されている大井町駅周辺ですが、現在進行中の街のグレードアップにも注目です。

 

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公開日:2024年4月4日

REDSエージェント、宅建士の穗坂一也です。

武蔵小山駅は東京都品川区小山3丁目にある東急目黒線の駅です。武蔵小山駅は品川区に立地していますが、駅の西側に隣接する都立小山台高校を過ぎると目黒区目黒本町に入ります。「武蔵小山エリア」という視点で見ると、品川区だけでなく目黒区にもまたがるエリアといえます。今回はこの武蔵小山駅周辺の不動産事情について解説します。

武蔵小山

(写真はイメージです)

武蔵小山駅の歴史

武蔵小山駅の駅名の由来からお話しします。小山八幡神社(現在の荏原7丁目)が小高い山の上にあったことから、小山という地名がついたとされています。一方、この近辺が小高い山であることに由来する「小山」が語源とする説もあるそうです。

1923年に目黒蒲田電鉄(現在の東急目黒線)の駅として「小山駅」が開通しましたが、同名駅がすでに東北本線に設置されていたため、旧国名「武蔵」を冠して翌1924年に「武蔵小山」という名へ改称されました。

ちなみに目黒蒲田電鉄は東急電鉄創業のきっかけとなった路線です。明治の実業家、渋沢栄一が「田園都市構想」を掲げて洗足、多摩川台地域を宅地開発します。その地域から都心へ向かうアクセス路線として目黒蒲田電鉄を設立、1923年3月に目黒駅~丸子(現・沼部)駅間が、次いで同年11月1日に蒲田駅まで開通しました。時が流れて沿線一帯は住宅地化が進みましたが、どこかのどかな街並み、雰囲気が漂う街並みが広がっていました。

そんな目蒲線が2000(平成12)年に東横線の複々線部分を武蔵小杉駅まで走る東急目黒線(2008年に日吉駅まで延伸)と東急多摩川線に分割、武蔵小山駅は東急目黒線の駅となり、併せて目黒駅より都心方面へ向けて東京メトロ南北線と都営三田線の相互直通運転が開始、都心方面へのアクセスが便利になりました。

2006(平成18)年には駅の地下化工事が完了し、地上1面2線から地下2面4線に移設され現在に至ります。目黒線の地下化事業は、都市計画道路補助第26号線整備事業の一環として実施、これにより目黒駅付近から洗足駅付近にかけて約2.8kmの区間が道路と立体交差化され、武蔵小山駅前の開かずの踏切を横切る補助26号線の慢性的な交通渋滞が解消されました。

2023年には東急新横浜線が開業し、相鉄新横浜線との相互直通運転も開始されています。

武蔵小山エリアの住環境

武蔵小山商店街パルム

駅の地下化、東急目黒線の誕生から始まる街の再開発によって利便性が向上し、「住みたい街」としても人気が高まっている武蔵小山。武蔵小山駅は目黒、大手町、永田町、日比谷へ1本という利便性の高さも人気の理由のひとつですが、駅周辺には2009年に駅前広場とバスロータリーができ、2010年に駅ビルが開業、駅前再開発によって2019年に誕生した商業施設(パークシティ武蔵小山THE MALL)に加え、全長800mある商店街「武蔵小山商店街パルム」、歴史ある温泉施設「清水湯」など、活気ある周辺環境も人気のポイントです。

住民の憩いの場、お散歩コース、ジョギングコースとなっている都立林試の森公園をはじめとした豊かな自然景観がある点も「住みたい街」に選ばれる理由といえます。

昭和31(1956)年にオープンした「武蔵小山商店街パルム」は完成当時「東洋一」と称えられ、現在も東京で最も長いアーケード商店街として知られています。アーケードに並ぶお店は約200店舗以上あり、飲食店や雑貨、服飾などバラエティ豊かなお店が立ち並び、雨の日でも傘をささずにショッピングが楽しめます。年間を通じてさまざまなイベントも開催され賑わっています。昔ながらの八百屋さん、パン屋さん、焼鳥屋さんなども元気に営業中。武蔵小山駅前を始端とすると中原街道まで至って終端となりますが、中原街道を越えるとすぐに今度は全長1.3km、都内最長の商店街である戸越銀座商店街につながります。

2019年にオープンしたパークシティ武蔵小山THE MALLは武蔵小山の新たな複合商業施設です。また、駅と直結するショッピングモールのetomo(エトモ)武蔵小山にはスイーツショップやベーカリー、無印良品、東急ストアなどが入っています。このほかオオゼキ武蔵小山店、ライフ武蔵小山店などの普段使いのスーパーマーケットも駅徒歩5分圏内にあります。

武蔵小山の不動産の特長

駅前には市街地再開発事業とし整備、建設されたパークシティ武蔵小山ザ・タワー(2019年築、地上41階建、総戸数628戸)、シティタワー武蔵小山(2021年竣工、地上41階建、総戸数506戸)の高層マンションが昔ながらの住宅、商店街と近接して立ち並んでいます。シティタワー武蔵小山には品川区役所の支所である荏原第一地域センターと荏原第一区民集会所も入っており、各種届出や住民票、マイナンバーカードの発行などに対応しています。

これらの大規模マンションは大規模な工場跡地を利用して建設されたマンションではなく、駅前の歴史ある商業地・住宅地の再開発事業として建設されたため、高層マンションが林立しておらず、新しい街並みと昔ながらの街並みが調和した住環境となっている点が特長といえます。

武蔵小山駅周辺は、2023年には東急目黒線と相鉄線の直通運転が開始され、新横浜へのアクセスなどの利便性も高まり、ますます発展が期待される注目エリアです。前記の再開発事業に続き、複数の市街地再開発事業が事業化に向けて検討が進められているそうです。

今後、新たにタワーマンションの建築予定や周辺の整備など、街のグレードアップが検討されていて、人気向上に伴う人口増加や街の付加価値アップが予想されています。

 

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