お住まいのマンションや一戸建てを売却する場合、その理由は人によって千差万別です。「子供が大きくなって今の家が手狭になった」「所得が増えたのでもっと広い家に住みたい」などの幸福な動機もあれば、離婚や相続による財産分与のための現金化や、ローンの支払いが困難になったため家を手放さねばならないといった差し迫った理由もあるでしょう。

 
どのような理由にせよ、不動産売却において重要なのは、「売却した結果、いくら手元に残るのか」ということです。

 

不動産売却を行う際は、売却価格から様々な諸経費を支払わなければなりません。不動産売却によってより多くのお金を手元に残すためには、不動産売却にかかる税金についての基礎を学び、優遇措置を上手に活用することが必須といえるでしょう。
 
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(写真はイメージです。本文の内容とは関係がありません。)
 

不動産売却にかかる税金の種類

 

不動産取引では、売主・買主の双方に様々な税金がかかります。ここでは、不動産売却において売主側にかかる税金を見ていきましょう。

 

印紙税

 

印紙税法により、所定の課税文書を作成した場合、その文書の作成者は印紙税を支払わなければなりません。
印紙税は、文書の種類と記載された金額によって決まる、税額分の収入印紙を購入して当該文書に貼付することをもって支払われたとされます。収入印紙は、郵便局や法務局で購入できます。少額なものはコンビニエンスストアでも購入できます。

 

不動産売却では、売主は「不動産売買契約書」について印紙税を支払う必要があります。売主が課税業者の場合は、「領収書」にも印紙を貼付します。

 

不動産売買契約書に貼付する印紙税額は以下の通りです(平成26年4月1日から平成30年31日までに作成されるものについては軽減されています)。契約書1通につき、この税額分の印紙を貼付します。

 

記載金額 税額
1万円~50万円 200円
50万円~ 100万円 500円
100万円~500万円 1,000円
500万円~1,000万円 5,000円
1,000万円~5,000万円 10,000円
5,000万円~1億円 30,000円
1億~5億 60,000円
5億~10億 160,000円
10億~50億 320,000円
50億円を超えるもの 480,000円
記載金額なし 200円

国税局ホームページより抜粋:)

 

通常、契約書は売主分と買主分の2通を原本として作成しますので、売主と買主はそれぞれ1通分の印紙税を負担します。高額の取引では節税のために、買主分1通分のみを本紙とし、売主は写しを保管するとして、1通分の印紙税を折半する場合もあります。

 

また売主は、手付金や売却代金の受領と引き換えに領収書を買主に交付します。この領収書にも印紙税がかかります。税額は以下の通りです。
 

記載金額 税額 記載金額 税額
5万円未満 非課税 ~1億円 20,000円
~100万円 200円 ~2億円 40,000円
~200万円 400円 ~3億円 60,000円
~300万円 600円 ~5億円 100,000円
~500万円 1,000円 ~10億円 150,000円
~1,000万円 2,000円 10億円超 200,000円
~2,000万円 4,000円 記載なし 200円
~5000万円 10,000円

国税局ホームページより抜粋:)

 

ただし、個人が居住用財産を譲渡した場合には「営業に関しない受取書」として非課税とみなされるため、収入印紙の貼付は不要です。

 

譲渡所得にかかる所得税・住民税・復興特別所得税

 

土地や建物を売却した時に利益が出ているとみなされると、その利益に対して、所得税や住民税、復興特別所得税が課税されます。不動産売却価格から、取得・売却の際にかかった費用や、所有の目的や売却先によって認められた特別控除を差し引いた金額(これを「譲渡所得」「課税譲渡金額」「課税標準額」などといいます)に、一定の税率を掛けて所得税と住民税の税額が決まります。復興特別所得税は、各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告納付します。

 

【まとめ】

 

(譲渡所得)=(売却価格)-(取得費)-(譲渡費用)-(特別控除)
(所得税・住民税額)=(譲渡所得)×(税率)
(復興特別所得税)=(所得税額)×2.1%

 

譲渡所得の仕組み

 

上述の譲渡所得を算出するには、構成要素のそれぞれについて理解が必要です。少々ややこしいかもしれませんが、辛抱してお付き合いください(笑)。

 

売却価格

 

不動産を売却した価格です。ただし譲渡所得の算出には消費税額を含みません。
なお建物の売買には基本的に消費税がかかりますが、個人が居住のために所有していた建物の売却については非課税となっています。

 

取得費

 

売却する不動産の購入代金や、購入時かかった仲介手数料、税金(不動産取得税、登録免許税、印紙税)などをいいます。

 

建物については、実際の購入および建築価格から、減価償却費相当額を差し引いた分が取得費として認められます。この減価償却費相当額の算出方法は以下の通りです。

(償却費相当額)=(購入・建築価格)×0.9×(償却率)×(経過年数)
居住用建物の償却率

区分 木造 木造
モルタル
鉄筋
コンクリート
軽量鉄骨造
(3ミリ以下)
軽量鉄骨造
(4ミリ以下)
償却率 0.031 0.034 0.015 0.036 0.025

(国税庁ホームページより抜粋:)

また、売却する不動産の取得が何十年も前であった場合など、当時の取得費がはっきりしないケースもあります。その場合は、譲渡価額の5%を取得費とすることができます。

 

譲渡費用

 

仲介手数料や印紙税など、不動産を譲渡するのに直接要した費用をいいます。また、譲渡のために支払った借家人の立ち退き料や転居費用、更地にした場合の取り壊し費用なども、譲渡費用に含むことができます。

 

特別控除

 

譲渡の目的や所有年月によって、譲渡所得から控除を認められている金額です。例えば、居住用財産を譲渡した場合については、3,000万円の特別控除が認められています。
特別控除の具体的な要件や、その他の特例、軽減税率の詳細については別の機会に説明することにします。今回は基礎編ということで、特別控除という税金が安くなる要素がある、ということを覚えておきましょう。

 

長期譲渡所得と短期譲渡所得

 

譲与所得は、譲渡のあった年の1月1日において所有期間が5年以内のものを「短期譲渡所得」、5年を超えるものを「長期譲渡所得」と区分されます。

 

短期譲渡所得は、所得税と住民税の税率が、長期譲渡所得より重くなっています。これは、「土地転がし」といわれた、短期間に不動産売買を繰り返して不当に利益を上げる行為を規制するために設けられたものです。
それぞれの税率は下記の通りです。

 

区分 所得税 住民税 合計
長期譲渡取得 15% 5% 20%
短期譲渡取得 30% 9% 39%

国税庁ホームページより筆者まとめ

短期譲渡所得の税額の計算
長期譲渡所得の税額の計算

 

税金については専門家のアドバイスを!

 

不動産売却に関する税金について、基礎的な知識をご紹介しました。

 

しかし、実際の具体的な事例に関する税金の計算は、税務署あるいは税理士などの専門家にアドバイスを求める方が良いでしょう。そして今は不動産会社にも、税理士やファイナンシャルプランナーが多く在籍する時代です。そうした不動産会社に相談するのも、不動産売却で失敗しない方法の1つでしょう。

 

早坂龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング 代表取締役。1964年生まれ。1987年北海道大学法学部卒業。石油元売り会社勤務を経て、2015年から北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。
監修 :不動産流通システム 高坂拓路

 

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