ご売却の相談でうかがった先で、売主様から物件の「登記事項証明書」を見せていただきました。
 

 

登記済権利証

(写真はイメージです)

 

大正11年設定の抵当権!

 

なんと、大正11(1922)年設定の抵当権の登記が残っていました。売主様のお父様の代での登記のようですが、現在も有効な登記として登記事項証明書に記載されています。

 

「債権額 金400円」「利息 年1割2分」とありますが、売主様のお話では、とっくに返済は終わっているとのことでした。貸した側(抵当権者)の方も、貸金が返済されてないのであれば、返済の催促をするなり、この抵当権をもとに競売の申し立てをするなりして、返済を受けるための行動を起こすのが一般的です。しかし、そうしたことはなかったため、おそらく、この貸金はすでに返済されていて、それに伴ってこの抵当権も消滅していると理解するのが正しいでしょう。

 

5年から10年以上にわたって引き出しや預け入れなどの取引がされておらず、預金者との連絡がつかない銀行預金を「休眠口座」と呼びます。同様に、上述のような抵当権のことを「休眠抵当権」と呼びます。

 

休眠抵当権の多くは、上記のとおり、完済され、それに伴って抵当権も実体的には消滅しているものがほとんどでしょう。しかし、古いとはいえ抵当権が不動産についていると、それだけで不動産を処分することが難しくなります。買主が不動産を購入しても、もしかしたら古い担保権により競売にかけられてしまう可能性があるからです。なので、さっさと抹消してキレイにしたいと考える方がほとんどだと思われますが、この登記を抹消するためには、「多分、返してる」では受付けてもらえません。 

 

 

休眠抵当権を抹消する方法4つ

 

抵当権者と連絡が取れない休眠抵当権を消すには、以下の4つの方法があります。

 

【方法1】物件の「所有者」と「抵当権者」が共同で登記申請

 

現在の物件の「所有者」と登記に記載されている「抵当権者」が共同で登記を申請する。抵当権者が自然人(完全な権利能力を認められている個人。法人に対する個人)で、死亡している場合には、その相続人でも可。抵当権者が法人(会社)で解散している場合には、解散時の代表取締役が見つかれば、清算人としてお手伝いしていただくことになります。 

 

 

【方法2】現在の所有者が当時の弁済を証明して抹消登記を申請

 

当時の「借用書」、「元金」「利息」の弁済を証明する領収書などを付けて、現在の所有者から抹消登記を申請する。これは、なかなかのレアケースで、書類が全て整うのは、奇跡に近いと思われます。

 

 

【方法3】裁判所に公示催告してもらう

 

裁判所を通じて、抵当権者に名乗り出てもらうように公示催告してもらう。名乗り出てこない場合には、除権判決(抵当権消滅)をもらって、現在の所有者が単独で抹消登記申請をする。 

 

 

【方法4】所有者が「供託」して抵当権抹消登記を申請

 

元金と利息・遅延損害金を法務局に「供託」して、その供託証を使って、所有者が抵当権抹消登記を申請する。ただし、弁済期から20年以上経っていないと、この方法は使えません。かつ、債権額が高額の場合には、かなり厳しい方法です。万が一、後から、抵当権者が「返済されてないよ!!」と名乗り出てきた場合には、供託金から弁済を受けていただき、丸く収まる方法です。

 

 

【方法1】で、当時の抵当権者の相続人が判明していたり、法人が存続している場合には、比較的手続きは簡単ですし、そもそも休眠抵当権の問題にはならない場合がほとんど。【方法2】~【方法4】は、調査や手続きを含めて数カ月かかるのが一般的です。

 

このような「休眠担保権」が残っていると、売りたくても売れない物件になってしまったり、早期売却したいのに、手続きに数カ月かかってしまったりする場合もあります。「先祖代々の土地・建物で、証明書はみつからないかもしれない」なんて場合には一度、登記事項証明書を取ってみるのもよいかもしれません。

 

休眠抵当権のほかにも、賃借権や地上権など、休眠した用益権はあります。このような権利も訴訟などで抹消できますので、司法書士に相談するようにしましょう。

 

 

坂爪潤(REDSエージェント、080-7959-2283、j.sakazume@red-sys.jp)
長野県出身。宅地建物取引士。首都圏一円、戸建て、マンション、注文住宅、投資・事業用物件まで幅広く対応。相続や登記に関する知識は豊富。
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