不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE
  • 公開日:2025年4月4日

「囲い込み」とは?不動産売却で後悔しないための基礎知識と対策

不動産の売却を検討する際、多くの方が信頼できる不動産会社を選びたいと考えます。しかし、その過程で見過ごされがちなのが「囲い込み」という不動産業界の昔からの悪しき慣習です。この囲い込みが原因で、売却が思うように進まず、不利益を被る売主が少なくありません。

 

「囲い込み」とは、不動産会社が売主から依頼された物件情報を、他社の買主に紹介しない営業手法のことを指します。この行為が、売却価格の低下や売却期間の長期化といった深刻な影響を及ぼします。

 

本ページでは、不動産の囲い込みの仕組みや実態、そのデメリット、さらには囲い込みを防ぐためのポイントや、万が一囲い込みに遭った場合の対処法について詳しく解説します。不動産売却で損をしないための知識を身につけ、安心して取引を進めるために、ぜひ最後までご覧ください。

 

囲い込み

(写真はイメージです)

 

不動産の囲い込みとは何か?

不動産の「囲い込み」とは、売主から依頼された物件の情報を、不動産会社が意図的に他の不動産会社が持つ顧客には紹介させないで、自社内の顧客のみで営業活動を行う不正な営業手法を指します。これは、売主の知らないところで巧みに行われるため売主にとって公平な売却の機会を損なう行為であり、極めて重大な問題となります。

囲い込みが行われる理由

囲い込みが行われる主な理由は、不動産会社が「売主と買主の両方から仲介手数料を得られる」状況を作りたいからです。この取引を「両手仲介」と呼びますが、不動産会社にとって、両手仲介は1件の取引で手数料が2倍になるため、利益が大きくなります。

囲い込みの仕組み

通常、不動産会社は「レインズ(REINS)※」という物件情報の共有データベースに物件を登録し、他社とも情報を共有する義務があります。また、他社からの購入希望の問い合わせがあった場合、その内容を売主に報告することも求められます。

 

※レインズ(REINS)とは、不動産会社のみが利用できる大規模な不動産情報ネットワークシステムです。国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しています。一般の方は直接利用できませんが、物件を売却する際には、不動産会社がレインズに情報を登録することで、より多くの購入希望者に物件を知ってもらうことができます。

 

しかし、囲い込みを行う不動産会社は以下のような方法で情報を遮断します。

1.物件情報の登録・公開の操作

●レインズへの情報未登録

不動産業界の情報共有データベース「レインズ」には、原則として依頼された物件情報を一定期間内に登録する義務があります。しかし、囲い込みを行う不動産会社は、この義務を怠ったり、意図的に情報を登録しなかったりすることがあります。これにより、他社が物件の存在を把握できなくなります。

 

●情報の限定公開

レインズには登録するものの、「商談中」「売却済み」などのステータスを表示し、他社が購入希望者を紹介する機会を排除します。

2.問い合わせの拒否

他社からの内覧や購入希望の問い合わせがあった場合、次のような虚偽の可能性が高い理由を使って拒否します。

  • 「既に買い手が見つかりました」
  • 「売主が今週は対応できません」
  • 「室内が準備中なので案内は後日になります」
  • 「売主が自社以外の購入希望者を受け付けないよう指示しています」
  • 「他社に公開する前に自社で手続きを進める方針です」

上記のほか数を挙げれば、切りがないほどの言い逃れがあります。

 

このような対応は売主には伝えられないため、売主は自分の物件が他社に紹介されていると思い込んでいます。

3.自社内での買い手探しの優先

囲い込みを行う不動産会社は、物件の情報を自社内の顧客だけに提供し、他社の顧客にアクセスできない状態を作り出します。これにより、他社の競合を排除し、買い手と売り手の双方から仲介手数料を受け取る「両手仲介」を目指します。大手不動産会社になればなるほど、その傾向は強くなります。

4.長期化戦略

囲い込みによって他社の問い合わせを拒絶すると、売却までの期間が長引きます。不動産会社はこの状況を利用し、売主に対して「価格を下げないと売れません」と提案し、物件価格を値下げさせることもあります。この結果、不動産会社は手数料率が多少下がったとしても、両手仲介による利益を優先します。

 

囲い込みのデメリット

囲い込みは、不動産会社の利益を優先する行為であり、売主にとって重大な不利益をもたらします。具体的には、売却機会を奪い、売却価格の低下を引き起こすなどのデメリットが挙げられます。

1.売却が長期化する可能性

囲い込みを行う不動産会社は、他社からの問い合わせや内覧希望を拒否し、自社で買い手を見つけることを優先します。この結果、物件が市場で広く認知される機会が減少し、売却が長期化するリスクが高まります。

 

売却期間が長引くことで、売主は精神的な負担や不安を抱えることになります。また、不動産市場の動向が悪化すれば、物件価値の下落に繋がる可能性もあります。

2.売却価格が安くなる可能性

売却が長期化することで、不動産会社は「なかなか売れないから価格を下げるべきだ」と売主に提案するケースが増えます。囲い込みを行う不動産会社にとっては、両手仲介による手数料収入が優先されるため、価格が多少下がっても大きな損失とはなりません。

 

結果として、売主は本来得られるはずだった売却価格よりも低い価格で物件を手放す可能性が高まります。この価格差は数百万円単位に及ぶこともあり、売主にとって大きな経済的損失となります。

3.売主が気づきにくい

囲い込みの最大の問題点は、売主がこの行為に気づきにくいことです。不動産会社は囲い込みの事実を売主に伝えないため、売主は自分の物件が適切に市場に出されていると信じ込んでしまいます。

 

例えば、内覧希望者が少ない場合でも、不動産会社からは「物件が特定の条件に合わない」といった理由が示されるだけで、不動産売却に詳しくない売主が囲い込みに気付くのは、非常に難しいといえるでしょう。

4.売主にとっての不公平な取引

囲い込みによる両手仲介は、不動産会社が売主・買主双方の利益を最優先に考えない取引です。本来であれば売主の利益を守るべき不動産会社が、自己利益を優先して行動するため、売主にとって不公平な状況が生まれます。実例では、他社不動産会社が何とかご案内まで持ち込め満額申込書を提示しましたが、自社の顧客優先により、売主は価格交渉を余儀なくされ契約前日に発覚したケースもありました。

 

囲い込みを防ぐためのチェックポイント

不動産の囲い込みは売主にとって大きな不利益をもたらします。しかし、事前にチェックポイントを押さえることで、囲い込みのリスクを軽減することが可能です。以下は、囲い込みを防ぐために役立つ具体的な方法です。

1.レインズへの登録を確認する

不動産会社は、媒介契約を結んだ物件を「レインズ」という業界共有のデータベースに登録する義務があります(専任媒介契約または専属専任媒介契約の場合)。

チェックポイント

  • 登録証明書を要求する
    レインズに登録された物件には「登録証明書」が発行されます。物件の登録が適切に行われているか確認するために、不動産会社にこの書類を見せてもらいましょう。
  • 専用サイトとパスワードの確認
    レインズに登録された物件には、売主専用の確認用パスワードが提供される場合があります。不動産会社から情報を提供してもらうことで、登録状況を直接確認できます。

2.問い合わせ対応の状況を確認する

他社や買主からの問い合わせが適切に処理されているかを確認することが重要です。

チェックポイント

  • 問い合わせに関する説明を求める
    内覧の調整が少ない場合、不動産会社に「問い合わせ状況」と「内覧が少ない理由」を尋ねましょう。具体的な回答が得られない場合、囲い込みの可能性があります。
  • 内覧の出所を確認する
    内覧希望者が自社の顧客ばかりである場合、囲い込みの疑いがあります。「この内覧希望者はどちらの会社からの紹介ですか?」と担当者に尋ねることで、不透明な対応を防ぐことができます。

3.内覧が少ない場合の原因を追求する

内覧が少ない理由には、囲い込み以外にも物件の条件や市場動向などが考えられますが、不動産会社の対応が原因である場合もあります。

チェックポイント

  • 売却開始から数週間内覧がない場合、「原因と改善策」を具体的に尋ねましょう。担当者が理由を明確に説明できない場合、囲い込みの可能性があります。

4.両手取引比率を確認する

両手取引(売主・買主双方から仲介手数料を受け取る取引)が多い不動産会社は、囲い込みを行っている可能性が高いです。

チェックポイント

  • 両手取引比率が高い不動産会社には注意が必要です。契約前に会社の評判や実績を調査し、透明性のある取引を行う会社を選びましょう。

5.信頼できる担当者を選ぶ

囲い込みを防ぐ上で、不動産会社の担当者が信頼できるかどうかは非常に重要です。

チェックポイント

  • 担当者に疑問点を率直に尋ね、わかりやすく説明してくれるかを確認します。
  • 不明点について調査し、誠実に回答する姿勢を持っているかを見極めましょう。

 

囲い込みをされたらどうする

囲い込みの事実が明らかになった場合、以下の対策を検討しましょう。

1.契約解除を検討する

不動産会社との媒介契約を解除し、他の信頼できる会社に切り替えることを検討してください。

2.行政機関に通報する

囲い込みは宅建業法に違反する可能性があり、適切な機関に報告することが重要です。通報先としては、以下が挙げられます。

  • 都道府県の宅建業を管轄する部署
  • 市区町村の不動産相談窓口

3.信頼できる不動産会社を選び直す

囲い込みを防ぐためには、最初から信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。以下の点を確認しましょう。

  • 両手取引が少なく、透明性のある方針を掲げているか。
  • レインズへの登録や問い合わせ対応が迅速であるか。
  • 売主の利益を最優先に考える担当者がいるか。
  • 大手不動産だから安心は禁物です。

 

REDSでは「囲い込み」は行いません。

不動産売却において、「囲い込み」という不正な手法が売主様に多大な不利益をもたらすことをご理解いただけたかと思います。適切な売却活動が行われず、売却価格が下がったり、売却までの期間が長引いたりするリスクを回避するには、信頼できる不動産会社を選ぶことが何より重要です。

 

REDSでは、売主様の利益を最優先に考えた透明性の高いサービスを提供しています。当社は、以下のような取り組みを通じて「囲い込み」を排除し、公正な取引を実現します。

1.全ての不動産会社に物件情報を公開

他社との情報共有を積極的に行い、より多くの購入希望者にアプローチできる環境を整えています。

2.広告戦略の柔軟性

主要不動産ポータルサイトを活用しながら、売主様のご希望に応じて他社の広告掲載も承諾しています。

3.仲介手数料が無料または割引に

ご依頼いただくことで、同じ売却価格でも売主様のお手元により多くの金額が残るよう努めています。

 

例えば当社では1億円以上のご自宅を売却する場合の仲介手数料を上限金額「168.3万円(税込み)」として設定しています。

 

1億5千万円でも2億円、3億円でも仲介手数料は「168.3万円(税込み)」のみです。
現在多くの売主様にご利用いただいております。

 

「囲い込み」による不利益を避け、スムーズかつ有利な条件での売却を実現したい方は、ぜひREDSにお任せください。宅建士の資格を持つ当社のエージェントが、売主様にとって最適な売却プランをご提案いたします。

 

少しでもご興味がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。不動産売却の成功を、REDSが全力でサポートいたします。

 

この記事を監修した
エージェントプロフィール

4.8

65

川口 吉彦(宅建士・リフォームスタイリスト)

どんな小さな事でも何なりとお申し付けください。

4.8

65

嬉しい口コミも
多数いただいております

  • 40代男性(マンション売却)
    こちらでマンションの売却をいたしました。
    比較した大手の不動産屋よりも専門知識が豊富に感じ、なおかつ仲介手数料も安かったのでこちらにお願いしました。
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    マンション購入にてお世話になりました。
    担当の鈴木朋子さんには、本当に親切にしていただき感謝しかないです。 いつも私たちの目線になり、分かりやすいアドバイスをしてくださりました!子供への気遣いも嬉しかったです。 何より、鈴木さんの表裏のない感じが私も夫も大好きです。(笑)
    不動産購入で後悔したくない方、安心して物件探しや手続きを進めたい方にはぜひお勧めしたいです! お世話になり、本当にありがとうございました。
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    中古マンション購入にあたり、いくつかの不動産仲介会社にあたってたところ不動産流通システムさんに辿り着きました。他の仲介会社さんは営業の電話が激しく、仕事の障害になる程でうんざりしておりましたが、不動産流通システムにて担当頂いた成田さんは、押し売りする様なことは一切無く安心して物件を探せました。

    女性ならではの細かい気配りと単刀直入に物件の懸念点をプロの目からアドバイス頂き、納得のいく物件選びができました。会社名が大手の不動産仲介会社ほど知れ渡ってはおりませんが、ネットでの口コミで良いサービスが良いものとして伝わり、より多くの消費者が良いサービスが受けれる様になればと思い書き込ませて頂きました。
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