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菅野 洋充(宅建士・リフォームスタイリスト)

社会に必要とされ人に役立つ企業を目指します

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公開日:2017年11月3日

菅野です。以下のような記事がありましたのでよろしければご一読ください。

 

「座間アパート9遺体事件」実はいまだ退去者ゼロ

 

最寄駅は小田急線「相武台前」らしいですが、こんな事件があっても出ていく人がまだいないとは、にわかには信じがたいことです。

ただ、昔、私が遭遇した死亡事故物件でも、やはりそのことを理由にお出になられる方はいなかったことを思い出しました。

亡くなられた方は心筋梗塞と思われる孤独死のようでした。

同じアパートの方が「端の部屋から異臭がする。あの人とはここ1、2週間会ってないからおかしい」と、当時いた会社に言いに来られたのを覚えています。

確か、7月だったと思います。

現地アパートに着くと、窓が黒くなっていて、何かとよく見たらすべて「蠅」でビックリ。

家主から鍵を借りて(本当は良くないのでしょうが)鍵を開けて入ると、入居者が座ってお亡くなりになっていました。

畳が黒く変色し、まさに「鼻を衝く」ものすごい臭いだったことは、今も忘れられません。

その後、関係各所に連絡、手配し、その部屋は再度貸し出されることになりました。

もちろん、次の入居者さんにはお部屋で亡くなったことはお話ししましたが、特に家賃を大きく下げることはなくご入居いただいたと思います。

なぜ、そのようなことが出来るのか?

 

それは、そういったアパートは、他を選んで住まわれることが難しい方が、最終的に住まわれるようなところだったからです。

この座間市のアパートもおそらく、そのようなところなのではないかと思われます。

いわゆる事故物件サイトには、そのようなところの亡くなったという記録が意外と載っていません。

そういったアパートは、いろいろなところに実はございます。

昔、火事でたくさんの人が死んだ八丁畷の簡易宿泊所や大久保の○○荘等も、おそらくその類かと思われます。

生活保護受給者は、家賃が出るのでもう少し良いところに住んでいたりします。

いわゆる「ワーキングプア」の方、国民年金受給で生活保護より収入のない方などの「超低所得者」がいろいろなところからはじかれて最終的に、どういう方でも受け入れてくれるこのような物件に辿り着きます。

そういった方は、他に行くあてがないので、出て行ってくれなどと言われてしまうと本当に困ってしまうのです。

本来であれば、セーフティーネットというのはお上の仕事のはずですが、アパート乱立の昨今では古くて誰も住みたがらないようなアパートが、そのような役目を担っているという皮肉です。

 

「捨てる神あれば拾う神あり」というのはあまり相応しくない言い方かと思いますが、そういった物件がないと生きていけない方がいるということを知っていただきたいと思って今回、書いてみました。

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