菅野 洋充(宅建士・リフォームスタイリスト)
社会に必要とされ人に役立つ企業を目指します
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最終更新日:2019年10月4日
公開日:2019年9月21日
菅野です。
昨日、こんなニュースがありました。
全体の20.7%が大田区、79.3%が江東区に帰属すると東京地裁が判決。東京湾の人工島「中央防波堤埋立地」をめぐる40年越しの対立に、初めて司法が判断を下しました。
▶東京湾埋立地、江東区に8割帰属 大田区との訴訟判決https://t.co/4pKZrHoS26 pic.twitter.com/HBd5S2uctL
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) September 20, 2019
オリンピックの開催を機に、大田区が訴えるかたちで始まったこの裁判ですが、40年以上も争われてきた埋立地の帰属問題に一つの結論が出たということは喜ばしいことです。
まだ、両者ともその結果を受け入れるかどうかという状況ではありますが、控訴した場合にはオリンピックに間に合わなくなるようですので、できたら両者とも矛を収めてほしいと思います。
ところで、こういう裁判で確定した境界を調査するために裁判所に行ったことがあります。
私が担当したのは、土地の一部がいわゆる「2項道路」に接道している物件で、セットバック(道路後退)が必要かどうかを役所に調査しに行った際に
「こちらの道路は裁判で確定しているので、裁判所で確認してください。」
と言われ、管轄裁判所の判決を管理する部署に連絡、予約して判決文を確認する、という作業をしてきました。
電話で利害関係人である旨を説明し、必要な書類を用意して、指定の時間に裁判所に行き判決文を見る、という形になりました。
コピーは認められず、メモもだめという厳しい条件でしたが、判決文は簡潔で、こちらの物件側はセットバック済みということが確認できたので、それを重要事項説明で買主側に説明しました。
こういった事例はたくさんあるわけではないのですが、注意が必要な物件であると言えるでしょう。
もしかすると道路の中心線で争うような、うるさい土地所有者が近隣にいる可能性があります。
(私の担当した物件は、依頼者の前の所有者が係争し、裁判に負けてセットバックしたという経緯のものでした。ですので周囲の方は関係なく、ご納得のうえ購入いただいております。)
埋立地の帰属も、道路のセットバックも、(ちょっと乱暴ではありますが)土地の所有に関する争いとしては似たようなもんです。
土地をできるだけ広く持っていたいという気持ちは皆、一緒なんですよね。
10月4日追記
どうやら、江東区、大田区とも控訴しないこととなったようですね。一件落着で良かった!