『正直不動産』宅建士のプロはこう見る!SHOJIKI-FUDOSAN

  • 公開日:2024年3月12日

『正直不動産2』ドラマ10話(最終回)最速レビュー|1位より大切な、誰かの幸せの役に立つこと。正直不動産よ、永遠に

ある日突然、嘘(うそ)がつけなくなってしまった不動産仲介会社の営業マンが、独特の商慣習で動く不動産業界で奮闘する姿を描くNHKドラマ『正直不動産2』。最終回の第10話が2024年3月12日(火)夜10時に放映されました。

 

山下智久演じる主人公の不動産営業マン永瀬財地は、前シリーズでは嘘をもいとわないセールストークで売上ナンバーワンでした。ところがある日を境に、不思議な風が吹いてくると嘘がつけなくなることからナンバーワンの座から滑り落ち、客とのやり取りでもしくじって窮地に陥ります。しかし、その正直さが逆に、ライバルのミネルヴァ不動産をはじめとする悪徳業者にだまされそうになる客の心を動かしてきました。

 

今シリーズでは永瀬の元同僚の神木涼真(演:ディーン・フジオカ)がミネルヴァ不動産の一員となり、バトルを展開してきました。対決の結末はいかに? そんな大人気ドラマ『正直不動産2』のレビューを、監修を担当したREDSではどのメディアよりも早く、そして詳しくお届けします。

 

(不動産のリアル編集部)

 

ビジネスマン

(写真はイメージです)

 

登坂不動産の大プロジェクトを妨害せんと企むミネルヴァ。十影が裏切り?

 

登坂不動産オフィスでご機嫌な様子の大河部長(演:長谷川忍)。6年越しのプロジェクトが日の目を見そう、と言います。

 

6年前、登坂社長(演:草刈正雄)は親交のあるゼネコンと組んで武蔵村山市にある2万坪の土地をまとめ、倉庫用地として大手不動産会社に売却することを計画。今回のプロジェクトは、ゼネコンが購入費40億円、造成工事費およそ17億円を含め、57億円かけて手に入れた土地を大手不動産会社に88億円で売却するといいます。

 

登坂不動産の役割は地権者からゼネコンへの売買取引を両手仲介することで、仲介手数料は2億6,000万円。その認可がようやくおりて、本契約が結べるようになったとのことで、地権者80人の説得を続けた永瀬も感慨深げです。

 

一方、ミネルヴァ不動産では、神木が鵤社長(演:高橋克典)に登坂の計画を報告、頓挫させるために動き始めました。その夜、バーで神木の隣にいたのはなんと、永瀬の後輩の十影健人(演:板垣瑞生)。登坂のプロジェクトを神木に伝えたのは十影だったようです。「これは君に投資するための金だ」と言われ、十影は現金が入った封筒を受け取りました。

 

永瀬は月下と十影に地権者80人を説得したときの秘策として、「地権者全員の趣味とか好きな食べ物とかパーソナルな情報を調べて、相手に合わせて口説いた。それが全部ここに書いてある」という手帳の存在を明かし、十影は神木に報告。神木は「その手帳、手に入らないか? 100万出す。500万」と迫りました。最終回になんという不穏な展開……。

 

NY転勤を固辞する美波。プロポーズを決めた永瀬に忍び寄る十影

 

ニューヨークへの異動を打診された榎本美波(演:泉里香)は、推薦してくれた先輩の愛原真耶(演:松本若菜)に「結婚を考えている。彼と離れたくない」と告げます。相手が永瀬だというと、愛原は食い気味に「やめときなさい。あいつは正直すぎる! 絶対ケンカになる!」と即答。しかし美波も「分かっています。それでも結婚したいんです。バカ正直で嘘がつけない永瀬さんが私は大好きなんです」というと、愛原も「全力で幸せになりなさい」と背中を押してくれました。

 

一方の永瀬行きつけの居酒屋では、プロポーズすることを明かした永瀬を囲んで祝賀ムード。そこに十影がふらっと入ってきました。酔い潰れた永瀬。十影はスーツから手帳を取り出し……。

 

重要立地の地主・狭山を神木が懐柔、目的は建設会社への高値販売!

 

地権者のひとりで中学校教師の狭山純一を神木が訪れ、田中角栄の逸話を披露しながら迫ります。「人たらしだった角栄は口説き文句にこんなことを言ったそうです。『女好きには女、金好きには金、女も金もいらんなら俺が寝てやる』と。あなたのお望みは?」

 

その数日後、狭山は登坂不動産との売買契約の解除を通告してきました。プロジェクトのど真ん中にある土地に穴が開いたら、プロジェクトは破綻します。永瀬は狭山の家に飛んで行きましたが、狭山は「倉庫ができたら交通量が増えて子供たちが危険です」と「子供の安全」という錦の御旗を出してきて、とりつく島もありません。

 

そこで風に吹かれた永瀬、「『安全じゃ腹は膨れない! とりあえず高級寿司に連れて行け』と! だからお連れしたじゃありませんか? 2年先まで予約が埋まっている超高級なお寿司屋さんを!』」と反撃してしまいました。このほかにも「イタリア産の最高級白トリュフ」「カスピ海産の幻のキャビア」「伝説のグレードAのフォアグラ」など高級料理を永瀬におねだりしていたことを蒸し返され、狭山はそそくさと逃げていきました。

 

帰社後、登坂不動産の営業社員は全員が立ち上がり、破綻回避に向けて動き出しました。永瀬は例の「黒い手帳」を取り出そうとしますが、ないことに気づきます。

 

一方、神木はプロジェクトに関わり、登坂不動産の仲介で地権者と土地を売買契約する予定のゼネコン、唐森建設の担当者、大村厚と対面、狭山の土地をミネルヴァが取得する予定であることを告げます。「建設担当者の大村さんなら、この土地の重要性がお分かりですよね? いくらで買い取ってもらえます?」「あの一角がないだけでも6年越しの計画が破綻する。そんなことになったら、誰も幸せになりません」。大村は真っ青になってしまいます。

 

背後で動く桐山に月下が直言! 裏切りの十影はマダムの言葉に……

 

月下は狭山と一緒にタクシーから降りてくる元登坂で不動産ブローカーの桐山貴久(演:市原隼人)を目撃。桐山を問い詰めますが、「お前に関係ない」と一蹴されます。ここで月下はひるむことなく直言。「社長や永瀬先輩が大切にしてきた計画を横取りするつもりなら、私、絶対に許しませんから」。しばしにらみ合うふたり、桐山は静かに去って行きました。

 

登坂の関係者2人目の裏切りとなれば大変なことですが、もうひとりは悩んでいるようです。十影はマダムを呼び出しましたがずっと黙っています。迷いを見透かしたように、マダムは語りかけました。

 

マダム 「こんなことわざ知ってる? 『一日だけ幸せでいたいなら床屋に行け、一週間だけ幸せでいたいなら車を買え』」
十影 「知ってるよ。『一カ月だけ幸せでいたいなら結婚しろ。一年だけ幸せでいたいなら家を買え』でしょ」
マダム「その続きがあるの」

 

続きとは……?

 

十影VS神木、永瀬VS狭山

 

それは、「一生幸せでいたいなら、正直でいろ」でした。十影が神木に手帳を渡した手帳、それは落書きだらけ。「俺、どうやら、嘘がつけない人間になっちゃったみたいです」。十影は神木に懐柔されたわけではなかったようです。

 

一方、狭山邸に日参している永瀬は、狭山にようやく応対してもらえるようになりました。それでも「子供の安全」一点張りの狭山。風に吹かれた永瀬が始めます。これがこのドラマ最後の風です!

 

「なんと立派なお考えだなんて1ミリも思いません! っていうかちゃんちゃらおかしいことおっしゃらないでください、この銭ゲバ教師殿が! あなたが大切に思っているのは子どもたちなんかじゃない! マネー、マネー、マネー! そう、お金でしょ!」

 

そこに神木が割り込んできました。ゼネコンがいくらでも出す意向と言い「ここに白紙の小切手があります。あなたの好きな金額を書いてください。1億ですか? 10億ですか? いくらでも構いません」とペンを差し出しました。

 

永瀬はそれを横からひったくり、狭山に語りかけました。「私が初めて訪れた6年前よりも、加速度的に、農地として土地を活用している住人が減っています。このままでは、あの土地は荒れ果てていくだけです。しかし、巨大倉庫ができれば、道ができ、人が増え、税収も上がり、あの土地がよみがえるんです。元々あの土地はあなたのご両親が朝から番まで畑を耕し、あなたを育ててきた大切な農地です。その大切な土地を、もう一度よみがえらせましょう。あなたのお子さんや、大切な生徒たちを守るために」

 

そこに月下が父親を伴ってきました。「お前も教師なら、人の道に外れたことだけはするな。自分の息子のためにも、誇れる父親でいろ」という父の言葉に、狭山は返す言葉もなくうなだれるばかり。結局、契約解除は取り消しになり、登坂不動産一同、胸をなで下ろしました。この言葉は神木の胸にも刺さったようで、戦闘意欲を失ってしまったようでした。

 

狭山の翻意の背後には桐山のアシストがありました。タクシーで一緒にいるところを月下に目撃されたとき、桐山は共通の恩師から聞いた狭山のエピソードを語っていました。熱心に指導するあまり、ひとりの生徒が不登校になり、教師という職業に絶望していた狭山。「先生が言っていましたよ。『大丈夫、きっと彼は立ち直って、いい教師に戻る。だって私の教え子なんだから』……と」と言った桐山の言葉に、少しだけ心を開いて永瀬の話を聞いてみることにしたのでしょうね。

 

神木の前から家族の幻影が消えて……

 

その後、神木は永瀬を呼び出し、敗北宣言。「『自分の息子のためにも。誇れる父親でいろ』……狭山さんのおやじさんの言葉で俺の気持ちは決まっていた」と言い、永瀬に問いかけます。

 

神木 「1位より大切なものってなんだ?」
永瀬 「……誰かの幸せの役に立つことだと思います」
神木 「誰かの幸せ……」
永瀬 「たとえ1位を取れなくても、自分がやったことでひとりでも幸せと感じてくれたら、それでいい。私はそう思えるようになったんです。神木さん、きっとあなたも変われます」

 

こう言って背を向けた永瀬。残された神木は呆然と座り込み、妻の香織と息子の翔太の幻影を見ます。しかし、すぐにふたりの姿は消えていきました。神木は必死でタップを踏むも、幻影は完全に消えました。

 

そのとき――。「ねえ、もっと踊って」という子供の声。思わず振り返る神木。そこにいたのは花澤とひとり息子の北斗でした。「おじさん、もう一回踊って!」と踊り始める北斗に合わせ、神木はいつまでもタップを踏み続けるのでした。

 

永瀬を口説く鵤。美波は結局どうする?

 

永瀬・月下と対峙する鵤社長。鵤は永瀬に「私の下で働け。金はいくらでも出す。君の力が必要だ」と誘います。しかし、永瀬は「どれだけ金を積まれても、あなたの下では働きません」ときっぱり固辞。「私はこの会社が、この仲間たちが好きなんです、理由はそれだけで十分でしょう」と重ねると、鵤は「そう答えたことを必ず後悔させてやる。覚悟しておけ」と捨て台詞とともに去って行きました。

 

鵤は永瀬を口説けなかったのですが、ニューヨーク転勤を言い渡されている美波はどうするのでしょうか。

 

美波は永瀬に語りかけました。「改めて自分が何をやりたいのか考えてみたんです。私はあなたと接するようになって仕事に対する意識が変わりました。嫌われることをいとわず、正直な気持ちを相手に伝え、その人のために情熱を持って向き合う。だからこそ、その人だけでなく、ご家族を始め、多くの人たちを救うことができる。私もそんなふうに仕事がしたい、きっと今やらないと一生後悔する。そう思ったんです。だから私はニューヨークへ行きます」

 

永瀬は「僕はあなたを応援します。頑張ってきてください」と背中を押しました。ふたりはこれで別れることになるのか――。そこで「ご安心ください。これより最終選考を延長します。私がニューヨークへ行ってくる間、毎日の出来事をリモートで報告すること。また日々、品行方正に過ごしているか、抜き打ちで帰国して、チェックします」とすかさず返した美波。こう言って、スーツケースを抱えて笑顔で空港に向かってしまいました。

 

美波は結局、結婚より仕事を選んだのでしょうか? いずれにしても、永瀬と美波らしい結末だったと思います。

 

正直不動産よ、永遠に

 

地元で和菓子職人の石田努(演:山下努)が登坂不動産を訪れ、「たたりを解く方法を見つけた」と言います。ただし、いったん解いたら、もう二度と元には戻れないと言います。

 

永瀬は月下に、たたりのことを打ち明けました。しかし、月下は一笑に付して信じていない様子。そんなやり取りをしながら歩き続ける永瀬と月下は営業に向かうのでした。

 

永瀬はこの先、石田にたたりの解除を申し出るのでしょうか? 永瀬が美波や神木に語ったとおりの生き方を続ける限り、きっとそういう選択にはならないのではないでしょうか。正直不動産よ、永遠に――。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。『正不動産』監修のREDSエージェントは100% 宅建士

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