REDSエージェント、宅建士の菅野です。新型コロナウイルス感染拡大が深刻ですが、感染防止対策として、「三密」(密閉・密集・密接)を避けるよう呼びかけられています。

 

窓を開ける

(写真はイメージです)

 

・風通しをよくして頻繁に換気をおこなう
・人の集まるところに近寄らない
・人と近い距離で発声、会話しない

 

――の3点です。最初の「風を通して換気する」が重要なのは、新型コロナウイルスの感染経路として「エアロゾル感染」といってウイルスが感染者の口腔から発せられた「エアロゾル」によって伝染していく、というものがあるからです。

 

日本エアロゾル学会では、口腔内から発せられたエアロゾル粒子に関して以下のような見解を提示しています。

 

《ガス分子は混ざりやすい(拡散しやすい)ですが、エアロゾル粒子の中でも室内にも多く存在する大きさが1000 分の1mm(1μm)程度の微小なエアロゾル粒子はガス分子に比べればほとんど拡散しません。さらに、目に見える粗大な粒子とは異なり、その沈降速度も非常に小さく、空間中に長く浮遊しています。この微小なエアロゾル粒子を室内から追い出すには、空気の流れ(気流)により移動させ、排出(換気)または空気清浄機により除去することが必要です》

 

要するに、感染者がしゃべったり、くしゃみやせきをしたりした際に出るエアロゾルは、その場にフワフワと浮いているため、それを吸い込んでしまえばその人は感染してしまいます。なので、その「エアロゾル」を風で吹き飛ばしてやればよい、ということになります。

 

ということは今後、住宅を含むあらゆる建築物で「風通し」が重要になってくることは間違いありません。今までも、もちろんいいに越したことはなかった要素でしたが、今後は優先順位が上がっていくことでしょう。

 

風通しを優先するとなると、これまで今までいいとされていた要素が変わってくる可能性があります。たとえばタワーマンションによくある「内廊下のマンション」は風通しがあまりよくありません。

 

また一部の若者には抵抗なく受け入れられているという「都心の狭小一戸建て」も風通しが決してよいとはいえないでしょう。隣棟間で、民法で定められた距離が取れていない建物については、今後は敬遠する人が増えるかもしれません。

 

いわゆる「行灯部屋」と呼ばれる、窓のない部屋のあるマンションは、より敬遠される可能性があります。また、タワーマンションは24時間換気ができる空調設備が整っているとはいえ、高層階になれば窓がわずかしか開かない設計になっているものもあります。

 

今後は窓の多い物件が人気になっていくかもしれません。また、郊外の一戸建てが見直されてくるかもしれません。もともと、近郊市街地の一戸建てについては、都心ほど景気の影響を受けないとされていますが、これから、隣戸との空間がそれなりに取れている住居地域の一戸建てに、都心から移住してくる人たちが増えるかもしれません。

 

もともと、都心の住宅は利便性を大きく重視するあまり、今まで重要とされてきた要素を省いたものが多くありました。こういった非常事態でその異常さが表れてしまったのかもしれません。立地を重視するあまり、変な建てられ方をした物件は、この機会に淘汰されていくでしょう。

 

このように、新型コロナウイルス感染症の流行は、これまでの住宅事情を大きく変容させていく可能性があります。

 

 

菅野 洋充(REDSエージェント、080-6789-2788、hiromitsu@red-sys.jp)
北海道出身。所有資格は宅地建物取引士、宅建マイスター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)、ホームステージャー2級、競売不動産取扱主任者、ITパスポートなど。担当エリアは東京都内一円、埼玉県南部、南東部、神奈川県川崎市、横浜市。
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