REDSエージェント、宅建士の菅野です。住宅ローンは不動産投資に利用できないのですが、やっている人はかなり多くいたようで、「フラット35」を運営している住宅金融支援機構が不正利用者に対して一括返済に乗り出すことが報じられました。

 

記事を読むと、フラット35を利用した投資を持ちかけ、詐欺まがいに投資用物件を買わせる悪徳業者が多数、存在していたようです。

 

考える女性

(写真はイメージです)

 

悪徳業者のひどい手口

 

2020年2月4日の日経新聞の記事〈住宅機構、一括返済を要求 「フラット35」不正で〉を引用します。

 

“ 不動産業者から問題ないと言われ、フラット35を使って投資目的で東京・足立のマンションを約1800万円で買った埼玉県の20代男性は、契約時に計900万円強の架空のリフォームや家具購入の融資契約も結ばされた。信販大手2社への融資申込書には男性のものではない印鑑が押されていたという。

 

所有者から物件を借りて転貸するサブリース業者による家賃保証額も一方的に切り下げられているという。代理人を務める東京八丁堀法律事務所(東京・港)の白石紘一弁護士は「一貫して業者グループにだまされており非常に悪質。契約の無効を主張するほか、業者グループの不法行為責任も追及する」と話す。

 

本来は時限立法だった抜け道

 

次に、2020年2月5日のダイヤモンド不動産研究所の記事〈フラット35を投資目的で不正利用した人の末路は? 一括返済できないと競売後に借金が残るケースも〉をご覧ください。この記事には、不正がどのように広まったかを探るヒントがありました。

 

“ 2009年に施行された、「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」(返済猶予法)後に、返済が苦しくなったときには賃貸住宅に回して、賃料で返済することを認める措置が実施されたことがある。この法律は2013年に期限切れになっているが、現在も、返済が苦しい場合には、機構は個別に返済相談に応じている。

 

リーマンショック後の時限立法だったいわゆる「中小企業金融円滑化法」が、実はこのフラット不正が広がる始まりだったようです。この記事にもあるように、この法律は2013年に期限切れとなっているのですが「そのままやっちゃっていた」から「エスカレートしていった」、というのが今回の事件の本質かなと思っています。

 

おおっぴらには言わないものの、昔から住宅ローンを利用して買った物件を賃貸に回すということは普通に行われていました。よくある不正で、しかもかなりしっかり調べないとわからないし、転勤留守宅の賃貸(リロケーション)なんてことも「やむを得ない事情」ということで黙認されていたのです。

 

しかし、昨今ではあからさまに「フラット35を利用した資産運用」などと吹聴する輩が出てきて、挙句の果てには悪徳不動産業者がさも当然のように不正利用することを推奨し、これによって被害を受ける人たちがたくさん出てきたものだから、このたび厳格運用されるに至ったわけです。

 

真面目な人が迷惑。フラット35の今後を懸念

 

迷惑するのは、普通に正しくやってきた人たちです。新たにマイホームを買おうとする人、そしてそれを売る普通の不動産業者です。おそらく、今後はフラット35の申込手続きは煩雑化し、審査期間が長くなってしまうでしょう。まじめにやってきている人たちが迷惑を被るんです。悪徳業者が本当に、許せません。

 

悪徳業者にだまされてローンを不正に組まされ、一括返済を求められている人は弁護士に相談してありのままを伝え、業者に損害賠償請求すべきだと思います。

 

ただ、やってはいけないと知りつつ自分からフラット不正に手を出した人たちは、然るべき報いを受けるのは致し方ないのかな、と思います。

 

 

菅野 洋充(REDSエージェント、080-6789-2788、hiromitsu@red-sys.jp)
北海道出身。所有資格は宅地建物取引士、宅建マイスター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)、ホームステージャー2級、競売不動産取扱主任者、ITパスポートなど。担当エリアは東京都内一円、埼玉県南部、南東部、神奈川県川崎市、横浜市。
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