不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE

  • 最終更新日:2020年2月11日
  • 公開日:2019年12月29日

2020年「首都圏マンションの売却」完全ガイド(中編)

「首都圏マンションの売却」について、3編にわたって徹底的に解説しています。
この中編では、売却活動における重要なポイントを解説いたします。

 

前編よりつづく

 

相談

(写真はイメージです)

 

売却活動中にやるべきこと

 

不動産会社を選択して媒介契約を締結すると、次はいよいよ売却活動となります。

 

売却活動を行うのは不動産会社であり、売主は実際の売却活動に携わるわけではありません。しかし売主は、不動産会社から「買主が現れましたよ」という連絡をただ待っていれば良いのでしょうか? 私は売却活動中に売主として最も大事なことは、不動産会社の担当者と売却に関するコミュニケーションを密にすることだと思います。

 

どういうことを不安に思い、どういう内容であれば売却に合意するのか。売主の方からも、積極的に不動産会社に働きかけ意思を伝えることが重要です。不動産会社は売主の考え方をよく理解し、売主は不動産会社から売買状況や市況、ノウハウを得る、そうした双方向のコミュニケーションが大切になります。
遠慮はいりません。売主にとっては一世一代の財産の売却なのです。不動産のプロの意見を聞く機会も、人生においてそれほど多くはないでしょう。ぜひ不動産会社を活用してください。

 

 売却内容の設定・合意

 

マンションの売り出し価格や広告媒体、時期といった点は媒介契約時に大まかに決めますが、実際の売却活動ではより具体的に決めていかなければなりません。

 

(1)売り出し価格

 

まずは査定価格をベースに、売り出し価格を決めましょう。
査定価格は、不動産会社が算定した「売却できるであろう価格」です。しかしレインズなどの不動産サイトで最初に提示する売り出し価格は、通常、査定価格よりも少し高めにします。特に昨今の土地・マンション価格が上昇している局面では、機会損失をしないように高めの価格で広告を掲示し、その反響に応じて価格を修正していくことが多いです。
また、中古市場の売買では指値や値引きを当たり前と思っている買主も多いため、あらかじめ値引き幅を見込んで上乗せした価格設定をする場合もあります。

 

また、不動産サイトの物件検索では、購入希望価格帯の設定が「3,000万円以上3,500万円以下」といった範囲になっています。そのため、例えば査定価格3,300万円の物件は、3,550万円で売り出すよりも3,480万円で売り出した方が、実際の購買層の目に触れる機会が多くなるのです。
こうした、検索条件や端数を意識した値付けはネット時代には不可欠といえるでしょう。

 

(2)広告媒体

 

専任媒介契約や専属専任媒介契約の場合、不動産会社はレインズへの物件情報登録を義務付けられており、登録した情報を売主が確認できるよう登録証明書を発行・交付する義務があります。これにより売主はネット上で販売状況を確認できます。

 

その他の広告媒体としては、不動産検索サイト、不動産情報誌、新聞広告、新聞チラシ、ポスティングチラシ、捨て看板、オープンハウスなどがあります。もちろん経費のかかる物ですので、不動産会社がどういう広告媒体を使って宣伝するのかは確認しておきましょう。

 

(3)販売時期

 

売主に売却期限があるのか、あるいは価格重視で時期はこだわらないのかによって、広告の時期・頻度や、交渉の軽重が左右されます。

 

また一般的には、売り出し後3ヵ月も経つと、業者間ではその地域の物件として売れ残り感が強くなります。「売り出し後3ヵ月(長くても6ヵ月)以内」という販売期間を強く意識し、何とか販売できるように売却活動・内容を見直していきましょう。

 

内覧対応

 

マンションを居住用に購入する方は、購入前にまず一度は内覧されます。内覧しないで購入を決める方は、投資用か、遠隔地に住んでいるなど特殊な事情があると思って間違いありません。

内覧に来てみて「思った以上に良い印象だった」と購入を決める方は意外に多いものです。特にファミリータイプのマンションの場合、内覧で奥様の目にかなうことが非常に重要です。逆に、内覧の印象が悪いのに購入したという方はありません。内覧前には、最低限の整理整頓はもちろん次のような点を心がけてください。

 

(1)来客用スリッパ

 

ドアを開けて最初に見られるのは玄関です。きれいに掃除してあるのはもちろんですが、そこにある来客用スリッパがそろえてあるのも、おもてなしの大事な基本。特に冬の空室は冷えますから、防寒の意味でも足元に配慮したいものです。

 

(2)水回り3点セット

 

トイレ・キッチン・バスルームといった水回りは、最も重要なポイントでしょう。売却前にクリーニングをして見栄え良くしておくと、ずいぶん印象が違います。ただしリフォームまでするかどうかは判断次第です。購入される方の好き嫌いもありますし、好みのものに手直しすることも中古マンションの購入のだいご味ですので。

 

(3)匂い

 

自分が住んでいる時には意外と気付かないのは、家独特の匂いです。これも第一印象を左右します。玄関などに消臭剤を置いたり、アクセントとして切り花を飾ったりして匂いをケアしましょう。

 

 PDCAサイクル

 

PDCAサイクルとは、一般的には品質管理などの改善手法を表します。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する方法です。

 

PDCAサイクル

 

このPDCAサイクルを、マンションの売却活動にも取り入れてみましょう。
(1)Plan:売却案の作成
(2)Do:売却案の実行
(3)Check:進捗確認
(4)Action:計画の見直し  以降継続

 

前述しましたが、中古マンションは売り出して3ヵ月もすると売れ残り感が出てきます。
真剣に購入を検討しているお客様や媒介する不動産会社は、絶え間なくマーケット情報をチェックしています。もしあなたのマンションを買ってもいいと思う買主がいれば、売主が広告に出して2週間、遅くても1ヵ月以内にはそうした購入希望者の目に触れるはずで、問い合わせや内覧申し込みなど何らかのリアクションがあるはずだからです。

 

従って、最低でも1ヵ月以内に「Check(確認)」と「Action(見直し)」が必要となります。具体的には、次のような観点で不動産会社とともに売却活動をチェックしていきましょう。

 

・反響がない場合は、価格が高い、広告媒体が悪い、広告・宣材の分かりにくいなどの原因を考えます。
・内覧はあるのに申込がない場合は、内覧で悪印象を与えるものがないかチェックし、広告に比べて実際が見劣りする要素は何か、改善する余地はないかを考えます。
・周辺の同条件の物件相場をもう一度確認し、価格対応が必要かを考えます。

 

なお媒介契約を締結した不動産会社には、専任媒介は2週間に1度、専属専任媒介は1週間に1度、依頼者への進捗状況報告を行う義務があります(一般媒介契約でも定期的な進捗報告を求めることは可能です)。その際に、売却活動の反響について報告を受けるようにし、どのように成約に結び付けていくのか、意見交換すると良いでしょう。

 

「売却活動」のフェーズについてはここまでとし、最後の後編では、「契約締結」における重要なポイントを解説いたします。

 

後編につづく

 

 

プロフィール
早坂 龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング代表取締役。1964年生まれ。1987年北海道大学法学部卒業。石油元売会社勤務を経て、北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。

 

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