REDSエージェント、宅建士の菅野です。先日、東京五輪・パラリンピックのボート会場もある東京湾の人工島「中央防波堤埋立地」の帰属を巡って東京都大田区が江東区を相手取り、境界線の確認を求めた訴訟で、東京地裁が全体の20.7%が大田区、79.3%が江東区とする判決を言い渡しました。40年以上にわたり、住所が定まらなかった土地の帰属問題に初めて司法の判断が下されたということです。

 

トラブル

(写真はイメージです)

 

オリンピックの開催を機に、大田区が訴えることで始まった裁判ですが、40年以上も争われてきた問題に結論が出たということは喜ばしいことです。両者ともその結果を受け入れるかどうかは不明ではありますが、控訴した場合にはオリンピックに間に合わなくなるようですので、できたら両者とも矛を収めてほしいと思います。

 

このニュースを見て思い出したことがあります。かつて、こういう裁判で確定した境界を調査したことがあります。その目的は、私が担当した、土地の一部がいわゆる「2項道路」(※)に接道している物件で、セットバック(道路後退)が必要かどうかを買主様に重要事項として説明することでした。

 

(※2項道路とは、建築基準法の第42条第2項の規定により、「建築基準法上の道路」とみなされるもの。2項道路に面した土地では、道路の中心線から2m以内には建物の建築ができない制限(セットバック)がある)

 

まず、役所に調査しに行きました。すると「こちらの道路は裁判で確定しているので、裁判所で確認してください」とのお言葉。そこで、管轄裁判所の判決を管理する部署に連絡し、予約して判決文を確認しに行きました。

 

電話で利害関係人である旨を説明し、必要な書類を用意して、指定の時間に裁判所に行き判決文を確認するわけです。確認するといっても、コピーは認められず、メモもだめという謎ルールです。ただ、判決文は簡潔で、こちらの物件側はセットバック済みということが確認できたので、重要事項説明で買主様に説明いたしました。

 

なぜ、この話をしたかというと、こういった事例はそれほどたくさんあるわけではないのですが、注意が必要な物件だからです。もしかすると、道路の中心線で争うような「うるさい土地所有者」が近隣にいる可能性があります。どうか、お気をつけください。

 

(私の担当した物件は、依頼者の前の所有者が係争し、裁判に負けてセットバックしたという経緯で、周囲の方は関係ありませんでした)

 

埋立地の帰属も、道路のセットバックも、ちょっと乱暴ではありますが土地の所有に関する争いとしては似たようなものです。土地をできるだけ広く持っていたいという気持ちは個人であっても自治体であっても、一緒なんですよね。

 

 

菅野 洋充(REDSエージェント、080-6789-2788、hiromitsu@red-sys.jp)
北海道出身。所有資格は宅地建物取引士、宅建マイスター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)、ホームステージャー2級、競売不動産取扱主任者、ITパスポートなど。担当エリアは東京都内一円、埼玉県南部、南東部、神奈川県川崎市、横浜市。
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