REDSエージェントで宅建士の菅野洋充です。

 

少子化が進む日本で「子どもの命を守る」ということは、最も大事で最優先されなければならないと考えますが、先日鹿児島県出水市で、痛ましい事件がありました。

 

プライバシー

(写真はイメージです)

 

4歳女児が死亡し、同居する母親の交際相手が暴行の容疑で逮捕されたのです。同市は家庭訪問の際、「パートナーがいることは個人情報なので突っ込んで聞かなかった。今後の方針を決めるところだったが、当時の対応を検証したい」としています。

 

この発言での「個人情報」はおそらく「プライバシー」のことを指していると思われます。

 

また一方で、就職活動をめぐる「個人情報」に関する事件もありました。

 

リクルートキャリア(リクナビの運営会社)が「リクナビ2019」を利用している新卒就活生たちの「内定辞退率」を予測した情報を、利用者たちに同意を得ず求人側企業に販売していたという、個人情報の意図的な漏洩事件です。

 

中にはこの漏洩が原因と思われる書類選考落ちで、希望職の内定が得られなかった就活生もいるといいます。

 

これは本当にひどい話で、就活のために利用していたサイトのせいで、本人のあずかり知らぬところで「この人は内定辞退しやすい人だ」と判断されてしまったわけです。

 

当初リクナビ側は個人情報ではないなどと抗弁していましたが、この場合、書類選考で落とされた方と内定辞退率が紐付けされていて「個人と特定される状況」となっているので、「個人情報」を求人企業に提供したことになるのです。

 

この2つのニュースから考えたいのが「個人情報」と「プライバシー」の違いについてです。

 

「個人情報の保護に関する法律」、いわゆる「個人情報保護法」で定義される「個人情報」とは本人の氏名、生年月日、住所などの記述等により「特定の個人を識別できる情報」のこと。

 

一方、「プライバシー」とは個人や家庭内の私事・私生活。個人の秘密。また、それが他人から干渉・侵害を受けない権利(デジタル大辞泉より)という意味で、「個人情報」とは若干、意味が違います。

 

(「昔、浮気して離婚した〇〇さん」や「▲▲社をクビになった●●さん」のように私生活や個人の秘密でも、個人が特定できるのであれば個人情報にあたるので、「個人情報」と「プライバシー」は重なる部分もあります。)

 

どちらも個人の生活を守るためには重要で、取り扱いに慎重さを要するというところは一緒です。

 

ただ、「個人情報」は個人情報保護法でその取り扱い方を定めていますが、「プライバシー」は憲法第13条の「幸福追求権」に基づく権利であることが判例上で認められているものの、その取り扱いについては明文化されていない、ということを知っておくべきだと思うのです。

 

冒頭の事件の話に戻りますが、出水市は「個人情報」なので突っ込んで聞けなかったと言っていますが、実際の内容は「プライバシー」にあたるもの。

 

日本国憲法第13条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

この「公共の福祉(最も守るべき人権であるところの生存権、言い換えれば、命を守るということ)」に反する疑いがあったのなら、市は「プライバシー」についても突っ込んで聞くべきだったのではないでしょうか。

 

 

菅野 洋充(REDSエージェント、080-6789-2788、hiromitsu@red-sys.jp)
北海道出身。所有資格は宅地建物取引士、宅建マイスター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)、ホームステージャー2級、競売不動産取扱主任者、ITパスポートなど。担当エリアは東京都内一円、埼玉県南部、南東部、神奈川県川崎市、横浜市。
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