REDSエージェント、宅建士の菅野です。

 

今、巷で住宅金融支援機構が提供する長期固定型住宅ローン「フラット35」の不正利用が話題となっています。

 

契約違反

(写真はイメージです)

 

先月末、日本最大手の住宅ローン専門金融機関「ARUHI」から突然、フラット35を利用して不動産を賃貸することに対し、いつもの担当者に加えて支店長クラスが同行したうえでの注意喚起がありました。雰囲気もとてもものものしいものでした。

 

「住宅ローン」を利用した不動産の賃貸はもともと原則禁止されています(不動産投資をするために物件を購入する際は、別途「アパートローン」を利用することになります)。

 

ARUHIからはこのルールを徹底するようにというお達しで、「万が一ルールに反して投資用物件の購入(賃貸の用途)にフラット35を利用させた場合にはREDSとは取引停止もあり得る」と強い調子でお話されました。

 

かつて私が相談を受けたお客様のなかにも、そのようなルール違反を行っているために、新規の物件を購入しようとしても、どの金融機関にも受けてもらえなかった、というケースがしばしばありました。

 

住宅ローンで購入した物件を賃貸して利益を得る、すなわち住宅ローンを使って不動産投資をすると、住宅ローンを借りる本来の目的と違うため「契約違反」となります。住宅ローンで買った物件を賃貸していることが発覚した場合、金融機関はまず「契約の履行」を催告します。具体的には、本来の住宅ローンの利用の仕方に戻す、すなわち本人が物件に住むことを求めてくるのです。

 

本人が住むためには、入居者(賃借人)に出ていってもらわなければなりません。ただ「借地借家法」という法律がここで大きな壁となります。この法律では、貸主から賃貸借契約を解約するというのは、ほぼ無理という仕組みになっているのです。解約に応じてくれたとしても、おそらく大きな立ち退き費用が必要となります。

 

そして立ち退きがうまくいかず、賃貸借を解消できない(契約の履行ができない)場合に、金融機関は「一括返済」を求めることになります。そうなると、ほとんどの人が家を売ってお金をつくらざるをえなくなるでしょう。

 

昨年のスルガショックから、金融庁は銀行の不動産に対する融資への調査を進めています。また、レオパレス21の建築基準法違反の件など、不動産業界ではこれまで明るみに出なかった不正が次々と露見しています。住宅ローンの不正利用についても、金融機関はこれまでは見逃していたかもしれませんが、今後はかなり厳しく突っ込んでくるものと思われます。

 

もしそのようなルール違反をしているとしたら、今の段階で解消しておいたほうがいいでしょう。

 

重要なことなので2度お伝えします。
「住宅ローン」を利用した不動産の賃貸は原則禁止されていて、それが発覚した時には一括返済を迫られる場合があります。

 

ダメなんですよ。

 

 

菅野 洋充(REDSエージェント、080-6789-2788、hiromitsu@red-sys.jp)
北海道出身。所有資格は宅地建物取引士、宅建マイスター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)、ホームステージャー2級、競売不動産取扱主任者、ITパスポートなど。担当エリアは東京都内一円、埼玉県南部、南東部、神奈川県川崎市、横浜市。
プロフィールページはこちら
インタビュー記事はこちら