不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE

  • 最終更新日:2022年7月15日
  • 公開日:2022年7月11日

不動産の「未公開物件」とは? 本当に「掘リ出し物」なのか?【REDSエージェントの不動産コラム】

REDSエージェント、宅建士、宅建マイスターの井原です。最近YouTubeの不動産広告で、「未公開物件がたくさん!」のような広告をよく目にします。「未公開物件」という言葉は、可能な限り安く、いい物件を求めようとするお客様にはどこか魅惑的に聞こえるものかもしれません。

 

ただ、この「未公開物件」という言葉は、業界関係者からすると「お察し」といえる内容です。それでも、一般の方にはウケるワードであり、多くの不動産会社が気軽に宣伝文句として使ってしまうようです。

 

そもそも「未公開物件」とは何であるか、改めて説明しましょう。それは誰に対して未公開であるかによって意味合いが変わってきます。

 

不動産とパソコン

(写真はイメージです)

 

一般のお客様に未公開

 

まず、「一般のお客様」に対して未公開であるという意味で「未公開物件」という言葉が使われます。これは不動産業者にしかアクセスできない、物件データベースのREINS(レインズ)以外には公開されていない物件のことです。

 

売主様の中には「物件を売りたいけど、売りに出していることを知人に知られたくない」などの理由で、ネット広告に出すことを希望されない方がいます。このため、一般のお客様がネットでは探すことはできませんが、不動産業者なら物件を探せます。不動産会社の店舗でお探しの条件を担当者にお伝えいただければ、ご紹介される物件です。

 

「未公開物件がいっぱい!」というサイトのうち、ほとんどの物件がこれにあたります。掘り出し物があるわけでもなんでもなく、不動産会社に行けば紹介してもらえるものですから、ネット広告で不動産会社に個人情報とともに会員登録することには疑問を覚えます。

 

他の不動産会社に対して未公開

 

他社の不動産会社に対して公開していない売却物件もあります。これは、先のケースと逆で、レインズに登録しない物件のことです。自社もしくはグループ会社が売主物件であることがほとんどです。それ以外の場合は、宅建業法に違反しているケースと、違反していないケースに分かれます。

 

宅建業法に違反しているケース

 

宅建業法に違反しているケースとしては、専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約を結んでいながら、レインズに登録していない物件です。宅建業法では、専任媒介契約は7営業日、専属専任媒介契約は5営業日以内にレインズに登録し、不動産市場に情報を提供する義務があります。

 

この違反は中小零細業者で見られることがあります。一般の方に見分けはつかないと思いますが、悪質業者なのでかかわらないようにしましょう。

 

宅建業法に違反していないケース

 

一般媒介契約の場合、レインズに登録義務がありせん。このため、一般媒介契約を結んだ売却物件については、レインズに登録していないために、不動産会社で検索しても出てこない物件です。

 

これは不動産投資のための収益物件で非常に多いケースです。不動産投資家との関係性が強いためか、他社からの仲介はお断りされてしまいます。楽待や健美家に登録される一棟収益物件の多くが、これに当たります。なので、ご自身やご家族で居住するマンションをお探しの場合はあまり関係がないかもしれません。

 

たまに、売主様に媒介契約の種別を詳しく説明せず、一般媒介契約を結ばせて、完全に囲い込むグレーな業者もいますので、ご注意ください。

 

なんちゃって未公開物件

 

一方、ある意味で「なんちゃって」と言えるような「未公開物件」もあります。媒介契約日からREINS登録日までの5~7営業日は、レインズに登録していなくても宅建業法に違反していないわけですから、その期間だけは「未公開物件」と呼ぶことができます。

 

「未公開物件がいっぱい!」というサイトには、このような期間限定の物件が少数だけ掲載されているかもしれません。ただ、単に預かった売却物件をレインズに登録していないだけの話ですから、「掘り出し物がたくさん!」という意味ではありません。

 

本物の未公開物件

 

芸能人、著名人の自宅売却などでは本物の未公開物件となり、一般のお客様目にする機会はほとんどありません。売主が依頼した仲介会社の顧客だけに情報が流れます。「未公開物件がいっぱい!」というサイトであっても、こうした物件は載っていません。

 

以上です。これはあくまで個人の見解ですので、内容を保証するものではございません。以上のように「未公開物件!」という宣伝文句は、掘り出し物であると大きな期待をして飛びつくようなものではないかもしれません。

 

この記事を執筆した
エージェントプロフィール

4.9

56

井原 直樹(宅建士・リフォームスタイリスト)

2023年ご売却契約数No.1・ご売却はお任せください。

4.9

56

このエージェントに相談する

無料セミナー紹介 無料セミナー紹介

「『マンションは管理を買え』に学ぶ高値売却の秘訣」無料オンラインセミナー

宅建士・マンション管理士で、

マンション仲介のスペシャリストである

REDSエージェントの津司 徳義(つし のりよし)が、

物件のオーナー様が安心して売却依頼できるプロを

見抜くための秘訣をお伝えします。