毎週月曜日夜7時から日本テレビ系にて放送されている人気番組「有吉ゼミ」。
この番組で、女子サッカー元日本代表の丸山桂里奈さんが、芸能人が不動産購入を検討する「坂上不動産」という企画に参加し、ご家族のために別荘の購入を検討されています。

 

10月28日の放送は、丸山さんは熱海で気に入った別荘をキープするために既に100万円の手付金を支払っており、さらに良い別荘を探すために湯河原方面を見学する、という内容でした。

 

両親と愛犬と一緒に別荘ライフを楽しみたい。家族想いの大きな夢ですが、それには本当に別荘を購入しなければならないのでしょうか?
別荘購入には多額のお金が必要ですし、購入後のランニングコストもかかります。そして一番怖いのが、この別荘が余っている時代には、売りたくても売れないこと。所有した以上は管理を続けなければならず、ランニングコストを支払いながら手放したくても手放せない状態が続きます。

 

筆者は不動産のプロとして、丸山さんにはぜひ、手付金100万円が無駄になったとしても別荘購入は中止するべきだと強く伝えたい。
何も別荘を購入しなくても、同じように家族を満足させられる選択肢はいくつもあります。

 

丸山桂里奈さん、まずは一度立ち止まっていただき、この記事を読んでみてください。

 

別荘

(写真はイメージです)

 

別荘を1回利用するのに約120万円もかかる!

 

別荘購入が非常に高価な買い物であるということを知っていただくため、別荘1回分の利用料を算出してみましょう。

 

まずは別荘の利用回数です。
丸山桂里奈さんは、ご家族で楽しむために今回の別荘購入を検討しています。番組内でお母様は65歳と紹介されていましたので、80歳まで別荘ライフを楽しんだとしても15年間です。また、愛犬が遊べるスペースを希望条件に入れていましたが、犬の寿命を考えれば、こちらも同じく15年ぐらいが目安になるでしょう。夏と冬、年2回利用したとしても、別荘を訪れる回数は計30回程度と考えられます。

 

次に購入時の初期費用です。
今回、丸山さんが購入を考えている熱海の別荘の物件価格は3,000万円超でした。
一般の居住用不動産も同様ですが、不動産購入には、物件価格以外に諸費用がかかります。特に別荘の場合は居住用ではないため、税制による軽減がなく登記費用などが高くなります。

 

この別荘の評価額などは公開されていませんでしたので概算ではありますが、諸費用は以下の通りです。

 

別荘諸費用

※金融機関から購入資金を借りる場合は、上記に加え、事務手数料や保証料などが発生します。

 

実際には、物件見学や契約締結時の交通費など細かな諸経費もかかりますし、荷物を運び入れる時の費用もかかります。これらを加味して大まかに10%、300万円が物件費用とは別に必要になると考えてみましょう。物件価格3,000万円に諸費用300万円、計3,300万円が初期費用です。

 

最後にランニングコストです。
別荘は購入して終わりではなく、購入後の管理も必要になってきます。固定資産税はもちろん、電気・ガス・水道の基本料金もかかりますし、別荘地の中ならば、別荘地全体の管理費がかかることもあります。
また、雑草を抜いたりする管理業務を業者に委託するとすれば、それにも費用が必要です。
物件の立地条件などにもよりますが、年間20万円前後のランニングコストはかかると考えた方が良いでしょう。
年20万円を15年間、計300万円をランニングコストとします。

 

初期費用3,300万円とランニングコスト300万円の合計3,600万円を利用回数30回で割ると、別荘1回当たりの費用は実に120万円にもなります。

 

これならば、別荘暮らしに毎回120万円も支払うよりも、もっと良い選択肢が他にあるのではないでしょうか?

 

別荘も保有からシェアの時代へ

 

数十年前の日本では、マイホームやマイカーを自己で保有するのがステータスとされてきました。別荘も同じです。避暑地に別荘を保有しているというのは、それだけで一流の証と扱われてきました。

 

しかし、昨今では価値観が変わり始めており、毎日使うものでなければシェアをして必要な時にのみ使用するという考えが普及し始めています。Airbnbなどの民泊やカーシェアリングが、すでに多くの人たちに普通に利用されているのはご存じでしょう。

 

そこで先ほどの丸山桂里奈さんの別荘ですが、民泊を利用するという選択をご提案します。
例えばAirbnbにある、こんな物件はいかがでしょうか。
※宿泊料や物件の仕様は2019年11月7日現在のものです。

 

1.露天風呂付箱根ハウス

 

箱根山中の別荘地内にあり、露天岩風呂・内風呂が自慢のゲストハウスです。ペットも宿泊でき、約300坪の敷地には庭もあるので愛犬も楽しく遊べるでしょう。ここまでそろっていて1泊25,000円です。
1回4泊でも10万円、これを年2回利用しても20万円です。別荘購入時の費用と比較すると年100万円も削減できます。

 

2.草津湯畑から徒歩8分の温泉宿

 

名湯として有名な草津温泉の湯畑から徒歩8分の温泉宿を貸切で利用できます。愛犬が遊べる庭もあり、お母様はご希望の温泉にゆっくりと浸かれるでしょう。湯畑にも近いので、ふらりと散歩しながら観光も楽しめます。こちらは1泊34,000円ですので、4泊しても136,000円です。

 

民泊ではガーデニングを楽しむことはできませんが、それ以外の温泉、愛犬の遊び場といった条件は問題ありません。
またガーデニングは日々の手入れが大切ですので、別荘という遠方の土地で行うのは不向きです。それよりも自宅の近くで農園や土地を借りたりすれば、近所で気軽にガーデニングを楽しめます。別荘を購入せずに浮いた費用で土地を借りることは十分可能でしょう。

 

まとめ

 

丸山桂里奈さんが別荘に求めている条件は「温泉」「ガーデニングができる庭」「愛犬の遊び場」でした。これらの条件は、本当に別荘を購入しなければかなわないものなのでしょうか?
これから人口が減っていく日本では、別荘を購入したいと考える人も当然減っていきます。不要になった別荘を売るに売れない状況になったとしても、その管理責任から逃れることはできません。
将来の大きな負担になってしまう恐れのある別荘。丸山桂里奈さんには、今一度立ち止まっていただき、シェアや賃貸など他の選択肢をじっくりと考えた上で決断してほしいと切に願います。

 

 

伊東博史(宅地建物取引士)
大手不動産仲介会社で売買仲介に約10年間の勤務。のべ30年間以上にわたり、大手と中小、賃貸と売買と、多角的に不動産業務に携わる。現職では売買と賃貸仲介と管理、不動産投資や相続のアドバイスを行う。