先日アップされたREDSのエージェントブログ「固都税 清算金 に対しての消費税について」に多くのアクセスが寄せられました。「固定資産税・都市計画税を日割り計算した『清算金』には消費税がかかるのです。ビックリしましたか?」という内容なのですが、不動産を購入すれば多額の出費となるだけに「余計な税金は一円も取られたくない」という当たり前の思いを代弁した問題提起だったのが受けたのでしょう。

 

不動産を購入あるいは、売却する際には売買代金以外にもさまざま諸費用がかかってきます。不動産仲介会社に支払う仲介手数料、契約書に添付する印紙代、住宅ローンを借りて購入する場合は、住宅ローン手数料、司法書士に支払う登記手数料及び登録免許税などですが、「固定資産税・都市計画税の清算金」もそこに含まれます。

 

この清算金とはいったいなんのことであり、税金みたいに見えるものになぜ消費税がかかるのか、詳しく解説します。

 

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(写真はイメージです)

 

不動産にかかる税金 「固定資産税・都市計画税」とは?

 

まず、固定資産税や都市計画税について説明します。単純に、不動産を所有していることにかかる税金のことで、固定資産税は、土地・家屋・償却資産(これらを総称して「固定資産」といいます。)の所有者がその資産がある市町村に納める税金です。一方、都市計画税とは都市計画事業(道路、公園、下水道、ごみ焼却場などの整備)や土地区画整理事業にあてるため、市街化区域内の土地・家屋を対象として、その所有者に固定資産税と併せて納める税金です。

 

どちらも毎年1月1日時点での所有者に対して納付義務が発生します。税額は固定資産税が課税標準(固定資産税評価額)の1.4%、都市計画税は課税標準の最高0.3%です。

 

固定資産税・都市計画税の清算とは?

 

では、その固定資産税と都市計画税についてなぜ「清算」という行為が必要になるのでしょうか。まず、日本語の問題ですが、ビジネスにおいて「せいさん」というと「清算」のほかに「精算」という漢字があります。簡単に言うと、「精算」とは細かい計算という意味で、「清算」とは「借金の清算」のように「きちんと片づける」というような意味で用いられます。

 

次に、固定資産税と都市計画税の「清算」がなぜ必要なのかを説明します。上述のとおり、固定資産税及び都市計画税についてはその年の1月1日の所有者に納付義務があるのですが、簡単に言えば、1月1日の日以外に不動産の売買が発生した場合に、売主と買主でその2税の金額の案分をするためです。

 

たとえば、5月31日に不動産の引き渡しが発生したとします。不動産の所有権は5月30日までは売主になります。そして5月31日に買主が売主に売買代金全額を支払えば、5月31日から買主の所有となります。売主側からしましたら、1月1日時点で所有しているからと言って、不動産が他人の手に渡った後も負担するのはおかしな話ですよね。そこで、納付義務自体は不動産取引後も売主が継続して負うものの、固定資産税と都市計画税の負担については売買日前日までを売主の負担とし、それ以降については買主が負担するという方法をとることで売主買主両者の公平を図ること、これが「清算」なのです。

 

では清算の方法を解説します。固定資産税・都市計画税の年額が15万円で5月31日の引渡しとします。売主は1月1日から5月30日までの150日間を所有していたものと考えて、それを365日の日割り計算で売主負担金額をだして、残額を買主が負担するということになりました。

 

 ・売主の負担 15万円×150日/365日=6万1,643円
 ・買主の負担 15万円-61,643円=8万8,357円

 

この8万8,357円を残代金決済日に買主が売主に支払い、残りの固定資産税も売主が納付することになります。これが固定資産税及び都市計画税の清算です。

 

不動産売買と消費税

 

この清算金に消費税が課税されるのはなぜか、というのが本稿の趣旨ですが、その前に消費税とは何であるかについても簡単に解説しておきます。

 

消費税とは物やサービスをお金を出して買ったことに対して課税される、国税及び地方税です。要するに、消費という行為に対する税金が消費税なのです。

 

しかし、消費税の性格上、課税の対象としてなじみにくいものや社会政策的配慮から課税されない取引もあります。不動産に関する取引では、土地の売買は非課税です。土地は使用しても減らないからです。一方、建物は使用すれば劣化するので建物の売買代金やリフォーム代金については消費税がかかります。

 

また、居住用の地代や家賃については、国民の生活に直接関係しているものですので、社会政策的配慮から消費税はかかりません。ただし、事業用として、貸し付けた土地や事務所、店舗などには課税されます。このほか、商売人ではない人(ただの知り合いの人など)からマイホームをお金を出して譲ってもらったときなどは、消費税はかかりません。ただし、不動産会社や個人投資家などの事業者から購入すると課されます。

 

固定資産税・都市計画税の清算金に消費税が課される理由

 

それでは、本題の固定資産税及び都市計画税の清算金と消費税の関係について述べます。

 

「税金に消費税がかかるのか?」と不思議に思う方もいらっしゃるかと思います。しかし、身もふたもなく言ってしまえば、「国が課税するべきだと言っているから課税される」のです。

 

国の見解は以下のとおり、消費税法基本通達に記されています。

 

不動産売買の際に、売買当事者の合意に基づき固定資産税・都市計画税の未経過分を買主が分担する場合の当該分担金は、地方公共団体に対して納付すべき固定資産税そのものではなく、私人間で行う利益調整のための金銭の授受であり、不動産の譲渡対価の一部を構成するもの(対価として収受し、又は収受すべき一切の金銭)として課税の対象となります(消費税法基本通達10-1-6)。

 

どういうことかといいますと、固定資産税及び都市計画税の清算金は、「売主、買主当事者間の利益調整のためにするものであって、税金そのものではなく、売買代金を構成するものである」というのです。国によると、清算金とは税金ではなく、売買代金の一部。なので、消費税がかかるといっているわけです。

 

もっとも、清算金に消費税がかかるといっても、課税されるのは固定資産税・都市計画税の建物部分のさらに日割り計算ですから、かかってくる消費税もそれほど高額なわけではありません。ただ税率が10%になれば、前述の例だと1万円近くも払うことになり、あまりバカにできない金額ではあります。それにしても、まあとにかく、国はいろいろと考えて(なんくせつけて)課税をしてくるものですね。

 

エージェントブログでも「何か納得行きませんが、お上がそう言うなら、仕方ありません」とありましたが、結論が同じになってしまいました。

 

不動産売買にかかわる金銭にはさまざまなものがあります。何も知らずに不動産仲介会社の言われるままにお金を支払うのでは不満や不服も出るでしょう。一つ一つの項目についてその意味合いを知ることで、不動産取引はより身近なものになると筆者は考えています。

 

 

坂井田敬介 (宅地建物取引士、行政書士)
司法書士事務所に勤務後、行政書士として独立開業。数多くの不動産取引を担当。その後、外資系生命保険会社に勤務。不動産を含むトータルの資産形成のコンサルティングを行う。

 

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