2018年5月29日(火)にテレビ東京系のドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」が放映されました。テーマは「マネーの魔力2 ~追跡!不動産投資の深い闇~」で、不動産投資に係わる銀行と不動産会社の不正に疑義を投じる、という内容でした。その内容に基づき、(上)に引き続き、サブリース業者が引き起こした「かぼちゃの馬車」「レオパレス」の2大問題に斬り込みます。

 

アパート

(写真はイメージです)

 

スルガ銀行の不正融資も発覚

 

2018年5月15日、スルガ銀行は3月期の決算発表にあわせて「シェアハウス関連融資問題」に関する調査結果を公表しました。

 

その内容はこちらです。

参照:「スルガ銀行株式会社|シェアハウス 「シェアハウス関連融資問題」に関する経過のご報告と今後の対応について

 

この内容は、株式会社スマートデイズの経営破たんに関連して、シェアハウスのオーナーへの融資の大半を実施したといわれるスルガ銀行の融資審査に問題があったのではないかという指摘を受けて調査した結果です。金融庁も3月16日にスルガ銀行に対して銀行法に基づく報告徴求命令を出していました。今回の「ガイアの夜明け」でも前半は、本件に焦点を当てています。

 

銀行側は、融資審査に際し

 

・融資先(オーナー)の自己資金残高を証明する通帳等の偽造・改ざんが行われていたこと
・売買代金が水増しされた「銀行提出用」の売買契約書が作成されていたこと(二重契約)

 

・これらの事実を相当数の社員が認識していた可能性があることを発表しました。また、営業部門の幹部が審査部に「圧力」をかけるような状況も生じていたとのことです。

 

番組でも、「営業部門幹部が審査部を恫喝した」とする生々しい証言や、販売代理店による通帳偽造のテクニックなど、ショッキングな映像が紹介されていました。スルガ銀行はそうしたコンプライアンス意識の低下が不正の温床となったことは認めつつも、組織的な改ざんや二重契約などの不正は認めていません。しかし、番組では、銀行員が販売代理店に自己資金残高の改ざんを指示するラインの文面を入手し放映しました。

 

「かぼちゃの馬車」問題で被害を受けた700人のオーナーにとっては、銀行が融資を承認したということは事業計画を承認したためある程度の安心感があったからでしょう。それが不正融資であったというからには責任の一端が銀行にもあると思いたくもなるはずです。今後は、銀行の不正融資関与も焦点になっていくに違いありません。

 

隠蔽がバレたレオパレスの建築基準法違反

 

『株式会社レオパレス』は2018年4月27日に、同社が平成6~7(1994~1995)年に販売した「ゴールドネイル」および「ニューゴールドネイル」シリーズという915棟の集合住宅につき、確認調査を行い、補修工事を実施する、と発表しました。

 

さらに5月29日には、1996~2009年に建築された物件についても同様の不備があることを確認し、同社施工物件総数37853棟につき全棟調査を実施、順次補修工事を実施すると発表しました。

 

同社のプレスリリースはこちら

 

参照:株式会社レオパレス|当社施工物件における界壁工事の不備について 

 

参照:株式会社レオパレス|当社一部物件における確認通知図書との相違部分に対する補修工事の実施について

 

これは「ガイアの夜明け」の取材により屋根裏の「界壁」に不備があり、建築基準法違反の疑いがあることが判明した2件のオーナーからの指摘を受けたことをきっかけに、社内確認をした結果、不備が判明したとのことです。

 

しかし、番組では、「同社内では公然の秘密であり、20年間隠蔽されてきたのではないか」と、疑問を呈しています。2011年の訴訟で既に界壁が図面通り施工されていないという指摘について翌年には和解が成立していることから、少なくともそのときから会社側は認識しているはずであり、番組で取り上げられたため対応せざるをえなくなったのではないかと追及しています。

 

いずれにせよ、5月29日付484棟の調査の段階で、既に185棟の界壁無し、21棟の不備が確認されています。同社は不備の原因を施工マニュアルと図面の不整合と社内検査体制としていますが、こうした不備の大量発生の原因とするには疑問符がつきます。前述したように、株式会社レオパレス21はサブリースに特化した会社です。オーナーへの家賃保証は時に収益を圧迫するため、販売利益をあげることが必須です。コストダウンを念頭にした組織的な「手抜き工事」と考えるのが自然でしょう。

 

不動産投資への融資に影響不可避

 

マイナス金利の環境下で個人向け賃貸住宅事業への貸し出し残高は近年、右肩上がりが続いています。金融庁の過大な不動産投資への警戒感が2017年半ば過ぎから意識されるようになってきており、皮膚感覚として、金融機関の不動産投資に対する融資が厳し目になってきたかなという印象です。そのタイミングでこの「かぼちゃの馬車」「レオパレス21」の問題がはじけたわけですから、以下のような影響が顕在化することが予想されます。

 

(1)フルローンを売り物にした不動産投資商品が激減
金融機関の内規が厳しくなることが予測できます。スルガ銀行をはじめとする不動産会社向け提携フルローンは激減するため、そうした謳い文句の不動産投資も減少するでしょう。

 

(2)エビデンスの厳格化
借入希望者の属性資料(保有金融資産証書、源泉徴収票、確定申告書など)の原本確認が必須となるでしょう。

 

(3)顧客選別・物件選別の推進
顧客の属性のみで融資をすることが厳しくなり、頭金も必要となるでしょう。顧客の選別、物件自体の選別が促進されることになります。

 

こうして考えると、初心者には不動産投資のハードルは少し高くなってしまいそうですね。頭金を貯めて、対象の不動産に投資価値があるかどうか判断して、それなりの実績を積んでいかなければ、融資を受けられなくなるかもしれません。

 

しかし、よく考えてみましょう。今までの、頭金もない普通のサラリーマンが、物件の価値や地域の賃貸需要も知らないで1億円以上も30年ローンを組んで投資をすることにハードルが低いことががほんとうによいことなのでしょうか?

番組は、江口洋介氏がこんなふうに語りかけて、幕を閉じます。
「投資は自己責任。身の丈に合わない投資に手を出すことが正しいことでしょうか」

 

(完)

 

早坂龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング代表取締役。1964年生まれ。1987年北海道大学法学部卒業。石油元売会社勤務を経て、北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。

 

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