タレント・森泉さんの空き家DIYリフォーム企画が人気のテレビ番組「幸せ!ボンビーガール」。今回(12月12日放送)は2時間スペシャル、しかもガチの大工さん参戦!とのことで、不動産業者として数多くのリフォーム現場に立ち会ってきた私としては、見逃せるはずもありません。

 

解体の進んだ古家はどう進化していくのか?安全性、耐震性や利便性はどう担保されるのか?見た目をきれいに仕上げるだけでは、築52年の空き家は居住の用に堪えません。早速、番組内容を解説していきましょう。

 

リフォーム

(写真はイメージです。)

 

断熱・気密・防水性を高める実用的なリフォーム

 

ゲスト2組の紹介に続いて始まった本編のリフォーム企画は、こちらもゲストの紹介からでした。森泉さんのご姉妹である星さんと雪さん、そして画面に映し出されたのは、TOKIOの山口達也さん!なんと「ガチ大工」とは山口さんのことだったのです。確かに、他番組では長年の大工経験があり、その腕はプロ並みなのかもしれません。

 

番組は浴室の工事からスタートします。壁に塗るモルタルの下地となる「ラスカットパネル」や、ロックウールなどの防音・断熱材が紹介され、次々に施工されていきます。

 

ロックウールのような遮熱材は非常に効果が高く、気密・断熱性に劣る古家の再生にはうってつけです。それだけに材料費は高くなりますが、「冷暖房の費用軽減など、長い目で見ればお得」との説明もあり、効力は非常に高いとの印象を持たせてくれました。このあたりはとても好感を持てましたね。

 

実は、壁や床、天井などの内部のリフォームは、工事中の様子を見に来る顧客も少なく、また見に来ても何をしているのかわかりにくいため、工事がおろそかにされていることが少なくありません。しかしリフォーム後の家を長持ちさせるには、こうした基礎的な部分をしっかり仕上げるのが重要なのです。

 

多くの方は壁紙や床材といった、目に触れやすい箇所の見栄えや性能をつい重視してしまいがちですが、本当にお金をかけるべきは、今回紹介されたような、見えない部分での断熱・気密・防水性を高める施工なのだと、改めて実感させてくれる放送でした。

 

リフォーム工事を発注する時は、下地や壁内の部材に何を使い、それはどのような性能や効果があるのか、施工業者にしっかり説明を求めるようにしたいですね。建材は日々進化していて、数年で全く違った製品が主流になったりします。プロの説明をよく聞いて、費用対効果を確かめてから発注するのがベストだといえます。

 

TOKIO・山口さんの豊富な知識に驚き!

 

番組は続いて、MCでもある山口さんが現場を訪れ、森泉さんたちが行ったリフォーム箇所を紹介します。瓦などの外装から始まり、キッチンやトイレ、リビングなど次々と紹介されていきます。

 

その中で目についたのが、リビングの天井に設置された「火打ち」。梁(はり)や柱を斜めに支える木材を追加して耐震性を向上させる技術です。また、壁一面に打ち付けられたボードの施工にもスポットが当てられていました。釘(くぎ)と木ネジの打ち幅に変化を入れることによって、これも耐震性を上げる耐力壁となっていると説明がありました。

 

これらは全て一級建築士による設計であり、建築基準法に沿った、建物の耐震性・安全性に配慮した工事となっているとのことでした。

 

それにしても、山口さんの建築知識には驚かされるばかりですね。床下の基礎部分の解説では強度の説明がきちんとなされ、曲がった木材の施工の難しさ、そして木材の伸縮を見越して組まなければならないことを「木は呼吸するから」と説明するなど、相当踏み込んだ知識と経験があることを伺わせます。

 

非常に残念なことですが、先ほども述べたように、見えない部分のリフォーム工事は「手抜き」が多いのが実情です。見えないからと建材の質を落とし、その分を利益とする業者はしばしば見られます。山口さんのように専門知識があれば、詐欺のような悪質リフォーム店の被害に遭わずに済むでしょう。

 

顧客側にある程度の建築知識があれば、図面の段階で業者に施工内容の確認もできますし、実際に工事に入ってからも、どういった工事が行われているかのチェックが可能です。見えない部分に対して説明を求めることもでき、図面と違った仕上がりとなる事態も避けられるでしょう。

 

この番組の企画は、「個人によるDIYリフォームの面白さ」を趣旨としているようですが、リフォーム店に工事を頼む人にとっても、大変参考になる内容となっているなと感心させられました。

 

ガチの大工さんが腕前を披露!だが一般のDIYではとても無理?

 

その後番組は別のコーナーを挟んで、いよいよガチの大工さん=山口さんの大工技術披露の場面へと移ります。山口さんが作ったのは引き戸一式。枠組みからレール部分、ドア本体まで全て手作りです。ノコギリやカンナの扱いもスムーズ、不慣れな電動工具にもすぐに順応し、あっという間にドアが完成していました。

 

一方で、森さんと助っ人で登場した妹の雪さんは、浴室の仕上げ工事を施工していきます。白とブルーのタイルがとても美しく、清潔感にあふれる浴室となりました。

 

しかし一般の個人が、ここまでの技能を身に付けるのは相当な期間を要します。ドアも浴室も新築のような仕上がりとなりましたが、設計から工事、そして専用工具の用意なども考えると、DIYとはいえその費用は相当な額に達してしまうのではないでしょうか。

 

建築知識は書籍やインターネットで吸収できますが、技能や工具・機材はそうはいきません。山口さんのように番組企画などで修練を積む機会があるなら別ですが、一般の個人が、番組のように安全性や建物性能の向上にまで踏み込んだリフォームを行うのは難しいだろう、というのが率直な思いです。

 

今回の工事は、左官職人によるモルタル施工やタイル張り、床下にガラ(建築廃材)を敷いてからのコンクリート打ち、防水工事など、非常に専門技術と時間を要するものばかりでした。

 

もちろん個人でも時間をかければ、それなりにはできるでしょう。しかし番組でも結局は職人さんに頼っており、しかも施工時間は長時間、コンクリートやモルタルの乾燥まで含めると一日仕事では終わらないものばかりでした。専門的な工具も多数必要。また施工前の設計には、建築士や設計士のアドバイスも必須です。

 

これだけの工事を、他に仕事を持った一般人が行うのは無理と考えるのが現実的です。ましてや安全性や断熱性までを考えた「家の性能面もしっかり考えたリフォーム」をDIYで個人が行えるのは、時間とお金に余裕がある人たちの趣味の世界、といえるかもしれません。

 

一般の個人が安全に、安く古家をリフォームするためには

 

そんなわけで「再建築不可の空き家を買ってDIYで安く住む」というのは、ボンビー人間には非常にハードルが高いと言わざるを得ません。ではどうすれば、一般の個人が安全に、安く、古家をリフォームできるのでしょうか?

 

その答えは「分業」です。安全性や性能向上に関する工事は専門家に任せ、壁紙や床張り、ペンキ塗りといった仕上げの部分を自分でDIYすればいいのです。もちろん建築知識があれば専門家に任せる部分を必要最低限にできます。まずは何といっても知識の取得、そして工事発注の仕方を考える、といった具合に進めるのがベストです。

 

自分でできる工事と、出来ない工事を分けて考える。その重要性に気付かせてくれた今回の特番は、非常に有意義な企画でした。今後工事が進んで仕上げの段階に入れば、個人でもできる、参考となる内容が増えていくでしょう。今から待ち遠しくて仕方ありません。そう心躍らせてくれた、「幸せ!ボンビーガール」2時間スペシャル特番でした。

 

伊東博史(宅地建物取引士)
大手不動産仲介会社で売買仲介に約10年間の勤務。のべ30年間以上にわたり、大手と中小、賃貸と売買と、多角的に不動産業務に携わる。現職では売買と賃貸仲介と管理、不動産投資や相続のアドバイスを行う。

 

 

この記事に関連する「「幸せ!ボンビーガール」が教える、古家リフォーム現場のスゴい実態」もぜひご覧ください。

 

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