不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE

  • 最終更新日:2018年3月3日
  • 公開日:2017年12月13日

「幸せ!ボンビーガール」に学ぶ古家を安くリフォームするコツ

タレント・森泉さんの空き家DIYリフォーム企画が人気のテレビ番組「幸せ!ボンビーガール」。今回(12月12日放送)は2時間スペシャル、しかもガチの大工さん参戦!とのことで、不動産業者として数多くのリフォーム現場に立ち会ってきた私としては、見逃せるはずもありません。

 

解体の進んだ古家はどう進化していくのか?安全性、耐震性や利便性はどう担保されるのか?見た目をきれいに仕上げるだけでは、築52年の空き家は居住の用に堪えません。早速、番組内容を解説していきましょう。

 

リフォーム

(写真はイメージです。)

 

断熱・気密・防水性を高める実用的なリフォーム

 

ゲスト2組の紹介に続いて始まった本編のリフォーム企画は、こちらもゲストの紹介からでした。森泉さんのご姉妹である星さんと雪さん、そして画面に映し出されたのは、TOKIOの山口達也さん!なんと「ガチ大工」とは山口さんのことだったのです。確かに、他番組では長年の大工経験があり、その腕はプロ並みなのかもしれません。

 

番組は浴室の工事からスタートします。壁に塗るモルタルの下地となる「ラスカットパネル」や、ロックウールなどの防音・断熱材が紹介され、次々に施工されていきます。

 

ロックウールのような遮熱材は非常に効果が高く、気密・断熱性に劣る古家の再生にはうってつけです。それだけに材料費は高くなりますが、「冷暖房の費用軽減など、長い目で見ればお得」との説明もあり、効力は非常に高いとの印象を持たせてくれました。このあたりはとても好感を持てましたね。

 

実は、壁や床、天井などの内部のリフォームは、工事中の様子を見に来る顧客も少なく、また見に来ても何をしているのかわかりにくいため、工事がおろそかにされていることが少なくありません。しかしリフォーム後の家を長持ちさせるには、こうした基礎的な部分をしっかり仕上げるのが重要なのです。

 

多くの方は壁紙や床材といった、目に触れやすい箇所の見栄えや性能をつい重視してしまいがちですが、本当にお金をかけるべきは、今回紹介されたような、見えない部分での断熱・気密・防水性を高める施工なのだと、改めて実感させてくれる放送でした。

 

リフォーム工事を発注する時は、下地や壁内の部材に何を使い、それはどのような性能や効果があるのか、施工業者にしっかり説明を求めるようにしたいですね。建材は日々進化していて、数年で全く違った製品が主流になったりします。プロの説明をよく聞いて、費用対効果を確かめてから発注するのがベストだといえます。

 

TOKIO・山口さんの豊富な知識に驚き!

 

番組は続いて、MCでもある山口さんが現場を訪れ、森泉さんたちが行ったリフォーム箇所を紹介します。瓦などの外装から始まり、キッチンやトイレ、リビングなど次々と紹介されていきます。

 

その中で目についたのが、リビングの天井に設置された「火打ち」。梁(はり)や柱を斜めに支える木材を追加して耐震性を向上させる技術です。また、壁一面に打ち付けられたボードの施工にもスポットが当てられていました。釘(くぎ)と木ネジの打ち幅に変化を入れることによって、これも耐震性を上げる耐力壁となっていると説明がありました。

 

これらは全て一級建築士による設計であり、建築基準法に沿った、建物の耐震性・安全性に配慮した工事となっているとのことでした。

 

それにしても、山口さんの建築知識には驚かされるばかりですね。床下の基礎部分の解説では強度の説明がきちんとなされ、曲がった木材の施工の難しさ、そして木材の伸縮を見越して組まなければならないことを「木は呼吸するから」と説明するなど、相当踏み込んだ知識と経験があることを伺わせます。

 

非常に残念なことですが、先ほども述べたように、見えない部分のリフォーム工事は「手抜き」が多いのが実情です。見えないからと建材の質を落とし、その分を利益とする業者はしばしば見られます。山口さんのように専門知識があれば、詐欺のような悪質リフォーム店の被害に遭わずに済むでしょう。

 

顧客側にある程度の建築知識があれば、図面の段階で業者に施工内容の確認もできますし、実際に工事に入ってからも、どういった工事が行われているかのチェックが可能です。見えない部分に対して説明を求めることもでき、図面と違った仕上がりとなる事態も避けられるでしょう。

 

この番組の企画は、「個人によるDIYリフォームの面白さ」を趣旨としているようですが、リフォーム店に工事を頼む人にとっても、大変参考になる内容となっているなと感心させられました。

 

ガチの大工さんが腕前を披露!だが一般のDIYではとても無理?

 

その後番組は別のコーナーを挟んで、いよいよガチの大工さん=山口さんの大工技術披露の場面へと移ります。山口さんが作ったのは引き戸一式。枠組みからレール部分、ドア本体まで全て手作りです。ノコギリやカンナの扱いもスムーズ、不慣れな電動工具にもすぐに順応し、あっという間にドアが完成していました。

 

一方で、森さんと助っ人で登場した妹の雪さんは、浴室の仕上げ工事を施工していきます。白とブルーのタイルがとても美しく、清潔感にあふれる浴室となりました。

 

しかし一般の個人が、ここまでの技能を身に付けるのは相当な期間を要します。ドアも浴室も新築のような仕上がりとなりましたが、設計から工事、そして専用工具の用意なども考えると、DIYとはいえその費用は相当な額に達してしまうのではないでしょうか。

 

建築知識は書籍やインターネットで吸収できますが、技能や工具・機材はそうはいきません。山口さんのように番組企画などで修練を積む機会があるなら別ですが、一般の個人が、番組のように安全性や建物性能の向上にまで踏み込んだリフォームを行うのは難しいだろう、というのが率直な思いです。

 

今回の工事は、左官職人によるモルタル施工やタイル張り、床下にガラ(建築廃材)を敷いてからのコンクリート打ち、防水工事など、非常に専門技術と時間を要するものばかりでした。

 

もちろん個人でも時間をかければ、それなりにはできるでしょう。しかし番組でも結局は職人さんに頼っており、しかも施工時間は長時間、コンクリートやモルタルの乾燥まで含めると一日仕事では終わらないものばかりでした。専門的な工具も多数必要。また施工前の設計には、建築士や設計士のアドバイスも必須です。

 

これだけの工事を、他に仕事を持った一般人が行うのは無理と考えるのが現実的です。ましてや安全性や断熱性までを考えた「家の性能面もしっかり考えたリフォーム」をDIYで個人が行えるのは、時間とお金に余裕がある人たちの趣味の世界、といえるかもしれません。

 

一般の個人が安全に、安く古家をリフォームするためには

 

そんなわけで「再建築不可の空き家を買ってDIYで安く住む」というのは、ボンビー人間には非常にハードルが高いと言わざるを得ません。ではどうすれば、一般の個人が安全に、安く、古家をリフォームできるのでしょうか?

 

その答えは「分業」です。安全性や性能向上に関する工事は専門家に任せ、壁紙や床張り、ペンキ塗りといった仕上げの部分を自分でDIYすればいいのです。もちろん建築知識があれば専門家に任せる部分を必要最低限にできます。まずは何といっても知識の取得、そして工事発注の仕方を考える、といった具合に進めるのがベストです。

 

自分でできる工事と、出来ない工事を分けて考える。その重要性に気付かせてくれた今回の特番は、非常に有意義な企画でした。今後工事が進んで仕上げの段階に入れば、個人でもできる、参考となる内容が増えていくでしょう。今から待ち遠しくて仕方ありません。そう心躍らせてくれた、「幸せ!ボンビーガール」2時間スペシャル特番でした。

 

伊東博史(宅地建物取引士)
大手不動産仲介会社で売買仲介に約10年間の勤務。のべ30年間以上にわたり、大手と中小、賃貸と売買と、多角的に不動産業務に携わる。現職では売買と賃貸仲介と管理、不動産投資や相続のアドバイスを行う。

 

 

この記事に関連する「「幸せ!ボンビーガール」が教える、古家リフォーム現場のスゴい実態」もぜひご覧ください。

 

嬉しい口コミも
多数いただいております

  • 40代男性(マンション売却)
    こちらでマンションの売却をいたしました。
    比較した大手の不動産屋よりも専門知識が豊富に感じ、なおかつ仲介手数料も安かったのでこちらにお願いしました。
    結果、売り出し価格で1回の内覧で決まり、満足しています。
    無駄な勧誘が一切なかったのもおすすめできます。
  • 50代女性(マンション購入)
    マンション購入にてお世話になりました。
    担当の鈴木朋子さんには、本当に親切にしていただき感謝しかないです。 いつも私たちの目線になり、分かりやすいアドバイスをしてくださりました!子供への気遣いも嬉しかったです。 何より、鈴木さんの表裏のない感じが私も夫も大好きです。(笑)
    不動産購入で後悔したくない方、安心して物件探しや手続きを進めたい方にはぜひお勧めしたいです! お世話になり、本当にありがとうございました。
  • 40代男性(中古マンション購入)
    中古マンション購入にあたり、いくつかの不動産仲介会社にあたってたところ不動産流通システムさんに辿り着きました。他の仲介会社さんは営業の電話が激しく、仕事の障害になる程でうんざりしておりましたが、不動産流通システムにて担当頂いた成田さんは、押し売りする様なことは一切無く安心して物件を探せました。

    女性ならではの細かい気配りと単刀直入に物件の懸念点をプロの目からアドバイス頂き、納得のいく物件選びができました。会社名が大手の不動産仲介会社ほど知れ渡ってはおりませんが、ネットでの口コミで良いサービスが良いものとして伝わり、より多くの消費者が良いサービスが受けれる様になればと思い書き込ませて頂きました。
    大手の名前だけに騙されて無駄な手数料払うのは、勿体ないですよ。
    不動産流通システムさんで物件を売り買いするのに、大手に引けを取らないサービスをより安価に受けれますので
  • 40代女性(住み替え:購入・売却)
    不動産の売却・購入の両方お世話になりました。
    以前中古マンションを購入する際は、不動産ポータルサイトに掲載している不動産会社に問い合わせをしないと内覧ができなかったことが何度かあり、大手不動産会社に任せると、売却の際幅広く宣伝活動がされないのではないかという不安がありました。
    そこで、「囲い込みはせず、他社にドンドン広告掲載してもらい幅広い媒体で宣伝してもらう」「LINEからの問い合わせも可能」「仲介手数料が安い」の3点に惹かれ、お任せしました。
    担当の鈴木さんの明るく、お茶目な人柄も好きだったので、購入売却にかかる庶務も憂うつにならずに対応できました。 いつも家族のことや、部屋についてもポジティブなことを言ってくれるので安心してお任せしました。
    最寄駅にはないので、いつでも会って相談するというのむずかしいかもしれませんが、心配なことはメールや電話ですぐに対応してくれるので、私達には十分満足できました。
    結果としては売却も1ヶ月で売出価格で決まり、購入時のローンも紹介していただき、購入・住み替えもスムーズに決まりました。また住み替えの際にはぜひお願いしたいです。
  • 50代男性(マンション売却)
    マンション売却で、担当していただいた津司さんには本当にお世話になりました。
    次に住む所の相談と住んでいるマンションの売却を同時進行で行いましたが、分かりやすい説明と進め方の提示が手際良く、安心してお任せする事が出来ました。
    ネットで何でも調べられる時代ですが相手が何を考え、何を優先するかは会話の中でこそ分かると思います。プロフェッショナルを感じました
  • 30代女性(マンション購入)
    とにかくレスが早い。
    専門知識も豊富で、説明が分かりやすいです。
    担当してくれた方は非常に業界に通じており、ホスピタリティーに溢れていてかなり信用できます。 他社と比べて手数料もとても安いのでオススメの会社です。
  • 60代男性(戸建て購入)
    酒井智様にご担当して頂きました!細かい相談も小さな不安も毎回本当に迅速に対応して頂き、無事マイホームを購入できました!
    酒井さんは大変親切な方でREDSを選んで本当に良かったです。
    仲介手数料も無料で!今物件等お探しで検討してる方は絶対REDの酒井さんに相談してみてください!
※Google口コミより他の口コミを見る

一生に一度あるかの家の購入・売却…

相談したいけど、まだ買うか売るか決まっていない...

いきなり不動産屋さんへ相談に行くのはハードルが高い...

そんな方へ!LINEから気軽に相談でき、宅建士のプロが対応します。

宅建士が対応! LINEでご相談

LINEで気軽に相談したい方へ!