不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE

  • 最終更新日:2018年3月3日
  • 公開日:2018年1月25日

「幸せ!ボンビーガール」にみる古家リフォーム現場のスゴい実態

タレント・森泉さんの空き家リフォームで話題のバラエティ番組「幸せ!ボンビーガール」。1月23日の放送では、ついにお風呂場が完成するそうです。ところがその前に、またしても大問題発生だとか……。一体それは何なのか、そしてどうやって問題を解決したのか?早速、放映内容を追っていきましょう。

 

ボンビーガール

(写真はイメージです。)

 

リノベーション物件はアスベストへの対応の確認を

 

大問題というのは「アスベスト」でした。体内に吸い込むと肺がんなどの恐れがあるアスベストは、人体に害のある建材だとして2006年に使用が禁じられました。そんな有害物質がなんと、森さんの家の床下にも使用されていたのです。

 

……と、番組ではさも大ごとのように取り上げられていましたが、禁止となる以前は普通に使われていた建材なので、築52年の建物ならば「あるのが当然」です。ですからその存在にキチンと触れ、対処の仕方を紹介しようとする番組の姿勢には好感が持てました。

 

古い家屋、特にマンションは、フルリノベーション後であっても屋根裏などにアスベストが残っている物件が多く存在します。「天井なら密閉されているから大丈夫」と思うかもしれませんが、雨漏りや上階からの水漏れの確認・修繕など、マンション暮らしでは天井を開ける機会が意外と少なくないのです。

 

リノベーション物件は完成後の状態で売られるケースがほとんどなので、購入を検討する際には、アスベスト対策をどのように行ったのか、販売会社にしっかりと確認してから購入すべきです。

 

また、番組でも紹介されていましたが、アスベストは法にのっとって処理方法を国に届け出て、廃材は産業廃棄物として適切に処分しなければならないと義務付けられています。したがってリノベーション物件購入にあたっては、契約前にそういった届出書類などを確認させてもらいましょう。

 

本当なら実際にアスベストがなくなっているのかもチェックしたいところですが、天井や床下を開けて確認するわけにもいかないので、工事中の写真を見せてもらうのが良いでしょう。工程写真を残している業者は、工事の安全性に対する意識や顧客への説明意識も高く、他の施工にも安心感を持てると思います。

 

運悪くアスベストの残存物件を購入してしまったら

 

番組では「築40年以上の建物にはアスベストが使用されている」と紹介されましたが、もっと新しい建物でも、アスベストが残存している例は少なくありません。アスベスト残存の可能性のある物件を購入してしまった場合、どう対処すれば良いのでしょうか?

 

2006年の使用禁止以降の建物なら心配ありませんが、それ以前に建てられた物件は、一戸建でもマンションでも、専門家にチェックしてもらうことをお勧めします。特に公団や公社が分譲した団地形式のマンションは、アスベストがむき出しのまま吹き付けられているケースも多いので、早急なチェックが必要です。

 

もしアスベストの使用が確認されたら、すぐに除去工事を依頼してください。徹底的に取り払えば問題はありません。しかしご自分で除去するのはNGです。届出ミスや廃棄方法次第では違法行為となる可能性があるばかりでなく、作業中に飛散するアスベストのために健康を害する恐れもあるからです。

 

今回番組で放映されたアスベスト除去工事では、飛散防止のために養生シートを張り、施工者は専用の防護服を着用、さらに飛散防止用の薬液を吹き付けながらの作業と、高度な技能と知識を要する工事であることがうかがえました。

 

こうした専門性の高い工事は、プロに任せたほうが安心です。DIYでのリフォームは「専門家に任せるところは任せ、自力で可能なところだけ自分で施工するのがベスト」と、筆者はこれまでの番組解説で何度も触れてきました。そしてアスベストの除去は間違いなく、プロに依頼すべき工事なのです。

 

耐震性を高める工事も着々

 

アスベスト除去工事に続いて紹介されたのは、キッチン周りの壁の工事でした。

 

国の耐震基準は1995年の阪神・淡路大震災を契機に改められ、リフォームであっても大規模な改修となれば、地震などの災害に耐えうる施工が求められています。森さんの家では、このキッチン周辺の壁の工事で耐震基準に触れたため、耐震性能向上までの過程が紹介されました。

 

建物を支えるのは柱と壁です。それが貧弱だと耐震性は向上しません。そこで森さんと助っ人の業者さんは柱を追加して、さらに耐震性の妨げとなっていた窓を分厚い耐震壁材でふさいで補強していきます。

 

耐震壁を打ち付ける釘も耐震仕様でした。森さんがネイルガン(釘を打ち込む専用の電動工具)で打ち付けたのも、太くて長い、とても頑丈そうな釘でした。

 

屈強な釘を自力で打つのはかなりの腕力が必要です。特に耐震壁を据え付けるには釘の間隔も10cmと定められており、相当な量を打つ必要があります。そんな時、今回使用したネイルガンがあれば十人力ですね。打つのに少しコツのいる器具ですが、DIYでリフォームする際にはぜひとも持っておきたい工具です。

 

厚さ8mm、宇宙服クラス?の断熱材

 

柱の追加などで耐震性能を向上させた後は、断熱材を壁一面に敷きつめ、居室を高断熱化する作業でした。使用されたのは、宇宙服の素材にもなるという薄いシート。厚さわずか8mmと頼りなさそうなのですが、建物を覆えば外の冷気や暖気を99%跳ね返すことができるという非常に優れものだそうです。加工も容易で、場所を問わず使用できるのもうれしい特徴です。

 

建物の高断熱化とはイコール「夏涼しく・冬暖かくする」ということ。隙間風の多い日本家屋のリフォームには不可欠です。特に、森さんのキッチンは耐震補強で窓をふさいでしまったので、日照と風通しが失われています。そうなれば、エアコンなどの冷暖房効果を向上させたいところですが、断熱性を高めることで、その目的を達成できるというわけです。

 

そして、高断熱化というのは気密性を伴ってこそなのですが、さすがに建築士の先生が設計に関わっているリフォームです。シートの隙間にはきちんとアルミテープを貼り、抜かりはありません。

 

断熱材の次は、石膏(せっこう)でできた耐火ボードの貼り付け。キッチンは火を使う場所なので、不燃材によって安全性を確保しようというものです。このあたりも非常に実用的で、単に外面を飾るだけのリフォームではないと感心させられました。

 

こだわりの建材で自分好みの内装リフォームを

 

続いて、ドリルで壁に大きな穴をあけて換気扇を取り付けたところで、キッチンはいよいよ仕上げの段階に入ります。

 

森さんはシンク周辺の壁に、器用にタイルを貼っていきました。かわいらしい柄が絵付けされたタイルで、ポルトガルで作られた特産品をインターネット経由で発注したとのこと。このように世界各国の建材・部材を自由に入手してリフォームに独自性を出せるようになったのは、非常にうれしい時代の変化ですね。

 

タイルや壁紙などの内装は、作り手の趣味やこだわりが出る部分です。リフォームを業者に依頼する場合でも、建材や部材の指定・提供は可能なので、見積もりの段階で詳しく打ち合わせをしておけば、ネットで仕入れた好みの部材でリフォームを仕上げることができるでしょう。

 

また今回の放映では、「町の工務店では、モデルルームなどで使っていた建材・部材を保管しているケースも多く、安く譲ってくれる場合もある」と紹介していました。森さんの浴室工事に使ったレインシャワーや洗面台、そして鏡も、協力業者さんの倉庫に保管されていた製品だそうです。お近くの工務店にも「お宝」が眠っているかもしれませんよ!

 

そしてお風呂場が完成!その費用は……

 

キッチンに続いて、作業の局面はお風呂場に移りました。前回の放送までで床や壁、天井などは出来上がっていましたので、あとは信楽焼のバスタブやシャワー、鏡などの設備類を据え付けて、洗面から洗濯機置き場までを全て作り替えた浴室工事一式が完成しました。

 

これだけのリフォームを業者に依頼したら、通常なら250万円は請求されるような工事内容だそうです。そんな大工事を、70万円もする信楽焼のバスタブを含めて約100万円で仕上げたのですから、やはりDIYでのリフォームは、コスト的には圧倒的に有利だといえますね。

 

とはいえ、工事には床や天井の解体・新設など、個人が行うには無理のある難工事もかなり含まれていました。それに浴室の工事だけで3カ月かかっており、現実的に住むための家の工事としては、あまりにも時間がかかりすぎです。やはり自力での住宅リフォームは、趣味として行うものと考えるのが正解ではないでしょうか。

 

今回の「ボンビーガール」では、材料を安く仕入れる経路など、工事費を割安にするためのヒントを数多く紹介してくれました。また、アスベスト処理の場面でも触れたように、工事には自分でできるものと専門家に任せるところがあり、それを分けて考えるべきだという点を示唆してくれたのも良かったと思います。

 

住宅リフォームには多大な費用がかかります。そのせいで中古住宅には手を出しづらいと考える人も少なくありません。しかし工夫次第でより安くリフォームできることを教えてくれるこの番組は、視聴者に物件選びの多様性をもたらしてくれる、と言っても過言ではなさそうです。浴室以外のリフォームがどう仕上がるのか。続編がますます楽しみになってきました。

 

伊東博史(宅地建物取引士)
大手不動産仲介会社で売買仲介に約10年間の勤務。のべ30年間以上にわたり、大手と中小、賃貸と売買と、多角的に不動産業務に携わる。現職では売買と賃貸仲介と管理、不動産投資や相続のアドバイスを行う。

 

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