マンションをより高く売却するためには、その資産価値が重要です。そしてマンションの資産価値は、日常の管理と適切な計画修繕によって維持していくことができます。また、築年数が経過すればするほど、管理状態や計画修繕にマンションごとの差が出てきます。

 
今回は、築年数ごとに管理状態や修繕積立金などがマンションの売却価格に与える影響について考えてみたいと思います。
 
マンション売却
(写真はイメージです。本文の内容とは関係がありません。)
 

築5年頃:築浅マンションは売りにくい?

 
ヨーロッパでは古い家に価値を見出しますが、日本においては「他人が使ったものは使いたくない」という心理から、服でも車でも、家でも新品の方が人気です。それでは新品に近い築浅マンションは売却しやすいのかというと、一概にそうは言い切れません。築5年頃までは、下記のような要因が存在するからです。
 

売りにくい要因①市況の影響を受けやすい

 
築浅マンションは新築に条件が近い分、新築と比較され、その時々の市況に影響を受けやすいという側面があります。
 
例えば5,000万円で3年前に購入したマンションの売却を検討する場合、3年の間に不動産市況が落ち着いてしまい、周辺で同じような新築マンションが4,500万円で販売していたとしたら、少なくともそれ以下にしなければ売却できる見込みは薄くなります。
 

売りにくい要因②:住宅ローン残高が多い

 
多くの方は、お住まいの購入に住宅ローンを利用する際、元利均等返済を選択しています。これは、利息までを含めて借入期間の返済額を一定にする返済方法で、この方法を選択すると、借入当初は利息の割合が高く、元金の割合が低めになります。毎月住宅ローンを支払っていても、元金があまり減っていかないということです。
 
こうした仕組みから、築年数が浅い時期での売却は住宅ローン残高が多く残っている場合があり、それが売却の障壁になる可能性があります。
 

築10年頃:管理状態や修繕積立金に注意!

 
築10年にもなると、新築とは比較されにくくなります。この頃には、出産や転勤などのライフイベントも増え、売却を検討する要因が増えてくるためか、中古マンションとして売買件数が一番多い築年数でもあります。売り時としては最適ではあるのですが、マンションの管理状態の良し悪しが目に見えて現れ始めるため、売却にも影響してくることに注意しましょう。
 

管理に関わる差①:マンションの見栄えに差が出る

 
購入を検討している方がマンションを見に来た時に、最初に目に入るのは外観です。その見栄えに大きく差が出るのが「植栽」と「清掃」です。
 
植栽に関しては、新築時の樹木が落ち着いて来る頃です。枯れていたり、伸びすぎていたりするとマンションのマイナスイメージにつながります。また、エントランスの清掃やごみ置き場の整理整頓などが不十分で、汚れが残っていれば「管理が行き届いていない」という感想を持たれてしまいます。
 

管理に関わる差②:修繕積立金残高の差が出る

 
マンションは10~15年間に1回程度のスパンで、大規模修繕工事を実施します。街中を歩いていると、マンションの外壁に足場を組んで大掛かりな工事をしているのを見ることがあると思います。あれが大規模修繕工事です。大きな工事ですので、相応の費用がかかります。これに備えて十分に積立がなされているかが重要なポイントです。
 
外壁タイルや屋上防水の修繕工事は避けては通れず、その費用に対して積立が不足している場合、マンションとして金融機関から借り入れたり、各戸から一時金を集めたりします。一時金となれば、買主側の費用負担が増えるのはもちろん、マンションの将来性に不安を持たれてしまうという間接的な影響もあります。
 
ほとんどのマンションには「長期修繕計画」というものが備わっていますので、これと照らし合わせて、修繕積立金残高が足りているか確認しておきましょう。
 

築20年頃:修繕計画・修繕積立金の重要性が増していく

 
築20年にもなると、キッチンやお風呂などの住設機器の劣化が顕著に表れます。購入を検討する側はリフォームを前提とするため、その分の値引き交渉があることなどは頭に入れておいた方が良いでしょう。
 
この頃になると、管理しだいで共用部の劣化具合に差が出てきますから、売買への影響も大きくなります。室内と同様に、マンションの共用設備も更新を検討する必要があります。
 
インターホン、エレベーター、機械式駐車場、自動ドア、給水ポンプなど、マンションの機械設備には耐用年数があります。機械式駐車場はおおよそ25~30年、エレベーターは約30年が設備更新の時期であり、多額の支出が伴います。これらの設備の更新を含めた長期修繕計画が策定されているか、よく確認しましょう。
 

築30年頃:修繕積立金の有無が売買に直結

 
買主はキッチンやお風呂など住設機器のほとんどを取り替えるでしょう。そこで、今までのリフォーム履歴などがまとまっていると、「しっかり管理されているお部屋」という印象を抱かせ、リフォーム費用などの値引き交渉で役立つでしょう。
 
共用部分では、給排水管の更新や更生を検討していく時期です。大規模修繕工事と同様に大きな支出を伴うため、修繕費が計画的に積み上がっていなければ、各住戸から一時金を集めたり、金融機関からマンションとして借入を行ったりしなければなりません。
 
「修繕積立金の残高が不足気味」というだけならともかく、「一時金を集める予定が決まっている」となりますと、購入を検討している方にその窮状が直接見えてしまいます。もちろん、売買契約時における重要事項説明にも記載されるため、売買価格への影響は避けられません。
 

「旧耐震」と「新耐震」のマンション

 
昭和56年6月1日に建築基準法が改正され、耐震基準が大きく変わりました。改正前を旧耐震基準、改正後を新耐震基準といい、税の軽減措置の適用が受けられるか否かが変わってきます。「旧耐震」のマンションは、軽減措置を受けられる「新耐震」のマンションよりも税金を多く支払う必要があるため、売買金額にも大きく影響します。
 
また、旧耐震基準の建物は大きな地震で倒壊する可能性もあることから、行政側でも補助金を出して耐震補強などの実施を促しています。もちろん補助金のみでは賄いきれず、マンションとしての支出を伴うため、修繕積立金の残高が不足しないか注意が必要です。
 

修繕積立金の「ガイドライン」がある

 
平成28年末時点でのマンションストックは、日本全国で約633万戸。ストック数の増加に伴い、中古マンションの売買も活発になっています。また、資産価値の維持という観点から、清掃などの日常管理の他、築年数相応の修繕積立金が積み立てられているかという点についても、重視されてきました。
 
国土交通省では、マンションの修繕積立金に関するガイドラインを公表しており、総戸数や機械式駐車場の有無に基づいた修繕積立金の目安を示しています。
 
マンションの修繕積立金に関するガイドライン
 
このような情報に買主も敏感になってきましたし、情報はネットで簡単に得られるようになっています。売主も、修繕積立金に不足があっては売買価格にも影響してくることを想定しておきましょう。
 
■資金計画の詳細は「マンション売却と住み替え時の資金計画ーFPによるシミュレーション」をご参照ください。
 
斉藤勇佑(宅地建物取引士)
大学卒業後、5年間不動産売買業務に従事。その後、不動産管理会社に転職し、分譲マンションの維持・管理を中心とした業務に5年間かかわり、現在は不動産のストック分野の業務に従事。
 

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